漫画家の給与や年収は?実力次第で年収は青天井、新人漫画家時代はアシスタント料が収入となる

漫画家の給与や年収は?実力次第で年収は青天井、新人漫画家時代はアシスタント料が収入となる

漫画といえば、世界に誇れる日本の文化であり、漫画を日々描く漫画家は、日本を代表する仕事です。世界規模で著名な漫画家は数億もの年収を得ると言いますが、しかし、一般的なイメージにもあるように、実際はかなり過酷な仕事と言われます。今回は、漫画家の平均年収や、年収アップの方法などを紹介していきます。

新人漫画家の「初任給」

新人漫画家の収入は、主にアシスタント料

漫画家の収入の主たるものは、雑誌に連載を持った際に支払われる原稿料です。しかし、新人漫画家の「給料」といっても、余程の天才でないかぎり、新人のうちは即連載を持てるということはほとんどないと言っていいです。原稿料以外の新人漫画家の収入、といって一般的によく連想されるのは、有名な漫画家のアシスタントになることによって得られるアシスタント料でしょう。

出版社へ漫画の持ち込みにきた新人の中で資質のある人は、連載を打診されるよりも先に、まず有名漫画家のアシスタント業を紹介されることが多いようです。これには、漫画業界の慣習を身につけたり、いずれ自分がアシスタントを抱える立場になった時に向けて、アシスタントをどう使うかを覚えたりする意味もあるようです。

有名で多忙な漫画家は、アシスタントを何人も雇っている場合が多く、中堅や小規模な漫画家でもアシスタントが1人2人付いています。一般的な漫画界では、アシスタントを雇って修行させたり、原稿を手伝ってもらったりする文化がそれだけ浸透しているということです。

アシスタントになれば、安定した収入とコネを得られる

有名漫画家、中堅漫画家のアシスタントになれば、月々決まった給料が入ってきます。その給料は時間や技能によっても様々ですが、時給制または月給制が主で、日給換算で8000~1万円が一般的と言われています。

なので、新人漫画家のアシスタント料は、月収おおむね16~20万円となります。しかしこれはあくまでも有名漫画家・中堅漫画家のアシスタントになった場合の数字です。それ以外の漫画家のアシスタントになった場合、アシスタントだけでは生活できず他にもアルバイトを掛け持ちしている人も少なくありません。

アシスタントの給料は決して高いとは言えませんが、有名漫画家や中堅漫画家のアシスタントになれば、技能の向上はもちろんのこと、出版社や編集者とのコネクションも築けることもあって、今なおアシスタントに就く新人漫画家は多いようです。

基本的に漫画家になるための下積みとしてアシスタント業務を行う人がほとんどで、自分の作品を温めながら、日々漫画家のアシスタントに従事しています。プロアシスタントとして活動する人や、正社員でアシスタント専門の人もいますが、数は多くありません。

漫画家の平均給与の統計

漫画家全体の平均給与は20~30万円前後

漫画家という仕事は人気、実力によって極端に開きのある仕事です。極論を言ってしまえば、人気がなければ年収0というのも普通にありうる、非常に厳しい世界です。億単位の収入を得る人もいますが、全体の平均をとれば収入は決して多くなく、例えば20代では月額平均20~23万円程度となります。

この数字だけであれば新卒の会社員とあまり大差ありませんが、漫画家の業態は一般的にフリーランスなので、一般的な会社員や公務員のように年齢によって昇給もなければ、ボーナスもありません。人気漫画家であっても、漫画を描き続けなければ途端に無収入となってしまいます。しかし一度売れてしまえば、仕事をしていなくても印税収入が継続して入ってくる可能性もあります。

新人漫画家の原稿料と印税

週刊誌や月刊誌で連載ができれば、連載が続くかぎり、原稿料という毎月安定した収入が入ってきます。原稿料は一般的にページ毎に幾らという換算で計算され、実力、知名度などによっても変動します。実績を上げれば原稿料も上がって行きます。

新人漫画家の原稿料は多くの雑誌で8,000円ほどと言われますが、一般的に少女漫画雑誌の原稿料は安く、デビュー作で1ページ3,000円、アンケートなどで一定の人気が出て第2作から6,000円というシステムの少女漫画雑誌もあると言います。その代わり、描き込みは少なくても良く、単行本になりやすいという利点もあるようです。

また、新人漫画家の場合、連載を持てれば御の字ですが、連載の穴埋めのための漫画を頼まれる場合もあり、その場合も原稿料はしっかり支払われます。小さな雑誌の場合、原稿料が0円という場合もあり、その場合は雑誌そのものの知名度向上に、雑誌とともに立ち向かっていく醍醐味はありますが、経済事情はかなり厳しくなるでしょう。

また、ある程度大手の雑誌で連載を持ち一定の人気を得れば、作品の単行本化によって、印税収入が望めます。連載を持ったらランニングコストもかかるので、原稿料だけでは生活するのがやっと。印税収入が発生するか否かが収入を大きく分けることとなります。

印税は単行本の発行部数に応じて漫画家の懐に入り、比率は一般的に6~10%です。実績を積めばもっと大きくなる可能性もあります。人気作を出すことができれば、単行本のみならず、文庫版、愛蔵版、特別版など様々なバージョンの出版ができ、その都度印税収入が得られます。

