ビルメンテナンスの資格・試験とは?役立つ資格の特徴や試験の難易度、合格率などを解説
ビルメンテナンスの仕事をするうえで必要な資格は、一体どのようなものがあるかご存知でしょうか。実は、ビルメンテナンスに必要な資格は4種類以上あるといわれています。それでは、具体的にどのような資格が必要になるのか、このページで詳しく紹介します。ぜひ参考にしてください。
ビルメンテナンスの資格とは?
ビルメンテナンスは他の職業とは異なり、働きながら資格を取得する人が多い仕事です。もちろん、はじめから資格を取得していると仕事でも活用でき、別途手当を受けることができます。いずれにせよ、資格を取得するとメリットが大きいので、おすすめします。
それでは、ビルメンテナンスに必要な資格とはどのようなものがあるのか詳しく紹介していきます。
資格があった方が良い仕事
資格がなくても、ビルメンテナンスとして仕事に就くことができるものの、資格があった方がさまざまな仕事を任せられるため、できるだけ資格を取得するようにしましょう。資格を取得するメリットは次のような点にあります。
給与が高くなる
資格を持っていると、手当が発生します。通常の仕事であれば、一つの資格で十分というケースもありますが、ビルメンテナンスの場合は様々な資格を保有していることで、幅広い仕事を担当することができます。
資格一つにつき、2,000〜3,000円程度の手当がつくため、複数所有していればその分だけ手当がつくため給与も自然と高くなります。ビルメンテナンスの仕事は基本給が安く、低所得の仕事とみなされてしまうことが多いため、給与を高くするためにも、資格取得がおすすめです。
また、資格を取得すれば、年収が100万円前後高くなることもあるため、ビルメンテナンスとして働こうとしている方は、働きながらでも資格を取得することをおすすめします。
役職につきやすくなる
さまざまな資格を持っていると、幅広い仕事を任されるようになります。コツコツと実績を残しておけば、最終的に役職につく可能性があります。役職につくと、給与が上がり、安定した収入を期待できるため、キャリアアップのためにも資格を取得するようにしましょう。
資格に汎用性がある
ビルメンテナンスの資格の良い点は、あらゆる資格が別の仕事でも活用できる資格であるということです。限定的な資格ではないため、万が一ビルメンテナンスの仕事に取り組んで自分に合わない仕事と判断しても別の機械系の仕事で活用することができます。
ある意味、つぶしのきく資格でもあるので、資格を取得することが無駄な努力に終わることはありません。
必要な資格とは
それでは、どんな資格を持っているとビルメンテナンスの管理に役立てることができるのでしょうか。一般的には、次にあげる4つの資格がビルメンテナンス管理の仕事に必要といわれています。
- 電気工事士
- 冷凍機械責任者
- 危険物取扱者
- ボイラー技士
これらの資格を取得していると、ビルメンテナンス管理の仕事がひと通りできるようになります。もちろん、これらの資格以外にも取得しておくことでビルメンテナンス管理をさらに効率的に行うこともできるので、ビルメンテナンス関連の資格を極めたい方は、さまざまな資格を取得するように心がけましょう。
電気工事士
電気工事士の資格は、電気工事の欠陥で生じる災害を未然に防ぐために、電気工事を行うことができる資格のことをさします。ビルメンテナンス管理の仕事では、二種免許があれば十分作業を行うことができます。もちろん、さまざまな電気工事ができる一種免許を取得してもかまいません。
冷凍機械責任者
冷凍機械責任者では、冷凍に関わる高圧ガスを製造する機械の保安業務を担当することができる資格です。この資格を保有していると、さまざまな高圧ガスを製造する機械の検査を行うことができます。免許の種類は一~三種までありますが、ビルメンテナンスで必要な資格は、初歩的な点検を行うことができる三種の資格が必要になります。
危険物取扱者
危険物取扱者の免許を保有していると、危険物を一定量保管している施設の管理を行うことができます。また、有資格者が立ち会う場合に限り、無免許の人でも点検・管理を行うことができます。危険物でも様々なものがあるなかで、ガソリン、アルコール、灯油にあたる乙種第4種を優先的に取得するようにしましょう。
ボイラー技士
ビルでは、ボイラー設備を活用して空調、温水などの供給を行っています。そのため、大型のビルになればボイラーの設備点検は必ず行うことになるため、必要不可欠な資格です。ボイラーの設備点検は、危険を伴い、方法を間違えると大怪我をしかねないので、優先的に取得することをおすすめします。
