飲料メーカー社員の給与・年収は?初任給や平均月収などの収入について解説
市場シェアの大半を大手企業が占めている飲料製造業。国内市場は頭打ちとも言われますが、飲料メーカー社員の給与・年収はいったいどれくらいなのでしょうか。本記事では、飲料メーカー社員の初任給、平均的な給与、平均的な年収など、収入面についてご紹介します。
飲料メーカー社員の初任給
飲料製造業は大手企業が多く、給与水準は高め
飲料製造業は、大手の飲料メーカー上位10社のシェアが国内市場の9割以上を占める、大手企業が強い業界です。一般的に大手企業の方が中小企業より給与・年収が非常に高いため、飲料業界は他の業界と比較して給与水準も高い傾向にあります。
大手の飲料メーカーに大卒で入社した場合の初任給は20~25万円前後と言われています。事務職や営業職よりも技術職の方が給与水準が高いことが多いので、技術職であればもう少し高い金額となることもあります。
一方、中小の飲料メーカーの場合は、初任給は大手企業より少し低い18~23万円前後のことが多いようです。
中途採用でも高収入を得ることが可能
飲料メーカーに中途採用で入社した場合でも、高い給与を得ることが可能です。中途採用の場合、それまでの職務経験・スキルをかわれて入社することが多いので、能力に応じた収入を期待できます。
ただ、一言で飲料メーカーと言っても仕事の内容は様々です。商品開発、マーケティング、経理など、様々な部署があります。飲料メーカーにも会社それぞれに特色があり、経営方針も異なります。
大手メーカーか中小のメーカーかでもかなり違うでしょう。飲料メーカーへの転職を目指す場合は、自分がどのような仕事をしたいのか、自分がしたい仕事ができるのか、などをしっかりと考えて行動することが大切です。
また、飲料メーカーは離職率が低い業界なので、中途採用の応募は定期的ではありません。中途での就職を希望する場合は、こまめに応募情報をチェックすることが必要です。
飲料メーカー社員の平均給与
毎月の給与は比較的安定、高水準
飲料メーカー社員の平均給与は、およそ40~50万円前後と言われています。一般的に、大手企業では、職務経験年数、年齢や役職などに応じて昇給していきます。生涯に渡って比較的安定した収入を得られる可能性も高いと考えられます。
大手の飲料メーカーであれば通勤手当、住居手当をはじめとする各種手当や社宅・社員寮、社会保険といった福利厚生も充実していますし、年1回程度の昇給や年2回程度のボーナスもあります。
ただし、長引く景気の低迷や人口減少に伴う飲料需要の低減など、飲料メーカーを取り巻く環境は厳しくなってきています。このため、飲料メーカー同士の競争も激化していて、事業統合や企業合併なども行われています。したがって、大手飲料メーカーに就職したとしても、これらの事情で会社組織が大きく変わったり、賞与が減額となったりすることも考えられます。
中小の飲料メーカーの場合は、大手よりも変動が大きいと言えます。中小メーカーならではのこだわり商品、ヒット商品があるとか、独自の販売ルートを持っているなど様々な工夫によって安定的に高収入を得ることも夢ではありませんが、一般的には大手企業よりは低い給与水準となるでしょう。
平均給与の統計
飲料メーカー社員の平均給与そのものの統計はありませんが、製造業のうち「飲料・たばこ・飼料製造業」についての統計はあるので、参考に見てみましょう。
厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、飲料・たばこ・飼料製造業の平均給与は29.3万円です。ただし、性別や企業規模、学歴によって金額に差があります。男性の平均は31.5万円に対して、女性の平均は22.9万円と男性より低くなっています。
企業規模別に見ると、企業規模が10~99人の企業の平均は25.8万円、100~999人は27.8万円、1,000人以上は37.8万円で、企業規模が大きくなるにつれて金額も高くなる傾向にあります。これは男女別に見ても同じ傾向にあります。また、いずれの企業規模でも、女性より男性の方が、金額が高く、企業規模1,000人以上の男性が39.5万円ともっとも高額です。
男女別、企業規模別の平均給与
企業規模 | 男性 | 女性 | 平均 |
---|---|---|---|
10~99人 | 28.0万円 | 20.4万円 | 25.8万円 |
100~999人 | 29.9万円 | 21.7万円 | 27.8万円 |
1,000人以上 | 39.5万円 | 31.4万円 | 37.8万円 |
平均 | 31.5万円 | 22.9万円 | 29.3万円 |
また、学歴については、中学卒の平均は24.0万円、高校卒は27.1万円、高専・短大卒は29.2万円、大学・大学院卒は33.8万円となっていて、学歴が上がるにつれて金額も高くなっています。
飲料メーカー社員の平均年収
男性は年齢に応じて年収も増加
飲料メーカー社員の平均的な年収は、500~700万円前後がボリュームゾーンと言われています。職務経験を積んだり要職に就いたりして1,000万円以上を得ている人も多くいます。
飲料メーカー社員のみの年収の統計はありませんので、平均給与と同じように「飲料・たばこ・飼料製造業」についての統計で全体像を把握してみましょう。
はじめに、年齢別、男女別の年収について見ていきます。男性は、全体では539.6万円となっています。50~54歳の金額がもっとも高く、681.5万円です。20代後半から30代前半で400万円台、30代後半からは500万円台、40代後半からは600万円台と年齢が上がるにつれて金額も高くなる傾向にあります。