漫画家の平均年収の統計

漫画家全体の平均年収は、200~300万円

一般的に漫画家の収入というのは、出版社から出ている雑誌に連載や読み切りなどの作品を掲載することによって発生する原稿料が主と言っていいでしょう。また、連載や読み切り作品が一定の人気を集めて単行本になれば、出版された単行本の部数に応じた印税も入ってきます。

漫画家の年収は、収入ゼロ(あるいは赤字)から億単位の高収入まで、非常に幅が広いことで知られていますが、全体を平均すると、概ね200~300万円程度と言われます。トップの人の平均は印税だけでも何千万単位となりますが、残りの大多数は200万円前後と言われ、人気と実力がものをいう厳しい世界であることが、年収を見てもわかります。

これは年齢別に見ても特に大差はなく、推定年収の平均をネットなどから集めてみると、20代以下と60代以上の平均が際立って低いほかは、概ね230万~300万円をほぼ横ばいで推移するといったところのようです。体力やキャリアの問題から、若年層と高齢者は収入が落ちる傾向にあるようです。

定年がなく、年齢を問わない職業であることから間口は広いですが、大多数の平均は日本の平均賃金よりも大幅に低く、やはり経済事情は厳しいということができるでしょう。

トップ100人と、残りの大多数の二極化が激しい

海難救助を行う海上保安官の活躍を描いた『海猿』、医療現場での葛藤や苦悩を描いた『ブラックジャックによろしく』で有名な漫画家の佐藤秀峰さんが、とある漫画研究家の人に聞いた印税収入の話をツイッターで明かしています。

それを紐解くと、2009年に単行本を発行した漫画家は5300人いて、その内、トップ漫画家100人の印税収入の平均は7,000万とかなり高いですが、そのほかの5,200人の平均年収は、驚くべきことに約280万となっています。

これだけでも、漫画の世界の極端な二極化の現実を突きつけられますが、現実的に漫画家が一般の会社員、平均的なサラリーマンと同等の収入を得ようと思ったら、年間1冊以上単行本を出し、かつ累計の発行部数が12万部を超えないと厳しいという話も、佐藤秀峰さんが明かしています。

出版不況の中、原稿料は下がりこそすれ増えることはない

近年、出版不況が著しく、今後出版業界はますます厳しくなるだろうと言われています。有名な漫画家でも、原稿料や印税の上げ幅は年々下がってきていると言われています。新人や無名の漫画家は言わずもがなです。

また、漫画家にはランニングコストも発生します。平均以下の収入の漫画家の場合、原稿料は経費で使い切ってしまうか、赤字になってしまうこともあるそうです。有名になれば話は別ですが、有名にならないと、そもそも描き続けることが難しいという現実があります。

有名になれば原稿料も印税も倍々ゲームで増え、サラリーマンの生涯賃金を遥かに凌ぐ額を収入として得ることができる夢のある職業ですが、大半の漫画家の生活はとても厳しいと言わざるを得ません。

出版不況はますます加速、Web漫画などの新たな収入源も

一部の有名漫画家と、大多数の無名漫画家の差が激しいとお伝えしましたが、近年その格差はますます広がっています。出版不況の中、無名の漫画家の作品は昔ほどには手に取ってもらうことがなくなり、売上も落ちるので発行部数も減るという負のスパイラルが発生しています。

しかし昨今、Web漫画という新たな収入モデルが確立されつつあり、格差が広がる一方で、逆に今まで雑誌に掲載してもらえなかった、要は漫画で収入を得ることができなかった個人の漫画家も、漫画で収入を得るチャンスが生まれる時代になりました。

例えば、会員制のサイトに漫画を掲載することによって収入を得る方法があります。オンライン漫画サイトも近年増え続けており、電子書籍も一般化しつつありますので、おなじみの方法といえるでしょう。また、無料サイトに漫画を掲載し、無料で漫画を読んでもらう代わりに、サイトに掲載した広告から収入を得るアフィリエイト的な収入モデルもあります。実際に、『ラブひな』『魔法先生ネギま!』で有名な赤松健先生も、有志の漫画家を募って、無料で漫画を掲載し広告収入で収益を確立するサイトを立ち上げました。

またツイッターやpixivなどのSNSで漫画を掲載し、それが有名になって単行本の出版に繋がったり、キャラクター単位で人気が出てLINEスタンプで大きな売り上げをあげたりするなど、漫画家や漫画家志望者にとって新たな収入源が次々に生まれてきています。

出版不況の中でも既存の雑誌に掲載されれば大きく知名度を上げることができますが、有名になる方法はますます多様化しています。今後出版社を主軸にした収入モデルは破綻し、個人で動き収入を得る個人漫画家が一般的になるであろうという予測もありますので、漫画家志望者はWebでの収入源の確立を考えてみてはいかがでしょうか。

漫画家の給料・年収まとめ

漫画で生き残るには、新たな時代を見据えた多様な活動が大切

漫画は広く世界に浸透しています。出版不況が叫ばれて久しいですが、インターネットの台頭によって、Web上で読める漫画も年々増え続けています。海外の読者のために翻訳も盛んになり、今や漫画の読者は世界中にいると言っていいでしょう。

その新たな時代の波に乗れるかどうかが、これからの漫画家にとって大きな分かれ道となりそうです。

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漫画家の参考情報

平均年収280万円~7000万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種マンガ・アニメ・ゲーム

統計情報 出典元:

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