経理の資格試験とは?経理職に求められる資格としては日商簿記検定が基本となる

経理の資格試験とは?経理職に求められる資格としては日商簿記検定が基本となる

企業に必ず必要な経理は、数字の扱いに関する広い分野の知識が求められる職業であり、関連する資格は多種多様。その中でも、基本の知識があることを証明し、採用の条件にもなる重要な資格があります。今回は経理に必要な資格は何か、様々な分野の知識を得られる資格は何かを紹介します。

経理の資格とは?

企業や団体の財政状態、経営成績を数字としてまとめる経理という仕事には、経理会計についての知識が必要とされます。

経理職に求められる資格とは何があるのでしょうか。

簿記検定の合格が最重要

どんな企業でも必ず必要になる会計・経理の処理において、記帳のルールである複式簿記の知識が必要です。

経理職になるために免許として必要な資格はありませんが、複式簿記の知識がないと業務を行うことができないため、中途採用の募集要項に必須と記載する企業も少なくありません。

代表的な資格は日商簿記検定

複式簿記の知識を問うための簿記資格はいくつか存在しますが、代表的な簿記の資格は日本商工会議所が主催する「日商簿記検定」です。

日本において簿記の資格といえば日商簿記検定を指すといえるほど有名で、権威と実用性のある資格として広く知られています。

資格には1級・2級・3級の3つの等級があり、また入門資格としてネットで受験できる簿記初級・原価計算初級が設定されており、非常に触れやすい資格です。

毎年2月、6月、11月の3回(1級は6月と11月の2回)検定試験が全国で実施され、受験資格には制限がないため誰でも受験できることから、挑戦への敷居が非常に低い資格として知られています。

経理の資格の難易度・合格率

経理に必要な主な資格として挙げられる日商簿記検定ですが、その合格率はどの程度なのでしょうか。

初級編の3級は高い

初級編ともいえる3級の合格率は以下の通りです。

実施日 受験者数 合格者数 合格率
2018/11/18 88,774名 38,884名 43.8%
2018/6/10 79,421名 35,189名 44.3%
2018/2/25 78,243名 38,246名 48.9%
2017/11/19 88,970名 35,868名 40.3%
2017/6/11 80,227名 40,880名 50.9%
2017/2/26 80,832名 38,289名 47.4%
2016/11/20 94,411名 42,558名 45.1%
2016/6/12 83,915名 28,705名 34.2%

3級は商業簿記のみが試験範囲であり、100点中70点を獲得できれば合格です。

おおよそ45%前後の高い合格率となっています。商業科のある高校の中には、日商簿記3級は必ず受験させるという学校もあり、受験人数は毎回10万人を超えています。

応用編の2級はハードルが上がる

応用編となる2級は一気にハードルがあがります。合格率は以下の通りです。

実施日 受験者数 合格者数 合格率
2018/11/18 49,516名 7,276名 14.7%
2018/6/10 38,352名 5,964名 15.6%
2018/2/25 48,533名 14,384名 29.6%
2017/11/19 47,917名 10,171名 21.2%
2017/6/11 43,767名 20,790名 47.5%
2017/2/26 60,238名 15,075名 25.0%
2016/11/20 56,530名 7,588名 13.4%
2016/6/12 44,364名 11,424名 25.8%

2級は商業簿記に加え、工業簿記の科目が登場します。工業簿記は製品の生産部門別の人件費や材料費から、完成した製品の原価を割り出す計算が出てくるため、商業簿記とは異なる考え方が求められます。

商業簿記60点、工業簿記40点の配分で出題され、3級同様に100点万点中70点で合格です。工業簿記が苦手だったとしても、商業簿記で60点満点を獲得しておけば、あと10点で合格となります。

経理職の募集要件に指定されることも多い2級は人気が高く、ハードルの高さの割には受験者数が多い資格です。しかしその難易度は3級よりもずっと高く、合格率は20%前後まで下げられています。

上級編の1級は狭き門

上級編となる1級は専門職の受験資格に指定されることもあり、広い範囲の高い知識が要求されます。1級の合格率は以下の通りです。

実施日 受験者数 合格者数 合格率
2018/11/18 7,588名 680名 9.0%
2018/6/10 7,501名 1,007名 13.4%
2017/11/19 8,286名 487名 5.9%
2017/6/11 7,103名 626名 8.8%
2016/11/20 8,416名 783名 9.3%
2016/6/12 7,792名 846名 10.9%

1級はさらに科目が細分化され、商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目それぞれ25点満点が出題されます。

