バス運転手の給与・年収は?初任給やボーナス、支給される手当まとめ

バス運転手の給与・年収は?初任給やボーナス、支給される手当まとめ

収入が他の業種よりも低めといわれるバス運転手の給与や年収。所属する会社の事業形態や規模によっては、一般的な収入よりも多い収入を得ることが可能です。今回はこの記事で、バス運転手の年収や給与などについて詳しくご紹介します。

バス運転手の初任給

バス運転手の初任給は会社によっても違う

バス運転手の正確な平均初任給の値は発表されていません。初任給はそれぞれの会社ごとに色々な条件の下に設定されています。平成30年2月時点での初任給の一例は、以下の通りです。

事業者名 初任給額
はとバス(都営バス) 21万2,700円
(月額固定給・研修期間約2~3ヶ月)
神奈川中央交通グループ 20万6,000円以上
京浜急行バス株式会社 16万5,000円(教習期間中)

バス運転手の初任給は、バス会社によって異なります。研修期間や教育期間を設定している会社であれば、初任給は普段の給与額よりも数万円少なめに設定されています。また、会社の規模やドライバー経験歴の考慮、民間と公営によって違いがあることから全体の平均値を出すことは難しいとされています。

バス運転手は中途採用の割合が多い

バス運転手の初任給を考えるにあたり考慮しなければならないことは、新卒採用の割合と平均年齢です。バス運転手は中途採用の割合が多く、新卒採用は全体の約10%しかありません。よって、学校を卒業してすぐにバス運転手になる人は少ないといってよいでしょう。

中途採用の場合は、前職に他社のバス・タクシー・トラック・自衛官などでドライバーをしていた人の割合が全体の60%、異業種からの転職でバス運転手になった人の割合が約40%です。また、バス運転手の特徴には他業種よりも平均年齢が高いことが挙げられます。全体数の約7割を40歳以上が占めており、39歳以下の割合は2割以下です。

初任給といえば、その多くが新卒で入社した場合の給与金額をイメージすることでしょう。しかし、バス運転手の場合の初任給は、ほとんどが社会経験を積んで転職してきた人の給与額と考えてよいでしょう。

バス運転手の平均給与の統計

バス運転手の平均給与は約31万円

平成27年度の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、バス運転手の平均給与は約31万円です。また、ボーナス等の平均は約55万円です。給与額はバス会社によって月給制ではなく、年俸制を採用しているところもあります。またその出来高はバスの業務内容、勤続年数、シフトスタイルなどにより、さまざまな方法で決められています。

同統計調査の平均給与額から算出された年齢別の推定給与額は、20代で約29万円、30代で約31万円、40代で約34万円です。これらの推定給与額から社会保障等を引くと、その手取りは10万円台後半~20万円台後半になると予想されます。

送迎バス運転手の場合

学校や施設などの送迎バス運転手の給与も同様に、所属する会社や施設ごとによって異なります。正社員の場合は約20~35万円が給与の相場とされていますが、企業のサービスの一環として働くことから、会社によってはバス運転手以外の仕事を任せられる場合もあります。

送迎バスは、路線バスや長距離バスのように乗客から直接運賃を受け取りません。雇用形態には正社員以外にも、パートやアルバイトなどで採用し、日給制や時給制を採用していることもあるので、その平均給与額を一概にいうことは難しいでしょう。

バス運転手の年収統計

バス運転手の平均年収は約425万円

平成27年度の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、バス運転手の平均年収は約425万円、平均年齢は49.2歳、平均勤続年数は11.1年です。バス運転手の平均年収は、一般企業の年収と比べて少なめといえるでしょう。

同統計による平成20年のバス運転手の平均年収は約440万円。その後、平成27年までの平均年収の推移をみても年収は一定の水準を保っている状態です。以下はバス運転手の平均年収の推移です。

年度 平均年収額
平成20年 約440万円
平成21年 約419万円
平成22年 約427万円
平成23年 約436万円
平成24年 約430万円
平成25年 約440万円
平成26年 約455万円

バス会社の平均年収トップ5

決算データを公開しているバス会社の中で、平均収入が多いとされるトップ5は以下の通りです(2017年3月決算より)。この統計は、バス運転手に限ったものではありません。しかし、就職や転職等などで会社を決める際に、参考にする価値はあるでしょう。

事業者名 平均年収額
三重交通グループホールディングス 684万3,485円
神奈川中央交通株式会社 525万8,053円
神姫バス株式会社 502万1,570円
北海道中央バス株式会社 464万5,735円
新潟交通株式会社 388万9,964円

