農家の資格・試験とは?農業をする際に持っていると有利な資格から必須資格までご紹介

農家の資格・試験とは?農業をする際に持っていると有利な資格から必須資格までご紹介

農家というと、資格も学歴も関係なくなれる職業と思われる方も多いかもしれません。しかし、農家の仕事は、耕作で機械を使ったり、危険な農薬を扱ったり、ハウス栽培でボイラーを使用したりと幅広く、必要な資格や役に立つ資格が多くあります。今回はこの記事で、農家に関連する各種の資格・試験の情報をご紹介します。

農家の資格とは?

農地の取得や農機等に必要な多様な資格

日本の農家は、経営耕地面積が10アール以上または年間農産物販売金額が15万円以上の個人世帯と定義されています。すでに農地があって、農業を始めるための資金もあれば、特に資格がなくても農業を始められます。

また、農業法人に就職したり、農地を借りたりして農業に従事するという方法もあります。この場合も法律で定められた資格などはありません。

しかし、新規に農地を取得しようとする場合は資格が必要です。また、現実的には農薬、農機、設備等を扱うため、各種資格が必要となります。

農地の取得に欠かせない農家資格

「農家資格」は、農地の台帳である農地基本台帳に登録されて、一定規模以上の工作をしていることです。農地を購入する際には、求められることがほとんどです。

しかし、これから新たに農業を始めようという人でも農地を購入することは可能です。農地の売買をするためには、農業委員会の許可が必要であると農地法で定められています。

許可をもらうためには、農地を取得したら農業にきちんと従事して農地を管理することや、現実的に農業が可能なところに住んでいるか、経営面積がどのくらいか(都道府県によって、何ヘクタール以上、などと決められています。)など、各種要件を満たす必要があります。

農家の資格の難易度・合格率

農家資格の難易度・合格率

農地の売買に必要な農家資格は、農業委員会に申請書を提出し、営農計画や資金計画、そして熱意が認められれば得ることができます。

難易度や合格率を示す統計、指標などはありませんが、昨今は後継者不足に悩む農家や地域も多いことから、きちんとした計画や資金、熱意があれば、認められることが多いようです。

その他の農家関連資格

普通自動車運転免許

事実上、農家にとって必須の資格と言えるのが、普通自動車の運転免許です。農業では資材や苗、収穫したものなど色々なものを運ぶ必要があり、軽トラックが必須です。

また、農地まで通ったり見回ったりするためにも、田舎で暮らすためにも、自動車が欠かせないのが実際のところです。運転免許は必須の資格と言えるでしょう。

大型特殊、小型特殊、けん引免許

稲作農家で使うことが多い農耕トラクターやコンバインなどは、最近大型化してきています。これらの車両は私有地内で使用するだけではなく、公道を通って移動する必要性がでてきますので、大型特殊自動車免許が必要となります。

また、大型でなくても農耕トラクターや農業用薬剤散布車、田植え機などを運転するためには小型特殊自動車免許が必要です。農機具や機械などは、けん引タイプのものも多くありますので、けん引免許があれば、重宝するでしょう。

より高度な農業に向けた資格

農家として必ず持っていなければならない資格ではありませんが、農作物の種類や栽培方法、経営規模によっては、必須あるいはあった方がより良い資格がありますので、紹介します。

毒物劇物取扱責任者

毒物劇物取扱責任者は、毒物、劇物を扱う時に必要となる国家資格です。農薬の中には毒物、劇物に該当するものがあり、それを扱う店舗には毒物劇物取扱責任者を設置することとされています。

農家に必須の資格ではありませんが、農薬を適切に使用したり管理したりするので、資格があればより良いと言えるでしょう。試験は都道府県ごとに行なわれ、筆記試験のほかに実地試験がある場合もあります。

危険物取扱者・ボイラー技師

ハウス栽培で室温管理にボイラーを使う場合には、ガソリンをはじめとする危険物を使用します。危険物取扱者は消防法で規定された危険物を扱うために必要な国家資格で、試験を受けて合格すればなることができます。

また、ボイラーの操作や点検のためにはボイラー技師の資格が必要で、こちらも国家資格です。試験に合格することに加え、級によって一定の実務経験が必要です。

産業用無人ヘリコプター技能認定

産業用無人ヘリコプター技能認定は、無人ヘリコプターでの農薬散布に求められる民間資格です。無人ヘリコプターでの農薬散布は、労力がかかる農薬散布の省エネ化や農家の負担軽減につながるということで最近注目されています。

