管工事施工管理技士の給与・年収は?初任給や平均月収などの収入について解説
建設現場で重宝される機会の多い管工事施工管理技士。その平均の給料や年収はいくらくらいなのでしょうか?この記事では、管工事施工管理技士の平均的な給与、平均的な年収を紹介するとともに、給与・年収アップの可能性やその手段について紹介していきます。
管工事施工管理技士の初任給
新人管工事施工管理技士の給料は平均21~25万円
管工事施工管理技士は、学歴ごとに定められた実務経験年数を満たさなければなることができません。そのため、最初は無資格者として入社して、実務経験を積んだ後に2級もしくは1級管工事施工管理技士の資格を取得、その後に関連資格を取得することで年収も上がる傾向にあります。
土木関連の学科・学部や建築学関連の学科・学部など指定学科を卒業していれば、受験資格の取得も最短になるので(大卒・高度専門士であれば2級は1年、1級だと3年。高校卒業であれば2級は3年、1級であれば10年)、そのことから考えると資格を取得できる最短年齢は2級で最短21歳~22歳、1級であれば25歳~28歳となります。
資格を取ると、当然のことながら資格手当がつきます。施工管理は技術職なので、管工事施工管理技士にも現場手当や技能手当などといった技術職ならではの手当もつくでしょう。
そうした手当がつくことを考えると、資格を取ったばかりの新人管工事施工管理技士であれば、32万円~40万円あたりとなります。ただし、これは残業代込みの給与となるので、そのあたりを差し引いて通常の労働賃金として考えると21万円~25万円あたりになります。
管工事施工管理技士は実務経験がないと取得できない資格なので、入社時は誰もが無資格者として従事することになります。資格手当などを差し引くと19万円~23万円あたりというのが無資格者の平均給与といえるでしょう。
転職したときの給料は経験や、その他資格の有無で左右されやすい
管工事施工管理技士の特徴は、さまざまな雇用形態の人が多いことにあります。建設会社に正社員として雇用されている人もいれば、大手ゼネコンといわれる総合建設会社が臨時的に雇用する現場監督として入る、いわゆるフリーランスや派遣社員の施工管理技士も同じくらいいるようです。
資格の等級には1級と2級があり、2級では中小規模の工事現場を任されることが多いのに対し、1級は商業施設やホテル、駅など大規模な工事現場を任されることが多いので、そうした大規模な現場で経験を積みたいと考えて、転職を希望する人が多くいます。
その他、管工事施工管理技士の関連資格には、建築設備士や給水装置工事主任技術者などがあり、こうした関連資格を取得することでさらに給料が上がるため、こうした関連資格を取得することで仕事の幅を広げるとともに、給与アップを狙う人が多いようです。
異業種から管工事施工管理技士への転職は給料の確認を
異業種から管工事施工管理技士などの施工管理業務に転職する場合は、年齢に関係なく新卒の年代と同じ給料になることが多くみられます。
これは、管工事施工管理技士の資格試験を受験するために実務経験が必要で、養成するまでの期間が必要という点で考えてもやむを得ないといえるでしょう。
転職前の仕事内容によっては、大幅に給料がダウンする可能性もあります。異業種から転職を考える際は、慎重な判断が必要です。
管工事施工管理技士の平均給与の統計
管工事施工管理技士を含む配管工の平均給料は約31.8万円
厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査」のデータによると、管工事施工管理技士を含む配管工の平均給与は、全国平均が約31.8万円となっています。
管工事施工管理技士になると、通常の配管工のように狭い場所での作業や暑い時期や寒い時期に現場作業をすることは少なくなるでしょう。しかし、その分提出する書類や資料作成などといったデスクワーク、経験や価値観の異なる作業員をまとめる苦労が出てきます。
また、各工事現場を回って現場を視察する必要もあるので、体力が求められます。そういった苦労を考えると、もしかしたら決して高給とは言えないと思う人もいるかもしれません。