このように、ビルメンテナンス管理に関係する資格はさまざまなものがあるため、一気に取得するのではなく、優先順位を設定して資格取得を行うように心がけましょう。
ビルメンテナンスの資格の難易度・合格率
ビルメンテナンスの資格の難易度はどの程度なのでしょうか。合格率をふまえて、それぞれの資格取得について紹介しましょう。
電気工事士の資格取得までの流れ
電気工事士二種の資格では、年に2回試験が開催され、筆記試験と実技試験に合格する必要があります。二種の合格率は約60%で比較的合格しやすい資格です。試験対策のポイントをしっかり理解しておけば、合格します。
また、専門学校に通年で通うと試験が免除され、二種免許が取得できるケースもあるので、取得しやすい方法を検討しておきましょう。
冷凍機械責任者の資格取得までの流れ
冷凍機械責任者の資格は、4つの資格のなかでも最も難易度が高く、通常の筆記試験の合格率は40%にも達しません。かなり難易度の高い資格ですが、科目免除制度を利用すると、一部試験が免除され、高い確率で資格を取得することができます。
そのため、合格率を上げるのであれば、高圧ガス保安協会が開催している講習をしっかり受け、科目を免除したうえで試験に取り組むように心がけましょう。
危険物取扱者
危険物取扱者は、規定の問題にたいして60%以上正解すると資格を取得することができます。合格率が40%にも満たないため、難易度が高い資格と思われがちですが、そうではありません。合格率が低くても、しっかりポイントを勉強しておけば必ず合格することができるので、ぜひ積極的に取り組むようにしましょう。
ボイラー技士
ボイラー技士の資格の難易度はやや低めで、受験者数の60%が合格をする試験です。ビルメンテナンスでは二種の免許が必要で、二種の試験は過去の問題から多く出題されるため、過去問を徹底的に勉強すれば合格することができます。独学でも資格取得が容易なのでぜひチャレンジしましょう。
その他のビルメンテナンスの関連資格
取得した方が良い資格
ビルメンテナンスの資格はさまざまなものがあり、共通点として機械関連の資格が多い傾向にあります。そのなかでも、上記であげた基本的な4つの資格以外で、取得をおすすめする資格は建築物環境衛生管理技術者と呼ばれる資格です。
この資格を取得しておくと、ビルメンテナンスの仕事の幅がさらに増えるので、基本資格が取得できたら、次に目指す資格として視野に入れても良いでしょう。
その他、ビルメンテナンスの業務に就く上で役立つ資格を以下にまとめました。
- ビルクリーニング技能士
- 清掃作業監督者
- 病院清掃受託責任者
- 統括管理者
- 電気主任技術者
- 建築物環境衛生管理技術者(通称:ビル管理士)
ビルメンテナンスの資格が取れる学校
機械関連の専門学校
ビルメンテナンスの資格を取得することができる専門学校はありません。代わりに、機械関連の技術者を養成するための専門学校に通うことをおすすめします。基本となるすべての資格を取得することができる学校もあれば、難易度が高い資格のみに絞った勉強ができる学校もあります。
自分の資格取得状況から、どの専門学校に通うか検討しても良いでしょう。しかし、専門学校に通うデメリットとして、資格を取得するまでに1年以上通学期間が必要なことが多いという点があります。そのため、専門学校に通うのであれば、長期間で資格を取得しても構わないというスタンスで取り組む必要があることを覚えておきましょう。
高校進学前であれば工業高校を視野に
第二種電気工事士と危険物取扱者の資格などであれば、工業高校の電気科などでも授業の一環として取得する機会が設けられていることがありますので、中学生の方などであれば進学先として検討するのもよいでしょう。
ビルメンテナンスの資格・試験まとめ
汎用性のある資格が多い
ビルメンテナンスの資格は、どちらかというとビルメンテナンスに限らず、様々な場所で活用することができる資格ばかりです。そのため、資格を取得することが無駄ということはないので、あらゆる資格を取得して、ビルメンテナンスとしての仕事、転職後の武器として活用してください。
資格を取得したことにより、仕事の幅が大きく広がるので、ぜひビルメンテナンスに必要な資格を取得するようにしましょう。
ビルメンテナンスの参考情報
平均年収 | 300万円〜400万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 建築・不動産 |
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