これを行うためには、ヘリコプターの操縦技能や農薬散布についての知識が必要なため、民間の教習や技能検定などがあります。

農業機械士

農業機械士は、農業機械が故障した時に修理をすることができる資格です。もちろん、故障したら専門業者に修理を依頼するということでも構わないのですが、頻繁に使用する機会を自分で修理できれば何かと便利です。

農業機械士は、農業機械士養成研修を受けて技能検定に合格し、都道府県知事から認定されるとなることができます。

フラワー装飾技能士

フラワー装飾技能士は、フラワーデザインの国家資格で、ブライダルブーケやパーティ会場の飾り付けなどのフラワー装飾技能を認定するものです。学科と実技の試験があります。花木農家の場合、資格を持っていると営業や経営戦略面で有利でしょう。

家畜人工授精師

家畜人工授精師は、家畜の人工授精を行なうために必要な国家資格です。都道府県ごとに講習会や修了試験があります。なお、家畜の人工授精は獣医師も行なうことができます。

農家の資格が取れる学校

高校、専門学校、大学など

農家になるために学歴は関係ありません。実家が農家で農地もあり仕事内容も親や親戚から教えてもらえるといった環境にあれば、特に専門の学校を出なくてもすぐに農家になることができます。一方で、学校で学んでから農家になる方も多くいます。

最近は、ITを利活用した次世代農業や、農産物を生産するだけではなく、加工や流通、販売まで行うアグリビジネスにも注目が集まっているなど、時代の潮流と相まって農業にも新しい流れがあります。農産物の生産についても、新しい技術が導入されたり、新品種が開発されたりしています。

これからの時代に高付加価値化を図るためには、学校で学んだことが役に立つことも多いでしょう。また、資格によっては学歴があると取得に有利になることがあります。

農家になろうとする方が目指す学校は、農業高校、専門学校、大学の農学部などがあります。

農業高校

農業高校は、全国に300校ほどあり、公立高校の学費は3年間で40万円ほどです。ほかに修学旅行や実習材料費などがかかります。全寮制や一定期間寮生活をしながら学ぶ場合もあり、その場合は寮費、光熱費などがかかります。

私立高校の学費は学校によって幅があり、全寮制かどうかなどでも変わりますが、3年間でおよそ180万円から400万円ほどです。

農業の専門学校

農業の専門学校は、農業大学校や農林水産省管轄の学校、高等専修学校などがあります。全寮制で実習を取り入れながら学ぶことが多く、費用は2年間で100万円から300万円前後です。

大学の農学部

大学の農学部で学べることは、農学、農業工学、農芸化学をはじめとして、畜産、園芸、獣医学畜産学や、水産学、林産学、農業経済学など幅広くあります。そのため、卒業後は食品や流通、化学研究などさまざまな関連分野へ就職する人が多く、農家になるのは一握りです。

学費は国立大学の場合、4年間で200万円から300万円前後、私立大学の場合は大学により異なりますがおよそ400万円から800万円の間です。

新規就農者の研修・相談

現実問題として、新たに農地を取得しようとした場合、適した農地がどこにどのくらいあるのか、探すのはなかなか大変です。そして、農業に必要な技術、農機、流通などについて、具体的にどうすればよいのか、わからないことだらけとなるでしょう。

各都道府県には新規就農センターが設置されていて、相談に乗ってくれます。また、農業法人に就職したい場合は、募集があればハローワークで斡旋してもらうことも可能です。

農家の資格・試験まとめ

自動車運転免許は事実上必須!農家資格も

農家になるために資格や試験に合格する必要はありませんが、現実的には自動車運転免許は必須です。また、新規の農地取得には農家資格が必要です。

学歴は不問の職業ですが、学校での知識が役立つことは多くあるため、学校を出てから農家になる人も多くいます。

農業に関連する資格、試験は数多くあります。高収益、高付加価値化を目指すためにも、自分の目指す農業の姿に応じた資格取得を目指してはいかがでしょうか。

農家の参考情報

平均年収400万円~500万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種自然・動物

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