賞状書士の給与・年収は?ほとんどが出来高制のため、副業や在宅ワーク程度の収入しか得られない
賞状や贈答品などに美しい筆文字を書く賞状書士。副業や在宅ワークとして人気がある職業で、基本は出来高制ですが、働き方によってはある程度の収入も目指せるようです。このページでは、賞状書士の気になる平均給与・年収や、収入アップの可能性などについてご紹介します。
賞状書士の初任給
出来高制の仕事がほとんど
賞状書士の仕事は、出来高制がほとんどです。単価は賞状の種類、文字数、文字の大きさのほか、書く人のスキルや実績、信用度合いなどによっても変わりますが、賞状1枚の相場が2,000円から5,000円程度と言われています。最近はパソコンの毛筆フォントもありますが、手書きの需要は一定程度あるため、仕事量は比較的安定的とも言われています。
しかし、賞状書士の仕事を給料制でしている人は少なく、個々の仕事を受注している人が大半です。そのため、初任給という概念は馴染まない職業と言えます。
収入は副業向きの水準
賞状書士の収入についてのおおよその目安として、比較的ベテランの賞状書士が1日3時間程度仕事をした場合で、1月の収入が10万円前後と言われています。したがって、新米の賞状書士の初期の収入は、多くても月数万円前後と推測できます。
副業や在宅ワークとしては人気の職業ですが、生計を立てるための収入としては十分とは言えない水準なのが実態です。
収入を重視する人には不向き
賞状書士の仕事はほとんどが出来高制のため、在宅で自由な時間に仕事ができる点が魅力ですが、一方で仕事は安定して受注できるとは限らないため、収入の面でも安定するとは限りません。
高収入を得るためにはある程度数をこなさなければならないわけですが、仕事を長時間やりすぎると、精神的な疲れや集中力の低下などのほかに腱鞘炎や目、腰などの疲れといった身体的なダメージもあります。ですから、人によっては仕事量をある程度セーブしながら取り組むことになります。
毛筆で美しい文字を書くことについて、そのようなマイナス面にも勝る喜びが感じられる人にとっては向いている仕事と考えられます。一方で、たとえスキルがあっても収入面を最重要と考える人には不向きな職業と言ええるでしょう。
企業に就職しても手当等は期待できない
賞状書士の中には、個人で仕事をする以外に、筆耕を業務としている会社や冠婚葬祭を手掛ける会社、ギフトショップ、デパートなどに就職して仕事をする人もいます。筆耕の会社に就職する場合、給与は出来高払いとなることもあります。
冠婚葬祭、ギフトショップ等では、業務の一環として賞状書士の仕事も組み込まれていることがほとんどで、賞状書士の仕事のみをするわけではありません。また、賞状書士の仕事をしても、特に手当が付くことはありません。
賞状書士の平均給与
1月あたりの収入は数万円から10数万円前後
賞状書士の報酬の相場は、賞状1枚が2,000円から5,000円程度ですが、ほかには受賞者名や日付などは1文字あたり20円から40円程度、封書やはがきの宛名は80円から200円程度、のし紙や目録などは1文字あたり20円から30円程度です。賞状書士の中には、1文字ごとではなく5文字ごととか10文字ごとの料金設定としている人もいます。
毎月の収入は、数万円から10数万円前後の人がほとんどで、多くの賞状書士は副業や在宅ワークとして仕事をしています。出来高制の仕事なので、数をこなせば収入も増えますが、仕事が常に安定してあるわけではありませんし、思うとおりに受注できるとも限りませんので、高額を稼ぐのはなかなか難しいようです。
賞状書士の給与の統計
賞状書士の中には、文字を書く仕事のほかに、個人で書道教室等をしている人が多くいます。賞状書士の給与・年収に関する統計はありませんが、個人で書道教室等をしている人の給与については参考になる統計があるので紹介します。
それは、厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査」です。書道教師は、この統計調査の「個人教師、塾・予備校講師」に分類される職種なので、「個人教師、塾・予備校講師」の統計をもとに、平均給与を見てみましょう。
参考データ:書道教師の平均給与 | |
---|---|
全体 | 26.9万円 |
男性 | 28.7万円 |
女性 | 23.9万円 |
統計を見ると、平均給与は全体で26.9万円です。男女別では男性が28.7万円に対して女性が23.9万円で、男性の方が高くなっています。
賞状書士の平均年収
賞状書士の年収についての統計
賞状書士は、毎月の収入が数万円から10数万円前後の人がほとんどなので、年収に換算すると数十万円から200万円前後となります。
賞状書士の年収の詳細を示す統計はありませんが、参考として、平均給与と同じように個人で書道教室等をしている人の年収について厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査」で見ていきましょう。
