海事代理士の給与・年収は?現実問題として他の士業と兼任しないと生活は厳しい

海事代理士の給与・年収は?現実問題として他の士業と兼任しないと生活は厳しい

海事代理士の給与・年収についてお伝えし、海事代理士の仕事で生計を立てられている人、年収1,000万円を稼いでいる人の例を紹介しています。専業で海事代理士として経営していくことの難しさ、他の士業の資格と併せて経営していく方法についてお伝えしていきます。

海事代理士の給与・年収について

海事代理士の仕事だけで生計を立てているという人は少ないため、海事代理士の給与・年収を知ることができないというのが現状です。ここでは海事代理士の仕事のみでの経営や、年収1,000万円を稼ぐ海事代理士の例を紹介していきます。

平均的な給与・年収を割り出すのは難しい

司法書士や行政書士と比べて海事代理士は専任で働く人が少なく、平均的な給与・年収を割り出すのが難しいというのが現状です。多くの海事代理士は司法書士と兼業したり、行政書士と兼業したりして収入を確保しています。

なかには専任で海事代理士事務所を立ち上げ経営している人もいますが、造船業界や海運業界に顔が広かったり、人脈を利用したりして生計を立てられる程度の収入を得ているようです。そうして何年も経営を続けていき、地域に根づいた独占市場を築くことができれば、年収1,000万円以上も夢ではないそうです。

しかし、事務所を立ち上げ、専任で海事代理士の仕事をしたとしても、仕事の内容や進め方によって手元に入る金額も変わってきます。開業して経営が成り立つかどうかは人脈やツテ、業界とのつながりや将来的なことも考え、慎重に判断する必要があるでしょう。

年収1,000万円を稼ぐ海事代理士

海事代理士の仕事だけで生計を立てている人が少ないという一方で、年収1,000万円以上を稼ぐという海事代理士もいます。造船業界で顔が広く、太いパイプを持っていて、その地域のマーケットを独占できるのであれば、年収1,000万円以上も夢ではないようです。

年収1,000万円とまではいかなくとも、年収500万円前後の収入なら人脈があれば十分可能なようです。非常に優れた人脈があり、安定して仕事を請け負う見込みがあると判断して開業した場合、開業当初の年収は500万円ほどといわれています。

海事代理士専任の経営では厳しい

海運エリアや漁港エリアのコミュニティは地元の人同士のつながりや、地元ならではのしきたりなど一種独特な空気もあり、閉鎖的な傾向があるとされています。そのような場所で開業し、専任の海事代理士として経営を成り立たせていくのは、並大抵の努力では難しいでしょう。

このようなコミュニティで大きな成功を収めることができるのは、海運業界や造船業界に太いパイプを持つ、ごく一部の人に限られます。どの職業にも共通することですが、安定した収入や高収入を得るためには人脈や地域との密着度に加え、営業力が重要になってくるでしょう。

成功者はごく一部といった背景もあり、多くの海事代理士は、司法書士や行政書士のような他の士業の仕事と兼業して収入を確保しています。これらの仕事は業務範囲が重なるところもあり、仕事の幅を広げることができます。仕事の幅が広がれば、より多くのクライアントの要望に答えることができます。

海事代理士専任が難しい理由

船舶登記の仕事などは司法書士でも代行することができ、海事代理士の仕事と司法書士や行政書士の仕事は業務範囲が重なるところもあります。

現時点で政府が公開している統計によると、2006年に4,232件だった船舶登記の件数が、10年後の2016年には2,315件と半減していて、市場そのものが減少しているという現実があります。

実際に、船舶登記の約70%は司法書士が行なっているとされ、残りの約30%を海事代理士が行なっているというのが現状です。近年の不景気の影響から、日本の海運会社が安い外国の船舶を使用するケースも増えてきています。

