速記者になるには?必要スキルや向いている人の特徴などを具体的に解説
速記文字を使って発言を記録する職業であることから、速記者になるには速記文字を覚えて練習すればいいだけだと思われがちです。しかし、速記スキルだけでは速記者としてキャリアを積んでいくことは難しく、さまざまなスキルが求められます。このページでは、速記者になるために求められること、向いている人の特徴などについてご紹介します。
速記者になるには何が必要?
速記文字を覚える
速記者として現場で働くためには、まず速記文字を扱えないといけません。
代表的な速記文字は「参議院式・衆議院式・早稲田式・中根式」と4種類あるので、まずは自分が覚えやすい速記文字を選んで勉強してみることが大切です。初心者は早稲田式か中根式が学習しやすいのではないでしょうか。
速記文字は一朝一夕で身に付くものではありません。速記文字を覚え、発言スピードに合わせて速記できるように何度も練習を重ねていくことが求められます。
高い集中力
速記者は会議や対談などの発言内容を漏らさずに記録しなければいけないため、常に集中している必要があります。会議や対談は数時間にわたっておこなわれることも多く、何時間もずっと集中して速記で記録することもあります。
速記中に気を逸らしてしまうと発言に追いつけなくなり、混乱してしまう原因になります。長時間、複数の発言者の発言内容を聞いて正確に記録できるほどの高い集中力は必須と言えるでしょう。
もちろん、最初から高い集中力を発揮できる人はほとんどいません。些細なことで気が逸れないような集中力を鍛える訓練によって、だんだんと集中力が身に付いてきます。
発言内容を正確に聞き取る力
会議などに参加している発言者は必ずしも聞き取りやすい声や話し方をしてくれるとは限りません。中には、ボソボソと話す人や滑舌の悪い人、早口の人、声が低く聞き取りにくい人など、さまざまな人がいます。
速記者はそのような人たちの発言もできる限り聞き取って記録しなければいけません。そのため、多少聞き取りにくい話し方でも、会話の流れから推測するなどして聞き取れるようになると良いでしょう。
特に、普段聞き慣れない言葉は聞き取りにくく感じてしまうので、日ごろからテレビやラジオの音声を聞いて、人の発言やさまざまな言葉を聞き取る練習をすることをおすすめします。
速記技能検定を受ける
速記者の求人の中には速記技能検定合格者のみを募集している場合も多く、速記者は速記技能検定を受験しておくことをおすすめします。速記技能検定には1~6級まであり、多くの求人は2級以上を合格していることが条件になっています。
現状の速記スキルがどの程度身に付いているかの確認として、今後さらにスキルアップするためにも最低1回は受験してみると良いでしょう。プロの速記者として活躍したい方は1級に合格していることが望ましいです。
速記者に向いている人、適性がある人
コツコツ努力できる人
速記者は速記文字を覚えるだけでなく、さまざまな知識をつけるための勉強が必要な仕事なので、コツコツと努力を続けられる人が向いています。少しでも早く速記できるようテレビやラジオで速記の練習をするなど、日々の努力が欠かせません。
また、医療系、法律系など専門用語が飛び交う現場で速記することもあるため、あらかじめ業界知識や専門用語を勉強したり、速記後にわからなかった点を調べる必要があります。
タイピングが得意な人
速記者は紙とペンを使って手書き速記をおこなうのが一般的でしたが、パソコンの普及によってキーボードを使った速記が増えています。
会議や対談を音声録音機で録音し、そのデータを後日速記者がキーボード速記をおこなうことが一般的になりつつあるため、パソコン操作やキーボードのタイピングスキルも必要になります。
これからの時代、手書き速記しかできない速記者は活躍の場が減ってしまいますので、早めにパソコン操作やキーボードタイピングでの速記に慣れておくことをおすすめします。
キーボードでの速記ができるようになると、速記だけでなく生放送のテレビ番組の字幕制作にも携われる可能性が出てきます。IT化が進んだことで速記者の需要が減りつつある現代では、活躍の場を広げることも大切です。
