通関士になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説
海外と企業を結ぶ仕事に、通関士という仕事があります。通関士は日本から世界へ、世界から日本へ商品を輸出・輸入する際に必要な書類を提出し、滞りなく商品の流れをサポートする仕事です。海外と取引をするうえで欠かすことができない通関士になるためにどのようなことが必要なのか詳しく紹介していきましょう。
通関士になるには何が必要?
まずはじめに、通関士として就業する場合、国家資格の通関士を取得することが必須条件となります。次に通関士に求められているスキルはどのようなものが必要か紹介していきます。
事務処理能力
通関士の仕事内容には、商品を輸出・輸入するうえで必要な書類を作成しなければいけません。この書類はただ商品の個数や内容を記載して提出するというかんたんなものではありません。その内容は少し複雑で、専門的な知識が必要になります。
書類内容によっては、税関の検査を通過することができず、商品を受け取ることができないということもあります。輸入を左右する書類とはどのようなものがあるのでしょうか。
税関を通過するための資料
税関に提出するための資料作りも大切ですが、それ以外にも会社側を説得させる資料を作成することも必要になるケースがあります。例えば、企業が初めて海外へ商品を送る際、どのような項目が必要であるかを解説しなければなりません。
例えば食品を輸入するのであれば、検査を受けることもあります。また、商品によっては申請する項目によって関税の税率が変化してしまうので、客観的に企業にわかりやすく解説する必要があります。
データ作成
商品を扱ううえでは、データ作成作業を欠かすことができません。輸入・輸出量のデータをもとにどの程度輸入すべきか、また商品によっては輸入・輸出するタイミングを通関士がアドバイスする機会もあります。
このような、地味な作業も通関士に求められる仕事です。しかし、海外へ商品を輸出するためには、これらの仕事はとても大切です。地道にコツコツと仕事をこなしていくことが、より良い商品を作ることにつながっていくということを覚えておきましょう。
交渉能力
通関士では、交渉能力も必要なスキルになります。輸入・輸出は海外とのやりとりになるため、商品に折り合いがつかない時もあります。また、商品の申請が税関側に拒否され、商品を輸入することができないというケースもあります。
このような不測の事態に備えて交渉を行い、いかにして滞りなく商品を輸入・輸出させることができるかということも大切になります。企業にとっては、商品の流れが止まってしまうことが一番心配しなければいけない点なので、通関士の交渉能力が重要になることもあります。
通関士に向いている人、適性がある人
通関士に向いている人、また適性がある人とはどのような人なのでしょうか。通関士に向いている人、適性がある人の特徴をかんたんに説明していきます。
向いている人
通関士に向いている人は、次のようなスキルを持っていると通関士として活躍することが期待できます。
わかりやすい書類作成能力
通関士には、税関に申請するにあたり書類を作成する必要があります。初めての商品の場合、わかりやすい説明がなければ、日本に持ち込むことができない可能性があるため、わかりやすい書類が求められます。
また、新しいプロジェクトに取り組む際には、企業側を説得するための資料としてわかりやすい資料を作る必要があるため、書類作成能力は必要不可欠であるといえます。ふだんから見やすい書類作りを心がけている人にとっては、通関士の仕事は向いているといえるでしょう。
地味な作業が好き
通関士の仕事は、書類を作成したり、データを入力したりと地味な作業の連続です。地味な作業をコツコツこなしていく必要があるため、このような作業をすることが、苦痛ではないという人におすすめの仕事です。
色々なものに興味がある
あらゆる業界のさまざまな知識が通関士には求められます。そのため、好奇心がある人でなければ業界への勉強を怠り、商品輸入への支障をきたす可能性もあります。さまざまなものに対して興味がなければ、通関士の仕事はつとまらないと覚えておきましょう。
機転が利く
通関士には応用力も必要です。一つの商品でも税率が定まっていないことがあります。このような場合、どのように申請すればコストを抑えることができるかを検討する必要があります。また、トラブルが起きた際に、機転を利かせた問題解決能力も必要になるので、機転が利くという人にはおすすめの仕事であるといえるでしょう。
適性がある人
一方で、適性がある人とはどのような人物像なのでしょうか。適性のある人物像について紹介していきます。
正義感が強い
通関士の仕事を行うなかで、輸入してはいけないものを輸入しようと考えるクライアントと仕事を行う場合があります。このようなケースでは、ダメなものはダメであることをはっきりと伝える必要があります。正義感が強くないと、悪事に加担することもあるので、正義感が強い人は通関士の適性があるといえます。
コミュニケーション能力が高い
さまざまな機関と交渉することで、商品を通過させることが必要になるケースもあります。そのため、コミュニケーション能力も通関士には求められるといえるでしょう。
外国の文化に詳しい
外国で合法とされているものでも、日本で禁止されているものや、日本では合法であるが海外では禁止されているものがあります。このような商品を間違って取引しないようにするためにも、さまざまな国の文化を知っておくことも大切です。
粘り強い性格
商品によっては、税関をなかなか通りにくいというものがあります。このような難しいものを通過させるためには、一度だけであきらめるのではなくさまざまな方法を検討して、通過するためには何が必要なのかを常に探る必要があります。
粘り強くなければ商品を通過させることができないので、根気があり、あきらめない性格の人には通関士に向いているといえるでしょう。
注意力が高い
通関士は書類を作成する際、不備があると通過しないこともあります。自分の注意力不足が企業にとって大打撃を与えてしまう可能性があるので、注意力を高い人には適性がある仕事だといえます。
通関士になるための学校・教室
通関士になるための学校・教室はどのようなものがあるのでしょうか。通関士になるための学校・教室について紹介しましょう。
通関士は資格取得が難関
通関士の資格は取得することが難しい資格でもあります。そのため、通関士の資格を取得するための学校に通う必要があります。通関士になるためのおすすめの学校を紹介しましょう。
協会が開催している通信講座
通関士の資格は、合格率10~20%と高い合格率とはいえません。通関士に精通しているプロから資格対策のポイントを教えてもらわなければ通過しづらいといえます。
そこで活用する方法が、協会が開催している通信講座です。プロが資格対策のポイントをアドバイスしてくれるだけでなく、定期的にテストを行うため、今自分がどの程度理解しているのかを把握しながら取り組むことができます。自分のペースで学ぶことができるので、社会人であればこのような通信講座を活用するようにしましょう。
専門学校
士業をメインにした専門学校で資格対策を行うことも可能です。過去問題や専門学校が独自に編み出した問題を解いていくことで、資格対策を行うことができます。
専門学校の良い点は、わからないことがあればその場で質問して疑問を解決できるという点にあります。学生や比較的時間を確保することができる人は専門学校に通って資格を取得するようにしましょう。
通関士になるには?まとめ
通関士は物流で欠かすことができない存在
海外と取引のある企業にとって、通関士は欠かすことができない存在です。通関士にはさまざまな能力が求められ、それに応える必要があります。
通関士をこれから志すのであれば、書類作成能力、交渉能力、専門性など、今回紹介した必要な能力がどうすれば身に付くのかを考えながら、通関士になる道を探ってみてください。
通関士の参考情報
平均年収 | 400万円~650万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 国際 |
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