刑務官の資格・試験とは?刑務官採用試験の概要と合格の秘訣

刑務官の資格・試験とは?刑務官採用試験の概要と合格の秘訣

刑務官になるために特殊な資格・試験は刑務官採用試験に合格する以外は特に求められていません。しかし武道の経験者や体育会系出身者は独自の採用枠があることや特殊な職務を遂行する上で必要な体力が備わっていると判断されることから採用試験の面接で有利に働くといえます。

刑務官の資格試験とは?

刑務官になるためには刑務官採用試験に合格しなければいけません。一般職の刑務官であれば、採用試験以外に特殊な資格は必要ではありません。

採用試験以外では一般の行政に携わっている公務員の採用と同じように年齢、身長体重、政治的な思想や過去の経歴などに一定の制限があるだけで、基本的には誰でも受験することが出来ます。

また、社会人経験者であれば40歳未満までは受験することが出来るなど、他の国家公務員採用試験と比べても門戸は広く開かれている状況といえます。学歴による受験区分の違いなどは一切ありません。

刑務官採用試験に合格すると初等科研修を受けなくてはならない

刑務官採用試験に合格しても、すぐに働き始めることが出来るわけではありません。採用試験に合格した後に刑務官初等科研修を受け、修了することが出来れば刑務官として働き始めることが出来ます。

刑務官の初等科研修は合計8か月間行われます。これは刑務官採用試験に合格した人が必ず通らなければならない道です。初等科研修は大きく分けて約2か月半の初等科集合研修と約5か月半の自庁研修の二つに分けられます。

この二つの研修を終えて、はじめて初等科研修を修了したことになり刑務官として働き始めることが可能になります。

将来的に昇進を目指すなら研修が必須

刑務官採用試験に合格して、無事刑務官に採用されて将来的に昇進を目指していくにはいくつかの条件が規定されています。

刑務官採用試験に合格すると、まず初等科研修を修了して刑務官に採用されます。その次に中等科研修というものが存在します。この研修は勤続年数が2年以上であれば受験することが出来ますが、初等科研修を修了した時点で優秀な成績を収めていると例外的に勤続1年でも受験することが可能です。

さらに、中等科研修の上に高等科研修も存在していますが、研修を受験してもすぐに昇進できるわけではありません。勤続年数や役職に就ける人数に限りがあることから合格しても昇進するまでに数年待たなければいけない状況も普通です。

刑務官採用試験の概要と難易度・合格率

刑務官採用試験の受験資格は試験を受験する年度の4月1日時点の年齢が17歳以上29歳未満であることです。採用試験の難易度は高校卒業程度の基準と定められていて、国家公務員採用試験のⅢ種と同程度の難易度に設定されています。

他の行政に関わる国家公務員と比べれば試験の難易度はやさしい方であるといわれています。

刑務官採用試験は一次試験と二次試験に分かれています。一次試験は基礎能力試験と作文試験の2つの筆記試験と武道の有段者枠で受験する者のみ柔道または剣道の実技に関する実技試験を受けます。基礎能力試験は主に公務員としてふさわしい教養を持ち合わせているかが問われる試験です。

過去の基礎能力試験は50題90分となっていましたが、平成24年度から時間は変わらず問題数が10題減って、40題90分に変更となりました。40題の内訳は知能分野20題、知識分野20題となっています。

作文試験は与えられた課題に対して作文をする試験です。これは文章を書くことによる表現力や課題に対する理解力、問題解決能力を検査するために行われています。試験時間は50分です。基礎能力試験と作文試験は受験者の全員が受験することになります。

実技試験は柔道か剣道の経験者が受験できる試験で筆記試験に加えて柔道か剣道の質疑試験を行います。

刑務官採用試験の二次試験

一次試験は主に教養や学力を検査するための試験でしたが、二次試験は刑務官としての職務を遂行するのに問題ない体力や人格が備わっているかどうかを検査する試験になっています。

二次試験は人物試験、身体検査、身体測定の3つの試験から成り立っています。人物試験は人柄や対人能力などを見るための個別面接による試験で、参考のために前もって性格検査を実施して個人の性格的特徴などを調べておきます。

