劇団員の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
劇団員として舞台に立ち、観客に感動と興奮を与える役者になるためにはどのような資格が必要なのでしょうか。劇団員に必要な資格、劇団員として活躍するために試験はあるのか、劇団員になるための学校についてご紹介します。
劇団員の資格や試験とは?
劇団員に必ず必要な資格はない
劇団員には必ず取得していないといけない資格はありません。また学歴も必要とされていません。
宝塚歌劇団などでなければ、基本的に年齢制限はありませんので、いつでもどんな方でも劇団員を目指すことができます。劇団に入団する場合、20代前後の若い年齢層の方が採用される可能性が高い傾向にあります。
また、宝塚音楽学校では年齢制限が設けられているので後ほど紹介いたします。
劇団に入団することで劇団員として活躍できるチャンスがある
劇団員には必要な資格はありませんが、劇団員として舞台に立ち活躍するためには、劇団に入団して目指す方法があります。
大手の劇団ですと、劇団四季や宝塚歌劇団が日本国内で劇団経営として成立している劇団です。大手の劇団は必ず採用試験が実施されます。中小規模の劇団でも採用試験が行われる劇団もあるので、劇団に入団を希望されている方は事前に確認する必要があります。
では、劇団に入団するための採用試験の難易度や合格率について紹介します。
劇団の採用試験の難易度・合格率
劇団の採用試験では、実技が重要視される
劇団に入団するための採用試験では、一般常識テストや取得した資格に応じた試験を受けるといった内容ではありません。
劇団の採用試験は書類審査を経て、実技試験に重点を置いたオーディションを行います。オーディションを行い劇団に採用されることで、初めて劇団員としての一歩を踏み出すことができます。
劇団四季のオーディション合格率
劇団四季の採用試験の倍率は約30~40倍と、超難関といわれています。
2017年11月に実施された採用試験では約1,500名の応募総数がありました。公表されている情報によりますと、書類審査通過者はその内300名、本選と呼ばれるオーディションへ通過した受験者数は400名となっています。本選であるオーディション後、一般・研修生としての合格者数は40名と公表されています。
2009年に公表されている合格率も紹介します。2009年に行われた採用試験の応募総数は1,350名となっており、書類合格数は406名、1次合格者数は206名となっています。その後行われる本選の一般の合格者数は36名、研究生の合格者数は61名となっています。
上記の内容から2009年の一般の本選合格率は2.6%、研究生の本選合格率は4.5%となっています。
宝塚歌劇団のオーディション合格率
2018年に行われた106期生となる宝塚音楽学校の受験生は965名、その内合格者数は40名となっています。合格率は0.04倍と難関と呼ばれる理由がわかります。2017年度では受験者数は1,042名、合格者数は40名となっており合格率は0.03%となっています。
試験内容は第1次試験~第3次試験まで行われます。どの試験でも必ず面接が行われ、面接では容姿、動作、態度、華やかさといった宝塚歌劇の舞台へ適性があるかどうか審査されます。
第2次試験で行われる歌唱試験では課題曲を歌います。課題曲の歌唱により音程、声質、声量などを審査し、さらに基礎的な読譜力を新曲視唱により審査されます。歌唱試験の他に舞踏試験も行われます。
基本的な運動能力、リズム感、柔軟性、洋舞の適性などを審査されます。舞踏試験の課題は、当日試験会場にて宝塚音楽学校の生徒が模範演技を示す形式となっています。
宝塚音楽学校の受験には年齢制限がある
劇団員は年齢関係なく誰でも劇団員を目指すことができますが、宝塚歌劇団として活躍するための宝塚音楽学校に進むための受験には、年齢制限があります。
応募要項には平成〇〇年4月2日~平成○○年4月1日生まれであり、受験時に中学卒業あるいは高等学校卒業または高等学校在学中の方といった年齢指定があり、また女性しか受験することができないので注意が必要です。