参考データ:書道教師の平均年収 | |
---|---|
全体 | 322.3万円 |
男性 | 344.3万円 |
女性 | 286.7万円 |
(年収は、所定内給与額×12で算定しています。個人教師のため残業手当やボーナス等はないものと想定し、各種手当等を含めた「きまって支給する現金給与額」ではなく「所定内給与額」を用いています。また、「年間賞与その他特別給与額」は計算外としています。)
統計を見ると、平均年収は全体で322.3万円です。男女別では男性が344.3万円、女性が286.7万円となっています。
これは、書道以外の個人講師や塾講師なども含まれている統計のため、書道教師のみの実態を明確にしている統計ではありませんが、男女ともあまり高いとは言えない水準となっているようです。収入を重視する人には物足りないと感じられる金額と言えますが、在宅ワークとしては十分な水準と考えられるかもしれません。
男女別・年代別の年収についての統計
次に、男女別、年代別の統計を見てみましょう。
参考データ:書道教師の男女別・年代別平均年収 | ||
---|---|---|
年代 | 男性 | 女性 |
全体 | 344.3万円 | 286.7万円 |
~19歳 | 217.6万円 | 191.8万円 |
20~24歳 | 257.5万円 | 246.6万円 |
25~29歳 | 291.5万円 | 284.0万円 |
30~34歳 | 326.9万円 | 292.2万円 |
35~39歳 | 359.6万円 | 306.2万円 |
40~44歳 | 392.3万円 | 307.6万円 |
45~49歳 | 427.2万円 | 303.7万円 |
50~54歳 | 427.4万円 | 310.0万円 |
55~59歳 | 412.4万円 | 345.7万円 |
60~64歳 | 351.0万円 | 244.0万円 |
65~69歳 | 303.4万円 | 458.2万円 |
70歳~ | 351.6万円 | 180.0万円 |
統計によると、男性は200万円台から400万円台、女性は100万円台から300万円台で、やはりどちらも低めの水準となっています。また、年代別に見ると、40代から50代あたりの年代が他の年代より少し高めの傾向にあります。
やり方次第では高収入への道も
賞状書士の収入は、一定以上のスキルがあれば、あとはどのくらい数多くの仕事を受注できるかにかかっています。筆耕をしている会社や協会団体などに所属して仕事を受注すれば、一定の受注が期待できる一方で、収入面では会社・団体の取り分がありますので手取りは少なくなります。
個人で仕事をする場合、実績を積んでお客様から高い評価を得ていけば、次の仕事につながる可能性が高まります。また、効果的な営業やインターネット等を活用した宣伝が上手くできるといったスキルがあれば、個人でも受注を増やしていける可能性も十分にあります。
昨今は、伝統的な毛筆以外にも、カラーインクを用いたカリグラフィーなども人気ですし、インテリアやアートとしての需要もあるようです。このような時代の流れも踏まえてお客様の心を掴む仕事をすることができれば、高収入への道が開けるでしょう。
一定数の仕事を得たい場合は、賞状書士の資格を取るのもひとつの方法です。賞状書士の仕事は、スキルがあれば誰でもすることができますが、そのスキルが本当にあるのかどうかをお客様に示す必要があります。このため、資格を持っていれば、客観的な証明となり、お客様に安心感を与えることもできます。
また、賞状書士のアルバイトなどは資格を持っている人限定の求人となっていることがよくあります。資格があれば、そのような求人に応募することができるため、より仕事を得やすくなるでしょう。
賞状書士の給与・年収まとめ
収入は副業・在宅ワーク向きの水準
賞状書士の収入は出来高制がほとんどで、多い人で月10数万円前後です。自分の空いている時間にできる仕事のため、副業や在宅ワークに向いていますが、賞状書士のみで生計を立てるのはなかなか厳しいのが実態です。
ただし、資格を取ったり、効果的な営業をしたりと、やり方次第では高収入を目指すこともできます。自分のスキルを活かして仕事をしたい人、美しい文字を書くことに喜びを見いだせる人に向いている仕事と言えます。
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賞状書士の参考情報
平均年収 | 100万円~200万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | その他 |
統計情報 出典元:
- 職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
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