刑務官の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

刑務官の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

刑務官は刑事施設に勤務する公務員のことです。代表的な刑事施設は刑務所などがあります。刑務官は刑事施設の運営管理や警備などをしながら受刑者が更生してスムーズな社会復帰を促すために教育指導していくことが主な仕事です。具体的な仕事内容を紹介します。

刑務官とはどんな仕事?

刑務官は法務省が管轄している、刑事施設に勤務しています。刑事施設とは刑務所、少年刑務所、鑑別所、拘置所などの施設が代表的です。

刑務官はこの刑事施設の管理運営や警備を主に担当していて、受刑者が社会復帰していけるように教育指導などを行っています。

受刑者の刑務作業の監督

受刑者は職業訓練も兼ねた刑務作業として日々さまざまなことをしています。出所後に仕事に就くことが出来ず、再び窃盗などの罪を犯してしまう再犯を犯す人が少なからずいます。

刑務官はそのような再犯を減らすために手に職をつけさせ、集団生活に慣れて社会復帰がスムーズに出来るようにもめごとや規則違反を犯す受刑者がいないか厳しく監督しています。刑務作業などをする際には、部屋から作業スペースへ移動しなければならないので、点検や引率なども行っています。

受刑者の生活指導や悩みの相談にのる仕事も

刑務官は受刑者が再犯しないように様々な相談に乗って、社会復帰を促しています。刑務所内でトラブルを起こさないよう、また、集団生活になじめるように指導するのも刑務官の大切な仕事です。

更生したいと思っていても、社会が受け入れてくれないということや、自分が刑務所にいることで、家族から絶縁される受刑者に対しては親身になって話を聞き、カウンセリングのようなこともします。

刑務官の具体的な一日の仕事内容

刑務官の一日は通常朝7時に開始されるため、一般の事務などを担当している公務員よりも、かなり早くから仕事が始まります。

朝、仕事が開始する際に所持していなければならない携行品のチェックをします。刑務官手帳、呼子笛、携帯補縄の3つは常に身に着けていなければならないため、毎日勤務が開始するときにチェックが行われています。

勤務開始からお昼まで

朝7時に勤務が開始すると、刑務官はまず受刑者の部屋を見回ります。この見回りは開房点検と呼ばれ、受刑者はきちんと起床し布団をたたんで刑務官のチェックが終わるまで正座、整列して待っていなければなりません。

開房点検は受験者の健康管理も兼ねているため、点検の際に調子の良くない受刑者が居れば、健康状態のチェックをして医務室に連れていくなどの措置をとります。この点検が終わり、受刑者に異常がないと確認でき次第、受刑者たちは朝食をとります。

朝食が終わると整列をさせ、刑務作業を行う部屋まで引き連れていきます。作業をしているときは受刑者が規律を乱してはいないか、などの確認を常にしなければならないので気の抜けない仕事です。

午前の刑務作業が終わると刑務官は昼食をとることができます。しかし、刑務所内で何かが発生したときにはすぐに現場に駆け付けなければならないため、昼食中も気を休めることは出来ません。

午後から退勤まで

午後はまた刑務作業になります。基本的には午前の刑務作業とほとんど変わりません。午後の刑務作業が終わると入浴日である場合は、浴場まで連れて行って時間内に全ての受刑者がお風呂に入れるよう、人の入れ替わりなどを監督しています。

その他にも受刑者への面会や散髪、運動時間などがあるときには担当の部屋まで連れていき、隣の部屋で時間や会話の内容などを監督しています。全ての作業が終わると受刑者を部屋に連れて帰します。

受刑者を部屋に帰すと、刑務官は書類などの雑務をしてから、退勤することが出来ます。庶務や会計などを行う事務作業専門の部署も刑務所内にあります。刑務所は24時間365日受刑者がいるので、夜勤を行う担当と入れ替わりで退勤することになります。夜勤の担当は当番制で、月に数回程度担当することが多いです。

刑務官はこういった一日を過ごしていることが多いです。一日の労働時間は8時間と平均的ですが、受刑者たちから目を離すことが出来ないので気の休まる時間がありません。そのため精神的な負担が大きい仕事です。一度勤務が始まれば刑務所の外に出ることが出来ないため、息抜きが簡単に出来ることもありません。

