建築施工管理技士の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

建築施工管理技士の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

あまり聞きなれない建築施工技士管理技士の仕事内容はどのようなものなのでしょうか?国家資格を取得しなければ建築施工技士管理技士にはなれません。また、1級と2級では監理できる現場の規模が異なり、1級では大きな競技場や高層ビルなど大型建築物の現場を指揮することが可能です。

建築施工管理技士とはどんな仕事?

建築施工管理技士は国家資格を取得しなければなれない、建築系の仕事

建築施工管理技士の仕事は国家資格を取得しなければならない仕事です。現場での実務経験も必要とされ、建築系の大学・専門学校を卒業するなどの条件を満たした人でも最短で1年以上経験を積まなければ試験を受けることができません。

建築施工管理技士の資格は1級と2級があります。1級を取得するためには大学・専門学校の指定学科を卒業した人でも3年以上の経験を積む必要があり、学科試験と実地試験があるため難易度が高い資格と言えるでしょう。

1級と2級の違いとは?1級を取ると規模の上限なしに仕事ができる

建築施工管理技士は鉄筋工事、大工工事、屋根工事、内装工事など建築現場の監督をする仕事です。しかし1級と2級ではできる仕事の規模が異なります。

2級の資格を持っている場合「主任技術者」として、作業ごとの責任を負う仕事ができます。また、建築業法において建築工事の工事現場には建築施工管理技士を配置しなければならない決まりがあります。2級建築施工管理技士は4000万円未満の請負金額の工事現場で主任技術者を務めることが可能です。主に中小規模の建設工事の監理になります。

2級のさらに上である1級建築施工管理技士は「管理技術者」としての仕事が可能です。管理技術者は現場において全体の指揮を行います。建築業法では請負金額4000万円以上の建築現場において管理技術者の配置を定めており、1級建築施工管理技士は監理できる工事の上限がありません。

超高層マンションや屋外競技場、大型ショッピングモールなどの大型建築物の現場の指揮をするのは1級建築施工技士です。

どんな企業に就職する人が多い?実務経験を積んで建築施工管理技士取得を目指す

建築施工管理技士を目指す人が就職する先は建築会社が多いです。工務店や内装業者、リフォーム関連業者、設備機器メーカーなどでも活躍します。

建築施工管理技士は実務経験を積む必要があるため、入社してすぐに取得できる資格ではありません。しかし、建築現場においては欠かせない存在であるため、建築施工管理技士の資格を持っている人は建設会社などでは重宝されます。建築施工管理技士の人材を多く確保している企業は施工技術や管理能力が優れていることをアピールできます。

また、建築現場で働くわけですから建築士と一緒に仕事をすることもあります。設計分野のスペシャリストである建築士の中には、現場のことを理解したうえで仕事を行うために、建築施工管理技士の資格を取得している人もいます。また、建築施工管理技士の資格試験において、建築士は学科試験が免除される優遇措置もあります。

建築施工管理技士の具体的な仕事内容

建築施工管理技士1級と2級では監理できる現場の規模が異なりますので、具体的な業務内容の差はあります。しかし、現場を監理するという基本的な考え方は同じと言えるでしょう。

工事内容の把握や施工監理業務など、施工に取り掛かる前の計画を立てる

建築施工管理技士は施工に取り掛かる前の計画段階から監理業務を行います。建設工事が設計通りに、予算内に収めるための工事協力業者を選び、資材を発注します。ただし、これらの業務は現場での責任者クラスが行うことが多いようです。

また、職人のスケジュール管理などの人員配置の計画も立てます。大きな建築物であればあるほど、働く職人は多いです。どの場所にどの程度職人を割り当て作業工程がスムーズにいくのか考える必要があります。

そのほか、実際の現場を調査して、解体や掘削の作業で発生する資材の廃棄や再利用、再資源化、廃棄物が発生した時の運搬場所などもあらかじめ決めてから施工に入ります。

現場で働く職人たちが安全に作業できるように、安全管理を徹底する

現場で働く人が安全に作業できるように監理・指導するのも建築施工管理技士の仕事です。高いところに上ったり、重いものを上に運んだりと、建築現場は危険が多く、最悪命を落とす危険性もあります。

実際に作業場を見て回り作業員へ安全指導を行ったり、けがをする危険な個所はないか、現場で使用する什器や機器のチェックも仕事内容の一つです。作業が大詰めに入り忙しくなるとハードな仕事内容が続き、体調を崩す作業員もでてきます。安全に工程をすすめるために作業員の健康状態を把握したり、安全に対する啓蒙を求められることもあります。