このまま日本国籍を持つ船舶が減少すれば、海事代理士専任で仕事を成り立たせるのは厳しくなっていくことが予想されます。

海事代理士で独立開業を目指す

海事代理士として独立開業する場合に、どう行動していけばいいのかを紹介しています。経験を積むための就職先の探し方や、実際に海事代理士として独立開業する際の注意点などについてお伝えします。

独立開業を目指していくには

海事代理士として独立開業するために一番手っ取り早いのが、海事代理士事務所の求人を探し、そこで仕事を学んでいくことです。求人募集で海事代理士の仕事を探す際には、ハローワークだけでなくインターネットを利用するなど、根気強く求人サイトの情報を調べていく必要があるでしょう。

しかし、海事代理士専任で仕事をしている海事代理士事務所自体の数が少なく、見つけることは難しいといえます。そこで出てくるのが、他の法律系事務所で働きながら独立開業を目指す方法です。

他の法律系事務所で海事代理士の資格保持者を探している求人を探し、そこで実務経験を重ねながら、海事代理士としての独立開業を目指していきます。

海事代理士は他の士業である司法書士や行政書士と同じように独立開業することが可能です。しかし、海事代理士の資格だけでは生活していくことは難しく、司法書士など関連性の高い資格と併せて取得していくことを考えたほうが現実的かもしれません。

求人募集を見つける苦労

海事代理士は、世にある職業のなかでも認知度が低く、求人情報自体を見つけることが難しいともいえます。海事代理士事務所自体が少ないことはお伝えしましたが、それに加えてピンポイントで海事代理士の資格保持者を募集するということがほとんどないのです。

求人募集を探す際は海事代理士の募集を探すのではなく、まずは就職することができる司法書士事務所や行政書士事務所を探しましょう。司法書士事務所や行政書士事務所へ就職し、そこで経験を積みながら他の士業の資格取得を目指したり、独立開業の準備をしたりするようにしていきます。

すぐに独立開業は可能?

海事代理士は独立開業することができる職業です。海事代理士試験の受験資格も基本的には誰でも受験でき、順調に進んでいけば誰でも独立開業することができるといえます。しかし、海運業界は閉鎖的な傾向があり、人脈や経験がなければ海事代理士専任で開業するのは難しいといえるでしょう。

それでも海事代理士として独立開業したいのであれば、海運業界へつながる人脈を探すか、海運業界に太いパイプを作る努力をするか、海運業界で存在感を示せるくらいになってから独立することを考えましょう。

人脈を活かして海事代理士となった例

ある副業海事代理士の例を紹介します。その人は父親が大手船舶会社の船長であったこともあり、船舶関連の海難調査や海事関係の調査を任せてもらえました。しかし、単なる調査の現場でも、「陸の人間に何がわかる」という態度を示され、スムーズに仕事を進めることができなかったそうです。

そこで役に立ったのが海事代理士会のバッジです。バッジをつけて調査の現場へ赴くと、聞き取りなどもとてもスムーズに進めることができたそうです。このバッジは海事代理士試験の合格後に海事代理士として登録し、海事代理士会に入会することでバッジをもらうことができます。

この人は他に本業があり、副業として仕事を請け負っていたそうですが、本業を超えるほどの収入を得ることはできなかったそうです。

海事代理士の給与・年収まとめ

他の士業の資格とプラスアルファで考えるべき

将来、海事代理士の仕事のみで経営していくことは厳しい状況であることをお伝えしましたが、周りを海に囲まれた日本で海事代理士が必要なくなるとは考えられません。海事代理士のみで経営するのではなく、司法書士や行政書士の資格とプラスアルファで考えていくべきでしょう。

海事代理士のみで独立開業を目指すなら、人脈やツテを探すこと、海運業界で存在感を示せる実績を作ること、海運業界に太いパイプを作る努力をすることが重要です。

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海事代理士の参考情報

平均年収500万円~600万円
必要資格
  • 海事代理士
資格区分 国家資格
職業職種法律・政治

統計情報 出典元:

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