産業カウンセラーの資格試験とは?産業カウンセラー試験の概要と合格の秘訣
働く人の手助けスペシャリストともいえる、産業カウンセラーとして働く上で、資格や試験に合格していれば、就職、転職、独立の際に有利に働く可能性があります。今回はこの記事で、産業カウンセラー試験についての情報をご紹介します。
産業カウンセラーの資格、産業カウンセラー試験とは?
働く人と組織の問題解決に関する、民間試験
産業カウンセラー試験は、一般社団法人 日本産業カウンセラー協会が主催及び試験を開催している民間試験です。
元々、労働省が認定する技能審査資格であり、その期間は公的資格でしたが、現在は技能審査から外され、民間資格となりました。
産業カウンセラー試験はメンタルヘルス対策の支援、キャリア形成への支援、職場における人間関係開発・職場環境改善への支援を目的に、産業カウンセラーなどの育成、普及を目的とされています。
試験は学科試験と実技試験と別れており、両方とも1月後半に開催されることが多いので、11月~12月が出願期間となります。
合格すれば、メンタルヘルス対策、キャリアコン開発、人間関係や環境の開発・改善に関しての技能や専門知識も有するという証明にもなるでしょう。
産業カウンセラー試験の難易度・合格率
条件を満たしている事と十分な試験対策は必要
産業カウンセラー試験を受ける為には下記の条件のいずれかを満たしてないといけません。
- 成年に達した者かつ協会が行う産業カウンセリングの学識及び技能を修得するための講座を修了した者
- 大学院研究科において心理学、人間関係学、人間科学などのいずれかの名称を冠する専攻を修了者であることと協会が定めている必要な単位を収めていること。(A~G群までの科目において、1科目2単位以内として10科目以上、20単位以上収めていること。ただし、DからG群の科目による取得単位は6単位以内)
A群:産業カウンセリング、カウンセリング、臨床心理学、心理療法各論(精神分析・行動療法など) などの科目群
B群:カウンセリング演習 カウンセリング実習などの科目群
C群:人格心理学、心理アセスメント法などの科目群
D群:キャリア・カウンセリング、キャリア概論などの科目群
E群:産業心理学、産業・組織心理学、グループダイナミックス、人間関係論などの科目群
F群:労働法令の科目群
G群:精神医学、精神保健、精神衛生、心身医学、ストレス学、職場のメンタルヘルスなどの科目群
(修士での受験の場合、申請が必要有り)
この条件を満たしていないと、受けることはできないので注意が必要です。
資格認定試験の合格率としては、学科試験が約73%、実技試験が69%と言われています。
学科試験はマークシート式なので、協会が出す問題集を使って勉強は勿論、産業カウンセラー養成講座や大学院等で勉強をしていれば「難易度はそれほど高くない傾向のようですが、試験問題の内容が幅広く、問題数も多いので、注意しておくべきでしょう。
実技試験はロールプレイング及び口述試験となっており、学科試験より時間は短いので、勉強しておくこと、そして心の準備と受ける前にイメトレをしておくべきでしょう。
大学院や大学からはちょっと難しい人は産業カウンセラー養成講座がある教室を探すのもひとつです。学習ペースを考えて計画を立てることができるので、自分にとって効率よく、より確実な合格を目指すことができるでしょう。
産業カウンセラー試験
合格率 | 学科試験が約73%、実技試験が約69% 総合合格率 約69.5%です。 |
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受講資格・試験場所 | 制限有り。上記に詳しく記載。両方共各都道府県に有り。 |
受験費用 | ・学科 10,500円 ・実技21,000円 |
出題範囲 | ■学科試験 「産業カウンセリング概論」と「カウンセリングの原理および技法」「パーソナリティ理論」「職場のメンタルヘルス」「事例検討」で構成。 ■実技試験 |
試験内容や受講資格についての注意点と補足
科目によって、免除される場合があります。学科試験ならば、学科試験を合格している人は翌年と翌々年度に限りますが、学科試験が免除となる可能性有りです。