設計図の指示通りに作業は進んでいるのか、日々記録を付けてチェックする

建築施工管理技士には、建築物が施工されていく様子を記録していく仕事があります。実際には施工段階を写真として残してくことで、誰の目から見てもわかるように記録をしていきます。記録をしていきながら、設計図の指示内容が達成できているのかチェックします。

そこから、具体的にどのような仕上がりにするのか目標を立て、翌日以降の作業に生かします。この記録や目標の立て方があいまいになってしまうと、設計図の指示が実行されていないままになったり、仕上げの程度や機能、性能に対しての精度が落ちてしまうことがあります。

建築施工管理技士の仕事は責任が重くなるにつれさらにハードになっていく

建築施工管理技士は現場の総監督・責任者と言っても過言ではありません。建築施工管理技士として経験を積み、責任が重い仕事を任されるようになるとかなりハードワークになります。

現場の仕事は基本的に8時から作業が開始されます。それまでに現場に入り、就業場所によってはラジオ体操などを行ってから8時から業務がスタートです。現場の監理者として作業が始まる前までに済ませておかなければならない仕事があれば、他の職人たちより早く現場入りする必要があります。

業務終了は17~18時ころになるのが一般的なようですが、作業に遅れが出ている場合などは残業になることも少なくありません。また、監理者として見積もりのチェックや図面の確認、追加の発注案件などのデスクワークも行う必要があります。

ま天候が悪いと作業が進まず一時中断し、作業日程がずれてくることもあります。厳しい納期に間に合わせるために天気や台風が来ることを見越して計画を立て、作業を行う必要もあります。

建築施工管理技士の仕事のやりがい

一般的な住宅から、高層ビルまで、スケールの大きいモノづくりができる

建築施工管理技士として仕事では、設計が書かれた平面図から大きな建物を一から作っていきます。何もなかったところに、自分たちの仕事によって建物を建てることはやりがいを感じる瞬間だと思ってよいでしょう。

また、大きな建物を作るときは時間がかかりますから、何か月や何年もかけて施工を行うことでようやく完成します。何年も計画的に仕事を進めたうえで、ようやく完成する喜びは大きいです。

会社や仕事内容によっては数か月から数年単位で遠方に出張し、仕事をすることもあります。ベテランの建築施工管理技士の中には全国に自分が手がけた建物が点在している人もいます。

国家レベルのイベントをも担う、公共性の高い、社会を支える仕事ができる喜び

大きな競技場やショッピングモール、土地の象徴となる高層タワーなど、大きな建築物はさまざまな人が利用し、生活に影響をおよぼす公共性の高いものが多いです。

また、国を挙げたイベントにも非常に重要な役割と責任があります。2020年の東京オリンピック開催にあたり、競技場やホテルなどの宿泊施設など数多くの建物が建てられます。もし、手違いがあり工事が間に合わなければ、競技が中止になるなど大変な損害を与える恐れがあります。

また、近年頻発している震災被害や自然災害によって住宅や建築物がダメージを受けたケースも非常に多いです。災害復興工事の需要が高まるとともに、建築施工管理技士の需要も増えました。建築関連の企業の中には慢性的に人手不足に陥っている会社もあるようです。

建築施工管理技士は社会を支える仕事として誇りをもって働いている人が多いと言えるでしょう。

現場にかかわる人をまとめ上げて作業を進め、大きな仕事ができる

建築施工技士は建築現場で働く多くの人を監理・指導し、仕事をします。そのため、リーダーシップがある人が向いている職業ともいえるでしょう。長期間の工事の中、現場にかかわる多くの人をまとめ上げて仕事を完遂するのは建築施工技士のやりがいの一つです。

一つの建物を作り上げるのに多くの人がかかわります。例えば施工を依頼してきた顧客、設計を担当する建築士、現場で作業する職人たちなど、大きな建物であるほど仕事に携わる人は多いと言えます。やりがいを感じられる一方で、コミュニケーションをとることの難しさを感じる部分でもあるかもしれません。

建築施工管理技士の仕事内容まとめ

建築施工管理技士の仕事は建築現場の監理、大きなやりがいが得られる仕事

建築施工管理技士の仕事は建築現場の監理を行うのが主な仕事です。その内容は予算面を考慮した業者への発注業務から、資材管理、職人のスケジュール管理など多岐にわたります。

公共性の高い建物の建築に携わったり、何もないところへ一から大きなものを作っていくことにやりがいを感じる人も多いです。その一方、残業が多かったり、天候に左右されて日程がずれ施工を急がざるを得ないなど、ハードワークな一面もあります。

建築施工管理技士の参考情報

平均年収450万円~600万円
必要資格
  • 1級建築施工管理技士
  • 2級建築施工管理技士
資格区分 国家資格
職業職種建築・不動産

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