気象予報士になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説
気象予報士と聞いて、お天気キャスターを思い浮かべる人は多いかもしれません。気象庁に勤める人、という漠然としたイメージを持つ人もいるでしょう。しかし気象予報士といってもその仕事内容、仕事先は様々です。どんな適性が必要で、どんなプロセスを辿るべきなのでしょうか。気象予報士に必要なスキル、向いている人のタイプなどについてご紹介します。
気象予報士にはどんなことが必要?
気象予報士の主な仕事は、各地に設置された観測機械から得られたデータを分析し、短期ないし長期にわたる天候の予測を立てることです。専門的な気象業務を行う気象予報士を目指すには、国家資格が必要となります。
まずは「気象への興味・関心」と「観察力」が必要
当然と言われれば当然ですが、気象予報士にまず必要なのは気象全般への興味・関心でしょう。
国家試験である気象予報士試験に求められる気象学の知識は膨大で、並々ならぬ関心が必要です。気象予報士の受験をする男性には、気象マニアのような人も多いそうですが、年齢不問で何歳になっても目指せる資格だからこそ、「好き」ということが大変重要です。
また、気象は毎日のように外出をすれば自然と意識されるものではありますが、そもそも気象予測というものは、空や風など気象現象から読み取るものです。現代では観測機械がデータを収集しますが、何気無い気象現象の変化を自分で観察し、読み取ることができる力は専門家として大きなアドバンテージになります。
空をずっと見続けていても全く飽きないというくらい空が好きだったり、衛星画像や天気図など膨大なデータを見る中で些細な変化に気づくことができたりという能力は、プロとして気象予報士を務める人にとって、基本中の基本です。気象予報の全ての基本は、直接身体で気候を感じることです。
気象予報士にはランニングが趣味な人が多いといいます。空を見上げて空を観察し、風を切ることで気象を直接五感で感じられるからこそ、ランニングに打ち込む人が多いのでしょう。毎日の些細な変化が楽しい、と言えるレベルの人こそ、気象予報士に向いています。
求められるのは、地理に強く、解析力や論理的思考の持ち主
気象予報をするにあたって、地理に強い、というのは途轍もなく大きく活きる要素です。悪天候や災害の際、警報を出すべき地域の地名を間違えようものなら、とんでもないことになるのは勿論、地理力は地形の理解にも役立ちます。
地区名や地方名について、通称ではなくて正式名称で言われた時に地図上のどこの場所であるかが正確に理解できる能力は、気象予報士にとって必須とも言えます。
そのためには、地図を読めて、地形を理解する力が大事になってきます。地図上のどの場所に川や海、山や谷があるのかや、特定の地域や地形特有の気候、起こりやすい気象現象などをデータベース化して頭に入れておくと、尚良いでしょう。
また、気象現象が起こる理由を正しく導き出せる洞察力、解析力も必須の能力です。ゲリラ的な気候の変化が増える昨今、異常気象の原因は何か、長雨はなぜ発生するのか、そういったことを常に考え、論理的に推測できる能力、実際に起きている気候の異常を巨視的に眺められ、分析できる能力が的確な予報に繋がります。
気象予報士に向いている人、適性がある人
説明が得意であることが最も大事
気象予報士は、観測データから導き出した予測を「説明する」「広く伝える」仕事です。専門的に分析した結果を、誰にでもわかるように、明確かつ簡潔に説明できることは、気象予報士に必須のスキルでしょう。
得意な科目を友人にわかりやすく教えられるような人は、気象予報士に向いています。特に、お天気キャスターを目指す人には、必ず備わってなければならない能力です。またお天気キャスターに伝えてもらう予報原稿を広く一般にわかるように作成するのも、気象予報士の重要な仕事です。
専門的な気象業務でなくとも、専門分野の知識や予測能力を活かして季節や気候に合わせたマーケティング戦略などを提案する仕事もあります。そうした仕事にこそ、的確かつ簡潔な説明を行う力はより一層大切なものとなってきます。
数学が好きな人、記憶能力がある人
数字に強いことも、気象予報士にとって大事なことです。なぜなら、大気は流体力学の法則を基本として動いているからです。数字に強い人、数式を頭に思い描くことができる人は、法則を見抜く力にも長けているので、より厳密に気象現象を分析できます。
