自衛隊の仕事とは?配属先別の仕事内容とやりがいについて解説

自衛隊の仕事とは?配属先別の仕事内容とやりがいについて解説

国家公務員で安定した職種というイメージがある、自衛隊。とはいえ、決して楽な仕事ではなく、時には強い精神力を必要とする場面もあるようです。今回はこの記事で、自衛隊の基本的な仕事内容や配属別の仕事内容についてご紹介します。

自衛隊の基本的な仕事内容

国を守ることを一番に日々活動している自衛隊。自衛隊は防衛省に所属する国家公務員であり、正式には陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の3つで成り立っています。

海外の軍隊とは違い攻撃のために訓練しているわけではありませんが、事が起こった時には最前線に立ち日本国を防衛するという目的のもとに取り組んでいる職業でもあります。

救助支援活動

地震や災害の時にニュースで自衛隊の活動を目にしたことがあるという方も多いことでしょう。自衛隊は国民の救助のために出動を要請されることもあります。

自衛隊の基本的な仕事の中には、自然災害やテロなどによる人為的災害が起こったときに、救助のために出動要請が下りることがあります。もちろん基本的には消防の役割なのですが、どうしても人数や力が足りないときに消防を補助する形で派遣されます。

ここ最近では、東日本大震災で約50日間連続の災害派遣が行われ、その救助活動に感謝している人も少なくありません。日本は特に地震国、台風国ですから、これからも自衛隊の災害時の救助活動の機会は増えていくことでしょう。

防衛出動活動

自衛隊の仕事としてイメージが強い、防衛出動。日本国が外国から武力攻撃を受けた時や受ける危険性が高い場合に、内閣総理大臣によって下される命令が、自衛隊の防衛出動命です。

出動を命じられた自衛隊は、国と国民を守るという目的のために武力を用いることができるようになります。攻撃専攻ということではなく、防衛のために武力を行使するという意図のもとに動きます。

ですが、これまでに防衛出動が命じられたことは一度もありません。自衛隊が武力を行使しなければならないほどの緊急事態に陥ったことがないのです。

とはいえ、いつこの防衛出動が下るか分からないので、自衛隊は常に訓練を欠かさず、いつでも動けるように待機しているのです。

治安維持活動

自衛隊の仕事内容の中には、日本国内での治安維持活動も含まれます。例えば、国内で内乱が起きたり、過激なデモ活動が続くなどの事態が起きた時には、警察の補助という形で派遣されます。

そもそも日本国内の治安活動は警察に一任されているので自衛隊に出る幕はないのですが、警察の力だけでは対応しきれないと判断された大規模な場合だけ、自衛隊の出動がなされます。

とはいっても、世界的に見ても日本はかなり安全な国。自衛隊が出動しなければならないような国内での騒乱は、今まで報告されていません。これまで何十年も警察が機能しなくなるくらいの大きな内乱はありませんでしたから、自衛隊が治安維持活動で出動する可能性はかなり低いはずです。

国際平和協力活動

自衛隊の基本的な仕事内容の中には、国際平和協力活動のための海外派遣も含まれます。

ですがずっと長い期間、海外派遣は行われていませんでした。そもそも日本の自衛隊は専守防衛が鉄則ですから、もし海外に派遣されて何らかの武力行使があった場合、平和主義を崩し憲法に違反する恐れがあると考えられていたからです。

とはいえ国際的に行う平和協力活動は世界的に見ても必要なため、近年では比較的平和な国を中心に自衛隊の海外派遣が行われるようになりました。救難や輸送などの後方支援、復興支援や地雷の除去などを行い、武力行使にかかわらない位置で派遣されています。

実は自衛隊の海外派遣は希望制による所も多く、行きたくない人が無理矢理行かされるなんてことはありません。辞令が来ても拒否することができますし、確定するかは分かりませんが、行きたい国を指定して申し込むこともできます。

