歌舞伎役者の給与・年収は?初任給や平均月収などの収入について解説

歌舞伎役者の給与・年収は?初任給や平均月収などの収入について解説

歌舞伎役者の年収や給与はその人の格や、人気の有無、歌舞伎の舞台出演以外の仕事の収入などで異なります。現在300名ほどいる歌舞伎役者の中で、トップの年収を得ている人は1割ほどではないかと推測されています。では、歌舞伎役者の収入源や、給与はどれくらいなのでしょうか。本記事では、歌舞伎役者の収入面についてご紹介します。

歌舞伎役者の初任給

格によって収入が異なる。修行中の名題下の給与はあまり期待できない

テレビドラマや映画でも活躍している有名な歌舞伎役者の中には、長座番付に名前が載り、年収が推測できる人もいます。

歌舞伎役者は現在300名ほどいて、その知名度や格によって収入が異なります。はっきりしたデータがあるわけではありませんが、長者番付に乗るほど高収入を得ている歌舞伎役者がいる一方で、歌舞伎役者の収入だけでは生活するのが難しい人もいるのではないかと推測できます。

歌舞伎役者にも格があります。最初は「名題下」として修行を積みます。名題下は「三階さん」と呼ばれることがあります。これは江戸時代、舞台から一番遠い3階に大部屋の控え室があったことに由来しています。

人にもよりますが、名題下からおよそ10年修行を積み、「名題」を目指します。「名題俳優」「名題役者」「看板役者」などという呼ばれ方もします。名題役者になるためには、日本俳優協会の名題資格審査(名題試験)を受け、「名題適任証」を取得します。

その後、先輩や興行主、応援してくれているご贔屓の人々など各方面の賛同を得、名題昇進披露をおこないます。名題下の給与は人によっても異なりますが、20万円にも満たないと言われています。

「名題」の由来は看板から!名前や呼び方の由来からもわかる格差とは?

「三階さん」という呼び方にも由来がありますが、「名題」という呼び方にも由来があります。

江戸時代、歌舞伎の公演が行われた芝居小屋には集客のための看板が正面に掲げられていました。看板には名題(演目の名前など、表題)を掲げ、その上部に主要となる役者の芸名をのせます。そのため、看板に載るような主要な歌舞伎役者のことを「名題役者」「看板役者」と呼びました。

名題下は名題が昇進する前の階級です。呼び方からも格の違いがわかります。格が上なので名題役者のほうが給料は上がるでしょう。

歌舞伎役者の平均給与

歌舞伎役者の平均給与はどれくらい?一番のボリューム層の推定金額

歌舞伎役者全体の人数は300人ほどといわれています。その中で名題俳優は全体の6割ほどです。残念ながら歌舞伎役者の収入のはっきりした統計は確認できないため、正確な数字はわかりません。

しかし、月収が20万円を切る人もいれば、500~700万円の月収を得ているのではないかと推測される歌舞伎役者もいるのが現状です。40万円前後の月収を得ている層が最も多いのではないかと推測できます。

歌舞伎の舞台以外にも収入を得る方法はあるのか?公演以外の収入源とは

江戸時代、人気がある売れ筋の歌舞伎役者は千両役者と呼ばれていました。これは、1年で千両稼ぐという意味で、千両を現代の価値に換算すると1億ほどになります。

推測ではありますが、現代でも歌舞伎界のトップを走り、舞台以外にもメディアなどに出演している歌舞伎役者は億単位の年収を稼いでいるようです。

歌舞伎役者のメインの仕事は歌舞伎の舞台に出演することです。しかし、それ以外にも仕事をしている人が大半ではないかと考えられます。たとえば、弟子をとったり生徒を集めたりして先生をすることです。歌舞伎だけでなく和楽器や日本舞踊に長けている人であれば教えられる内容が増えるでしょう。

そのほか、イベント・メディア出演なども仕事のひとつです。人気俳優であれば主役クラスの役をテレビドラマや映画で演じることもあります。舞台ではよい役をもらえなかった俳優が、映画などで主役クラスの役を演じ、人気が出たケースもあります。

歌舞伎役者の中には「松竹株式会社」と契約を結ぶ人もいます。そのほか、役者自身が個人事務所を持ったり、ほかの芸能プロダクションに所属して仕事を獲得したりすることもあります。