ただ、スキルがアップしたらより大きい仕事を任せてもらえること、お客様に喜んでもらえたときのやりがいを考えると非常にやりがいのある職業です。給料だけにとらわれて、心が折れないようにすることも大切になるでしょう。
勤続年数・会社の規模、資格の有無に応じて給料もアップすることが多い
管工事施工管理技士の給料は、勤続年数や会社の規模、資格の有無に応じてアップするのが一般的です。
そもそも一定の実務経験がないと、受験資格を得られないので、まずは管工事に関する専門知識を身につけることが求められます。また、勤続年数や会社の規模によっても給与が違ってきます。
総合建築会社のことをゼネコンといいますが、大手ゼネコンと中堅ゼネコンでは給与・年収にもそれなりに開きがありますし、中堅ゼネコンと中小ゼネコンでもやはり差が出てくるでしょう。工務店でも規模の大小によって差があるので、やはり規模の大きいところが有利です。
その他、管工事施工管理技士に関連のある資格は、給水装置工事主任技術者や建築設備士などがあるので、そういった資格を持っているかどうかでも大きく変わってきます。関連資格の取得は、仕事の幅を広げる意味でもいいことなので、積極的に関連資格を取ることが大切です。
求人を探す際は給料以外の手当もチェック
配管工全体の統計を見ると、給料とは別に支給される賞与も年間平均約91万円程度という結果が出ています。
管工事施工管理技士を含めた配管工の世界は繁忙期を含め残業が多い職種ですが、本来22日間のところを24日間出勤として基本給を上げて計算している、もしくは残業代込みで計算しているところもあります。
また、管工事施工管理技士の資格を取得した場合も、その後で関連資格を取得した場合も同じように、資格手当が支給されます。その他にも、現場手当や技能手当などといった技術職ならではの手当が支給されます。
就職・転職をする際は、求人票の一覧でみなし残業代以外の残業手当が支給されるか、給料以外に賞与や各種手当、昇給などの制度が整っているかどうかについても確認するようにしましょう。
男女でも平均給料に差がある
管工事施工管理技士を含めた配管工にも女性が増えています。しかし、厚生労働省の統計一覧によると男性と女性とでも平均給与に差があるようです。
男性だけで見た場合の平均給与は約32万円、年間賞与は約92万円なのに対し、女性は約21万円、賞与約26万円となっています。
男女で給料に差が出やすい理由を推測すると、女性の場合は結婚や出産で一旦現場を離れることが多く、子育てなどが落ち着いてから再び復職するケースが多いためといわれています。
管工事施工管理技士を含む配管工として働く男性の平均年齢は44.1歳に対し、女性は43.1歳と1歳しか違いませんが、勤続年数は男性が12.3年に対して、女性は8.6年と4年近い差があることからも、女性の場合は何らかの事情でキャリアが中断するケースが多いことが推察されます。
管工事施工管理技士以外の関連資格を取ると給料は高くなる
管工事施工管理技士とは、冷暖房、空調、給排水、水道、ガス、浄化槽、消火設備、照明などの配管工事の現場などで施工時の管理・監督を行うことが主な仕事です。
こう考えると、「管工事施工管理技士の資格を持っていればいいのでは?」と思われがちですが、管工事の関連資格も配管技能士、給水装置工事主任技術者、建築設備士など関連資格がたくさんあります。
そうした関連資格を取ることで、取得した資格ごとに資格手当がつくので、その分給与アップに繋がる可能性も出てくるでしょう。
平均給料は管工事施工管理技士として働く場所の規模・状況によって変動
前述した管工事施工管理技士の給料はあくまで全国的な平均の数字です。勤務先の企業規模や条件によって、給料も変動すると考えていいでしょう。
実際、厚生労働省の統計一覧では、企業規模が1,000人以上の場合の平均給料は約45万円と全体の平均を若干上回っています。賞与についても年間約96万円という平均より高めの結果が出ています。
大手ゼネコンや大きな工務店は給料水準が高めの傾向
管工事施工管理技士の勤務先は、建築業界の中でも引く手あまたですが、中でも企業規模が大きいのは大手ゼネコンでしょう。いわゆるスーパーゼネコンと呼ばれるのは、鹿島建設や清水建設など5社、準大手と呼ばれるのが長谷工コーポレーションや西松建設など8社になります。