希望者は多いようで、自衛隊の中ではかなり人気の仕事内容のようです。

配属先別の仕事内容

一言で自衛隊といっても、自衛隊は陸上、航空、海上の3つの部隊に分かれています。

当然ながらそれぞれの仕事内容は異なり、その部隊ならではの特殊な仕事内容も存在します。よく知られているものから、マニアックな内容の仕事までご紹介します。

陸上自衛隊の仕事内容

自衛隊の中で一番知られており、規模が大きいのが陸上自衛隊です。14万人以上の自衛官が在籍しており、国内の駐屯地は160か所以上あります。陸上自衛隊の主な仕事内容は、国民や国土を直接守ること。そのために必要な陸上での戦闘準備、訓練、情報収集、補給に努めます。

一言で陸上自衛隊といってもその中でまた幾つかの部隊に枝分かれしており、それぞれの仕事を行っています。代表的なものには、歩兵部隊や戦車隊、道路や橋を建設する部隊、外国からの国賓警護隊、不発弾の処理や災害時の給水隊など多岐にわたります。

多くの専門職から成り立っており、これだけ枝分かれしている職種も珍しいかもしれません。

戦闘現場で活躍する部隊

直接現場に出向き、活動に携わる専門職の自衛官たち

普通科、機甲科、野戦特科、高射特科など

情報設備を担当する部隊

必要な情報を集めたり、直接現場に出向く部隊の後方支援に徹する自衛官たち

航空科、情報科、施設科、通信科、武器科、需品科、輸送科など

自衛官の生活に欠かせない部隊

自衛官たちの生活、体調管理、癒しや必要な費用の計算などの仕事に徹する自衛官たち

衛生科、警務科、化学科、音楽科、会計科など

航空自衛隊の仕事内容

日本の領域内の空の安全を守る、航空自衛隊。日本に侵略してくる敵をいつも見張っており、不測の事態の時には即座に空での防衛を行います。約4万5千人以上の自衛官が在籍しており、基地は約270か所に及びます。

主な仕事内容の中には、日本周辺の領空の警戒・監視、不法侵入する航空機に対しての警告、または巡航ミサイルの監視も常時行われています。自衛官の中には、初めて自衛官の仕事についてから満期退職するまで何十年もミサイルの監視だけをしていたという方も。

日本の安全と国民の命がかかっている仕事ですから、気が抜けない仕事ともいえるでしょう。また航空自衛隊の仕事には、航空機の整備や航空管制なども含まれます。

空での戦闘にかかわる部隊

直接現場に出向き、活動する自衛官たち

飛行科、航空管制科、要撃科、高射運用科、プログラム科、気象科、通信電子科、武装科、整備科、施設科など

自衛官の生活に欠かせない部隊

航空自衛官の生活を支え、暮らしやすいように後方支援する自衛官たち

衛生科、法務科、警備科、音楽科、会計科、補給科、輸送科など

海上自衛隊の仕事内容

日本はほとんどが海に囲まれた島国です。そのため海の安全を守る海上自衛隊は役割はかなり大きいと言えるでしょう。海上自衛隊の仕事内容の中には、日本周辺の海上の監視、海上からの侵略防衛、海上交通の安全確保が含まれます。

違法船や密漁船などのニュースも近年増えてきましたが、日本の領海を侵犯した船は、まず海上保安庁が対応し、対応不可の場合だけ海上自衛隊が対処します。もし対応が困難だった場合には、海上自衛隊に引き継ぐことになっています。

また海外において商船を海賊から護衛する任務を担当することもあり、その仕事内容は海に関係したものとはいえ、多岐にわたります。

海上での戦闘にかかわる部隊

直接現場に出向き、海上での戦闘の前面に出る自衛官たち

射撃科、水雷科、機雷掃海科、潜水科など

海の安全を守る部隊

必要な情報を集めたり、海上の安全管理に徹する自衛官たち

航海・船務科、通信科、気象・海洋科、機関科、艦船整備科、情報科など

ヘリコプター搭乗を専門にする部隊

実際にヘリコプターなどを操縦する専門職を果たす自衛官たち

飛行科、航空管制科、航空機整備科など

自衛官の生活の欠かせない部隊

海上自衛官の生活を助け、暮らしに必要なものを備える自衛官たち

経理科、補給科、法務科、施設科、情報科、衛生科、音楽科など

女性自衛官も増加傾向にある

自衛隊、もしくは自衛官と聞けば、やはりイメージするのは男性。かつては女性には無理と言われていた自衛隊という職業ですが、近年では女性の自衛官も着実に増えつつあります。過酷な仕事内容に加え、体力面から女性は絶対入れないと言われていた部隊にも、今では当たり前のように女性自衛官がいます。

