e-Sports選手(プロゲーマー)の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
e-Sports選手の仕事内容としては、スポーツとしてのゲーム競技であるeスポーツの大会で勝利を目指すことが基本です。また、それ以外にも長時間におよぶ日々の練習などやるべき仕事はあります。今回は、e-Sports選手の具体的な仕事内容、仕事のやりがいなどについてご紹介します。
e-Sports選手とはどんな仕事?
e-Sports選手はゲームの世界で活躍するアスリート
e-Sports選手とは、一言で言うとゲームの世界で活躍するアスリートと表現できます。
プロスポーツアスリートと同様に大会に向けてコンディション調整をしたり、栄養面の管理をしたりするe-Sports選手もいます。基本的には1日中ゲームをして実力を高めることが仕事ですが、まさにアスリートのような生活をしているところに特徴があります。
大会で勝つためにはさまざまな戦略や戦術を練ったり、チームでの作戦を考えたりするなど、勝利という目的に向かってできることは何かを考えながら日々練習に取り組みます。
日本国内や世界の大会で勝利を目指すことがe-Sports選手に課せられた使命であり、そのために日々の努力を欠かさないことが大切です。活躍して有名になったe-Sports選手やプロゲーミングチームには、企業スポンサーがつくことも珍しくありません。
企業スポンサーからの収入と大会での賞金獲得がe-Sports選手の主な収入源となります。
e-Sports選手は資格不要
e-Sports選手として仕事をするためには、何か特別な資格や学歴が必要となるわけではありません。
日本国内のライセンスは一般社団法人日本eスポーツ連合と呼ばれる組織が発行していますが、ライセンスを取得していなくてもプロゲーマーを名乗ることは可能です。
とにかく特定ジャンルや特定タイトルのゲームでの圧倒的な実力が重要であり、大会で勝つことができれば誰でもe-Sports選手を名乗ることができます。大会で勝利するためには、1日10時間を越えるようなハードな練習が必要になることもあります。
実力が物を言う世界であり、自分のスキルやテクニックを磨き続けることが大切です。資格を取得する必要はないので、とにかく実力アップに向けて努力を重ねることが求められます。
プロチームに所属する
e-Sports選手として活動するためには、基本的にプロチームに所属することが必要です。
e-Sportsの大会は国内外を問わず、チーム戦で行うことが多く、一緒に戦う仲間がいなければ大会に出場することができません。個人で参加できる大会もありますが、継続的に活動を続けるという意味でもチームに所属することがポイントです。
プロチームによって給料体系は変わりますが、年俸制や月給制という形で一般的な企業と同じように給料が支払われることが多くなっています。その他、大会での賞金や企業スポンサーからの収入など、臨時ボーナスのような形で給料を受け取ることもあります。
いずれにしてもe-Sports選手を目指すのであれば、プロチームに所属することを目指して活動を続けることがポイントです。
大会に出場して好成績を目指す
プロチームに所属することができたら、国内の大会に出場して好成績を目指すことになります。e-Sportsの大会は海外でも開催されていますが、海外の大会に出場するためには、まず国内の大会で結果を残す必要があります。
日本国内や世界ではゲームのジャンルに応じた大会やリーグ戦なども開催されています。リーグや大会で優勝したり上位の成績を収めたりすると、順位に応じて賞金をもらうことができます。
そうした賞金がe-Sports選手の収入源となるので、大会で好成績を目指すことが重要です。2018~2019シーズンにかけて行われた主な大会の賞金総額は以下の通りです。
- フォートナイト「Fortnite World Cup」:賞金総額 約32億円
- Data2「The International 2018」:賞金総額 約27億円
- LoL「2018 World Championship」:賞金総額 約7億円
- オーバーウォッチ「オーバーウォッチリーグ」:賞金総額 約5億円
- レインボーシックス シージ「Six Invitational 2019」:総額 約2億円
