作詞家の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

作詞家の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

作詞家は曲のイメージに合った歌詞をつける仕事で、資格や免許は特に必要としません。しかし誰でも作詞家として活躍することは難しく、言葉へ関心や語彙力、そしてセンスが大切です。作詞家として売れる足がかりとして、コンテストへの応募や音楽関連企業への売り込みで採用を目指すことなどがあります。ここでは、作詞家の資格・試験について解説していきます。

作詞家に必要な資格は?

資格・免許制ではなく、人々の心に訴えかけるかどうかが歌詞の全て

音楽は人々の感性に訴えかけるものです。作詞家にとって重要なのは、曲のイメージに合った歌詞をつけ共感を得るということです。すなわち、作品の良し悪しは人の主観によって評価されるものであり、作詞家の能力や作品の品質を一定の基準で評価する資格・試験はありません。

誰でも作詞家を名乗ることができるため、ある意味「誰でもなれる」職種ではあります。しかしたくさんの人に受け入れられる歌詞、つまり売れる歌詞を生み出し作詞を仕事にするには本人の感性やセンスが必要です。

また才能だけではなくそれを磨いていく努力も欠かせません。こうした着想力や表現の機微は、なかなか試験で数値化して測ることのできない能力といえます。

また作詞家として活躍するには人望や運といった要素も大いに関係します。音楽業界で才能を見出してくれる人がいるか、仕事を頼みたいと思えるような人柄かどうか、作品の世界観が時代に合っているかどうか、といった自らの努力の及ばないことが案外仕事の成功に大きく関与する世界です。

このような素質に恵まれることは宝くじに当たるようなもので、試験に合格するよりもずっと難しいことかもしれません。

音楽的な素養があると有利。曲ありきで後から歌詞をつけることが多い

そうはいっても、作詞家には自力で能力を高める努力を惜しまない人ばかりです。さまざまな刺激にふれて感性を磨いたり、言葉の引き出しを増やすのにいろいろなジャンルの文章を読んだりするほか、音楽への造詣を深めるのもその一つです。

作詞には大きく2種類の方法があります。すでに出来上がっているメロディーに対して歌詞をつける「曲先」と、歌詞を先に作る「詞先」です。ほとんどが曲先のため、音楽の構成を理解し曲作りにも精通していればより統一感のある作品づくりができるでしょう。

ピアノやギターでメロディーや節まわしを確認しながら作詞することもあるため、楽器演奏がある程度できるとより有利です。

作曲や楽曲構成などに関する資格は特にありませんが、演奏に関してはヤマハの音楽能力検定が有名です。ピアノ、ギター、ドラムなどさまざまな楽器の検定があり、難易度によっては音楽講師など指導者を目指せる検定もあります。作詞家にとって必須ではないものの、周辺的な知識・能力として役立つ場面は多いといえます。

コンテスト応募、事務所所属などが活路に

作品の出来がすべて。作詞家で成功できるのはほんの一握り

作詞家はどこかの企業や団体に所属すれば名乗れるわけではなく、作品が世に出て売れれば作詞家として認知されるというものです。実力を見出してもらうには、作品コンテストに応募して受賞する、あるいは音楽関係の作家事務所に所属して作品をレコード会社に売り込む方法が一般的です。

もちろん事務所に所属せずフリーランスで活動する作詞家も非常にたくさんいます。この場合も作品をレコード会社や音楽出版社などに売り込むことが活動内容となりますが、作家事務所によっては音楽業界やアーティストとのパイプが太く、積極的に売り込みをサポートしてくれる場合があります。

ただし作詞家の志望者数は非常に多く、実力があっても売れるようになる人は非常に少ないというのが実情です。そのため事務所に所属することが活動の手助けにはなるものの、やはり競争率の高い世界に身をおくことには変わりません。

コンテストに応募する際も、資格の試験などとは異なり審査基準は主観で決まります。音の響きや韻の踏み方など作詞の技術的な側面を問われることもありますが、人の心に響くかどうかが作品の良し悪しを決めますから、一言で「こうすれば合格」というものでもありません。

それだけに難易度は高く、賞に選ばれてプロデビューできるのは一握りです。己の感性を磨き、諦めずにコンペに応募することが大前提となります。

YouTubeなどSNSで作品を発表し、関係者の目に留まることも

競争の厳しい世界ではありますが、資格や試験がないことを逆手にとって活路を見出す実力者もいます。現代はインターネットの情報網が発達し、個人がSNSを利用して全世界に作品を発信できる現代になりました。これを利用して、YouTubeなどをはじめとするSNSで自分が作詞した楽曲を配信する人が増えています。

ネット上で話題を集めて有名になり、ついには音楽業界の関係者から声がかかるというケースがあります。現代ならではの売れ方といえますが、これも資格が不要で誰でも始められる分野ならではのメリットといえます。

また家にいながらにして多くの人に見てもらえる上、コストがかからないというのも利点です。常時開催されているコンペと思って作品を投稿することが、デビューの活路につながるかもしれません。

作詞家に役立つ資格はある?