陸上、海上、航空、どれかの部隊に女性の比率が高いという偏りはありませんが、最近の報告では全自衛官のうち5%〜6%程度が女性だというデータが上がっています。これはかなり大きな数字で、女性自衛官の増加傾向を確実に実証しています。

とはいえ、自衛隊は人気の職業であり、かなり倍率が高いものですから、簡単に入れるわけではありません。陸上自衛隊の場合、防衛大学出身ではない一般募集で応募すると、女性の倍率は20〜50倍と言われています。男性に比べるとかなりの狭き門です。

その中でも自衛隊に入隊してきた女性自衛官はその倍率を抜けてきたわけですから、すごく優秀な人材と見られるはずです。

女性自衛官に任される仕事

女性自衛官はどんな仕事を任されるのでしょうか?

自衛隊の仕事はかなり多岐にわたりますから、すべての仕事が力仕事で体力的に過酷、というわけではありません。一般的に多くの女性隊員が配属される職種は、会計や補給などの後方支援職種が多いようです。

戦闘の前線に立ちたいという気合の入った女性もいるようですが、現場での女性用のテントの設置、トイレの確保、プライバシー、身体への負担などを考えるとどうしても女性の配置は制限が課されるようです。

全ての自衛官に求められること

自衛隊の仕事内容は、どの部隊でも大変なものです。そのために日々訓練しているとはいえ、自衛官も人間ですから参ってしまうこともあるはずです。

悲惨な現場や状況を見なければならないことも多く、そんな中でもいつも通りの業務を遂行しなければならないのです。どんな仕事をしているにしても、すべての自衛官は体力面と精神面を鍛えておかなければなりません。

体力面での強さ

災害地や救助現場というのは過酷な場所です。普通の人が対処できなかったことを自衛隊は委ねられるわけですから、楽なわけはありません。

極度に寒い、暑い、臭い、体力を使うなどの状況も稀ではありません。そのため普段から体力をつけ、訓練を怠らない必要があるでしょう。食事面でも災害時には被災者に配給援助をしたりしますが、自衛官自身は缶詰などで済ませることも多く、栄養をしっかり補給できません。

ですから様々な場面に対応出来るように、基礎体力と栄養を蓄えておかなければなりません。

精神面での強さ

以外にも精神面で過酷なことで有名な自衛官の仕事。

災害地に赴く時には特にそうです。救助活動の際に一日に数十体もの遺体を処理したり、遺体が崩れていたり、小さな子供の遺体を見た時には涙が止まらなくなってしまう隊員もいるようです。

仕事とはいえ、やはり精神的なショックは大きいことでしょう。隊員の中には現場から離れても夢を見たり、うつ状態になり精神的ケアが必要になってしまう場合もあります。

訓練している自衛隊員とはいえ、やはり人間。感情を捨てる必要はありませんが、最低限の感情コントロールの術は身につけておく必要がありそうです。

自衛隊の仕事内容、まとめ

自衛隊は国と国が保有する領土、そして国民を守ることが仕事です。陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の3つで成り立っている自衛隊ですが、基本的な役割は類似しています。救援、防衛、治安維持、国際協力活動です。

ですがそれぞれの部隊ならではの専門的な職種もあり、仕事内容は多岐にわたります。最近では女性自衛官の数も増えてきて、昔からの「男性の職業」という意識も薄れつつあります。

かっこいいと思われがちな自衛官の仕事ですが、その裏には様々な苦労と努力が見られます。過酷な現場に出向くこともあるので、体力面や精神面での強さを鍛えておくことも重要でしょう。

とはいえ、誰かの役に立ちたい、という志を持って入隊することが多い自衛官たち。国と国民を守るという仕事内容は、自衛官たちのやりがいになっているはずです。

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