身体検査は主に疾患などがないかを調べるための試験で、胸部のエックス線撮影、血圧測定、尿検査や一般の内科系検査などが行われます。

身体測定は刑務官としての職務を遂行するのに十分な体力を備えているかを確かめるための試験で、最低限の身体的な基準をクリアしなければなりません。最低限の身体的な基準は以下の通りです。

上体起こし 30秒のうちに何回上体を起こすことが出来るかを測定する。
男子21回以上、女子13回以上を基準の値とする。
立ち幅跳び 立位姿勢から両足で踏み切り、前方へどれだけ跳躍することが出来るかを測定する。男子205㎝以上、女子147㎝以上を基準の値とする。
反復横跳び 間隔で引かれた3本のラインの上で20秒間のうちに何回サイドステップをすることが出来るかを測定する。
男子44回以上、女子37回以上を基準の値とする。

一次試験の教養や学力を検査する試験よりも、二次試験の体力を検査する試験の方が難易度が高いことから、刑務官としての職務を遂行するために必要な体力を重要視している試験だといえます。

採用試験の合格率、難易度

刑務官採用試験の合格率は平成26年度で男性の申込者が約5,000人、そのうち合格者が約800人で合格率は約16%になります。女性は申込者が約950人、合格者が約250人で合格率は約27%でした。近年の合格率の平均は男性が約10%から20%程度、女性が15%から25%程度を推移しています。

平成30年度の刑務官採用試験の合格者数は男性787人、女性222人の合計1,009人で割合にすると男性78%、女性22%でした。刑務官は公安に関わる特殊な職務であることや夜勤などもあることから体力的な問題で男性の志願者の割合が多く、合格率、倍率共に女性よりも男性の方が厳しい状況が続いています。

採用試験の倍率

刑務官採用試験の申し込み者数はここ数年、約5,300人前後となっています。平成24年度をピークに申し込み者数は減少しており、平成30年度の申し込み者数は約5,030人でした。

倍率も基本的には申し込み者数に合わせて増減するので、平成24年度の約10倍という倍率が近年では最高で、平成30年度では5倍とピーク時よりは下がっていることが分かります。平均的に倍率は男性が約5~6倍、女性が3~4倍となっていることが多いです。

刑務官採用試験に合格しやすくなる学校

刑務官採用試験は受験資格が17歳以上29歳未満で社会人経験者の場合は40歳以下で高卒程度の者と規定されています。そのため、学歴によって合格率に差が出るということはまずありません。

採用試験は、一次試験が公務員としてふさわしい知識や学力を持ち合わせているかという教養試験と、作文試験から成る筆記試験になります。

この筆記試験の難易度は高卒程度とされていますが、実際の刑務官の競争倍率は他の国家公務員試験と比べても低いことから資格学校や予備校に何年も通って勉強しなければ受からないというほどの難易度ではありません。

合格して採用された場合には研修で基礎的な法律などを勉強することもありますが、現在では採用試験で極端に難しい問題は出題されていません。

武道の経験者と体育会系出身者は有利

刑務官採用試験は学歴によるフィルターが一切ないので、高校を卒業していれば基本的に全員同じ扱いになります。しかし、柔道や剣道の経験があり段位を持っている人は武道枠で刑務官採用試験を受験することが出来るため、有利になるといえます。

また体育会系出身者も体力があり、厳しい上下関係の環境に居た経験などを面接でアピールすることが出来れば、運動の経験がない受験者よりも採用試験では有利になる傾向にあります。

刑務官の資格試験まとめ

武道の経験者や体育会系出身者は有利になります

刑務官になるために絶対必要な資格は刑務官採用試験に合格することだけです。刑務官採用試験は17歳以上29歳未満であれば基本的に誰でも受けることが出来るので、受験資格の制限が少ない資格です。

刑務官採用試験に合格すれば刑務官になることが出来ますが、武道の経験者や体育会系出身者は採用の時点で武道の経験者枠があるので有利に働きます。また働き始めても日々の訓練や仕事で体力を使うことが多いので、将来的に出世しやすいといわれています。

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