刑務官の給与・年収は?初任給やボーナス、支給される手当まとめ

刑務官の給与・年収は?初任給やボーナス、支給される手当まとめ

刑務官の給与年収は普通の公務員よりも職種な職務であるため、12%ほど高額に設定されています。宿舎や公務員共済の年金など、様々な福利厚生の恩恵を受けることも可能です。肉体的にも精神的にも過酷な仕事ではありますが、経済的には恵まれている職業であるといえる刑務官の給与年収について紹介します。

刑務官の初任給

刑務官の採用試験に合格し、初等科の研修を終えた一般的な初任給は15万円~20万円の間がほとんどです。刑務官は公務員ですので、地方自治体によって給与は異なりますが、手当などを加えると初年度の年収は300~350万円ほどが一般的です。

刑務官は特殊な職務が求められていて、肉体的にも精神的にも負担が大きいことから一般的な公務員よりも12%ほど上乗せされた金額が給与として支給されています。

額面の給与だけじゃない様々な福利厚生

刑務官は公務員であるために、初任給や額面の給料は勤続年数が長くならないと、なかなか上がっていきません。ですが、刑務官には様々な福利厚生があります。刑務官は公務員になるので、国家公務員共済組合の組合員として共済に入ることが出来ます。

この共済は事故や病気などで何らかの治療が難しい病気や障害などが残って以前と同じように働くことが出来まくなった場合に支給されます。病気や怪我などの不幸な出来事だけでなく、出産などの祝い事にも給付金を受けることが出来ます。

この国家公務員共済組合は勤続期間中に加入することが出来ますが、退職してからも共済年金の受給対象者となることが出来ます。この共済年金は、一般的な厚生年金を受給するために支払うよりも数%ほど安い保険料で受給することができます。

なおかつ支給額は一般的な厚生年金を上回っている現状があるため、民間企業に勤めている人や自営業の人よりも年金制度は恵まれています。

刑務官は公務員宿舎に住むことも出来る

刑務官は勤務を始めて数年間は仕事を早く覚えるため、また特殊な職務である刑務官の労働環境に慣れるために、公務員宿舎に住んで働くことが暗黙の了解として半ば義務のようになっているといわれています。

大抵の宿舎は勤務する施設の敷地内や、とても近い場所に建てられています。これは、もし大きなトラブルなどがあって、人手が必要な時にすぐに駆け付けることが出来るようにするためです。

新人の間は給与も低いので、住居費を大きく抑えることが出来るメリットがありますが、宿舎は官舎であるために老朽化が進んでいる建物が多く、あまりいい状態の部屋に住めることはありません。部屋の老朽化が進んでいて、壁にひびが入っている場所も珍しくありません。

刑務官に転勤は避けられない可能性が高い

刑務官は国家公務員であるため、転勤の辞令がきても拒否することは事実上出来ません。刑務官は特殊な環境で長期間労働しているので、同じ施設や役職にずっと居続ける場合は同僚や受刑者との間に過度な親近感や嫌悪感などの感情が芽生えてしまい、職務をスムーズに遂行できなくなる場合があります。

このような理由から、刑務官は一定期間ごとに転勤をすることが普通になっています。転勤自体は国家公務員ならそこまで珍しいことではありませんが、刑務官の転勤には特徴があります。

刑務官はその人の階級によって、転勤先や転勤の間隔が変化していくことがあります。一般の民間企業でも課長や部長などの管理職についている人よりも、入ってきたばかりの新人の場合は転勤の頻度が少ないのと同じように、刑務官でも下級職員の転勤は5~8年の間ごとに転勤することが普通です。

これは一般的な国家公務員と比べて少ない方だといえます。しかし、施設長などの幹部や上級職員になると転勤は頻繁な人だと2年おきになり転勤先も全国の施設へといくことになります。

刑務官の年収に対する労働環境

刑務官の年収の平均値は550~600万円ほどです。平均値で600万円ほどになるので、一般の公務員に比べても平均的な給与水準は高いといえます。その理由は、刑務官としての職務が公安に関わる仕事であり、肉体的にも精神的にも負担が大きいことから、経済的に優遇するという政府の方針があるからです。

