新聞記者の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
新聞記者の仕事内容について、教育研修から新人記者の仕事などを詳しくお伝えしています。新聞記者が世間に誤解されている点、この仕事ならではの苦労や努力、やりがいや魅力などについても分かりやすくお伝えしていきます。
新聞記者の仕事内容
新聞記者の仕事は世の中から情報を集め、それをわかりやすく記事にして伝えることです。しかし、誰にでもできる簡単な仕事ではなく、はじめは地方局勤務か校正・紙面整理を行なう内勤記者からスタートすることになります。
ここでは最初の配属や教育研修、本社配属となった場合の仕事内容について紹介していきます。
最初の配属
新聞記者の仕事では、政治や経済、教育やスポーツなど社会のあらゆる分野を対象とすることになりますが、全ての分野に精通するには相当な時間が必要となります。ですから、一般紙(全国新聞)の場合は、はじめは「地方支局」や「内勤記者」に配属され、段階的に仕事に慣れていくことになります。
教育訓練を兼ね、校正・紙面整理のような内勤記者として配属される場合は、そこでの仕事ぶりや適性によって内勤記者となるか、取材記者になるかを判断されるようです。
校正・紙面整理の仕事は、新聞記事作成の基礎を学ぶにはうってつけの仕事で、単なる文字の校正や校閲だけではなく、文章構成や記事の書き方、見出しの付け方などを生きた教材から学んでいくことができます。
地方支局の仕事
一つの県につき地方支局は一ヶ所というのが基本で、3人から5人ほどの人数で県や市の行政、警察などを担当します。支局記者の仕事は県政や市政の記者クラブや、警察記者クラブの発表から原稿を作成することで、その原稿はデスクの手直しを経て本社へ送られます。
支局記者の仕事は記者クラブの発表を記事にするだけでなく、その発表の「裏取り」をすることも重要です。記者クラブの発表は表向きの発表であるケースもあり、直接の関係者や外部の専門家に話を聞くことが、本来価値のある重要な仕事であったりします。
こういった地道な取材を続けていくことが、いつか大スクープをモノにするチャンスへとつながるのです。
地方支局の新人記者はとても忙しい
支局勤務の新人記者の場合は、その地域や地方で起こるあらゆる事柄に対処しなければならず、とても忙しく働くことになります。社会的な事柄はもちろん、行政や文化、教育やスポーツなど、さまざまな原稿を書くことになりますが、朝刊・夕刊の締め切り時間に合わせるため、原稿の執筆にはスピードが求められます。
原稿の書き方についてはデスク(支局次長)から徹底的に指導を受けることになるでしょう。大きな事件の後などは、飲み会やちょっとした集まりが設けられ、苦労話や仕事に役立つ話を聞けることもあります。地方支局や内勤記者は2年から3年で次のセクションへ移動して、さまざまな経験を積んでいくことになります。
教育研修について
新聞社へ入社した後は3ヶ月から6ヶ月ほどの教育研修を受けることになります。教育研修では新聞記者に必要な基礎を学ぶため、先輩記者から基本的な取材の仕方や記事の書き方など、自身の体験を交えてレクチャーしてもらいます。
ある新聞社では教育研修の中で座禅の体験をさせるところもあるそうです。そのような研修では、精神面を鍛えるとともに、座禅という貴重な体験を通して何らかの気付きを得ることができるかもしれません。
本社配属となった場合の仕事内容
支局勤務を数年経て仕事にも慣れ、ある程度の経験を積んだ段階で本社へ配属されることとなります。本人の希望や適正を考慮して各部に配属されますが、本社勤務も基本的には地方支局のときと同じように、記者クラブを拠点として仕事をします。
ですが、本社各部の仕事は専門性が高く、関係者や専門家に話を聞くにしても情報の正確さが求められ、信頼できる情報かどうかを二重三重に調べなければいけないこともあります。さらに自身のレベルアップのための勉強も必要で、一人前の新聞記者になるには、それ相応の時間がかかることになるでしょう。
新聞記者の具体的な仕事内容
新聞記者の仕事は所属部署により異なりますが、公務員や一般の会社員と比べてかなりハードな仕事内容だといえます。特にハードな部署が社会部や政治部で、大きな事件や政治汚職があった場合には、寝る間もないほどの激務になることもあります。