ご覧のように、e-Sports大会の賞金総額は億を超えることが多く、それだけ高額な賞金を手に入れられるチャンスも広がっています。
賞金総額は年々上昇傾向にあり、今後も高い賞金を手に入れるチャンスが出てくるでしょう。そうしたチャンスを物にし続けることで、e-Sports選手としての大成を目指すことができます。
ゲームのジャンル
e-Sports大会で実施されている主なゲームのジャンルについて紹介します。e-Sportsと言っても、あらゆるゲームが大会で採用されているわけではありません。一部のジャンルやタイトルで大会が開催されているので、そうしたジャンルの腕を磨いて参戦する必要があります。
また、年によって開催されなくなることや新たにジャンルが追加されることもあります。e-Sportsは流行り廃りが激しい世界でもあるので、日々情報をアップデートしていく必要があります。
FPS(ファーストパーソンシューティングゲーム)
まず、e-SportsのジャンルとしてFPSをあげることができます。ファーストパーソンシューティングゲームと呼ばれる通り、基本的には1人称視点でキャラクターを操作して相手を倒すゲームです。銃を使って対戦するジャンルであり、e-Sportsの中でも人気のあるジャンルとなっています。
主なゲームタイトルについては以下の通りです。
- レインボーシックス ベガス
- Call of Duty
- Counter-Strike: Global Offensive
- Halo
- Overwatch
RTS(リアルタイムストラテジー)
続いてのゲームジャンルとして、RTSをあげることができます。リアルタイムストラテジーと呼ばれるジャンルで、敵陣営を攻め落とすことを目的とした戦略型ゲームとなっています。
敵と味方の双方がリアルタイムで操作を行うところに特徴があります。主なゲームタイトルは以下の通りです。
- Age of Empires
- StarCraft ii
- Warcraft iii
マルチオンライン(MOBA)
続いては、マルチオンラインについて見ていきます。マルチオンラインはRTSのサブジャンルとして理解されており、敵陣営を攻め落とすことを目的とした戦略型ゲームという点はほとんど同じです。
RTSとの違いとして、マルチオンラインの場合はプレイヤーが選択したキャラクターのみを操作することがあげられます。基本的にはチーム戦で、性能の異なるキャラクターを操りながら味方と協力して敵陣を攻めていきます。
主なゲームタイトルは以下の通りです。
- LoL(League of Legends)
- Dota2
スポーツ
e-Sportsのジャンルとして、スポーツもあげられます。スポーツやモータースポーツなどのシュミレーションゲームを題材として勝者を決定します。その場の状況判断能力や対戦相手の研究を通して、弱点をつきながら勝利を求めていくところに醍醐味があります。
サッカーゲームとして有名な「ウィニングイレブン」などが、e-Sports大会でも採用されています。
格闘ゲーム
日本人にお馴染みのe-Sportsジャンルとして、格闘ゲームをあげることができます。主なタイトルとしては、「ストリートファイター」や「鉄拳」などがあります。奥行きがない2次元空間での対戦や、立体的に見える3次元での対戦など、大会によって採用されるゲーム画面は異なります。
e-Sportsと言えば格闘ゲームと認識している方も多いほど、人気のあるゲームジャンルです。
オンラインカードゲーム(OCG)
e-Sportsのジャンルとして、オンラインカードゲームもあげることができます。インターネット上でプレイできるところに特徴があり、PC演算を活用するなど、頭脳戦となることも多く盛り上がりを見せています。インターネット上で行えるので、24時間いつでも対戦相手を見つけられるところも魅力的です。
パズル
e-Sportsの分野ではパズルも採用されています。「ぷよぷよ」や「テトリス」といったゲームがパズルに該当するタイトルであり、老若男女を問わず楽しめるゲームです。
ルールもわかりやすく見ている方も楽しめるところが魅力的です。今後ますます人気拡大が期待されるジャンルとして注目を集めています。
e-Sports選手の具体的な仕事内容
e-Sports選手の仕事はさまざまな大会に参加して勝利を目指すこと
