ジュエリーメーカー社員の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
ジュエリーメーカー社員として働く上で、宝石鑑定などジュエリーに関する資格を取得していれば各種技術や知識の証明となり、就職や開業の時に有利に働く可能性が高くなります。本記事では、ジュエリーメーカー社員に役立つ可能性がある資格などについてご紹介します。
ジュエリーメーカー社員の資格とは?
まず初めに、ジュエリーメーカー社員に必要な資格はあるのかなどを一つずつ紹介していきます。
資格がなくても働くことが可能
まず結論から言うと、ジュエリーメーカー社員になるために必要な資格というのはありません。全く資格がなくても求人に応募することは可能ですし、企業側も資格よりジュエリーに対する情熱を持っている方を求めているところが多いです。
そのため、無資格でありながら第一線で活躍している人もいますし、会社の幹部として働いている人もたくさんいます。
業務に必要なスキルや知識というのは入社後にいくらでも身につく事ができるので、挑戦しやすい環境にあるといえるでしょう。
総合職・専門職関わらず職種によっては資格が役立つ場合もある
資格はなくても働くことは可能ですが、ジュエリーメーカー社員の中でも職種によって専門的なスキルが求められ、資格が役に立つことがあります。
例えば、総合職で配属される「経理」の場合は簿記の資格を持っていれば、それだけで一定の知識やスキルを持っている証明になります。
この他にも、企画職であれば「プレゼンテーション検定」などの営業力に関係する資格などがあれば、配属されやすいかもしれません。
また、製作の仕事に関わる資格として、国家検定の代表的なものとして「貴金属装身具製作技能士」などがあげられます。この資格を取得することで、ジュエリー製作に必要とされる知識や技術を有していることが証明可能です。
デザイナーといった専門職は実績や経験が大事ではありますが、こうした資格取得を目指しながら自分の技術力を高めていくのもありではないでしょうか。
販売職向けのジュエリーコーディネーター資格
ジュエリーコーディネーターとは「一般社団法人日本ジュエリー協会(JJA)」が主催している資格のことです。
主に販売に携わる人向けのものであり、ジュエリーに関する歴史・市場・素材などをはじめ、商品の特徴、販売、コーディネートなど幅広い知識を身に着けていることが証明できるものとなっています。
お客様に対して、資格を活かした専門知識と今まで培った豊富な商品知識を基にした適切なアドバイスやコーディネートができるようになるでしょう。
専門家として取って損はない国際資格の宝石鑑定士
宝石の専門家として知識があると証明したいのであれば「英国宝石協会(Gem-A)」の認定する「英国宝石学協会特別会員(FGA)」や「米国宝石学会(GIA)」の認定する「宝石学修了者(GG)」といった国際資格を取得すると良いでしょう。
こちらは民間資格にはなりますが、日本だけでなく海外でも通用する資格として業界では知られており、持っていれば宝石やジュエリーの価値を判断することができ、格付けを行うことができる知識を持っている証明になります。
ジュエリーメーカー社員に役立つ資格「貴金属装身具製作技能士」
貴金属装身具製作技能士は1級から3級まである
貴金属装身具製作技能士は国家資格となり、1級から3級まであります。学科試験、実技試験がそれぞれの級であります。
学科試験では、材料、デザインや製図、貴金属装身具製作法、ガスおよび電気、安全衛生などの内容が出題されます。
実技試験では、テーマに沿った製作作業を行います。受験者が持参した材料を使って、指定された製作図により作品を仕上げる試験となります。
試験時間は3級が3時間、1級と2級は7時間です。
なお、各等級ごとの合格率は下記となります。
等級 | 合格率 |
---|---|
1級 | 40~50% |
2級 | 40% |
3級 | 50~60% |
このように推移しており、一番難しいとされる1級の合格率も2級や3級と変わらず、高くなっているのが特徴です。
なぜ、1級でも合格率が高いのかは次で説明します。
受験資格を得るには実務経験が必要となる
場合によっては、貴金属装身具製作技能士の資格を取るために実務経験が必要になります。
■3級の受験資格
- 検定職種の実務経験を有するもの
- 厚生労働大臣の指定を受けた否かにかかわらない専門学校在学及び修了した者
■2級の受験資格
- 実務経験のみで2年以上
- 専門学校で関連する学科を修了した者
- 3級資格を取得しているもの
■1級の受験資格
- 実務経験のみで7年以上
- 専門学校で関連する学科を修了後、実務経験が6(4)年以上ある者
- 2級資格を取得してから実務経験が2年以上ある者
- 3級資格を取得してから実務経験が4年以上ある者