100点満点中70点以上で合格ですが、それぞれの科目で40%(10点)以上取得する必要があります。もし3科目で75点獲得できていても、残りの1科目が0点では不合格になるため、偏りのない知識の広さが求められています。

1級は記帳の知識・技術だけではなく、学問としての知識や資料の分析技術も求められるようになり、公認会計士・税理士といった専門職の受験資格の一つとして認定されています。

なお、その難易度の高さから「日商簿記1級を取得できればいずれ税理士試験に合格できる」といわれるほどの資格と認められています。

その他の経理の関連資格

経理の仕事に役に立つその他の資格もいくつか紹介します。全般的な経理・会計の知識を求めるものから、特定分野に特化した知識を求めるものなど様々な資格が存在しています。

検定

全経簿記能力検定

全国経理教育協会が主催する簿記検定です。等級は上級、1~3級と分類され、上級は日商簿記1級、1級は日商簿記2級と同程度の難易度とみられています。

1級は商業簿記・会計学と、原価計算・工業簿記の2つに分かれており、それぞれが独立した試験になっています。片方に合格した場合、1年以内にもう片方に合格することで1級の資格を得ることができます。

給与計算実務能力検定試験

一般財団法人職業機能振興会が主催する経理能力の検定です。給与計算の基本的な知識から、社会保険料、所得税・住民税といった給与の計算に必要な知識を身につけることを目的とし、等級は1級と2級に分かれています。

2級は労務コンプライアンス、給与計算の基礎知識を求められ、月次給与計算ができる程度の知識が必要です。1級は保険や税に関する法令理解や複雑な制度上での給与計算といった実践的な知識が求められ、年次給与計算ができる知識が必要です。

ビジネス会計検定試験

大阪商工会議所および施行商工会議所の主催で行われる、よりビジネス視点を重視した会計知識を身につけるための検定です。1級から3級までの3等級に分かれています。

3級は会計用語や財務諸表の基礎知識を、2級は財務諸表の分析に関する知識を、1級ではさらに財務諸表の評価まで行う知識に関する問題が出題されます。

経理・財務スキル検定(FASS)

日本CFO協会が主催する経理スキルを認定する検定です。資産、決算、税務、資金の分野における業務に必要な知識について出題されます。

同協会が主催する検定に「FASSグローバルテスト」があり、海外法人・拠点に関する経理・財務業務に特化した基礎的な内容になっています。

電子会計実務検定

日本商工会議所が主催する会計系の検定の一つです。1~3級に分かれており、会計ソフトや電子申告・納税などの電子的な会計システムへの理解を問う内容になっています。

上級職の国家資格

公認会計士

日本最高難易度の資格の一つといわれる、会計系の最高峰資格です。企業や団体の各種監査業務は独占業務とされています。

またその知識をいかした経営に関するコンサルティング業務にも活躍の場を広げており、企業会計に無くてはならない存在といえるでしょう。

税理士

税金のプロとして、個人や企業の税金計算や記帳、財務諸表の作成を請け負います。税理士も大変な高難易度の資格として知られていますが、複数の科目ごとに独立した合格認定を受けられる分、段階を踏んだ受験をすることができます。

節税に対するコンサルティングは税理士の独壇場といえるほどの得意分野であり、個人事業主が増えていくといわれている現代において、今後も需要の高まりが期待されています。

経理の資格が取れる学校

経理に役立つ資格・検定は多くありますが、どのような学校に通うことが取得に役立つのでしょうか。

高校・大学

商業科のある高校や、商学部のあるような商業系大学は、簿記などの資格取得に力を入れています。

商業高校では授業のカリキュラムの中に簿記があり、日商簿記の受験が義務付けられています。成績の良い生徒は在学中に日商簿記2級や全経簿記1級を取得できることもあり、卒業直後からの即戦力として期待されています。

大学では学問としての簿記論や財務会計論を学ぶことができるだけでなく、資格取得希望者に向けた特別講習もあり、資格取得者へのサポートに力を入れています。

専門学校

多くの資格は専門学校に講座があります。その多くは初級から上級まで設定されていますが、学生の多くは初級の資格を独学で取得して適正を確認し、中級以上の取得は専門学校の力を借りるという使い方をしているようです。

経理の資格まとめ

日商簿記が基本

経理の資格は日商簿記が基本とされ、2級を取得できると経理の実務にとって大きなプラスになるようです。その他にも特定の分野に関する知識を問われる資格があり、業務内容にあわせて取得していくのがよいでしょう。

専門職への道もひらける

経理の仕事は公認会計士や税理士といった専門職への道につながっています。毎日の仕事内容がそのまま専門職の仕事に生かせるので、しっかりと日々経験を積んでいくことが大切です。

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経理の参考情報

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