診療放射線技師の資格・試験とは?診療放射線技師 資格試験の概要と合格の秘訣

診療放射線技師の資格・試験とは?診療放射線技師 資格試験の概要と合格の秘訣

診療放射線技師は国家資格であり、放射線を扱うことから、高度な技術と専門性が問われる仕事です。医療技術職ということもあり、資格を取るのも難しそうですが、実際のところはどうなのでしょうか。今回は、診療放射線技師の資格の詳細や、国家試験の難易度などの情報をご紹介します。

診療放射線技師の資格とは?

診療放射線技師の資格の概要

診療放射線技師の資格は、診療放射線技師法に基づく国家資格であり、「厚生労働大臣の免許を受けて、医師又は歯科医師の指示の下に、放射線を人体に対して照射(撮影を含み、照射機器又は放射性同位元素(その化合物及び放射性同位元素又はその化合物の含有物を含む。)を人体内に挿入して行なうものを除く。以下同じ。)することを業とする者」(診療放射線技師法第2条-2)を指します。

診療放射線技師法によって、人体に害を及ぼす恐れのある放射線を照射できるのは、診療放射線技師か、医師・歯科医師のみと規定されており、医療行為として人体に放射線を照射するためには、放射線の物理特性、医療機器の特性への深い理解と、人体に照射する適切な放射線量や、放射線を照射することによる人体への影響を熟知する必要があり、深い専門的な知識を必要とします。

そのため、診療放射線技師や医師、歯科医師の資格は業務独占資格となっていて、資格を持たない者が人体へ放射線を照射するのは違法行為であり、処罰の対象になります。

医療に際する放射線の利用は、かつては医師によって行われていました。しかし放射線医療技術が高度になるに従って、医師による放射線利用は殆ど行われなくなり、高度な技術や専門知識を身につけた専門職として診療放射線技師が生まれました。

診療放射線技師だけでなく、医療職にはもともと医師が行っていた分野から分化したものが多く、医療の世界では専門性に応じた職の細分化、分業化が進んでおり、診療放射線技師もその1つとして、チーム医療において主要かつ重要な立ち位置になっています。

診療放射線技師の専門は放射線に関わる様々な検査や治療

診療放射線技師と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、X線撮影(レントゲン)やCTスキャンといった、身体の状態を検査する際に行われる放射線を用いた撮影と考えられますが、診療放射線技師が関わる分野は、それ以外にも様々にあります。

例えば放射線を使用する分野では、血管撮影、透視下における消化器、整形、泌尿生殖器領域の撮影や処置、骨密度の検査、放射線薬品を用いた人体生理機能の画像検査、悪性腫瘍などの放射線照射による治療(ガン治療)などです。

さらに、放射線を使わない検査にもその裾野は広がっていて、MRI(磁気や電波を用いいた人体断面の撮影)や、超音波検査、眼底撮影、放射線使用、不使用にかかわらず各種検査において得られた画像の解析なども担当します。

なお、放射線を用いた治療計画の立案や、放射線を用いる施設の安全管理、放射線治療や検査で用いる機器の品質管理なども診療放射線技師の担当となっています。

診療放射線技師の資格の難易度・合格率

「診療放射線技師」国家試験の概要

診療放射線技師の資格を得るためには、国家試験を受けて合格する必要がありますが、それ以前に、まずは国家試験の受験資格を得る必要があります。診療放射線技師の国家試験は誰でも受験できるようなものではなく、受験資格を得るための所定のステップを経る必要があります。

診療放射線技師国家試験の受験資格を得るためのステップとしては、文部科学大臣が指定した大学又は厚生労働大臣が指定した診療放射線技師養成所(養成校)において、3年以上の診療放射線技師として必要な知識及び技能の修習を終える必要があります。

又、外国の診療放射線技術学校、養成所を卒業し、又は外国で診療放射線技師の資格をとり、日本における所定の大学・養成所で必要な知識及び技能と同等の修習状況であると認定された者、昭和58年改正法の施行の際に診療エックス線技師の試験を受けることができた者で旧法20条に規定する文部大臣が指定した学校や厚生大臣が指定した養成所において1年以上診療放射線技師として必要な知識及び技能の修習を終えた者に関しても受験資格が付与されます。

試験は年1回、毎年2月下旬頃に行われます。筆記試験であり、全14科目から合計200問が出題されます。1問1点で、合格基準は全体の6割である120点に満たない場合、あるいは0点の科目が2科目以上ある場合は不合格となります。

診療放射線技師の国家試験は時間が長いことが特徴で、午前と午後の2回の試験があり、どちらも100問ずつで、試験時間が2時間35分もあります。問題は多肢選択式で、マークシート形式の試験となります。

合格率は75〜85%と高く、きちんと勉強していれば受かる難易度

診療放射線技師の合格率は75〜85%の範囲を推移していて、年によって多少のばらつきはあるものの、かなりの高確率となっています。ですので、指定の養成校できちんと勉強していれば、問題なく合格できるレベルです。合格定員などはなく、6割以上取れれば合格となることも合格率の高さを後押ししていると考えられます。

ただし、合格者は新卒者が占める割合が非常に多く、平成29年度の試験を例にとると、新卒者が84.8%、既卒者が10.7%とその差は非常に大きくなっています。極端な合格率の差は、「きちんと勉強していれば合格できるが、定常的にしっかりと勉強していないと合格基準に達しない程度の難度はある」ことの証左であると言えるでしょう。

他の医療関係の資格においても同様の傾向が見られますが、それにしても診療放射線技師の国家試験の新卒者と既卒者の合格率の差は非常に極端なものです。既卒で受験する際には、しっかりと自己管理し、日常的に勉強している新卒者以上の努力が必要となるでしょう。