一方、女性は必ずしも年齢に比例しておらず、20代後半から50代まではいずれの年代でも400万円前後、全体平均は365.5万円となっています。
年齢別、男女別の平均年収
年齢 | 男性 | 女性 | 平均 |
---|---|---|---|
19歳以下 | 251.2万円 | 234.6万円 | 246.7万円 |
20~24歳 | 335.1万円 | 307.5万円 | 325.8万円 |
25~29歳 | 400.5万円 | 359.4万円 | 389.1万円 |
30~34歳 | 491.5万円 | 420.0万円 | 475.7万円 |
35~39歳 | 537.9万円 | 381.9万円 | 502.4万円 |
40~44歳 | 593.3万円 | 379.6万円 | 541.9万円 |
45~49歳 | 646.9万円 | 379.8万円 | 585.2万円 |
50~54歳 | 681.5万円 | 401.3万円 | 605.1万円 |
55~59歳 | 615.6万円 | 378.0万円 | 552.0万円 |
60~64歳 | 361.6万円 | 262.2万円 | 335.7万円 |
65~69歳 | 320.2万円 | 200.1万円 | 284.5万円 |
70歳以上 | 316.2万円 | 191.5万円 | 302.8万円 |
平均 | 539.6万円 | 365.5万円 | 495.7万円 |
(注:年収は、「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で算定しています。)
大手企業の方が年収水準が高い傾向
次に、企業規模別、男女別の年収を見ると、男性は企業規模10~99人が426.3万円、100~999人が516.1万円、1,000人以上が748.9万円となっていて、企業規模が大きいほど年収も高い傾向にあります。女性も同じ傾向にありますが、いずれの企業規模でも男性より低い金額です。全企業規模、男女合計の平均は495.7万円となっています。
企業規模別、男女別の平均年収
企業規模 | 男性 | 女性 | 平均 |
---|---|---|---|
10~99人 | 426.3万円 | 295.3万円 | 389.3万円 |
100~999人 | 516.1万円 | 344.5万円 | 473.1万円 |
1,000人以上 | 748.9万円 | 570.3万円 | 712.0万円 |
平均 | 539.6万円 | 365.5万円 | 495.7万円 |
学歴によっても年収額に大きな差がある
次に、男女別、学歴別の年収を見ると、男女とも学歴が上がるにつれ金額が高くなる傾向にあり、全体では中学卒が389.8万円であるのに対し、大学・大学院卒が573.1万円です。また、いずれの学歴でも男性の方が金額が高く、男性の大学・大学院卒は600.9万円となっています。
男女別、学歴別の平均年収
学歴 | 男性 | 女性 | 平均 |
---|---|---|---|
中学卒 | 414.5万円 | 291.1万円 | 389.8万円 |
高校卒 | 503.8万円 | 315.7万円 | 455.8万円 |
高専・短大卒 | 561.9万円 | 406.1万円 | 502.2万円 |
大学・大学院卒 | 600.9万円 | 457.3万円 | 573.1万円 |
平均 | 539.6万円 | 365.5万円 | 495.7万円 |
これらは飲料・たばこ・飼料製造業の統計なので、飲料メーカーのみでの金額は変わる可能性がありますが、全体としては、企業規模が大きい方が年収が高く、また、学歴は高学歴の方が、性別は男性の方が、年収が高い傾向にあると言えます。
就職や転職の競争率は高い
このように、飲料メーカー社員の給与・年収は全体として高めです。福利厚生がしっかりしていますし、他の業界と比べると安定して恵まれた待遇と言えます。
特に大手の飲料メーカーでは育児休暇や時短勤務を取り入れるなど、子育て世代でも働きやすい環境にあります。また、大手企業では組織体制がしっかりとしているため、働きやすい職種とも言われています。
その分、就職や転職を希望する人は多いため、入社試験の競争倍率は高いことを覚悟しなければなりません。
飲料メーカー社員の給与・年収まとめ
飲料メーカー社員の給与・年収水準は高め
飲料メーカーは大手企業が市場の大半を占めることもあり、給与・年収は高い傾向にあります。
飲料製造業の企業は組織体制がしっかりとしていて働きやすい環境にある上、福利厚生も充実しているので、他の業界と比較してかなり恵まれていると言えます。そのため業界全体として離職率は低く、転職で飲料メーカーを目指すのは厳しいようです。
新卒で飲料メーカーへの就職を希望する人も多いので、就職試験にはしっかりとした心構えや準備が必要です。
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飲料メーカー社員の参考情報
平均年収 | 500万円~700万円 |
---|---|
必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 企業 |
統計情報 出典元:
- 職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
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