e-Sports選手の具体的な仕事内容としては、さまざまな大会に参加して勝利を目指すことと言えるでしょう。プロゲーマーとしての広報活動やインターネット配信など、付随する仕事は複数ありますが、まずは大会で勝てるように実力を磨いて実績を上げることが重要です。
いくらe-Sports選手を名乗っていても、大会での目立った活躍がなければ世間からはほとんど認知されなくなってしまいます。まだまだ歴史が浅いのがe-Sportsの世界であり、トッププレイヤーになるチャンスもある一方、大会で活躍できなければ生活が苦しくなってしまうという実情もあります。
まずは地力をつけて国内大会で好成績を収め、海外の大会でも目立った成績を残せるようにすることが最大のポイントです。
大会で勝つために練習する
e-Sports選手を職業としていくためには、大会で勝利することが重要です。優勝や準優勝など、少なくとも賞金を手に入れられる順位に入ることができなければ、収入源を確保することが難しくなってしまいます。
大会で勝つためには、とにかく毎日練習を重ねてスキルアップするしかありません。e-Sportsのトッププレイヤーと呼ばれるような人たちは毎日10時間近く練習しているとも言われており、それだけゲームにかける情熱がなければプロゲーマーを目指すことはできません。
全ては実力次第で決まるのがe-Sportsの世界であり、大会で目立った成績を残すことができなければスポットライトを浴びることもないでしょう。それだけ厳しい世界ですが、トッププレイヤーを目指して、まずは日々の努力を怠らないことが求められます。
プロゲーマーとしての広報活動
e-Sports選手の仕事内容は、基本的にゲーム大会で活躍することと練習です。それ以外の仕事として広報活動もあげることができます。一部の有名なプロチームには企業スポンサーがつくこともあり、スポンサー収入を手に入れることも可能です。
チームによっては大企業がメインスポンサーになっていることもあり、スポンサー企業の広報活動に選手が参加することもあります。チームにスポンサーがつけば、大会時に着用するユニフォームに企業ロゴを掲載することができます。
まずはスポンサーについてもらうことが大きな目標となりますが、スポンサー企業から依頼された仕事をこなすこともe-Sports選手に求められる役割です。
インターネット配信
e-Sports選手の仕事内容として、インターネット配信もあげられます。特に、YouTubeでゲームの解説や技の解説などを行っているプロゲーマーも多く、そこから広告収入を上げているケースもあります。
YouTubeの他、Twitchを利用したゲーム配信も活発に行われています。そうしたインターネット配信を行うことで、広告収入を得るだけではなくプレイヤー自身の認知度向上につなげることもできます。
基本的には大会で好成績を収めることで認知度を高めて、ファンやスポンサーを獲得することが正攻法です。しかし、e-Sportsを始めたばかりの頃はなかなか思うような成績を残せないこともあります。
そういった場合に地道にインターネット配信を続けていくことで、根強いファン獲得へとつなげることができます。人気のインターネット配信者になることができれば、プレイ配信だけで生活費を稼ぐことができるようになり、安定的にe-Sports選手として活動することができます。
e-Sports選手の仕事のやりがい
ここからは、e-Sports選手の仕事のやりがいに注目していきます。e-Sportsはまだまだ歴史が浅く、プレイヤー自体もそれほど多いわけではありません。それでも、10代や20代の若者を中心に、ゲームの世界で活躍して一攫千金を目指そうとしている人が増えてきていることも事実です。
実際に、e-Sports選手になることでどういったやりがいを感じることができるのでしょうか。多くの人たちが気になる部分について深堀りしていきます。
世界中の人たちと勝負できること
e-Sports選手の仕事のやりがいとして、世界中の人たちと勝負できることがあげられます。プロスポーツ選手でも国内で活躍すると、世界の舞台で活躍したいと考える人が出てきます。それと同じように、e-Sportsでも活躍の場は世界中に広がっています。
世界の強敵たちと勝負をして、世界中に自分の名前が知られるようになった時の喜びは何事にも変え難いものがあるでしょう。実力をつけて有名になれば、インターネット配信による広告収入や企業スポンサーからの収入も得られるようになります。