受験者数は緩やかではあるが着実に増えている

診療放射線技師国家試験の受験者数のここ10年の統計を見ると、多少の増減はありつつも、概ね2,500〜3,000人の範囲を推移し、年々少しずつ増えています。平成20年第前半では2,500人前後だった受験者数が、後半では2,800〜3,000人が当たり前になっています。

しかし先述の通り、合格率と受験者数の関係は特になく、純粋に得点割合によって合格者数が決まっている傾向にあります。ですので、合格率の増減は、純粋に試験難度の高低に左右されています。また確実なことは言えませんが、合格率が極端に落ちた翌年には、試験の難度は優しくなる傾向があるようです。

ですから、最も合格率が上がるのは、新卒者試験に当たる年が、合格率が極端に下がった年の翌年に当たった場合でしょう。これは狙って合わせることのできないものであり、運に左右されるところでもあるでしょう。しかし既卒者となると極端に合格率が下がるので、できる限り新卒者の時点で受かっておきたいものです。

診療放射線技師国家試験概要

合格率 75〜85%前後
受験資格
  • 文部科学大臣が指定する医療技術系の課程を擁する大学を修了、あるいは修了見込みの者。
  • 厚生労働大臣が指定する養成校を修了、あるいは修了見込みの者。
  • 旧法における診療エックス線技師試験を受けることができた者で、旧法に定められた大学ないし養成校において1年以上診療放射線技師として必要な知識及び技能を修習した者
受験費用 11,400円(収入印紙)
出題範囲
  1. 基礎医学大要
  2. 放射線生物学(放射線衛生学を含む)
  3. 放射線物理学
  4. 放射化学
  5. 医用工学
  6. 診療画像機器学
  7. エックス線撮影技術学
  8. 診療画像検査学
  9. 画像工学
  10. 医用画像情報学
  11. 放射線計測学
  12. 核医学検査技術学
  13. 放射線治療技術学
  14. 放射線安全管理学

その他の診療放射線技師関連資格

乳がん検査に必要な検診マンモグラフィ撮影診療放射線技師の資格

現在、我が国の女性の癌罹患の第1位が乳がんとなっていて、マンモグラフィによる乳がん検査の需要は年々拡大しています。マンモグラフィに特化した認定資格として、「検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師」があります。

こちらはマンモグラフィ検診精度管理中央機構が認定する資格で、医師・診療放射線技師を対象とした所定の技術講習会と実習、筆記試験を受験し、試験評価AあるいはBの人に対して、検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師の資格を得ることができます。

こちらの資格は特に女性診療放射線技師が取得すべき資格として注目を集めていて、その背景にやはり統計的に乳がんが女性の癌罹患の第1位となっていることが挙げられます。乳がん検査ですので、やはり女性の診療放射線技師の方が患者も安心ですし、女性だからこそ専門性を深めるべき分野でもあります。

その他の診療放射線技師関連資格

その他の診療放射線技師関連資格としては、MRIの分野で日本磁気共鳴専門技術者認定機構が認定する「磁気共鳴専門技術者」、超音波検査の分野では「超音波検査士」、核医学の分野では「核医学専門技師」、放射線治療の分野では「放射線治療専門放射線技師」「医学物理士」「放射線治療品質管理士」、放射線機器管理を行う「放射線機器管理士」、放射線の安全管理を行う「放射線管理士」などがあります。

これらの資格の一部には診療放射線技師免許を持っていなくても取れる資格もあります。放射線を扱わないMRIや超音波検査の分野や、放射線治療でもかなり制限された分野である「医学物理士」「放射線治療品質管理士」が該当します。

こうした認定資格を得ても医療的な業務範囲を広げることはできないため、放射線を包括的に扱う治療に携わるには、診療放射線技師免許が必須となっています。

診療放射線技師の資格を取るための学校

文部科学省や厚生労働省が認定する養成校への進学が確実

先に見てきた通り、特殊な例外を除けば、診療放射線技師の資格をとるには、文部科学大臣が指定する4年制大学の修了、ないしは厚生労働大臣が指定する養成校で、3年以上所定の単位を修得するのが必須条件となります。

国公立大学は15校、私立大学は11校、私立短期大学は1校、国立の専門学校が1校、その他私立の専門学校が12校、計40校ほどが、全国各地に分布しています。

コストパフォーマンスや教養の度合いを考えれば、最も安く済むのは国公立大学で、かつ、学位号を得ることが出来ますので、学歴によって待遇が変わってくる診療放射線技師の場合だと、高学歴であればあるほど初任給は上がります。

短期大学や専門学校卒業よりも、大学学部卒、大学院卒の方が給与は多いので、国公立大学、私立大学の場合は、大学院進学も視野に入れるといいでしょう。

診療放射線技師の資格・試験まとめ

高学歴であればあるほど待遇は良くなる

診療放射線技師は国家資格ですので、資格がないと仕事に就く事が出来ません。また資格を得るには、所定の養成講座を擁する大学、短期大学、専門学校への進学がほぼ必須となっています。

診療放射線技師の資格の特徴として、学歴が上がれば上がるほど待遇が良くなることが挙げられます。資格をとるなら、所定の養成校のなかでも大学や大学院などより高度な学校に進学して、効率よく資格をとることが最も確実です。新卒者の合格率は非常に高いので、養成校に進みしっかりと勉強すれば、着実に資格を取る事ができるでしょう。

診療放射線技師の参考情報

平均年収350万円〜600万円
必要資格
  • 診療放射線技師
資格区分 国家資格
職種医療

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