カーレーサーになるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説
世間的にカーレーサーは華々しく、あこがれることが多い仕事です。しかし、カーレーサーとして仕事を続けるには資金を援助してくれるスポンサーが必要で、長時間のレースに耐えられる体力と精神力も必要とされます。では、カーレーサーになるにはどうすればよいのでしょうか。
カーレーサーになるには何が必要?
普通自動車免許と国内ライセンスは最低限必須!意外と簡単に取得できる
国内の競技に参加するカーレーサーに必要なのは普通自動車免許と国内のライセンスです。国内ライセンスを取得する18歳以上の人は、必ず普通自動車免許取得可能を所持しておく必要があります。国内ライセンスはAとBがあります。
国内BライセンスはJAFが主催する講習会を受けると取得することができます。試験などは特になく、モータースポーツを始めるにあたっての心構えや基本的なルールを教えてもらえます。国内Bライセンスを持っているとラリー(主に公道でタイムアタックをする競技)やジムカーナ(舗装された路面コースでタイムを競う競技)などタイムを競う競技を行うことができます。
国内Aライセンスを取得することでJAF公認の国内すべての競技に参加することができます。レースなど他の車両と同じコースで競う競技は基本的にAライセンスがないと行うことができません。取得条件はBライセンスを取得して大会に出る、などがあります。Bライセンスがない場合、公認サーキットでのスポーツ走行が50分以上ある必要があります。
Aライセンスには試験や実技(走行)テストがありますが、筆記試験は規則書の持ち込みが認められており、実技は走行時のマナーやルールが守れているかというポイントを中心に審査されます。
国内ライセンス取得後、実績を積み上げる必要があり!「国際ライセンス」
国際競技に参加するためには国際ライセンスを取得する必要があります。A~Cのランクがあり、Aが上級資格です。国内ライセンスとは異なり大会出場経験や実績を重ねて取得しなければなりません。カーレーサーとしてステップアップを目指している方は国内ライセンスを取得後、国際ライセンス取得を目指すとよいでしょう。
競技用車両の維持や大会出場費用など、お金がかかるのが現実
カーレーサーを続けるにあたり、スポンサーを見つけるのは大きな課題の一つです。特に、カーレーサーの仕事のみで生活できるプロを目指すアマチュア選手にとって、越えなければならない試練とも言えます。車両を維持してレースを続けるために仕事を掛け持ちしたり、借金を背負ったりする人も少なくありません。
また現在活躍しているカーレーサーは子どもの頃からサーキットで運転になれており、幼少時からの環境に恵まれていた人が多いです。しかし、子どもが本気でサーキットを続けるためには年間100~300万円以上の出費は必要となります。大人になり、カーレーサーの夢が近づくにつれ金額が増してくるのが現実です。
実力があればスカラシップ(奨学金制度)を利用できたり、カーレーサーとして才能が見込まれた子どもにスポンサーがついたりすることもあるようなので、実力によって資金面をカバーすることもできます。カーレーサーには競技に専念できるだけのお金も必要と言えるでしょう。
車とレースに対する情熱がなければ続かない!整備の知識があったほうが便利
カーレーサーには車に関しての知識と関心も必要です。メカニックに調整を頼むにも、具体的な指示が出せなければ難しいです。
また、カーレーサーとして活躍し続けるにはプレッシャーも大きく、精神的につらいことも多いです。車が好き・レースが好きという情熱がなければ続けられない仕事です。
カーレーサーに向いている人
長時間のレースに耐えられる体力と、プレッシャーに負けない精神力がある人
一般的な車に乗って移動をすると、体を動かさなくてよいので体力をあまり使いません。カーレースに体力はあまり必要ではないのでは?と思うかもしれませんが、カーレーサーはタフな体と精神が必要不可欠です。
レースによっては24時間耐久など長時間のレースもあります。耐久レースに参加するドライバーは長時間集中し続けても、正常な判断力が保てるだけの体力と精神づくりが欠かせません。また、一般的な車両と異なり、ハンドルは重く、ブレーキも踏み込まなければなりません。
また、カーレースは300kmを超えるスピードで走るわけですから、スピードによる圧力が強いです。過酷な状況で耐えうるだけの体力は必要と言えるでしょう。
レースはチームがいなければ成り立たない!コミュニケーション能力が高い人
カーレーサーにもコミュニケーション能力が非常に重要視されます。レースに出場するためにはたくさんの人の力を借りなければならず、ドライバーだけでは成り立ちません。
プロのカーレーサーはチームでレースに臨みます。マシンを整備するメカニックや、データを基に戦略を練るエンジニアなど、専門家の力も必要です。たくさんの人の中で仕事をするため、コミュニケーション能力は不可欠と言えるでしょう。
そのほか、カーレーサーとして活動するための資金を作るために、スポンサーを見つける必要があります。プロとしてチームに所属している場合は、チームの中に運営や営業を担当するメンバーがいてスポンサー探しの役目も担ってくれることがあります。
しかし、アマチュアやセミプロの場合は自らスポンサーを探さなければならないことが多いです。時には企業に営業を行い、自らの実力や将来性をアピールしてスポンサーを見つける必要があります。自らをアピールしたり、相手の考えを察するなど営業マン顔負けのコミュニケーション能力が要求されるでしょう。
カーレーサーになるためのスクールや専門学校はある?
