コラムニストの資格・試験とは?コラムニストデビューに近づく賞やコンテストを解説

コラムニストの資格・試験とは?コラムニストデビューに近づく賞やコンテストを解説

コラムニストになるにあたって特別な資格は試験は必要ありません。商業的な成功を望むのであれば、新人賞獲得により知名度と実績をあげ、雑誌に連載を持つのが最適なセオリーです。今回は、コラムニストの新人賞の詳細や、その他のデビューへの道についてご紹介します。

コラムニストの資格とは?

コラムニストになるのに資格や免許は必要なし

ジャンルを問わず、様々な雑誌において、コラムを書いている人がいます。これがいわゆるコラムニストのことです。専業、兼業様々ですが、コラムを書いている人のことは概ね一般的にコラムニストと呼びます。

コラムニストには、特別な資格や免許は必要ありません。コラムニストは極端な言い方をすれば「コラムを書いている人はコラムニスト」となりますので、コラムさえ書いていれば誰でもコラムニストだ、ということができます。

しかしながらコラムニストとして世間に認められなければ仕事としては成立しないのがコラムニストの世界です。では、コラムニストとして世間に認められるにはどうすればいいのかと言えば、「新人評論賞などの賞を獲得して実績を作り、デビューする」のが最も一般的であり、合理的な方法です。

そのためにはコラムというものがどう言ったものであるかを理解し、それに即した新人賞に応募し、賞を勝ち取る必要があります。

コラムは非常に広く曖昧な概念

では、そもそもコラムとはどう言ったものなのでしょうか。

コラムとは、元の語源を辿ると円柱を意味する「コラム(カラム)」からきた言葉であり、新聞や雑誌の紙面にある縦長の欄もコラムと呼ばれていました。やがてその縦の欄に批評や小話などが載るようになったことから、短い評論を「コラム」と呼ぶようになりました。

今では、コラムは評論のみならず、「ニュース以外の短い記事」の総称として使われるようになりました。特に何を批評しているわけではなくとも、エッセイや、ちょっとウィットを効かせた小話なども含めて、まとめてコラムと呼ばれています。

なので、コラムというのは極めて多種多様な文章を含む総合的な概念であり、こういう文章がコラムなのだ、というのは特に決まっておらず、どちらかというと、媒体に掲載される場合にニュースとは違った記事が載っていれば、言ってしまえばそれは全てコラムということです。

コラムニストデビューの資格となり得る「新人評論賞」

デビューの入り口は「小説以外の新人賞」が定石

出版社によって新人作家の育成やデビューへのサポートが確約されるのは「新人賞」のみであることをご存知でしたでしょうか。

「新人賞」は、まだ世に知られていない無名の新人を発見し育成する事を目的とする事を要項などで明言しています。大賞を受賞すればデビューは確約、少なくとも最終選考まで残れば、出版社の編集担当からデビューを打診してもらえる可能性が高まります。

小説の新人賞と同様に、評論・エッセイ・小話などを扱った新人賞も存在します。基本的には、コラムは先述の通り非常にその意味するところは広く、曖昧な概念でありますので、「小説以外の文章」を募集する新人賞全般が、コラムニストデビューに繋がる実績ということができるかもしれません。

それにはエッセイ、評論のコンテストも含まれ、それぞれエッセイストとか、評論家とか、別の呼称も存在しますが、コラムニストは小説以外のあらゆる(比較的短い)文章を書く人の総称、であると考えれば、エッセイスト、評論家も、コラムニストの範疇と考えることもできます。

応募資格は、新人であり、オリジナルの文章であること

新人賞はいくつかありますが、概ね全ての賞について、年一回行われます。なお、小説の賞であるメフィスト賞は随時募集ですが、メフィスト賞を受賞した作家を題材に評論を書く「メフィスト評論賞」は年一回の開催ですので注意が必要です。

新人賞は、原則として作品の完成度が評価基準となり、応募資格などは特になく、年齢、資格、学歴など全て不問であるところが多いです。ただし、新人賞は文字通り新人向けの賞なので、特定の出版社と契約していないことが必須条件となります。

そして、「これまで一切公開したことのないオリジナルの文章であること」が重要です。雑誌や新聞のみならず、同人誌やWebサイトで公開した作品や、自費出版した作品も含まれますので、アマチュアで執筆活動をしている方などは要注意です。

大手の小説新人賞には評論部門のあるものもある

新人賞には様々なジャンルの賞が存在しますが、メフィスト賞や小説現代新人賞など、ジャンルの指定がない大手の新人賞もあります。そうした小説の新人賞の中には、評論部門を設けているものもあります。

小説と評論両方ある代表的な新人賞としては、「群像新人賞(群像新人評論賞と群像新人文学賞に分離)」、「すばる新人賞(すばる新人賞とすばるクリティーク賞)、慶應義塾大学が主催する「三田文学新人賞」などがあります。

