土地家屋調査士の給与や年収は?測量や登記を行い高収入が得られる不動産のプロ
土地や家屋の測量や登記を行う不動産のプロ、土地家屋調査士。難易度の高い国家資格を要し、専門性が高い仕事であるため、一般的に高収入と考えられていますが、実際の給与や年収、初任給はどれくらいなのでしょう。今回の記事では、独立開業、雇われ、補助者という立場によってどのような違いがあるのかまとめました。
土地家屋調査士の初任給
土地家屋調査士の初任給は、企業に勤めている人の場合で平均20万円と言われています。経験年数によって昇給もありますが、20代の平均月収は25万円となっていますので、現場での下積み経験を重ねていくことが必要のようです。
高収入の仕事というイメージですが、働き始めは一般のサラリーマンと相違ないようです。ちなみに、中には資格を取りたてで独立起業する人もいるようです。その場合は最初のうちからどのくらい仕事が取れるかによっても収入が変わってくるでしょう。
土地家屋調査士の平均年収
土地家屋調査士の平均年収はいったいどれくらいなのでしょう。企業勤め、独立開業、補助者という立場に分けて見ていきます。
企業に勤めている場合
企業に勤めている土地家屋調査士の平均年収は、500~600万円となっています。勤め先が大手ゼネコンであったり、または提携している事務所だったりであれば、受注の単価が高くなるため給与も高くなります。
部長クラスで年収1000万円という人もいるようです。しかし、単価の小さい案件ばかり受けている企業だと給与も安くなります。
独立開業している場合
独立開業している土地家屋調査士の年収は、1000万円以上という人も少なくないようです。中には2000万円以上の収入を得ている人もいるようです。行政書士の資格も所有していると、個人でも受注が多く、高収入が可能で安定しているようです。
一方で、独立したからといって必ずしも高収入を得られる場合ばかりでもなく、中には年収が200万円ほどで最終的に廃業せざるを得ない人もいるようです。
独立して高収入を得るには、どれだけ優良な顧客を持てるかによるところが大きいようです。そのためには誠実な仕事と営業のセンスが鍵となるようです。土地家屋調査士は不動産の登記を仕事としているため、土地の売買が盛んな地域ほど需要があり、そのような地域では仕事も多くなるため収入も高くなると言えます。
一方で土地の売買があまり行われていない地域や、古くからの事務所が幅をきかせているような地域では新規参入は難しいようで、収入もあまり多くは望めないようです。
さらに独立している場合、従業員を雇っているなら人件費もかかってきますし、経費をどれだけ抑えられるかも収入にかかわってきます。自宅を事務所にすれば家賃も抑えられますし、測量機器を中古やリースで揃えるなどの工夫によって経費を抑えている人も多いようです。
補助者の場合
土地家屋調査士の事務所や企業において、測量や土地調査を手伝うスタッフのことを「補助者」と呼びます。補助者は測量の手伝いや資料作成などの事務作業、また来客対応などを仕事とします。補助者として働く人は無資格者であることが多く、資格取得のため勉強しながら働いている人が多いようです。
または土地家屋調査士や測量士、測量士補の資格をすでに持っている人が経験を積むために補助者として働いていることもあるようです。
補助者の月収は15~25万円で、事務所によって違いがあるようです。有資格者は資格手当がつくこともあります。
土地家屋調査士の年収統計
土地家屋調査士の年齢別の年収統計
土地家屋調査士の平均年収を年代別に見てみると、20代が427.5~532.5万円、30代が585.0~667.5万円、40代が750.0~840.0万円、50代が892.5~900.0万円となっています。
また、土地家屋調査士の収入を企業別に見てみると、大企業の平均年収は870.0万円、中企業の平均年収は720.0万円、小企業の平均年収は652.5万円となっています。
土地家屋調査士の役職別の年収統計
土地家屋調査士の役職者の平均年収は、主任が643.5万円、係長が801.0万円、課長が1,058.4万円、部長が1,170.0万円となっています。役職が上がることでそれに見合った対価が得られることからも、頑張りしだいで高収入が期待できる、やりがいのある仕事であると言えるでしょう。
土地家屋調査士の地域別の年収統計
さらに、土地家屋調査士の年収を都道府県別に見てみると、上位3県は、東京1,050.0万円、大阪900.0万円、愛知825.0万円となっています。やはり人口や企業が集中し土地売買の流れがある都市部では、土地家屋調査の需要が高く、それに乗じて年収も高くなっていると言えます。
土地家屋調査士の報酬基準
現在は、土地家屋調査士の報酬基準は撤廃されているので、自分で報酬額を定め提示するのが一般的です。しかし報酬区分は現在でも基準表にならった格好になっています。
主に調査業務、測量業務、申請手続き業務、審査請求、書類作成業務で構成されています。調査業務は、資料調査と事前調査からなり、公簿類、図面調査、所有権調査などが含まれ、これに現地調査が加わります。
測量は、土地の境界線の検証や境界点の設置関係で、それに伴い境界確定申請などが加わります。隣接者との土地の確認立ち合い業務、確認取り交わし業務、登記申請、また図面作製費用なども含まれます。この中で測量業務が比較的高額になることが多いようです。
また、公共用地境界確定申請までの協議は、住民との摩擦も起きがちであるため、近年総じて高額になるケースが多いようです。
土地家屋調査士の収入アップ方法
事前調査を含めた土地家屋の調査は1案件30~40万円が相場のようです。文筆登記申請が必要な工業用地などの規模の大きいケースでは報酬額が急激に上昇します。
財団法人や、土地再生機構、大型集合住宅など、大規模事業を扱う法人は年収が高い傾向があるようです。戸建て住宅の場合、測量と調査に関わる報酬額は都市部で平均100万円前後、山間部で300万円前後のようです。
公共用の道路や水路は、一般の住宅より報酬は高額になります。さらに、大手ゼネコン関連の公共工事に付随する土地家屋調査、大型商業施設やタワーマンション等の建設に関わる建設会社と契約している法人が最も高年収になる傾向があるようです。
土地家屋調査士の給料・年収まとめ
土地家屋調査士の給与や年収は、総じて高額だと言えます。中には独立開業して数千万円の収入を得ている人もいるようです。
また、企業に勤めている土地家屋調査士でも役職についていると、1000万円の年収も可能です。ただ、高収入を得るには優良な顧客と案件を抱えることが必須であると言えます。
土地の売買が盛んな地域や、公共事業や新興住宅に開発など、大規模な事業に携わると高額な報酬が得られます。
高収入の職業だけにストレスも多い
土地家屋調査士は希少な独占業務ならではの高年収な職業ですが、他人の資産に関する調査が主体となるため、責任が重いと感じる人が多いようです。人々の固定資産、財産を調査し評価するという重い責任の伴う職業であると言えます。
また、それなりの苦労やストレスもつきもののようです。実際、測量や土地の調査を終えた後の顧客からの言いがかりも少なくないようです。特に土地の境界確定業務では、近隣住民とのトラブルが多くストレスが溜まりやすいという声が多く上がっています。高収入で安定した職業のようですが、実際にはその分の苦労という面もあるようです。
しかしそのような責任感ある仕事だからこそ、やりがいを見出しながら高収入を得られる点については魅力的だと言えるでしょう。国家資格をパスできたら、ぜひとも資格を活かして働いてみたい仕事です。
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土地家屋調査士の参考情報
平均年収 | 400万円~600万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 建築・不動産 |
統計情報 出典元:
- 職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
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