刑務官の仕事のやりがいと大変なこと、苦労すること

刑務官の仕事は自衛隊や警察などと同じ、国家の治安の維持に関わる公安職に分類される職業で、法務省が管轄している刑務所などの刑事施設で受刑者を監督することが主な仕事です。

受刑者の中には自分が犯した罪の重さに苦しむ人や、社会にどう復帰すればいいのか分からず更生できないでいる人が多くいます。刑務官のやりがいの一つに、そんな受刑者に対して集団生活や刑務作業での職業訓練などを通じ、受刑者が社会復帰したときに、きちんと働いていけるように教育指導して社会に戻っていけるように導いていくということがあります。

刑務官は受刑者と真摯に向き合いながら、社会復帰を手助けしていけるというやりがいがあります。

刑務官としての待遇

刑務官は肉体的にも精神的にも強靭であることが求められます。一般の公務員と比べて仕事内容は過酷ですが、経済的には一般公務員よりも恵まれているといえます。

一般的な公務員よりも12%ほど高い給与が支給されています。公務員であるため、民間企業が不況で社員を解雇しているような状況でも刑務官は法律や政治が大きく変わらない限り解雇されることはありません。経験年数が増えていくにしたがって給与も増えていきます。

刑務官は採用試験の段階から学歴を重要視していないため、学歴がない人でも経験年数に応じて昇進し、階級を受け取ることが出来ます。高校を卒業していない場合でも昇進試験を受け、普段の勤務態度がまじめであれば、施設の責任者にまで出世することが出来ます。

民間の会社員や公務員以上に、刑務官という仕事は、まじめに仕事に励めばきちんと評価してもらえる仕事であるといえます。

刑務官の大変なこと、辛いこと

刑務官は肉体的にも精神的にも負担がとても大きい仕事です。一般の事務作業が多い公務員とは違い、刑務官になることでしか経験できない特殊な職務が沢山あります。

公安に関わる仕事なので職務上のストレスがあっても、人に愚痴を言うことも出来ないので肉体的にも精神的にも楽な仕事ではありません。

肉体的に大変な事

刑務官の仕事で大変なことは、一日の大半を刑務所の中で過ごさなくてはなりません。刑務所は閉鎖空間なので、ちょっと外の空気を吸いに行くことや、リラックスすることが出来ません。

現在、刑務所では過剰収容問題が起きており、刑務官一人当たりの仕事の負担が倍増しています。受刑者の数が多くなっているので仕事が終わらず残業しなくてはいけなかったり、受刑者同士の争いを止めたりしなくてはなりません。

そのため刑務官には肉体的に疲れ果てても、息抜きをすることが難しいので、ストレスのはけ口として刑務官同士で人間関係が悪化することや、受刑者への人権を侵害したような事件が表に出てくるようになってきています。

精神的に大変な事

刑務官で一番精神的に心配されることはストレスが多いことです。刑務所は閉鎖空間で内部の情報が外に漏れることがほとんどないので、なにか事件や職務に対する不満があったとしても、誰かと共感してリラックスすることは難しい仕事です。

一日中刑務所の中で過ごすので、自然と人間関係が濃密になっていきます、自分と気質的に合う人が居てくれればいいですが、どうしても自分と合わない人が同僚にいても閉鎖空間なので、我慢して一日中過ごさなくてはなりません。

一度相手に苦手意識を持った場合や、同僚とトラブルが起きた場合、刑務所の中にいることが非常に苦痛になります。そのため、刑務官を退職する人の中でも刑務官同士の人間関係で悩み、精神的に疲れてしまい、それが原因で退職するという人も少なくありません。

刑務官の仕事内容まとめ

刑務官の仕事はやりがいも多い

刑務官の仕事内容は、受刑者の更生と社会復帰を後押しするための教育指導が主な仕事です。

ドラマなどの影響で、刑務官が高圧的に受刑者に接しているというイメージをお持ちの方も多いのではないかと思いますが、実際の刑務官は受刑者のために生活や出所後の仕事の相談にのったりしています。

刑務官の仕事は肉体的にも精神的にも簡単な仕事ではありませんが、人生をやり直したいと思っている人の後押しをすることが出来る、やりがいのある仕事だといえます。

刑務官の参考情報

平均年収550万円~600万円
必要資格
  • 刑務官採用試験
資格区分 試験合格
職業職種保安

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