こうしたスーパーゼネコンや準大手と呼ばれるゼネコンは給与水準も高く、実務経験を積んだ人であれば800万円~1,000万円クラスの年収を得ている人もいます。勤務している施工管理技士も多いので下積みが長くなりやすい上、昇格にも時間がかかりやすいですが、福利厚生という点でも整っています。
また、工務店でも規模の大小によって給与に幅が出やすい傾向にあります。規模の大きな工務店であれば、大手ゼネコンまではいかないまでも給与水準は高めなところが多いですが、小さな工務店であれば給与水準も若干低めになるかもしれません。
ただ、小さな工務店であればリフォームの依頼時などお客様と直接関わる機会も多いので、人と接することが好きな人にとっては魅力的な仕事と感じることもあることでしょう。
どういった規模の会社に就職するかはその人次第ですが、事前に情報を集めておいて十分に比較・検討することが大切といえると思います。
実務経験や関連資格の有無で給料アップにつながることも
管工事施工管理技士の給与水準は、一般と比べると高いといえます。しかし。残業時間が多い点や体力勝負になりやすい点を考えると、体力に自信のない人にはきつい仕事かもしれません。
実際、管工事施工管理技士になるためには、建築会社や設備会社で実務経験を積むことが大事になるため、体力に自信を持てないことで挫折する人が多いのも実情です。管工事施工管理技士を含めた配管工の仕事は実務経験が重要なので、経験を積むことでいろいろな現場を任せてもらえる機会も増えます。
その他、管工事施工管理技士として実務経験を積むと、関連資格の受験資格を得ることができます。いずれも簡単に取得できる資格ではありませんが、そうした関連資格を取得することで結果として給料アップにつながることもあります。
管工事に関する仕事を続ける限りは、関連資格をいくら持っていても無駄になることはないので、関連資格をできるだけ取得しておくと給料・年収アップにつながりやすいでしょう。
資格手当の他にも、現場手当や技能手当など技術職ならではの手当も
建築現場で管工事における施工管理の仕事をするためには、管工事施工管理技士の資格を取得することが必要不可欠です。
最初は学歴ごとに定められた実務経験の要件を満たさないといけないので給与もやや低めですが、資格を取得することで給与アップにつながります。施工管理は技術職で、現場手当や技能手当などといった技術職ならではの手当も多いので、経験を積んで任される現場が増えるほどそうした手当も増えていくでしょう。
特に1級は、大卒・高度専門士(4年制の専門学校卒業)であれば指定学科出身者で卒業後3年の実務経験、高校卒業の指定学科出身者であれば卒業後10年の実務経験を要することから、しっかりと経験を積まないと取得できない資格とみなされます。だからこそ、持っていれば十分なスキルを有するという証明にもなります。
その他、管工事施工管理技士の関連資格として、給水装置工事主任技術者などがあり、こうした資格を持っていれば仕事の幅を広げるだけでなく、さらなる年収アップにもつながります。
せっかく取得した資格であれば、少しでも給与アップにつながるに越したことはありません。就職・転職の際は資格手当の支給される企業を探すのも一法です。
管工事施工管理技士の平均年収の統計
管工事施工管理技士を含む配管工の年収は450万円~500万円前後
管工事施工管理技士を含めた配管工の平均年収を、厚生労働省の統計一覧にある均給与と年間賞与から算出すると、約471万円になります。
新卒で建築会社に就職した場合、月々の給料が各種手当込みで22~25万円、2級の資格を取得したばかりの毎月の給料が各種手当込みで30万円~35万円であれば、年収は300万円台~400万円台になることも考えられます。
そのことから考えると、2級管工事施工管理技士の一般的な年収は400~450万円程度、1級管工事施工管理技士の一般的な年収は500万円~600万円前後と予想されます。
実務経験を積んで様々な現場を任せられるようになる、役職がつくこと、就職・転職した会社の事業規模によっては1級を保有することで1,000万円を超える可能性もありますが、平均的な給与水準から考えると平均~平均より上の給与水準になると考えられます。