歌舞伎役者を支えるタニマチと呼ばれる後援会がご祝儀を出すこともあり、収入になります。ご祝儀の内容も、格や人気が関係してくるといえるでしょう。

歌舞伎役者の平均年収

トップ役者はまさに千両役者!1公演で稼ぎ出す金額はどれくらいか

歌舞伎役者全体の年収統計は不明です。400~600万円前後の収入を得ている層が厚いのではないかと考えられます。一部推測するところでは、年収5000万~1億円の高額収入を得ているのは歌舞伎役者の1割ほどではないかと考えられます。

トップクラスの歌舞伎役者が公演を行う場合、1公演で500~700万円の報酬が得られます。1公演は25日程度なので、日割りで計算すると1日20~28万円となります。

知名度や人気によっても大きく異なりますが、CMの契約やイベント出演の回数や契約内容によっても年収が大きく左右することが考えられます。

待遇や先行きを不安に思って名題下がやめてしまうケースも目立つ

歌舞伎の舞台はトップ俳優だけでなく、名題下や身の回りの世話をするお付の人、舞台を企画する運営など、さまざまな人に支えられてできています。その中のひとつが名題下です。

名題に昇進するための修行として名題下で経験を積む人がいる一方で、ベテランの名題役者が一目置くほどの技術と経験を持つ名題下がいるのも事実です。看板の歌舞伎役者も、名題下がいてこそ映える場面があります。

「トンボを切る」というのは歌舞伎の舞台で繰り出される技のことで、鮮やかな宙返りです。歌舞伎の基礎を学ぶ際には日本舞踊や立ち廻り(舞台の上で斬りあったりけんかをしたりする格闘シーン)と一緒にトンボが内容に入っていることが多いです。お客さんが目を見張る演出のひとつとも言えるでしょう。

名題下の歌舞伎役者としての収入は20万円を下回る人が多いのではないかと言われています。トンボを切ると手当がつきますが、それも高額ではありません。また、体に負担がかかるため、体を壊すこともあり、高齢になったため出演ができなくなってしまう人もいます。

最近では今まで舞台を支えていた名題下が歌舞伎役者を廃業し、一般的な俳優へ転向したり、ほかの職業に転職したりするケースも多いようです。多くの人に支えられている歌舞伎にとって優秀な名題下がいなくなってしまうのは深刻な問題ともいえるでしょう。

歌舞伎界の人材不足を解消するために日本芸術振興会が行っている養成所の研修生も、修行や待遇の厳しさから辞めてしまう人もいるほどだといわれています。

人間国宝になったら国から助成金がもらえる?その金額と使い道とは

日本の伝統的な文化・芸術の話題では「人間国宝」という言葉を耳にすることは多いですが、実は人間国宝というのは正式なものでありません。

「重要無形文化財」というのが正式な名称で、個人が認定されることがあります。歌舞伎役者も歴代何人もの認定者を出しています。重要無形文化財は日本にとって歴史的、芸術的な価値が高いものを指しています。

最近では2015年(平成27年)に立役(たちやく・成人男性の役)として十五代目片岡仁左衛門、2016年(平成28年)に脇役として六代目中村東蔵が重要無形文化財として個人認定されています。その人の持つ歌舞伎の技術が認められた形です。

重要無形文化財保持のために、国から年額200万円が助成されています。しかしこれはあくまで、文化財の保持(歌舞伎の場合はその技術、わざの保持)に使われるべきものなので、個人の利益のために使用することはできません。また、死亡した場合には重要無形文化財の認定が解除されることになります。

歌舞伎役者の給与・年収まとめ

歌舞伎界のトップ俳優は年間1億円以上を得る一方で低収入の格もいる

売れ筋の歌舞伎役者は千両役者と呼ばれ、年間千両以上稼ぐ職業として江戸時代から伝えられています。

現代でも歌舞伎界のトップ俳優は年間1億円以上の高収入を得ていると推測できます。その一方で名題役者になる前の修行中の階級である「名題下」は決して高収入とはいえません。

名題下役者の中には歌舞伎公演を支えるベテラン役者もいます。しかし、待遇や体に負担がかかる技を舞台上で行うこともあるため、辞めてしまうケースが頻発しています。

そのため歌舞伎役者は、トップ俳優になれれば高収入を得られるが、格が上がらなければ収入は伴わない実力主義の世界となっています。

歌舞伎役者への就職・転職に役立つ講座が見つかる!

歌舞伎役者の参考情報

平均年収400万円~1000万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職種芸能

統計情報 出典元:

役立ったら応援クリックお願いします

にほんブログ村 資格ブログへ

歌舞伎役者の関連記事

芸能に関する他の職業KANREN JOB