大学職員の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
大学における仕事は多岐に渡り、学生の対応から、施設の維持管理まで、様々な業務を行います。学生だけでなく、教授や講師、理事など学内の様々な組織、部署が連携し、大学の運営が成り立っています。この記事では、大学職員の仕事の内容や特徴、将来性についてご紹介します。
大学職員とはどんな仕事?
学務課、教務課など、諸々の手続きの対応をする事務の仕事
大学職員とは、大学の雇用下において、大学の管理運営上のすべての業務に関わる職員を指します。
大学には、事務に携わる事務職員(学務課や経理課、教務課など事務職)から、技術的な職務に従事する技術職員(ネットワーク管理者、システムエンジニア、建造物管理など)、自然科学系の研究者など研究職員、大学図書館司書など専門職、講師や教授など直接学生の指導を行う教員まで、様々な役割の職員がいます。
大学職員と聞いてすぐに思い浮かべるのは、学外からの訪問者の対応を行う窓口業務や、学生や教授の求める手続きを行う学務課、大学の運営費を管理する経理課などの大学事務ではないでしょうか。
彼らは大学の運営管理全般や、学生や教授陣の研究や勉学等の学術的な活動全般を支援する役割を一手に担っており、教授や学長などのように組織上表立つことはありませんが、大学を影で支える大事な仕事です。
講師、助教授、准教授、教授など学生の指導に携わる教職
大学において、学生を相手に講義を行い、実習あるいはゼミの運営や学術研究に携わるのが、大学講師や教授などの教職です。学生の本分は大学における勉学ですので、学生にとって最も馴染みがあるのは講師陣、教授陣でしょう。ある意味最も表立った存在として、学生を導き、学生と最もコミュニケーションをとる仕事です。
一般に、大学において講義を担当し、教鞭を執る役職は大学教員と呼ばれています。あるいは、大学図書館司書や研究員などを含めて学術関連職員と呼び、それ以外の職種は教職外職員という呼び方をされるようです。経理や事務、その他庶務を担当するのは、すべて教職外職員です。
ネットワーク管理、施設の維持管理などの技術的な仕事
大学には、構内のネットワークシステムの構築や維持管理を担当するネットワーク管理者など情報部門の技術者や、学内施設の整備や維持管理を担当する土木、建築、電気などの専門的な技術者も大学職員として雇用されています。
これらの技術職の担当者は学生との直接的な接点はあまりありませんが、学生が使う建物はもとより、学内ネットワークシステムは学生生活に大きく関わります。学生の情報の管理から講義の履修登録に至るまで、今では学生の手続きに関わるほぼ全てがネットワーク上のシステムで管理されているので、学生はそのシステムを利用して各種証明書の手続きや講義の登録を行わなければなりません。
大学においての全ての施設はこうした専門の技術者によって支えられています。間接的にではありますが、学生にとっても重要度の高い仕事と言えるでしょう。
大学職員の仕事の具体的な内容の例
学生を支援する仕事 :学生支援部門
学生支援部門は、主に学生の学生生活に関する相談全般を受け付けています。相談内容は多岐に渡り、内容によっては関連する専門の部署に取り次ぐこともありますが、可能な限り学生支援部門の方で巻きとれるものは巻き取ってあげないといけません。
特に入学当初は学生も不安を抱いていることが多いので、学生支援の仕事は非常に重要になってきます。最近はメンタルが弱い学生も増えてきており、場合によってはスクールカウンセラーなど専門家に引き継ぐことも多いですが、軽い内容であれば学生支援課の方で相談に乗ってあげるなど、業務の幅も広がっており、半ば何でも屋のようになってきています。
学生の部活動やサークル活動の支援、学生寮の管理なども学生支援部門の重要な仕事です。サークル活動に関しては基本的に学生の自治に委ねられる分野となっていますが、秩序を乱さないためにも、ルールに則った運営をしっかりと行わないといけません。ルールを逸脱していた場合は指導を行い、違反行為を未然に防ぐ対策も練っています。
奨学金の申請受理や交付決定手続き、施設貸出の手続きなども学生支援部門の仕事となっています。学生支援部門は様々なアプローチで学生が気持ち良く学生生活が送れるように日々支援を続けています。
履修や成績、シラバスなどを管理する仕事 :教務部門
教務の仕事は、学生の履修相談や、授業計画書(シラバス)の作成、履修登録や成績の管理などを行う仕事です。部署名としては、教務課、教養課、教務企画課、教学支援課などを指します。
学生の履修相談は、どのような授業を取ればいいのか、どの授業を取ればどんな教養が身につくのか、資格を取りたい場合などに他の必修科目等卒業要件に大きく関わる科目との兼ね合いを見てあげるなど、履修に関する相談全般を受け付けます。卒業に必要な単位数も入学年によって異なる場合もあるので、教務はしっかりとそれを把握し、適切な回答を導き出す必要があります。