刑務官の給与は一般的な事務職の公務員と比べ、12%ほど高い水準に設定されています。しかし、一般的な公務員よりも高い水準に定められていても、労働環境が平均的な公務員よりも過酷であることが多いこともあり、一概に恵まれた労働環境であるとはいえません。

刑務官の一般的な勤務体系

刑務官公務員であるため、働く際の労働条件などは細かく定められています。刑務官の勤務時間は一週間当たり38時間45分と定められていて、一般の公務員よりも少し短く定められています。

勤務は朝から夕方までと、夕方から夜までの2つのシフトに分かれていることが多いですが、施設によっても様々です。基本的に刑務官が勤務する刑事施設は24時間365日休みがない施設なので、年末年始なども関係なく誰かがシフトに入って勤務していなければなりません。

昼間勤務と昼夜間勤務

昼間勤務は朝7時から夕方17時ごろまでの勤務と、少し始まりが早いですが、一般の公務員が働く時間帯と同じになっています。途中で30分単位の休憩が4回ほど挟まれるので2時間の休憩時間があります。

ですが、受刑者になにかトラブルがあった際などは休憩時間でも対応しなければならないので、休憩時間でも気が休まりにくい職場です。また、昼間勤務でも昼夜間勤務でも勤務時間中は体調不良など、特別な理由がない限り外出することが出来ないため、精神的なストレスにも繋がっているという現状があります。

昼夜間勤務は午前7時30分に出勤し、翌朝の7時30分までの勤務となっています。一般的な公務員だと夜勤と呼ばれている時間帯に働いています。拘束時間は約24時間と定められています。ですが、やはり何かトラブルが起きた際には24時間以上働かなくてはなりません。肉体的にも精神的にも、昼夜間勤務の方が刑務官の負担は大きいです。

24時間という長い拘束時間ですが、仮眠する時間は4時間ほどしか与えられていません。刑務官の中で順番を決めて仮眠をとりますが、雑用や書類仕事などが多い日であれば2時間程度しか仮眠が取れないことや、全く仮眠が取れないことも珍しくありません。

昼夜間勤務の翌日は休みとなり、その翌日も休日になります。刑務官は月に8日程度の休みがありますが、基本的に休みの日は昼夜間勤務のシフトの翌日ということになっています。そのため休みは不規則であり、土日など決まった曜日で休みがとれるわけではないので、友人などと休みを揃えるのが難しい仕事です。

刑務官の給与、年収は行政職より12%高い

刑務官の給与、年収は国家公務員法に基づいて公安職俸給表によって定められています。先述の通り、刑務官は一般的な行政に関わる国家公務員よりも12%ほど高く設定されています。

刑務官だけではなく、公務員全体に言えることですが、最初のうちは収入はそれほど多くありません。しかし、公務員には様々な福利厚生がありますので一概に民間企業より給与が低くても、実際の可処分所得は変わらない場合が多いです。

勤続年数が上がれば年収も上がっていく

刑務官は公務員なので、勤続年数が上がれば年収もそれに伴い上がっていきます。刑務官は公務員では珍しく学歴が全く関係ない職業です。昇進するためには昇進試験を受けなければならないのですが、昇進試験にも学歴は全く関係なく普段の勤務態度などが評価されます。

そのため、学歴がない人でも勤続年数が上がれば年収も上がっていくことになります。階級が上がってきて施設長などになると年収が800万円を超えることも可能になります。

現在では政府が財政赤字から行政改革などで公務員の給与を削減することなどが懸念材料として残りますが、それでも民間企業と比べたら解雇が基本的にないこと、ボーナスや昇給は勤続年数に応じていることなどから安定して年収も上がっていく環境にあります。 

刑務官の給料・年収まとめ

勤続年数に応じて年収も上がっていく

刑務官の給料、年収は公務員であるために初めのうちは民間企業に比べて額面上は低くなっています。しかし、刑務官は公務員宿舎に住むことが出来たり、国家公務員共済組合で将来の年金がお得にもらえたり、と様々な福利厚生で額面以上の暮らしが出来ます。

刑務官は勤続年数が上がるにつれて年収も安定して上がっていくので給与、年収は一般的な公務員よりも恵まれているといえます。

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刑務官の参考情報

平均年収550万円~600万円
必要資格
  • 刑務官採用試験
資格区分 試験合格
職業職種保安

統計情報 出典元:

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