飛行機を操縦するパイロットの仕事内容は?機長と副操縦士の違い

飛行機を操縦するパイロットの仕事内容は?機長と副操縦士の違い

飛行機を自由自在に操縦して、国内や海外などのさまざまな場所に乗客を運ぶパイロット。子供の頃に将来の夢だったという方も多いのではないでしょうか?今回は、そんなパイロットの仕事内容や、機長と副操縦士の違いについてご紹介していきます。

パイロットとはどんな仕事?

仕事内容は飛行機の操縦だけではない

パイロットの仕事は飛行機の操縦が主な仕事だと思われがちですが、実は地上でも重要な業務をこなしていることを知っていますか?目的地まで乗客を安全に運ぶためにも、飛行機への搭乗前にはその日の気象データの入念な確認を行い、搭乗するスタッフ全員と入念なミーティングを行います。

これらが全て完了したらようやく飛行機へと搭乗して、燃料・飛行データ・エンジンなど、飛行機の状態確認や離陸準備を行います。これらを乗客の搭乗時刻までに全て完了させ、予定通りの時間に目的地まで乗客を運ぶのがパイロットの仕事です。

ドラマや映画に出てくるパイロットは飛行機を操縦するシーンが多いため、地上での業務があることを知っている方は少ないもの。しかし、ただ飛行機を操縦するだけの仕事ではないので、パイロットを目指している方は地上における業務についても知っておきましょう。

機長・副操縦士の2人1組で操縦する

パイロットが飛行機を操縦する場合、機長と副操縦士の2人1組で操縦が行われています。

飛行機の操縦を実際に行なうのは機長、フライト中のさまざまなことをサポートするのが副操縦士といった役割分担が行われています。副操縦士はいずれ飛行機の操縦がメインとなる機長になるため、安全なフライトができるよう日々訓練を行なうことも仕事の一環です。

フライトはその日の予定や計画に従って行なわれますが、悪天候の場合には急な進路変更を行なう場合もあります。どんな天候や状況でも安全に運航できるように、経験を積み重ね、確かな操縦技術を身につけることも、優秀なパイロットになるために必要な条件といえるでしょう。

高い技術を身に着けた経験豊かな副操縦士であれば機長からの信頼も厚く、良いパートナーになれると同時に、機長への道もそう遠くはないことでしょう。

「国内線」「国際線」で仕事内容が異なる

国内線と国際線では、パイロットが行なう1日の仕事内容が異なります。国内線を担当する場合は1日に複数の便を担当しますが、国際線の場合は1日に1便の担当となっています。

また、目的地に到着するとすぐに帰省するのではなく、1~2日は現地に滞在してから来た経路を通って日本へと帰国します。しかし、行き先によっては時差の関係で体調不良を感じることもあるため、同じパイロットが常に国際線を担当することはないそうです。

国内線・国際線をバランス良く担当するシステムとなっているので、働きにくいと感じることはないでしょう。ちなみに、国際線を担当するパイロットには英語力が必須とされます。現地の管制塔から出される指示は当然英語となるため、外国人の方とコミュニケーションが簡単に取れるくらいの英語力は、事前に身に着けておいた方が良いかもしれませんね!

パイロットの仕事の具体的な内容

機内の最高責任者であり乗客を安全に運ぶ「機長」

機長を勤めるパイロットは、機内の最高責任者であり、乗客を安全に目的の場所まで運ぶことが仕事となります。フライト中や機内でトラブルが発生した場合には、冷静で的確な指示が求められるもの。さらに、飛行機の操縦を主に行なうのも機長の仕事なので、高い操縦技術が求められるでしょう。

また、自分が操縦する飛行機の点検や操縦前のさまざまなチェック、スケジュールの再確認やフライトの打ち合わせなども機長の仕事です。予定通り安全に操縦するためにも、責任者である機長はこれらのような仕事を行います。

ちなみに、操縦は機長が行なう仕事ではありますが、国際線の場合は長時間のフライトとなるため、かなりの疲れを感じることになります。しかし、疲れは集中力の低下や判断ミスを招く原因となるため、離陸した後は自動操縦に切り換えてタスクを減らしています。

とても責任が重い大変な仕事ではありますが、常にパイロットの負担を少しでも軽減できるよう、配慮された設備・条件・環境のもとで業務が計画されているので、万全な体調でフライトに臨むことができるでしょう。

機長や安全なフライトをサポートする「副操縦士」

副操縦士を勤めるパイロットは、飛行機を操縦する機長の仕事をサポートすることが仕事です。具体的には、離陸する前にはその日担当する目的地までのルートや気象情報など機長と確認すること、離陸後は管制塔とのやり取りや機体に異常がないかを計器にて確認するのが主な仕事となります。