基本的に宝塚音楽学校の受験資格である年齢制限は、中学校卒業時または高等学校卒業時までとなっているので実質的に4回受験するチャンスがあることが伺えます。
劇団員に関連する資格・試験
劇団四季では経営・技術部門スタッフの採用をしている
資格ではありませんが、劇団員に関連した内容として株式会社である「四季株式会社」では新卒のスタッフ採用が行われています。募集されている職種は「経営」と「技術」となっています。
経営部門では営業、広報宣伝、カスタマーサービス、制作、社会事業、経営企画、総務、経理などが主な仕事内容となっています。技術部門では舞台監督助手、照明、音響、舞台装置(大道具)、小道具、衣装、ヘアー&メイクなどが主な仕事内容となっています。
技術スタッフとしての1年目は研修生として契約社員となり、経営スタッフは採用後、正社員となります。技術スタッフは2年目以降個々の経験や能力から請負契約である、プロフェッショナル契約を結ぶことができます。
舞台に立つ劇団員としてではありませんが、劇団を支える裏方役でもあるため影の劇団員といえる職業といえるでしょう。
次に劇団員を目指す上で、どのような学校があるのでしょうか。劇団員のスキルや知識が身につく学校について紹介します。
劇団員に役立つ学校・養成所
大学や専門学校で舞台芸術を学ぶ
劇団員を目指している方の中には幅広い舞台芸術を学ぶために、大学の演劇学科や演劇系の専門学校へ進学する方もいます。大学や専門学校で舞台に関する知識を深めることで、映像の世界でも活躍することができる演技を習得することができるのが最大の特徴といえます。
また大学へ進学し卒業することで、将来劇団に関わる採用試験にも大学で学んだ知識を生かすことで幅広く活躍することも可能になります。将来は劇団員以外の仕事もしてみたいと考えている方は、大学進学して多くの知識を得ることで就職、転職活動に大いに役立てることができる可能性が高くなるといえるでしょう。
養成学校で学ぶ
中堅の劇団や大手俳優プロダクションでもある劇団ひまわりや明治座などでは、俳優養成所を成立しているところが多くあります。劇団員を目指しているが仕事をしている方やアルバイトをしている方、学校に通っている方でも通いやすいように受講時間に柔軟な対応していることが養成学校の大きな特徴といえます。
実践を重要視した指導を行い、在学中であっても各種オーディションを受験することができ、優秀な成績を収めた卒業生には劇団やプロダクションと所属契約を結ぶことができます。
契約を結ぶことで舞台や映像作品に出演することができるので、収入が厳しい小規模の劇団で実績を積むのも必要なことではありますが、養成学校で実践的な指導を受けることで劇団員としての活躍の幅を広げやすいといえるでしょう。
宝塚音楽学校へ進学するには?
中学校卒業から高校卒業までの女性が受験することができる宝塚音楽学校へ進学するには、面接だけではなく歌唱試験や舞踏試験が行われます。実際に宝塚音楽学校に入学された方は、声楽やバレエを習うことで試験対策を行っていた方が多い傾向にあります。
様々なバレエ教室はありますが、元宝塚の方が講師となって宝塚受験専門のバレエ教室を開設している方もいます。実践的に受験対策するためには宝塚受験専門のバレエ教室に通うことも効果的といえるでしょう。
劇団員の資格・試験まとめ
劇団員を目指すなら、資格などよりも実力が最重要される
劇団員に必要な資格はありませんが、劇団に入団するための採用試験では演技や舞台に関する知識を求める学科試験ではなく、演技の実力を見ることが重要視されています。
宝塚音楽学校に入るには女性である必要があり、年齢制限もあります。宝塚音楽学校や劇団四季も研究生になるために難関といわれる採用試験に合格しなくてはいけません。
劇団員として活躍するためには、養成所など実践的な指導を受けることができる養成学校へ進むことで、劇団員としての近道になる可能性があるといえるでしょう。
劇団員の参考情報
平均年収 | 200万円〜500万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 芸能 |
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