ジャーナリストの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
ジャーナリストとして働くためには結論から言うと特別な資格が必要なわけではありません。しかしニュース時事能力検定試験や日経テストなどの資格があれば就職したり仕事を続けたりする面で役立つ可能性があります。本記事では、ジャーナリストに役立つ資格などについてご紹介します。
ジャーナリストの資格とは?
基本的にジャーナリストになるために、もしくはジャーナリストを目指して報道機関で記者として働くために特定の資格はいりません。
しかし「ニュース時事能力検定」や「日経テスト」などの資格があれば、報道に携わる者として必要な基礎的な知識を身に着けているとみなされ、就職や仕事の維持に有利に働くことがあるでしょう。
この記事では「ニュース時事能力検定」と「日経テスト」の資格の内容、試験の難易度、受験資格などを紹介します。
ニュース時事能力検定試験とは?
ニュース時事能力検定は、特定非営利活動法人日本ニュース時事能力検定協会をはじめとし、毎日新聞社、朝日新聞社、その他全国の地方新聞社やテレビ局、(株)毎日教育総合研修所が主催している民間資格です。
ニュース時事能力検定は、テレビや新聞のニュース報道を読み解き、時事力を養い、認定するための検定試験です。
「時事力」という言葉については、ニュース時事能力検定のホームページで説明されています。時事力とは、社会の出来事を多角的かつ公正に理解し判断し、課題となる問題を解決する基礎となる知識や思考力、判断力をなどの総合的な力のことを指しています。
参考リンク:ニュース時事能力検定とは | ニュース時事能力検定
日経テストの資格とは?
ビジネスの世界で生きていくために必要な経済知識、そしてその知識を実際の仕事に活かすための考える力、この2つを総合したビジネスの基礎力(日経テストでは経済知力と呼ばれる)を客観的に測り、診断するのが日経テストです。ちなみに日経テストの正式な名称は「日経経済知力テスト」です。
このテストは日本経済新聞社と日本経済研究センターが主催・運営しており、TOEICなどと同じように700点から400点の間のスコア方式で採点されるので、合格・不合格という形で試験結果は出ません。
スコアの点数に基づき経済知力のレベルがどれくらいなのか判断されます。
日経テストのスコアによる能力評価
日経テストのスコアにより、以下の表のように能力が評価されます。
日経テストのスコア1,000点~700点
高い知的能力と幅広い視野を兼ね備えた高度なナレッジワーカーのレベル。卓越したビジネスリーダーになれる素質と可能性がある
日経テストのスコア600点~700点
企業人として求められる知識と知的能力がバランスよく備わった状況対応力の高い人材レベル。ビジネスリーダーになれる素質がある
日経テストのスコア400点~600点
ビジネス活動を着実にこなせる実務遂行力のある人材レベル。複雑もしくは高度な問題への対応力の強化が求められる
日経テストのスコア~400点
ビジネス活動をこなすために求められる知識がやや不足しているレベル。さらなる知識の蓄積や思考力の強化が必要
参考リンク:信頼性と妥当性 – 日経TEST
ジャーナリストに役立つ資格「ニュース時事能力検定」
まずは、ニュース時事能力検定試験の難易度、合格率、試験内容などを紹介します。
ニュース時事能力検定の難易度はクラスが上がるほど高くなる!?
ニュース時事能力検定試験は5級・4級・3級・準2級・2級・1級の6つのクラスに分かれています。
ニュース時事能力検定試験のホームページ上で過去の合格率を公表しています。今回は2018年度の合格率を紹介します。
等級 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
1級 | 375名 | 12.3% |
2級 | 6,033名 | 41.0% |
準2級 | 9,696名 | 40.4% |
3級 | 23,005名 | 56.8% |
4級 | 5,540名 | 81.1% |
5級 | 734名 | 92.2% |
2018年度の合格率ですが、5級は92.2%、準2級・2級の合格率は約40%、1級になると12%の合格率です。クラスが上がれば簡単には合格できないということが分かります。
ニュース時事力検定試験の受験資格や出題範囲
ニュース時事力検定試験の受験資格、出題範囲、合格基準、受験料などを紹介します。
受験資格
- 学歴・年齢・性別・国籍の制限はなし
- 検定時間が重複しない限り併願での受験も可能
出題範囲
①政治②経済③暮らし④社会・環境⑤国際の5つの分野から出題。対象となるのは検定日の約1ヶ月前までのニュース
出題形式
四肢択一のマークシート方式(1級のみ一部記述問題あり)/各級とも45問
合格基準
各級とも満点は100点。1級は80点程度/2級から5級は70点程度で合格
受験料
- 1級 6,500円
- 2級 4,500円
- 準2級 3,500円
- 3級 3,000円
- 4級 2,500円
- 5級 2,500円
(すべて税込)
ジャーナリストに役立つ資格「日経テスト」
次に日経テストの難易度、合格率、試験内容などを解説します。
日経テストはスコアで評価!?