バス運転手の種類によって年収に差がある

バス運転手には、路線バス・観光バス・夜行バス・貸切バスなど、さまざまな種類があります。この4つの中でも一番平均給与が高いのが夜行バス(年収約470万円~)の運転手です。夜行バスの場合は、夜勤手当がつくことが年収の増加に反映していると考えられます。また、次に高いのは公営の路線バスの運転手(年収約440万円~)です。

公営バスとは、地方自治体が経営しているバスのこと。東京都であれば「都営バス」、横浜市であれば「横浜市営バス」などにあたります。民間のバスよりも公営バスの方が年収は高いとされています。しかし近年では、経営の効率化により公営バスの民間化が進み、その数も増えていることから、年収の差は以前よりも少なくなってきているといわれています。

3番目は観光バス運転手(年収約430万円~)、そして貸切バス運転手(年収約400万円~)と続きます。

公営バス会社と民間バス会社の具体的な年収の違い

地方自治体が経営する公営バスで働くバス運転手は、地方公務員に分類されます。ただし、地方公務員の給与体系がそのまま反映される訳ではありません。おおよその目安として東京と大阪の場合、公営バス運転手の平均年収は民間バス運転手の約1.4倍、京都では約1.2倍といわれています。

公営バスと民間バスにこれほどの差が生じるのは、国や地方自治体から出される補助金の有無が関係しています。バス業界は人口の減少により赤字経営をしている会社が7割です。そのため、補助金の出ない民間バス会社は人件費にお金をかけるのが難しいのが現状です。これらの理由により両者の年収には大きな差がでるとされています。

年代別では50代後半が年収のピーク

バス運転手の平均年収は20代から50代後半にかけて少しずつ上昇する傾向にあります。平成29年厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、バス運転手20~24歳の平均年収は347万9,500円。55~59歳の50代後半になると510万1,600円まで上昇します。50代後半の平均年収が高い理由は、役職に就く人が多いことが考えられます。

また、定年直前の一番勤続年数の長い年代であることから、基本給与が高いことも理由として挙げられます。一般的なバス運転手の定年は60歳で、60代以降の平均年収は下がり続けます。バス会社の中には定年を迎えても再雇用制度で再び働く機会を用意しているところもあります。

しかし、再雇用制度では定年前のように正社員ではなく契約社員・パート・アルバイトとして採用することから、バス運転手の平均年収が下がる要因となっているようです。同統計による60~64歳の平均年収は366万3,300円、65~69歳は286万6,600円、70歳以降は253万6,900円と発表されています。

女性よりも男性の方が年収は高い

バス運転手全体の割合に占める女性の数は約1.6%。近年ではその数は増えつつありますが、まだまだ少ないのが現状です。平成29年厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、男性の平均年収458万5,600円に対して、女性の平均年収は372万9800円で両者の平均年収には約80万円もの開きがあります。

考えられる原因には、バス運転手全体に占める女性の人数が少ないことで、手当がでる役職に就く人数も少ないことが考えられます。

都道府県別の平均年収トップは東京都

バス運転手の平均年収は、地域ごとにも差がある傾向がみられます。トップは東京都、2番目は大阪、愛知、福岡、北海道と続きます。大都市のバス運転手の平均年収が高い原因には、バスの利用客と路線が多いことが原因です。

バス運転手で年収アップさせるには

バス会社の平均年収は、企業規模が大きくなればなるほど高い傾向にあります。転職などで年収をアップさせたいのなら、人口が少ない地方よりも、人口の多い都市部のバス会社への就職の方が有利でしょう。

また、民間バス会社よりも公営バス会社の方が平均年収は高いとされています。他にも、長距離バスや深夜バスの運転手になれば、深夜手当がつきます。昼間よりは多くの年収を得ることができます。

バス運転手の給料・年収まとめ

バス運転手は長く務めることも可能で生涯年収は高め

バス運転手の給与や年収は、地域・会社の規模・営業形態・バスの種類によって異なることがわかりました。バス運転手には健康上に問題がなければ、定年後も働き続け収入を得ることができる素晴らしい仕事です。

バス運転手の年収をアップさせるには、これらの条件をよく考えつつ、会社の雰囲気や保証制度の内容を確認して就職先を探すとよいでしょう。

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バス運転手の参考情報

平均年収400万円~500万円
必要資格
  • 大型自動車第二種免許
資格区分 免許
職業職種運輸・乗り物

統計情報 出典元:

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