翻訳家の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
小説・ドラマ・映画など、外国の言葉を日本語に訳す翻訳家ですが、担当する分野によっては求められるスキルが異なるため、仕事をする上で取得しておきたい資格もあるでしょう。そこで、今回は取得しておいた方が有利になる翻訳家に関する資格や試験についてご紹介していきます。翻訳家を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。
翻訳家の資格とは?
必須資格はないが語学に関する資格は必要になる
職種によっては専門的な資格が必須となるものがありますが、翻訳家の場合は必ず取得しなければ仕事ができないといった資格はありません。ですが、外国語を日本語に訳すのが翻訳家の仕事ですので、語学に関する資格の取得は必要になるといわれています。
というのも、日本語に訳す言語は英語をはじめ、自分が携わる分野によってはさまざまな国の翻訳を行うことになります。そのため、翻訳家をされている多くの方は、さまざまな分野で活動するためにも、語学に関する資格を取得している方が多いといわれています。
JTA公認の資格は幅広い分野で活かせる
翻訳家として幅広い分野で活動するのであれば、JTA公認の資格取得がおすすめです。この資格には複数の種類があり、プロの翻訳家であることを証明する資格といわれています。そのため、取得しておくと業界でも有利になる資格ですし、将来的に独立しても高収入を得ることが可能になるといわれています。
また、翻訳家としての活動では、「文芸翻訳」「実務翻訳」「映像翻訳」の3つに分類されますが、JTA公認の資格はどの翻訳にも活用できる資格となっているようです。ちなみに、文芸翻訳はフリーランサーの方に人気が高く、小説・雑誌・歌詞などの翻訳を仕事としている方が多いようです。
英語以外の言語関連資格も持っておくと有利
翻訳家として有利となる資格の中には、世界共通語である英語だけでなく、中国語・韓国語・インドネシア語・タイ語など、幅広い語学に関連する資格があります。どんな言葉も翻訳できるスキルを身につけることができるので、取得しておけば担当できる仕事の幅を広げることができるでしょう。
また、近年日本語を教える教師に必須となる「日本語教育能力検定」という試験があり、正しい日本語能力を図る検定があります。翻訳家は外国語をただ訳すのではなく、正しい日本語に訳す必要があるので、この資格を取得しておくと翻訳家として高いスキルを身に着けることができるでしょう。
翻訳家の資格の難易度・合格率
翻訳家として持っておきたい「JTA公認翻訳専門職資格試験」
翻訳家としてまず取得しておきたい資格として、JTA公認資格である「JTA公認翻訳専門職資格試験」があります。試験の言語対象は英語・中国語となっていて、4科目のテストにすべて合格して、実務経験を2年積むことが資格取得の条件となっています。
気になる試験の難易度ですが、英語・中国語ともに難易度が高いため、簡単に合格できるとはいえないでしょう。資格取得に関しては翻訳家としての高い能力が求められる傾向があるため、試験を受けるのであれば専門学校や通信講座などでしっかりと勉強をしておくことをおすすめします。
経験が浅くても有利になれる「英検1級」
翻訳家に必要な資格の中には学生でも取得できる「英検1級」があります。この資格は実務経験が浅くても有利になれる資格だといわれているため、翻訳家を目指すのであればまず取得しておきたい資格といえるでしょう。
そんな英検取得の難易度ですが、まず7つの級にレベルがわかれており、初心者でも気軽に受けられる5級から、大学の上級レベルとなる1級までがあります。つまり、翻訳家として持っておきたい英検1級の難易度は高いといえるでしょう。
ちなみに、英検1級は学校の教員でも取得している方が少ない資格といわれていて、資格取得率は約3割未満となっているようです。また、合格率は約10%となっているようです。
高い語学力を証明する「TOEIC」
英語関係の資格を取得している翻訳家の多くは、高い語学力を証明する「TOEIC」を取得している方が多いようです。TOEICは英語資格の中でも有名ですし、翻訳家以外の方でも取得している方が多い資格です。