また、評論新人賞の代表としては、「メフィスト評論賞」「現代短歌評論賞」「創元推理評論賞」「日本児童文学者協会評論新人賞」などがあります。

評論の新人賞は概ね字数が小説より少ないものが多く、「メフィスト評論賞」では原稿用紙換算で10〜100枚、「群像新人評論賞」では原稿用紙換算で50〜100枚、「すばるクリティーク賞」では原稿用紙換算で40〜60枚、「三田文学新人賞」は原稿用紙換算で100枚以内、といったように、概ね100枚までの範囲に収まるものが標準的となっています。

応募作の執筆にあたっては概ね50〜100枚を目安にすると、応募できる新人賞の幅も広がります。

評論の新人賞の難易度、倍率

倍率は小説ほど高くない、しかし一次選考で殆どが落ちる

評論の新人賞の場合、小説よりも応募作はかなり少なくなっていて、応募数は概ね15〜100作品の範囲に収まるものが大半となっています。群像新人評論賞の応募数は比較的多く200作を超えますが、ここまで応募作が集まる賞は他にはあまりありません。

小説の場合、1,500〜2,500作が平均となっていますので、それに比べるとはるかに競争率は低くなっています。

一次選考を突破する作品は、応募数200作を超える新人賞で20〜30作、応募数50作程度の新人賞で5作程度と言われ、応募総数こそ小説よりはるかに少ないとはいえ倍率はやはり高く、一次選考を突破することすら難しいことがわかります。一次選考の段階で、応募総数の8〜9割は落とされてしまう計算になります。

新人賞応募作には、応募規定を守っていないものが多い

新人賞において一次選考でここまで多くの作品が落とされる理由として、「新人賞は明らかに応募規定を守っていない作品が多い傾向にある」ということが挙げられます。いくら応募作が小説に比べて少ないとはいっても、まずは応募規定をしっかり守っていないと、話にならないということです。

2,000作もの応募がある小説でも9割以上を落としていますし、最終的な受賞作は1作、佳作などを含めても3作程度に絞られてしまいますから、最終選考に残る作品はなるべく少ない方がいいのです。

ですので、一次選考は殆どを落とすつもりで、出版社の人間は選考に臨んでいるということです。評論の場合でも、物理的には作品は少ないものの、そうそうゆっくり読んでいる時間はありません。

こうした事情から、明らかに応募規定に満たない作品は、応募規定に満たないとわかった瞬間にもう殆ど内容も見ずに落とすのです。いくら優れた論考であったとしても、応募規定から外れていたら、なんの意味もありません。

厳しいようですが、まずは応募規定をしっかり読んで、字数の枠組み、フォント、綴じ方、表紙の書き方に至るまで、規定通りのフォーマットで応募することが肝要です。それができて初めて、選考のスタートラインに立てるのです。

コラムニストの資格を得るために役立つ学校等

コラム専門の養成課程を持っている学校はほぼない

コラムニストを養成する専門課程を設置している学校はほぼありません。小説家やライター、エッセイスト、脚本家などとともに、まとめて指導しているところが多いです。

特に専門学校は映画やアニメの脚本家を育てる課程は充実していて、一部小説家養成のためのノベルス科を設けている学校もありますが、コラムニスト学科というものは無いに等しいです。

なぜならば、脚本家には他の映画やアニメのスタッフと連携するための特殊な執筆形式や厳格な取り決めがありますが、コラムニストや、小説家として文章を書くときは、そこまで厳しいルールはないからです。

特にコラムニストの場合は、基礎的な文章力は大事ですが、それさえ満たしていればほぼなんでもありです。親しい友達との気軽な会話のような、くだけた文体であることもざらにあります。

コラムニストとして大事なのは、人間としての魅力であり、高度な文章力ではないのです。なので、文章を勉強するというより、色んな人と知り合えて、様々な教養を学べる学校に進学すべきです。

コラムニストは特に学歴を重視しませんが、もし経済状況などが叶えば、4年制大学、それも様々な学科がある総合大学へ進学するといいでしょう。

総合大学であれば、理系、文系、芸術系、体育系など様々なバックグラウンドを持つ人と知り合えますし、教授や院生、生協の職員など周りにいる人の年齢層も幅広く、人間力が身につきます。

コラムニストの資格・試験まとめ

デビューまでの道筋はまずは応募規定通りの原稿作成から

コラムニストデビューするための資格を得るには、魅力的なコンテンツを書けるだけの人間力が必須となりますが、小説家とは違い必ずしも新人賞を受賞する必要はありません。

しかし、新人賞をとっておくと、デビューまでのプロセスが非常に簡略化されますし、出版社の人間からの認知があるのとないのとでは大違いです。

新人賞を突破するには、まずは規定通りの原稿作成から。小説よりは応募作も少ないので、規定を守って明確な構成で魅力的な文章を書けば、新人賞受賞も夢ではありません。

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