彫金師の給与・年収は?初任給や平均月収などの収入統計

彫金師の給与・年収は?初任給や平均月収などの収入統計

ジュエリーメーカーや仏壇仏具メーカーなどで彫金の仕事をする彫金師。彫金師の働き方は、雇われて働く、腕を磨いて独立する、彫金教室の講師として働くなど様々です。この記事では、彫金師の給与・年収についてご紹介します。

彫金師の初任給

彫金師になるには大きく分けて2つの道があります。

  • ジュエリーメーカーや仏壇仏具メーカーに勤務
  • 工房などに弟子入りして働く

まず、彫金師として働くようになってからの初任給を、この2つの方法それぞれで紹介します。

メーカーに勤務

求人情報などを参考にすると大学卒の初任給が18~20万円、短大・専門学校卒で17~19万円前後の金額がジュエリーメーカーに勤務した場合の初任給の相場です。

一般財団法人労務法人研究所が発表した「2108年度新入社員の初任給調査」によると全産業でみた大学卒の新入社員の初任給の平均は21.1万円です。彫金師としてジュエリーメーカーに勤務した場合の初任給は、大卒新入社員の初任給の平均相場よりも少し低い金額になります。

工房などに弟子入りして働く

日本における彫金の歴史は古く、古墳時代にまでさかのぼることができます。武士の時代は刀剣装飾のため彫金の技術が用いられましたが、彫金の技は現代まで伝統工芸として受け継がれています。そのため日本古来の和彫りの彫金を学びたいという人は、彫金の伝統工芸士がいる工房などで技術を学びながら働き、一流の職人を目指すという方もいます。

しかし、弟子入りとなるアルバイトとおなじように時給1,000円から1,500円程度で働き、初任給も10万円前後となることが予想されます。とはいえ、伝統工芸の技を給料をもらいながら学べるというメリットがあります。

彫金の伝統的な技法は、神社仏閣などの日本建築、お神輿や山車などを豪華絢爛に彩る装飾として用いられ質の高い彫金は数百年もきれいな形を残します。給与は少なくてもきちんと腕を磨き一流の職人になることができれば、後世に名が残る彫金師になれる可能性があります。

彫金師の平均給与

彫金師の給与の平均相場、基本給以外に支給されるものを紹介します。

彫金師の基本給の平均は20万円

ジュエリー制作のメーカーに彫金師として勤務した場合、毎月の基本給はどれくらいになるのかいくつかの求人情報を参考に調査すると、平均は20万円程度でした。例えば、ジュエリーの制作・修理を行う会社の募集要項では、経験や能力を考慮して月給18.3万円~30.3万円の間となっています。

彫金による兜や置物、レリーフなどを専門に扱う会社では、基本給15万円、職能手当や住宅手当が毎月支給され21万円となるというモデルケースが例示されていました。

基本給以外の手当

ジュエリーメーカーなどで勤務する場合、基本給以外にも各手当がつく場合があります。

以下のような手当てが一般的には支給されます。

  • 交通費
  • 職能手当
  • 役職手当
  • 家族手当
  • 住宅手当
  • 皆勤手当

勤務する会社により支給される手当の種類や数、金額は異なります。募集要項や面接時に確認しましょう。

彫金師のボーナス

ジュエリーメーカーなどの会社で働くなら、ボーナスが支給される場合があります。ボーナス(賞与)の相場は、給料の1ヶ月から3ヶ月分です。夏と冬の年2回支給されるのが普通です。

彫金師の平均年収

最後に彫金師の年収の相場、彫金師として年収をアップさせる方法などを紹介します。

彫金師の年収の相場は300~400万円

先ほど紹介した初任給や給与例を参考にすると、ジュエリーメーカーに勤務した駆け出しの彫金師の年収は200~240万円となります。

しかし、年齢と経験を重ねていけば年収はアップしていきます。ジュエリーの制作や彫金師としての経験を積んでいけば年収は400万円以上となるケースもあります。このことから、彫金師の年収の相場はだいたい300~400万円程度になると思われます。

厚生労働省のまとめている「賃金構造基本統計調査」によると平成29年の男女の平均年収は304.3万円でした。

彫金師の年収をアップさせる方法

彫金師としてジュエリーメーカーなどに就職した後、年収上げる方法として次の5つがあります。

  • 昇給
  • 昇進
  • 転職
  • 独立
  • 講師

昇給

就職した会社が昇給制度を採用しているなら、昇給により年収がアップします。昇給時期として一般的なのは4月です。定期昇給を採用している会社であれば、定期的な基本給アップが見込めます。