超有名なサーキット場「鈴鹿サーキット・レーシング・スクール」
F1の開催コースもある鈴鹿サーキットでは、世界で通用するドライバーを養成するためのスクールを開講しています。
「SRS-Formula(鈴鹿サーキット・レーシングスクールフォーミュラ)」ではカート経験者から、はじめてレースを体験する人まですべての人を対象としたスクールです。フォーミュラカー(1人乗りのタイヤが隠れていないレース用の自動車)の乗り方やルール・マナーなど基本的なことから、レーシングの走行とタイムアタックまで経験することができます。
対象年齢は16~23歳まで、身長160~180cm程度必要です。また、18歳以上は自動車普通免許が必要となり、16~17歳はJAF認定カートレース経験者のみです。
優秀な人のみ受けることができる「スカラシップ選考」がある
「SRS-Formula」にはアドバンストレーニングSTEP1・STEP2・アドバンスと3つコースがあり、レベルや目的に合わせて選ぶことができます。アドバンスは選考会があり、合格しなければレッスンを受けることもできません。スクールの費用も高額になります。
アドバンスで実力が見込まれた場合、スカラシップ選考会を受けることができます。スカラシップとはいわゆる奨学金のことで、レースに必要な備品を割引で購入できるなどの特典があります。
カーレーサーを目指す人にとって、費用を工面することはスキル向上とともに大きな課題です。スカラシップを受けるために毎年希望者が集まります。
モーターサイクルのプロを目指す人のためのクラスも!子どもも受講できる
鈴鹿サーキットのスクールでは二輪のモーターサイクルスクールも開催しています。「SRS-Moto(鈴鹿サーキット・レーシングスクール・モト)」では9歳~20歳までの人がモータースポーツの基礎知識から学ぶことができます。
レーシングの基本が身につき模擬レースも開催されるのでモーターサイクルのプロを目指す人におすすめです。優秀な生徒はアドバンスクラスを受講することができ、公式戦への参加を目指します。
モータースポーツに関わりたい人へ「日本自動車大学校 モータースポーツ科」
カーレーサーがレースに出るためにはたくさんの人の働きが必要です。
例えば走行データを基に戦略を練るレースエンジニアや、車両のメンテナンスやタイヤの交換を行うレースメカニックです。これらの仕事は直接カーレーサーへのステップとは言えませんが、カーレーサーにはメカニックとして自動車に関する知識も必要とされます。
「モータースポーツ科」では国家資格である2級自動車整備士資格取得を目指せるだけでなくレースメカニックとしての知識と技術を習得できます。さらにチーム運営やマネージメント、モータースポーツのイベントを運営するプランニング実務まで学ぶことができます。
実践型のカリキュラムが組まれているため、プロの仕事を体感できる
実践型の授業内容となっているため、就職後も使える技術と知識を学ぶことができます。
例えば、シーズン中は全国のサーキットで行われるレースへ実際に参戦します。天候やコース状況に応じた当日の練習走行から、レース前の最終チェックやレースに合わせたセッティング変更など、メカニックとして真剣に取り組む必要があります。
カーレーサーになるには?まとめ
カーレーサーになるには18歳以上は普通自動車免許とライセンスが必要です。国内競技に参加するのであれば国内Bライセンス取得から目指すのがよいでしょう。
また、競技車両の維持や大会への参加は費用がかさむため、資金確保も重要です。レーシングスクールでは初心者向けのクラスを開講していることもあるため、スクールから初めてみるのもおすすめです。
カーレーサー(レーシングドライバー)の参考情報
平均年収 | 1000万円~3000万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 免許 |
職業職種 | スポーツ |
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