文章を読むことが好きな人
速記者は速記で発言内容を記録するだけでなく、記録した速記文字を誰もが読めるよう普通の文字に直します。さらにその文章を読みやすくするために校正することもあります。つまり、何度も文章を読んで正しい文章を組み立てなければいけません。
会議などは難しい内容も多く、記録した文章を読むだけでも苦戦することがあります。なので、長く難しい内容の文章を読んでまとめることが苦にならない人は速記者に向いていると言えるでしょう。
忍耐力がある人
速記者は、長時間ひたすら速記する仕事にも耐えられる忍耐力が必要になるため、忍耐力に自信がある人は速記者に向いています。一語一句漏らすことができない大事な会議を速記するとなると、かなり大変です。
ミスできないプレッシャーや長時間集中していなければいけない状況でも、耐えられる忍耐力や根気がある人なら速記者としてキャリアを積んでいけるでしょう。
速記者になるための学校・教室
速記者になるための学校はとても少なくなってきています。専門学校に通ってプロの講師から速記を学ぶことが望ましいですが、近くに速記を学べる専門学校が無いなどの理由により専門学校に通えない方は通信講座を利用してください。
早稲田速記医療福祉専門学校 キャプションライター養成科
早稲田速記医療福祉専門学校のキャプションライター養成科(旧 字幕制作・速記者養成科)では、音声を文字化するための知識やスキルを学ぶことができます。速記者は手書きだけでなくパソコンを使って記録を取る機会も増えていることから、キーボードタイピングの実習授業も豊富に組まれたカリキュラムになっています。
速記者はキーボードタイピングによる素早い速記スキルを活かして、生放送や生中継のテレビ番組の字幕制作を担当することもあります。そのため、速記だけでなく字幕制作も学ぶことで速記者としての活躍の幅が広がります。
前期に基礎知識やスキルを学んだあと、後期はインターンシップを通して実践的スキルを身につけられる現場体験もおこなえます。時代のニーズに合わせたカリキュラムが組まれている点と、基礎だけでなく現場で活かせるスキルを学べる点は早稲田速記医療福祉専門学校 キャプションライター科の魅力でしょう。
早稲田通信教育センター 早稲田速記講座
早稲田通信教育センターがおこなっている早稲田速記講座でも速記を学ぶことができます。専門学校に通う時間やお金を考えると、通信講座の方が安価で効率よく学習できる点がメリットです。
早稲田速記講座は自分の目的に合わせて速習コースと全科コースの2種類から選択します。速習コースでは短期間で初級~中級程度の速記スキルを身につけることが目的です。このコースのみの学習ではプロの速記者として活躍できるレベルに達しないため、プロを目指すのであれば全科コースを選ぶか、独学で訓練を重ねると良いでしょう。
全科コースは約1年かけて「早稲田式速記法」を学び、プロを目指すためのコースです。速記スキルを認定する速記検定で最も難易度の高い1級に合格出来るレベルの速記スキルを身につけることが可能です。
また、速習コースを受講してみて、さらに上のレベルを目指したいと思ったら全科コースに編入することも可能です。まずはお試しで速習コースを学んでみるのも良いでしょう。
速記者になるには?まとめ
速記者としてスキルアップするために日々の努力を大切にする
速記者は速記文字を覚えて、速記ができるようになればいいと思う方も多いですが、それだけでなくさまざまな知識やスキルを身につけなければいけません。
速記者として活躍できるよう、知識のインプットや速記の練習は欠かさずおこないます。そのため、努力を怠らずに成長していける人が速記者に向いているでしょう。
速記者になるためには独学だけでは難しい部分も多いので、専門学校や通信講座での学習をおすすめします。
速記者の参考情報
平均年収 | 400万円~500万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 出版・報道 |
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