独立すれば平均給与以上の給料や年収の可能性も
管工事施工管理技士の平均以上の給料・年収を稼いでいる人の多くは、大手建設会社に勤務している、もしくは独立開業して建設会社や設備会社を起業した人が考えられます。
建設業は元請けの会社が受注した建設工事の一式を下請け会社が請負って、工期内に工事を行うのが一般的な流れです。管工事施工管理技士に限らず、建築現場の施工管理技士が少しでも年収を上げようと思ったら元請け側になることが一番の近道になります。
今は下請けになっている管工事施工管理技士も、元請けとして受注できるようになれば年収1,000万円以上を目指すことも夢ではないでしょう。
ただし、独立するには施工管理に関する技術の高さが求められます。それと同時に、自分の持っている技術に対する自信があることが大前提です。独立開業しようと思ったら、これ以外にも資金力が必要になりますし、運に左右されることもあるかもしれません。
建設加害者などの正社員として勤め続けるにしても、独立開業するにしても、地道な努力を重ねて実力をつけ、少しずつ業務の幅を広げることで道は開けてくるはずです。
管工事施工管理技士もさまざまな雇用形態がある
以前は、建設会社やガス・水道などといった設備会社などに正社員として勤務する人が一番多かった管工事施工管理技士も、その雇用形態に変化が見られるようになりました。
今でも正社員で働いている管工事施工管理技士が多いのは確かですが、臨時的に雇用されるフリーランスや派遣社員として工事現場に入る管工事施工管理技士も増えています。
こういった雇用形態の管工事施工管理技士も、有資格者には変わりないので給料水準としては、正社員とそう変わりなく、月収としては35万円~40万円、経験年数によっては50万円近くもらえることもあるようです。
しかし、安定して雇用があるわけではないので、そういった意味では不安定になりやすく、トータルの年収としては低くなる可能性もあります。
管工事施工管理技士として仕事の幅を広げるために関連資格を取る人、独立開業を目指す人も
管工事施工管理技士以外にも、管工事に関する関連資格はたくさんあります。これらの関連資格を取ることで、仕事の幅は確実に広がります。また、資格手当が支給される資格であれば、持っている資格分手当が出るので、その分年収アップにつながりやすいでしょう。
その他、独立して設備会社や建築会社を設立する際も、資格を持っていることで請け負うことができる業務の幅が広がりやすくなるので、その分最終的な請負総額や年収もアップしやすくなると考えられます。こういう点から考えると、資格取得が年収アップの近道と考えられます。
管工事施工管理技士の給与・年収まとめ
管工事施工管理技士の年収レベルは平均~平均より高め。実務経験を積み、関連資格を取ることで給与アップする可能性がある
管工事施工管理技士の平均給与や年収レベルは、実務経験のない時期は平均並み~平均よりやや下になることも考えられますが、有資格者になると資格手当等が反映されやすくなる分、給与水準も平均より高めになってくるでしょう。
管工事施工管理技士は資格の等級でも変わってくるので、2級よりは1級を持っているほうが給与アップにつながりやすいですし、関連資格を取得することで年収アップになる可能性があります。
その他、1級を取得した時点でより大規模な工事を取り扱うことができる建設会社などに転職することで、より好待遇になる可能性もあるでしょう。
また、管工事施工管理技士としてフリーランスになるにしろ、独立開業するにせよ、実務経験が物を言う世界なので、しっかりと仕事をこなし、経験値を積み重ねることが大切です。
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管工事施工管理技士の参考情報
平均年収 | 400万円~500万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 建築・不動産 |
統計情報 出典元:
- 職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
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