日経テストはスコア方式で採点されるので合格・不合格の発表はありません。スコアの点数により、どれくらいの経済知力を有しているか判断されます。
これまでのスコアの平均は日経テストのホームページ上で確認できます。職業別に見たスコアの平均は次の表のようになります。
職業 | スコアの平均値 |
---|---|
全体 | 521.3点 |
社会人 | 527.4点 |
学生 | 467.6点 |
その他 | 559.8点 |
日経テストの受験資格や出題範囲
日経テストの受験資格、出題範囲、受験料は以下の通りです。
受験資格
ビジネスに携わるすべての方。つまり誰でも受験可能
出題範囲
- 経営環境・産業動向
- 経営戦略
- 会計・財務
- 法務・人事
- マーケティング・販売
- 生産・テクノロジー
の6つの分野から出題
出題形式
四肢択一のマークシート方式/100問
受験料
5,000円(税抜き)
ジャーナリストに役立つ資格などが取れる学校
ジャーナリストに関連するニュース時事能力検定試験、日経テストの資格取得をサポートしてくれる学校や講座を紹介します。
ニュース時事能力検定に関しては、様々な大学や短期大学などで資格取得のための対策講座や学生支援活動が行われています。
明治大学
明治大学政治経済学部にはジャーナリストになりたい学生を支援するためのプログラムとして「ジャーナリスト育成プログラム」があります。
このプログラムでは、ジャーナリズムやメディアに関する専門的な知識を学び、政治や行政、メディア業界の最新の動向を探ることができる講義が用意されています。さらに、現職のジャーナリストのよる課外学習などがあります。
こうしたことを学びながら、GPAやTOEICで一定のスコアを維持し、ニュース時事能力試験2級以上の合格、もしくは日経テスト550点以上の成績を残すことができれば、このプログラムの修了証が得られます。
明治大学キャンパスサポートでは、ニュース時事能力試験や日経テストなどの各種検定試験の申込受付や資格学校の受講料割引、入塾料免除などの割引サービスを受けられる紹介状の発行なども行っています。
学校法人産業能率大学総合研究所
産業能率大学総合研究所は日経テストに対応した通信研修のコースを設けています。
2か月間の受講期間で、ビジネスや経済に関する知識とそれをビジネスに活かすために必要な考える力の2つ、つまり経済知力を高めるためのヒントを学ぶことができます。
さらにワークブックや問題集などを通じて試験対策を確実に行うことができ、日経テストでのハイスコアを目指すことができます。このコースでは日経テストの受験券付きのコースと受験券なしのコースが選択可能です。
独学で試験合格を目指すこともできる!?
ニュース時事能力検定試験、日経テストのどちらも主催している団体からの公式テキストが発行されています。
例えば、日経テストでは「日経TEST公式テキスト~経済知力を磨く」「日経TEST公式練習問題集Part2」などのテキストが日本経済新聞出版社から出版されています。
こうしたテキストを使い独学でニュース時事能力検定試験に合格した方、日経テストで好成績を残した方もいます。合格者や成績優秀者の中には、試験対策で使ったテキスト、勉強法をブログなどで公開している方もいます。独学で試験合格や高スコアを残すという選択肢もあります。
ジャーナリストの資格・試験まとめ
特定の資格は必要ではないが、ニュース時事能力検定試験の資格があれば便利
ジャーナリストとして働く上で、必須となる特定の資格がいるわけではありません。
しかしニュース時事能力検定試験に合格する、日経テストである程度のスコアを残すなど資格があれば、ジャーナリストや記者としてメディア関連に就職したり、仕事をしたりするときに有利に働きます。
今のうちからジャーナリストとして役に立つ資格やスキルを身に着けておけば、報道機関に就職した後もすぐに即戦力として活躍できるかもしれません。
ジャーナリストの参考情報
平均年収 | 500万円~800万円 |
---|---|
必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 出版・報道 |
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