1級を取るためには、3級・2級を持っていたとしても実務経験が必要になるため、それなりの経験がないと受験すらできないので、合格率が必然的に高くなっているものと想定されます。
3級に関しては専門学校在学しているか修了した者でも受けることが可能で、2級に関しては3級を合格していれば実務経験は必要ないため、受験すること自体は簡単ですが、国国家資格には変わりありませんので、しっかりと勉強しておかないと合格は難しいといえるでしょう。
その他、ジュエリーメーカー社員に役立つ資格
次に、ジュエリーメーカー社員の関連資格について紹介していきましょう。
ジュエリーコーディネーター
先ほども軽く紹介してきましたが、販売職として活躍していきたいのであれば「ジュエリーコーディネーター」は取っておいたほうがいいでしょう。
この資格は宝飾品販売のスペシャリストを認定するものであり、高額な商品でもお客様に安心して買い物をして頂けるように育成することが目的となっております。
ジュエリーコーディネーターも貴金属装身具製作技能士同様に3級から1級まであり、段階によってそれぞれ求められる能力は異なってきます。
ジュエリーコーディネーター3級に求められる能力
3級に関してはお客様が商品を選択する際に、そのニーズに的確に把握をしてアドバイスをする能力が求められ、ジュエリー販売の基礎知識が求められると考えてもいいでしょう。
ジュエリーコーディネーター2級に求められる能力
2級に関しては、ジュエリーの基礎知識・宝石学、商品および販売に関する高い専門知識とコーディネートの基礎知識を持ち、お客様により良い提案ができること。
それに加えて、コンサルタント販売や、人材育成、指導、在庫の効率化など店舗運営の補佐ができることを求められるため、お客様の提案だけでなく、自分が勤める店舗の運営にも関わっていくようになるでしょう。
ジュエリーコーディネーター1級に求められる能力
1級に関しては、ジュエリーに関する高い専門性はもちろんですが、誰もが尊敬する販売の実務技術をもち、豊富な経験と見識で後輩の育成を行い、指導および店舗の運営ができる能力が求められるようになります。
ジュエリーコーディネーター1級を受けるためには2級試験の合格が必須であり、取得まで3年はかかると言われており、難易度の高い資格と考えられるでしょう。
ジュエリーメーカー社員に役立つ資格が取れる学校
ジュエリーに関するコースがある専門学校
ジュエリーコース・ファッションデザイン科・ジュエリーデザイン科など学校によって名前は異なりますが、製造や技術を身に着ける専門学校はいくつか存在しています。
これらの学校に在籍・卒業することで「貴金属装身具製作技能士」の3級と2級「ジュエリーコーディネーター」の受験資格を得ることが可能となります。
そのため、いち早く資格を取って現場で活躍していきたいのであれば、専門学校へ行き、知識や技術を学んで卒業後に試験を受けるのが最短の道となるでしょう。
総合職を目指すなら、自分がやりたい仕事の資格を取ろう
ジュエリーメーカー社員の総合職を目指すための学校というのは基本的にはなく、4大卒、企業によっては短大卒・専門卒であれば資格の必要はありません。
ただし、自分がやりたい職種があるのでしたら、それに役立つ資格を在籍中に取っていると就職後に配属される可能性が高くなります。
ジュエリーメーカーの「営業職」に役立つ資格試験
- 営業士検定
- セールスレップ
など
ジュエリーメーカーの「事務職」に役立つ資格試験
- MOS
- 日商簿記2級
など
ジュエリーメーカーの「企画職」に役立つ資格試験
- 商品プランナー
- プレゼンテーション検定
など
自分が目指したい職種がある場合、それに合った資格を事前に取得しておくことで、就転職の際にある程度は有利になるでしょう。
ジュエリーメーカー社員の資格・試験まとめ
基本的に資格は不要、ただし取っておいて損はない
ジュエリーメーカー社員に就職するために、絶対に必要な資格は総合職・技術職・販売職ともにありません。
しかし、資格を取得しておくことで、一定の技術・知識を有している証明になりますので、学校在籍中に取れるものは取っておいて損はないでしょう。
「貴金属装身具製作技能士」の1級などは実務経験がないと受験資格を得ることができないので、取得までに時間がかかるかもしれませんが、それまでに学ぶことをしっかりと学んでおけば合格率の高い国家資格となっています。
総合職に関しても自分のなりたい職種に向かって資格取得を目指しつつ、理想のジュエリーメーカー社員になってみてはいかがでしょうか。
ジュエリーメーカー社員の参考情報
平均年収 | 350万円~500万円 |
---|---|
必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 企業 |
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