配管工の資格・試験とは?配管技能士と管工事施工管理技士の国家資格は取得すべき
建築物のあらゆる配管のスペシャリストである配管工。仕事をするにあたり、取得が望ましいとされている資格として代表的なものが配管技能士です。さらなるスキルアップを目指す方には管工事施工管理技士、建築設備士という資格もあります。配管技能士の受験内容や受験資格、また関連資格の取得についても理解を深めていきましょう。
配管工の資格、配管技能士とは?
信頼の証となる国家資格
配管技能士は中央職業能力開発協会によって実施されている技能検定の一種で国家資格です。
技能検定はさまざまな職業に関する技能を一定の基準によって評価をする制度であり、国によって定められた実施計画に基づいて行われる検定となります。配管技能士以外にも多くの検定があり、130種類の試験があります。
配管技能士においては「建築配管作業」「プラント配管作業」という2分野の検定があります。一般的な建築物におけるガス配管や給排水管を取り扱う作業が「建築配管作業」、工場などの特殊かつ危険な配管を扱う作業が「プラント配管作業」という棲み分けとなります。
それらの試験の難易度によって1級、2級、3級に分かれており、試験内容が異なります。それぞれ1年に2度受験のチャンスのある資格です。
配管技能士は名称独占資格である
技能検定に合格すると合格証書が交付され、「技能士」と名乗ることができます。このような資格を「名称独占資格」といい、資格取得者以外はその名称を名乗ることが禁止されています。
配管技能士資格を取得することで「配管技能士」という名称を掲げて仕事ができるようになります。ただし、資格がなくても配管工の業務に従事することは可能です。
配管技能士は転職や独立にも有利
配管技能士の資格は自分を表す肩書きとなるため、転職や独立など自身の経歴を対外的に示す必要がある場合には資格取得者として有利になります。
また、配管工は工務店やハウスメーカーの下請け業者として配管業者や設備工事会社の中で働くことの多い職種です。下請けとして仕事を得る際にも資格取得者であることは大きな魅力となるでしょう。
配管技能士検定の試験内容は実技と学科
配管技能士検定では実技試験と学科試験を受ける必要があります。実技試験には「製作等作業試験」と「計画立案等作業試験」という2種類の試験があります。受験する階級によって内容は異なりますが、製作等作業試験では配管の組み立てや溶接などの施工作業、計画立案等作業試験では図面からの材料拾い出しや見積もりの作成などを行います。
学科試験では共通科目のほか、「建築配管作業」と「プラント配管作業」の作業ごとに割り当てられた選択科目についての問題が出題されます。
配管技能士検定は実務経験0年から受験できる
配管技能士の受験資格は階級によって、また取得している級に応じて必要な実務期間が異なります。専門学校などに通わずに実務経験のみで受験資格を得る場合は3級で0年、2級で2年、1級で7年と、それぞれ実務経験が必要となります。
配管技能士の資格の難易度・合格率
配管技能士は実務経験を活かせる資格であるく
公式で合格率等は公表されておりませんが、配管技能士資格の難易度は普通レベルという意見が多くなっています。実技試験では、配管の組み立てや図面の材料拾い出しといった実務での経験を十分に試験に活かすことができます。つまり、現場での実力の裏付けとなる資格であるといえます。
しかし実技の中でも製作項目においては、実務の環境や使用する工具などによって試験内容と実務とのギャップが生じることもあるため、試験対策は必要となるでしょう。
その他の配管士関連資格
管工事施工管理技士
配管技能士が代表的な資格といわれていますが、スキルアップとして「管工事施工管理技士」という資格があります。
施工管理技士国家資格のひとつで、国土交通大臣指定機関が実施している国家試験です。管工事以外にも大工工事や防水工事など、建築物の建設に関わるさまざまな業種において設定されている資格です。
合格すると「1級・2級建築施工管理技士」と認定され、建設業法で定められた専任技術者や主任技術者・監理技術者としての仕事ができるようになります。これらは建設業法によって各営業所に定められた人数を配置することが求められており、事業を開始するにあたって必要不可欠な存在となります。
もちろん収入に関しても配管技能士より優遇されていますので、スキルアップを目指す場合には取得が望ましい資格といえるでしょう。
管工事施工管理技士資格の受験内容
管工事施工管理技士試験は年に1度実施され、学科試験と実地試験の2種類の筆記試験があります。学科試験では選択式、実地試験では記述式の問題が出題され、それぞれ60%以上の点数を得る必要があります。
難易度は普通レベルとされていますが、受験資格を得るために相応の実務経験が必要となるため、受験時点で配管工としての経験がある前提での「普通レベル」となりますのでご注意ください。
建築設備士
次に配管工の関連資格として建築設備士が挙げられます。建築士に対して建築設備の設計や工事監理に関してアドバイスをする立場となります。建築物を建設するにあたって必ず必要というわけではありません。
建築士が建築設備士に意見を求めた際には、建築確認申請書等においてその旨を記載する必要があるとされており、建設業界においても権限のある資格といえます。また建築設備士として1年以上の実務経験があれば、主任技術者・監理技術者となることもできます。
建築設備士の受験内容
試験は一次試験、二次試験に分かれており、それぞれ学科と製図・記述試験となります。受験をするためには一級管工事施工管理技士であれば2年以上の実務経験、資格取得をしていない場合は9年以上の実務経験が必要であり、建築設備に関わるプロとして認められる資格となります。合格率は15%から20%とされており、決して易しい試験ではありません。
配管技能士の資格が取れる学校
東京都立城南職業能力開発センター
職業能力開発校というもので、就職を目的として必要な知識や技術を身につけるための訓練学校です。配管科は6か月の受講期間を授業料無料で受けることができます。平日の日中に授業があるため、働きながら資格取得を目指すというよりは、就職に向けて技術を身につけるといった求職者のための学校になります。
授業の中では配管技能士の実技課題に挑戦するというカリキュラムもあります。配管科を修了すると配管技能士2級の受験資格が得られます。
三田建設技能研修センター
さまざまな建設業にかかわる職業訓練講習や研修を行なっている、兵庫県の職業訓練センターです。実習施設も備えており、より実践的な教育を受けることができます。1級配管技能士の取得に向けて、週に1度、計18回の研修が用意されており、知識と技能検定学科試験の免除資格を得ることができます。
また、遠方からの受講者のための通信制度も用意されており、10回の添削指導と3回の面接指導によって技能検定学科試験の免除を得られます。その他にも1級、2級、3級の取得にむけた短期講習会なども実施しています。実技試験に役立つ実践訓練が受けられることが大きな魅力です。
配管技能士の資格・試験まとめ
配管技能士の取得は望ましい。キャリアアップとして管工事施工管理技士も視野に
配管工としてキャリアを積んでいくためには、配管技能士の資格は持っていることが望ましいでしょう。日常業務の知識や経験が活かされやすい試験でもあるため、配管のプロとして自身のスキルを証明するためにも必要な資格だといえます。
業者として独立する人が比較的多いとされている職種でもあるため、配管技能士、管工事施工管理技士、建築設備士という資格を利用して配管のプロを目指してみてはいかがでしょうか。
配管工の参考情報
平均年収 | 300万円〜400万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 建築・不動産 |
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