また、過去の天気図とその移り変わりを記憶し、現在の予測に役立てるということも一般的に行われています。なので、時系列に沿って順番に物事を記憶し、順番に遡って思い出せる人にも適性があります。何月何日の天気、と言われて正確に思い出せるような人は、気象予報士に向いています。
物事を順序立てて論理的に思考できる能力も、予測を立てる上で重要視されます。
夜勤や不規則な生活に耐えられる体力
気象の仕事は24時間365日求められるものです。気象に大きな異常が起きた場合や災害など有事の際は特に忙しく、出ずっぱりになることもあります。なので、シフト制、交代勤務が基本です。夜勤も当然のようにある仕事なので、夜勤、不規則な生活に耐えられる強靭な体力も必要不可欠となります。
人に対する思いやり、コミュニケーション能力
気象業務に携わっていると、悪天候や大きな災害で人々が犠牲になることも少なくありません。的確な予測をして、少しでも人々が犠牲にならないように努めよう、という気持ちを持つことができる人、人を思いやれる人は、気象予報士に向いていると言えるでしょう。
また、気象業務は不規則で、気候が荒れているときは残業も多くなり、精神的にも体力的にも、非常にハードな仕事です。気象予報士は「伝える」職業であることもあって、感情が乱れることは致命的です。どんな時でも感情的にならず、適切なコミュニケーションを取ることができる人が、気象予報士になるべきです。
気象予報士になるための学校等
気象予報士になるためには、何よりも国家試験を突破することがまず第一。
資格を取得したものの仕事がなく別の仕事に就かざるを得なくなることも多く、資格を取得する困難さの割に報われないイメージから受験する人は年々減っていますが、定員ではなく基準に達するか否かで合否が決まるため、合格率の低さは今も昔もさほど変わりません。
合格率5%の超難関試験を突破するにあたり必要だったり、有利になるような知識やスキルを育てる学校の例を紹介していきます。
一人でも学べる、気象予報士の通信講座
気象予報士は合格することが大変難しいため、民間の業者によるサポートも手厚い資格となっています。独学で受験する人もいますが、やはり適切な教材を定期的に得られ、自分のペースで勉学に打ち込める通信教育のメリットは大きいです。
特に、仕事や学校など普段生活の主軸を持っていて気象予報士を目指す人に、最適なのが通信講座と言えるでしょう。
試験対策に特化!気象予報士の予備校・専門学校
手っ取り早く試験に必要な知識を得られ、直接気象予報士に指導を請える予備校、専門学校も一般的です。お天気キャスター実習など実践的な対策も扱っています。
ただ、気象予報士の人口が少ないこともあるのか、気象予報士対策を扱う予備校・専門学校はそう多くはありません。数が少ないと地域や定員の制限が出てくるので、予備校には通信コースを用意しているところもあります。
気象学、環境学など関連分野も含めて学べる大学
気象予報士は年齢不問の資格のため、大学に行ってから目指すことも十分に可能です。大学にも、社会人入試があるように、年齢制限はありません。なので、大学で気象学、環境工学など自然科学分野を専門的に学んで教養を積み、気象予報士試験に臨む人も多いです。大学院卒の気象予報士も少なくありません。
気象予報士になるには?まとめ
試験も就職も狭き門!専門を磨きつつ、広い視野を大切に
気象予報士は、国家試験を突破することも、専門的な気象業務に就くことも難しいこともあって、夢を叶えるのには苦難が必ず伴います。
しかし異常気象が増え続ける昨今、気候の不安定さを危惧する人々も多いことから、今後、間違いなく気象予報士の役割は益々重要なものとなっていくでしょう。
気象コンサルタント、気象を基準としたマーケティング戦略など、時代に即した新しい仕事も増えています。視野を広く持って、気象予報士の資格をどう生かすかを考えることが大切です。
気象予報士の参考情報
平均年収 | 300万円~500万円 |
---|---|
必要資格 |
|
資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 自然・動物 |
気象予報士の関連記事
「フォロー」をお願いします
最新情報をお届けします