また、TOEICの取得難易度ですが、英検2級レベルの英語力がなければ問題を解くことができないといわれています。また、英文法の基礎をすべて把握していなければならないため、難易度は高いといえるでしょう。
ちなみに、TOEICの試験は合格・不合格というものがなくスコア(点数)で英語力を判定されます。履歴書に記載できるのはスコア500点程からといわれているため、翻訳家としてTOEICを受けるのであれば500点以上を目指すと良いでしょう。
基礎から実務レベルまでのスキルが身につく「JTFほんやく検定」
翻訳家の方におすすめされている資格の中に、基礎から実務レベルまでのスキルが身につく「JTFほんやく検定」があります。試験では実務的な能力を測るものとなっていて、一定の時間内で素早く的確に翻訳できるかどうかが合格を左右するといわれています。
取得するにあたって気になる難易度ですが、基礎レベルを身につけられる5級・4級であれば、受験者の約半数が合格できる程度なので、難易度は低いといえるでしょう。しかし、実務レベルとなる3級は約20%、2級~1級は約5%とかなりの難関となっています。
翻訳家としてJTFほんやく検定の上級レベルを取得している方はごくわずかといわれていますが、取得することができれば優秀なプロの翻訳家であることを証明できる資格となっています。
その他の翻訳家に関連する資格
通訳関連の資格は持っておくと役に立つ
翻訳と通訳の仕事は「書く」「話す」といった違いがありますが、外国語を日本語に訳すといった面では似ている職種です。そのため、翻訳家関連の資格としておすすめされているものの中には、通訳の資格があります。
そんな通訳の資格には、「通訳案内士」「外国語通訳検定」などがあります。翻訳家と同じく通訳の資格取得も語学力が必要になるので、上記で紹介した資格と一緒に取得を目指してみてはいかがでしょうか?
専門的な分野に関わるなら医療関係の資格は有利
専門的な分野に関わるのであれば、医療関係の資格を持っていると有利だといわれています。外国の医学書などを翻訳することができますし、医師や看護師といった資格を持っていれば、専門的な言葉も正しく訳すことができます。
他にも、薬剤師や獣医の資格も、専門分野の翻訳には役立つ資格となっています。翻訳家として幅広い分野に携わりたい、専門分野で翻訳を務めたいという方は、医療関係の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか?
翻訳家に役立つ資格が取れる学校
語学系統が設けられた大学や専門学校
翻訳家の資格が取れる学校には、語学系統の学科が設けられた大学や専門学校などがあります。将来的に翻訳家の道に進みたいと考えている方は、このような学科のある学校へと進学すると良いでしょう。
また、社会人になって翻訳家を目指すのであれば、専門学校に通って勉強と資格取得が同時に行うことをおすすめします。効率良く翻訳家になることが可能となり、資格を持つことで翻訳家としての活動をスムーズに開始できるでしょう。
働きながら取得するなら通信講座がおすすめ
働きながら翻訳家に必要な資格を取得するのであれば、通信講座の利用がおすすめです。学校に通う必要がなく、自宅で資格取得の勉強ができるので、帰宅後の空き時間や休日を使って学ぶことができるでしょう。
また、全過程を修了すれば資格取得も可能なので、現職を続けながら翻訳家の道へと進むのであれば、通信講座を受けてみてはいかがでしょうか?
翻訳家の資格・試験まとめ
翻訳家に必要な資格試験は難易度が高いが持っていると有利になる
翻訳家には必須となる資格はないものの、外国語を日本語へと訳すために高い語学力が必要になるため、語学に関する資格は必要になることがわかりました。
紹介した資格は試験の難易度が高く合格率も低いため、簡単に取得できる資格ではありません。ですが、取得しておけば翻訳家として有利になれる資格なので、ぜひ資格取得を目指してみてはいかがでしょうか?
翻訳家の参考情報
平均年収 | 400万円〜600万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 国際 |
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