作曲家、編曲家(アレンジャー)として制作会社に所属するのも一つの手

作詞家には、他の音楽関係の業種と兼業している人も多くいます。作曲や編曲を手掛ける人が自身の曲に歌詞をつけることもあるため、音楽制作に関するノウハウを身につけるのもよいでしょう。作家事務所や音楽制作会社では、作曲家・編曲家の所属も多く需要があるため、作詞だけでなく作曲もできる人になると道が大きく開けます。

作詞家が仕事に生かせる関連資格はやはり音楽関係のものです。楽器の演奏力や音楽理論の理解を示せるヤマハ音楽能力検定をはじめ、デジタル音楽制作の普及から知識があると役立つ場面の多いMIDI検定などの民間資格があります。これらの資格は、どちらかといえば作詞よりも作曲・編曲に役立つものですが、保有しておいて損はありません。

レコード会社のディレクター、アーティスト自身も作詞を手がける

作詞を行うのは、なにも作詞家だけではありません。ある意味、音楽制作に携わる関係スタッフのうち誰かが詞を書ければよいのですから、場合によってはレコード会社のディレクターが作詞を手がけることもあります。また曲を歌うアーティスト自身が作詞するパターンも非常に多くみられます。

つまり、作詞家は音楽関連のさまざまな職種と兼業できるのです。作詞一筋でやっていくのももちろんよいでしょう。しかし関連する他の知識やノウハウを身につけて音楽業界に入り、作詞のチャンスをうかがうというのも一つの手です。

一見して作詞家とは直接関係が薄い資格や職種にも興味をもってみると、案外作詞家としての活躍の近道が見えてくるかもしれません。

作詞家に役立つ学校はある?

音楽学科やボーカル専攻で作詞を学べる。音楽大学や専門学校に注目

作詞家に必須の資格はないため、学校に通って学ぶかどうかは自己判断となります。ただし、音楽理論や作詞のルールといった知識面については独学で学ぶよりは体系化された教育を受ける方が身につきやすいといえます。

音楽大学や専門学校では、音楽や作詞に特化した授業を受けることができるほか、作曲など関連する分野のノウハウや学問についても学ぶことができます。

例えば、大阪芸術大学の音楽学科では音楽のほかに画像、音響工学といった分野も学ぶことができ、目指せる職種は作詞家以外にも音楽プロデューサー、作曲家、サウンドプログラマー、音楽教師など豊富な選択肢があります。

専門学校では作詞を学べる学科にバリエーションがあり、音楽学科のみならずボーカル専攻、サウンドクリエイター専攻、音楽アーティスト専攻などいろいろな名称があります。所在地も全国に広がっているため、進学を検討する場合は通学の利便性もふまえて選ぶことが可能です。

資格を意識するなら音楽能力検定の受験がある

音楽関係の資格取得を目指す場合は、ヤマハ音楽能力検定などの民間取得を狙うことができます。

大抵は併設の音楽教室に通うことから始め、上達度合いに合わせたレベルの検定を受験することになります。作詞家の仕事に直接関係するわけではありませんが、音楽制作に携わる身として楽器演奏や音楽理論に関する知識や実力を高めておけば何かと役立ちます。

音楽関係の資格を取得するために通う大学や専門学校は特にありませんが、対策なしで検定を受けても合格は難しいといえます。資格の取得を目指す場合、独学ではなく音楽教室などに通うことで受験対策の方法を教わることができます。

また音楽への造詣を深める際につまずきがちな理論面、例えばコード進行やスケール、曲構成などを理解するには、体系だった指導を受けることがすすめられます。

作詞家は曲に合った歌詞をつけることが仕事です。音楽そのものに関して詳しければ、より曲として統一感のある作品をつくりあげることが可能になるといえます。自ら作曲したり演奏したりする能力は必須ではありませんが、あれば他の職種にまたがって活躍する機会も増え、活動の幅や将来の選択肢が広がります。

作詞家の資格・試験まとめ

資格はなく誰でも名乗れる作詞家。しかし売れるには実力、努力、運も必要

作詞家に必須の資格や免許は存在せず、やろうと思えば誰でも始められます。しかし実際に作詞家としてビジネスにつなげるには相当の実力、努力、そして時には運も必要となります。音楽関係の他職種と兼業する作詞家や副業から収入を得る作詞家もいるほどで、成功できるのは一握りです。

音楽関連の資格には音楽能力検定やMIDI検定があり、保有していれば音楽制作全般に役立つほか、音楽大学や専門学校で作詞を学ぶことができます。自らの可能性を広げるために検討するのもよいでしょう。

作詞家の参考情報

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