ボーナスが支給されており、その支給額が毎月の給与金額に基づいて計算されている会社ならば、自動的にボーナスの金額、年収の額もアップすることになります。

昇進

昇進することで役職手当がつき、それも年収アップにつながります。例えば、ジュエリーデザインのチームリーダーなど管理職として職人を束ねる立場に就くことがあります。

デザイナーチームのスケジュール管理、デザインや品質のクオリティーの維持など、直接彫金の仕事とは関係のない分野のこうしたスキルを身に着けておけば、経営者側の意図も汲み取れる職人として重宝されます。

そうすると昇進や昇給、または有利な条件での転職などの機会を掴むきっかけになります。

転職

今より給与面で待遇の良い会社に転職するというのも年収アップの方法の一つです。将来的に拡大する見込みのある会社に転職するという選択肢もあります。当初給与のアップは難しいかもしれませんが、見込み通りに業績が上がっていけばそれに比例して給与も上がっていくでしょう。

例えば、ジュエリーや日本の伝統技能である彫金によって作られた工芸品や食器、アクセサリーなどは外国人観光客のお土産として喜ばれます。そうしたインバウンド需要をうまく取り込んだ経営を行っている会社に勤めることができれば、彫金師としての自分の作品を世界に送り出すこともできるでしょう。

独立

彫金師としてのスキルや実績をある程度積んできたなら独立も視野に入れることができます。最近では、SNSを通じて自分がデザインしたジュエリーやアクセサリーなどの情報を発信している彫金師の方も増えています。

独立して自分で工房をかまえ、お客様からオーダーメイドの注文を受けて世界に一つしかないオリジナルのリングを制作している彫金師の方もいます。満足したお客様がSNSで情報を拡散し、それによりお客様が増えるというケースもあります。

独立すれば、こうしたオリジナル作品の制作に加えて、ジュエリーやアクセサリーの修理・リペアの仕事も請け負うことができます。彫金師として独立するというのも年収アップ・彫金師としてのスキルアップの方法です。

講師

彫金師の中には、培った彫金の技術を彫金教室で生徒さんに教えることを仕事にしている方もいます。格子の仕事は彫金師の仕事を続けながらでもできるので、これも年収アップになる方法の一つです。

生徒さんの中には何年も教室に通い、彫金教室がいわばその人の工房のようになっている方もいるそうです。さらに、彫金教室で彫金のすばらしさに触れ、本物の彫金師になった方もいます。

彫金教室の講師という仕事は金銭面だけでなく、彫金に携わる人の裾野を広げるという素晴らしい一面を持ち合わせています。

彫金師の仕事の将来性

彫金師の仕事の初任給・給与・年収を紹介しました。彫金という言葉自体が耳慣れない言葉ですが、この仕事の将来性はどうなのか簡単に触れておきます。

ジュエリー市場は最近まで減少傾向にありました。しかしインバウンド需要などを受けて拡大傾向が見られています。日本の伝統技能でもある和彫りの彫金で作られた伝統工芸品や食器、アクセサリーなどは外国からの観光客のお土産にもなります。

また、彫金師として独立できれば、オーダーメイドのジュエリーやアクセサリー制作などで、顧客満足度を向上させ、顧客をしっかり掴んでおく営業スタイルを取ることも可能です。

こうした点から見て彫金師の仕事は今後も需要の見込める仕事ということができます。

彫金師の給与・年収まとめ

腕があればしっかり稼げる!将来的には独立も可能

よほどのことがない限り、彫金師の年収は日本の平均年収よりも低い金額になるケースが多いようです。ただし、彫金師として一人前になれば、独立して工房を持つ、彫金教室の講師として働くという新たな展開も見えてきます。

何よりも職人は定年退職がありませんから、健康であるならずっと現役で活躍できる仕事でもあります。彫金師として腕を磨き、生涯現役で働き続けることを目標にするのはいかがでしょうか。

年収UPも可能なオススメ転職・就職支援サービス

doda(デューダ)は、転職活動の疑問に応える充実のコンテンツであなたをサポート! 約10万件の求人数・転職の悩みを解決・転職に役立つサービス満載・doda限定の求人も多数・タイプ: 営業職, エンジニア, 事務職, 販売サービス, 人事, 総務, 法務, 経理, 財務。

彫金師の参考情報

平均年収300万円~400万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種広告・デザイン・アート

統計情報 出典元:

役立ったら応援クリックお願いします

にほんブログ村 資格ブログへ

彫金師の関連記事

広告・デザイン・アートに関する他の職業KANREN JOB