実技試験のみの場合も同じく。ただ試験年度の産業カウンセラー養成講座か前年度の養成通信講座を修了かつ、実技能力評価制度により、面接実技能力が一定の基準になっていると試験委員が判定した者は免除の適正申請を行うと実技試験が免除される可能性有りです。
上記に記載した「修士」での受講資格として大学院の単位以外にも、社会人としての職業経験を通算3年以上有し、ている上で心理や人間関係学等の専攻を修了しており、協会が定めているA群~G群までの科目において、1科目を2単位として、4科目以上、8単位以上を取得することを要する者であることが必要になります。
そして養成講座は過去に養成講座を修了していた場合、修了年度に関係なく受ける事ができるので、また受けなおす事は必要ないので、気を付けておくとよいでしょう。
産業カウンセラー試験の合格基準
合格基準として、学科試験と実技試験、2つとも満点中、大体6割以上で合格となっています。満点中、6割以上なので満点でなければいけない訳ではないのと合格率も考えると、比較的難易度としてはやや優しめだと思います。
産業カウンセラーの面接対策ができるスクール及び受講資格が取得できる大学
産業カウンセラーの試験を受ける為には受講資格をとる必要がありますが、産業カウンセラーの受講資格を受けられるスクールというものはありません。ですが面接対策ができる所はあります。
先に養成講座を受けておくべき
資格受講のためには、協会が主催する養成講座を受けておかなければいけません。産業カウンセラー養成講座には、通信講座又は通学講座、e-Learning制講座があります。それぞれ、受講スタイルから費用も異なります。
通学講座なら、在宅研修と通学、通信講座ならスクーリングと在宅、e-Learning制講座ならe-Learning制講座、スクーリング、在宅があります。さらにe-Learning制講座では通常又は夜間コースなど、形態はさまざまです。
基本的に通信講座なら226,800円、e-Learning講座なら291,600円と通信講座の方が比較的に安めではあります。どれが自分に合うか、そしてどの講座が空いているかなど、全国でやっているので協会サイトにて、自分に合うやり方を探してみるといいと思います。(講座内容変更などがある可能性があるので、注意してみておきましょう)
日本傾聴連合会 公認講座
公開講座の中でも、『初心者のための傾聴1日講座』では、産業カウンセラー試験対策がメインといったものではありませんが、受けることにより聴き方の基本を学べるかつ面接試験にも使えます。東京・大阪・名古屋・福岡・北海道で毎月行われているので、受けておくと有利になると考えられます。
心理系・人間科学系の単位を勉強、単位取得できる大学
養成講座だけでも受講資格としてはいけますが、さらに勉強しておきたいなら大学院で勉強したうえで、受けることは資格取得支援だけでなく、実習中心の授業で基礎から応用までしっかり学べるのも魅力です。
東京成徳大学大学院心理学研究科
心理学系は勿論、産業カウンセラーについても学ぶことができます。さらにカウンセリングの現場を体感できる「心理・教育相談センター」がキャンパス内に設置されているため、院生の実習の機会として活用されているため、通いながら経験を積むことができます。
さらに精神医学から産業カウンセリングなど幅広い領域の専門家から指導を受けられるため、将来の専門分野について悩んでいる方や、産業カウンセラーについて詳しく聞きたい人にとっても最適です。
産業カウンセラーの資格・試験まとめ
産業カウンセラーを目指すなら、まずは産業カウンセラー試験の合格を目指そう
産業カウンセラーの仕事自体は、特別な資格、試験に合格しなくても業務に就くことは可能です。ですが就職または、転職、そして独立を考えるならば、資格を持っているほうがベターです。
まずは、産業カウンセラーになるための条件を満たすことを目指して、産業カウンセラー試験の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
産業カウンセラーの参考情報
平均年収 | 200万円~500万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 民間資格 |
職業職種 | 心理・福祉・リハビリ |
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