そんなハードな面もある新聞記者という仕事の具体的な仕事内容や、大変な点に関して紹介します。
地道で入念な取材
仕事がハードな社会部や政治部では、毎日なんらかの動きがあります。凶悪事件が起きたときなどは、犯人の関係者や被害者家族を四六時中追う必要があります。警察や検察、首相官邸からの発表もあるでしょうが、記者発表だけでは事件の真相はつかめません。
そこから地道で入念な取材がはじまるのですが、取材活動では個人情報保護の観点から、細心の注意を払って聞き込みを続けていく必要があります。もし、驚くべき真実が明らかになったとしても、それを記事にするかは情報提供者との関係や、上層部の判断にゆだねられることになります。
それらの記事が紙面のトップを飾る大ニュースとなればいいのですが、スクープとなるようなケースはほんの一握りだけです。細心の注意を払った地道で入念な取材も、その大部分は日の目を見ることなく、お蔵入りすることも珍しくはありません。
生活が不規則
新聞記者の仕事の多くは、表に出ることのない地道な取材活動が中心となります。取材では、相手主体で動かなければならず、生活は不規則にならざるを得ません。突撃取材の「夜討ち朝駆け」も取材方法の実態をあらわすもので、新聞記者の仕事は昼夜を問わず、常に取材対象に合わせなければなりません。
休日に取材を行なうこともありますが、このような不規則な生活になるのも新聞記者という仕事柄、やむを得ないという部分もあります。
夜討ち朝駆けは大変
「夜討ち朝駆け」というのは、新聞記者が取材のために夜遅く、または朝早くに相手の元を訪れることですが、取材を断られることがほとんどで、新人のうちはどうしても気が萎えてしまうといいます。
こうした取材を成功させるためには、相手との信頼関係も大切で、相手の負担にならない時間帯に何度も足を運び、信頼を得るまでが大変だそうです。新聞記者は相手の心に土足で踏み込むものと思われがちですが、その根底には取材相手との信頼関係に支えられている部分もあるのです。
新聞記者のやりがい
新聞記者の仕事は一見花形職業に見えることもありますが、その実情は違っていて、苦労が多く大変な仕事でもあります。そんな新聞記者のやりがいや魅力について紹介していきます。
新聞記者の魅力と読者の声
新聞記者の仕事の魅力のひとつが「新聞記事を通して世の中に影響を与えられる」ことでしょう。どのような記事を紙面に載せるかは新聞社の判断になりますが、各新聞社では紙面に載せる記事について、毎日活発な議論が交わされています。
読者からの共感や勉強になったという声を聞くと、それは何よりの喜びとなるでしょう。新聞は多くの人々の目に触れるものですから、読者からの声も数多く届き、その反響が仕事を続けていく力ともなるでしょう。
世紀の大スクープを夢見て新聞記者に
「世紀の大スクープ」は、新聞記者であれば誰もが夢見るものでしょう。自分でつかんだスクープを記事にして載せることができれば、世の中の注目を集め、議論を起こすことができます。
スクープを連発するような記者になれば、自分の取材したい「ネタ」を選べるようになり、思い通りに仕事を進めていくことができるでしょう。誰にでもできる簡単な仕事ではありませんが、その分、やりがいのある仕事が新聞記者であるともいえます。
新聞記者の仕事内容まとめ
地道な努力が必要な仕事
新聞記者は人の心に土足で踏み込むというイメージもありますが、それが本当なら、核心に迫るような価値ある情報は引き出せないでしょう。世間の目が届かない場所で地道に取材を重ね、苦労して手に入れた情報が日の目を見ないこともあります。
一見すると無駄に思えるような取材でも、何かのきっかけをつかむ手がかりになる可能性もあります。そのような地道な努力を続けていける人は新聞記者に向いているといえるかもしれません。
新聞記者の参考情報
平均年収 | 500万円~1000万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 出版・報道 |
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