操縦は機長の仕事ですが、飛行機を安全に操縦できるようにさまざまな情報を管理する重要な役目を担っていることがわかりますね!さらに、長い距離を飛行する場合は自動操縦となりますが、到着までに機長が食事や仮眠をとっている最中は、機長の代わりに安全を確認・維持すことも副操縦士の仕事となります。

もちろん、食事や仮眠は交代で副操縦士も取るようになっていますが、主に操縦する機長の体調面を気にするということが大切です。飛行機の状態と機長の健康状態を管理・維持するといったサポートを行なうため、2人1組となってフライトを行なうようになっています。

パイロット1年目は地上での仕事がメインとなる

パイロットになったからといってすぐに飛行機の操縦を行なうことはなく、パイロット1年目の方は地上での仕事がメインとなっているようです。搭乗券の発券や乗客が座る座席の指定、預かる荷物内の確認や全ての乗客が搭乗したことの確認など、これらの内容が主な仕事となります。

紹介した地上での仕事に慣れることで航空会社の仕事内容を把握して、同時に社会人としての基礎をしっかりと身に付けることから始まります。そして、このような地上での仕事を約2年間続けた後に、ようやくパイロットとしての仕事にステップアップする仕組みとなっています。

体調管理もパイロットの重要な仕事の1つ

飛行機の操縦を行なうパイロットには、機長・副操縦士ともに自身の健康管理も重要な仕事の1つだといわれています。体調不良や寝不足といった状態では、さまざまな面で注意力が衰えてしまうため、安全な操縦やサポートを行なうことができず、最悪の場合は事故に繋がってしまうかもしれません。

そのため、パイロットは年に1回は必ず身体検査を行い、厳しい検査項目を全てクリアしなければ、飛行機を操縦することができないシステムとなっています。また、パイロットの健康管理を徹底している大手航空会社の場合は、明確な勤務時間が決まっている、プライベートでの飲酒の制限がされているなど、健康管理にとてもきびしい目が向けられています。

パイロットの仕事のやりがい

機長までの道のりが長いぶん成長ができる

パイロットがやりがいを感じるのは、機長を目指すなかで自分自身が成長できるからだといわれています。パイロットになったばかりの時期は約2年間の下積み(地上での業務)を行い、そこから本格的なパイロットとしての技術を身に着けていきます。

そして、機長をサポートする副操縦士としてフライトの経験を積み、いずれは機長となって飛行機の操縦を行なうようになります。ここまでの流れを聞くだけでも、機長になるまでの道のりが長いことがわかるでしょう。しかし長期間パイロットとしての訓練を行っていくことで、高度な技術を学び、自分の成長させることができます。

成長が認められれば機長になれる喜びとともに、パイロットの仕事へのやりがいを感じることができるでしょう。

目的地まで安全に乗客を送り届ける使命

パイロットは目的地まで安全に乗客を送り届けることが仕事。そのため、何かしらのトラブルが発生したとしても、これまでの経験・知識・技術を活かして、安全に目的地に到着することができたときにやりがいを感じる方も多いようです。

乗客の命を預かっているといった大きな緊張感や重圧はありますが、これらを無事クリアすることで達成感を得ることができます。他の仕事では味わえないようなことを体感できるため、大きなやりがいを感じることができるのかもしれませんね!

パイロットの仕事内容まとめ

乗客の命を預かるパイロットは大きな責任を背負う仕事

飛行機の操縦をしているパイロットは、ただ操縦するだけが仕事というわけではなく、安全なフライトを遂行するための搭乗前の入念な安全確認やミーティング、登場後の点検や安全確認などが重要な業務となっています。

しかし、パイロットになったばかりの時期は覚えることがたくさんあり、下積みとして地上での仕事も多く、副操縦士になれたとしても機長への道のりはとても長いもの。ですが、この期間がパイロットとして自分を成長にも繋がりますし、高い技術やどんなときでも柔軟に対応できる力を身に付けられることがやりがいとなります。

他の仕事では味わえない仕事であり、常に達成感を味わえる仕事に就きたいという方には、「パイロット」という仕事が向いているかもしれません。将来パイロットを目指しているという方は、ぜひこちらの記事を参考に仕事内容を把握して、目標達成のために頑張ってみてください!

パイロットの参考情報

平均年収700万円~2000万円
必要資格
  • 事業用操縦士
  • 定期運送用操縦士
  • 自家用操縦士
資格区分 国家資格
職業職種運輸・乗り物

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