シラバスの作成も重要な仕事です。あらかじめ担当講師や教授などから授業計画を申告してもらい、その内容に従って教務の方でシラバスを作成します。学生はシラバスを参考に授業の履修を決めるので、その役割は非常に重要です。ただ、講師や教授などは締め切りまでに授業計画を提出しなかったり、申告内容に漏れがあったりすることはザラで、そういった問題が発生するたびに教務は苦慮させられることになります。
また講義時間割の作成や、定期試験における試験日程の調整、各種資格取得における手続き(卒業時に資格が与えられる教職や司書など免許制の資格など)も教務部門の担当する仕事です。
大学経営や運営の根幹に携わる仕事:財務、人事、総務の仕事
大学の中でも、企画課、企画管理課、財務課、人事課、総務などは、完全に裏方に回り、大学の運営に大きく関わっていきます。
私立大学は特にですが、理事会や経営会議など、極めて重要な決定を行う場が設けられています。予算の査定を始め、大学運営における戦略的な要素を多く含んだ物事の方針や計画を詰めていく最も重要な意思決定の場が理事会や経営会議と言えるでしょう。企画、財務系の部署の大学職員は、こうした重要な会議の場を運営しなくてはいけません。
理事会、経営会議にはかなり役職の高い人々も集い、理事会の場合だと学外委員など外部の人間が関わることも多いです。ですので、誤った情報を共有することがないよう、細心の注意を払わないといけません。大学職員の中でも、非常に緊張を強いられる部署と言えるでしょう。
また財務、人事課は大学の資産運用に関してもその計画、実行を担う組織です。各大学では、一定の資金を資産運用に投じ、得られた利益を大学運営に必要な資金に回すなどといったことも一般的に行われています。
大学では昨今、国際化や社会貢献の推進などより大きな役割を求められることが増えており、より大きな予算の確保が求められるようになってきました。その際、新たな収入源の確保に尽力するのもこの部署で、大学として得られる授業料や入学金、受験料などの収入以外に、補助金や寄附金などを確保するために奔走します。
予算の確保、収入と支出の管理を一手に担うので、決算における書類作成や、監査への対応もこの部署の役割となっています。学生に直接関わることはありませんが、大学という機関の根幹を成す、極めて重要な仕事です。
大学職員の仕事のやりがい
未来ある学生を育て、社会全体に輩出していく仕事
大学は教育機関の最高学府として、学士、修士、博士等を育成し、幅広い教養の学び舎として、社会に広く深く貢献する人材を育て、輩出していく役割を担っています。未来ある学生の教養を深め、社会に通用する若者を育てていくこと、そうした学を志す若者の選択肢を増やしてあげることで社会に大きく貢献していくことが、大学の使命であり大きな役割と言えるでしょう。
時にカウンセリングや就職相談、履修相談を行うことで、学生を導き、未来を慮ることも大切で、社会に出ていく、あるいは研究で名を残す逸材をサポートし、育てる機関を運営していく大学職員は、大きな役割があるからこそ、大きなやりがいが生まれます。
地域や社会との交流、国際的な交流に従事できる仕事
大学の役割は年々広がっており、内に向けた学生の教育、育成に留まらず、地域に対する生涯学習の場としての各種講座やセミナーの開催、学園祭等の大規模なイベントの開催、図書館の一般開放など、広く外に向けられた地域社会との交流も大事な務めです。
大学によっては、海外の大学や自治体等との提携や交流を通して、交換留学生の受け入れや輩出など、国内にとどまらない人間社会の大きな可能性を広げ、深めていく役割も担っています。大学を通した国際貢献、地域貢献などにも繋がっていく活動をますます求められているからこそ、更なるやりがいが生まれているのです。
大学職員の仕事内容まとめ
学び舎という特殊な環境だからこそ、広く外に開かれた活動を意識しましょう
大学職員は安定した仕事で、民間企業のような競争もあまりないと言われる仕事ですので、少し特殊な環境であると言えるでしょう。しかし今後、人口減少に伴ってその役割はますます広く、深く求められるようになるでしょう。
大学が社会に求められる役割は年々拡大し、広く外に開かれた社会とのつながりを意識した大学運営をしていくことで、生き残る大学とそうでない大学がはっきり分かれるであろうと言われています。これからの大学職員は、やりがいを持って仕事に取り組み、大学の存在感を大きくしていくことが求められています。
大学職員の参考情報
平均年収 | 600万円〜700万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 試験合格 |
職業職種 | 教育・保育 |
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