まずは国内で活躍することが求められますが、その先の世界が広がっているところにe-Sports選手のやりがいがあります。
大会で勝利した時の達成感
e-Sports選手のやりがいとして、大会で勝利した時の達成感も外せないでしょう。実際に開催される大会では、多くの観客が見守る中で対戦します。そこで勝利した時の感覚は本当のスポーツの勝負で勝った時のような感動や興奮があります。
毎日10時間かそれ以上にわたる時間をかけて練習してきた成果を出すのが大会という舞台です。それだけe-Sportsにかけている人たちが集う場所であり、そこで勝利できた時の喜びは計り知れないものがあるでしょう。
苦しいことや辛いことが多いプレイヤーほど、大会で勝利や優勝した時の充実感や達成感を覚えやすくなります。
高収入も期待できる
達成感や充実感といった感覚的な部分もそうですが、大会で好成績を収めることで高収入を手にすることも期待できます。世界を見渡せば、e-Sportsの競技人口は1億人を超えていると言われており、海外の大会では賞金総額が10億円を超えるような大会も数多くあります。
優勝すればそれだけ多くの賞金を獲得できるのがe-Sportsの醍醐味であり、一般的なサラリーマンでは稼げないような金額を手にすることができます。
海外のトッププレイヤーの年収は億単位とも言われており、それだけ可能性が広がっているのがe-Sportsです。日本のトッププレイヤーの場合は、年収3,000万円程度と言われていますが、今後の活躍次第でまだまだ上昇させることができるでしょう。
それだけ大きな可能性があるのがe-Sportsであり、感覚的な部分のやりがいと、実際に手にできる金額の大きさに魅力がある仕事です。
活躍し続けることは難しい面も
さまざまなやりがいがあるe-Sports選手ですが、忘れておいてはいけないこともあります。それは活躍し続けることが難しい面もあるということです。
e-Sportsはプロスポーツアスリートよりも競技寿命が短いと言われています。競技者全体の年齢を見ても10代後半から20代にかけてが多くなっており、20代後半に差し掛かってくると引退を余儀なくされるプレイヤーも出てきます。
大会で勝ち抜くためには高いレベルでの判断力や瞬発力が必要となり、年齢の上昇に応じてそういったスキルに衰えが見られてきます。そのため、e-Sportsは若ければ若いほど有利とされており、10代のうちから活躍するプレイヤーも少なくありません。
プレイヤーによっては30代になっても活躍し続けていますが、基本的に長期間にわたって第一線で活躍し続けることは難しいと考えておく必要があります。その分、若いうちに短期集中で多くの収入を稼ぐことを目標にするのも悪くありません。
プレイヤーとしての引退後はプロチームのマネジメントや監督、ゲーム関連企業への就職など、さまざまな道で活躍できる幅も広がっています。まずはプレイヤーとして努力を続け、その先のことは引退してから考えるのも悪くないでしょう。
e-Sports選手の仕事内容まとめ
好きなことを極め続けることでなれるのがe-Sports選手
e-Sports選手はゲームの世界で活躍するアスリートと言うことができますが、活躍までの道のりは決して平坦ではありません。途中で挫折してしまったり、あきらめてしまったりするプレイヤーも数多くいます。単純にゲームが好きという理由だけで仕事にできるわけではありません。
ゲームが好きであることは前提で、その好きという気持ちを持ち続けて努力を重ねられる一部のプレイヤーだけが、e-Sports選手として脚光を浴びることができます。それはとても厳しいことであり、忍耐力や相当強い精神力も求められます。
しかし、努力した先にはとてつもないやりがいが待っていることも確かです。世界の大会で活躍すれば世界中の人たちから賞賛と喝采を浴び、一躍スターになることができます。収入も一気に跳ね上がり、億単位を目指すことも不可能ではありません。
それだけの可能性を秘めているのがe-Sportsの世界であり、大きな目標に向かって努力を続ける価値がある仕事と言えるでしょう。
e-Sports選手(プロゲーマー)の参考情報
平均年収 | 400万円~1000万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | マンガ・アニメ・ゲーム |
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