塗装工の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
どんな建物もきれいに塗装してくれるプロフェッショナル、塗装工。必ずしも試験を受けないと業務に就けないわけではありません。しかし資格や試験に合格していれば就職や開業の際に有利に働く可能性があります。今回はこの記事で、塗装工に関連する代表的な1級塗装技能士と足場作業主任者に、有機溶剤作業主任者の試験の情報をご紹介します。
塗装工に役立つ資格「1級塗装技能士」
1級塗装技能士は塗装に関する国家資格
「1級塗装技能士」は、塗装に関する技能を認定する国家資格のひとつです。国家資格でもあるため、名称独占資格でもあります。厚生労働大臣が認定する資格で、実地開催をしているのは都道府県職業能力開発協会が実地開催している資格です。
就職する前に取るのも、仕事しながら取る事も出来ます。試験内容としては学科試験と実技試験があります。
1級塗装技能士の概要
合格率 | 全国平均 約50% |
---|---|
受験資格 | 7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上、3級合格後の4年以上の実務経験。(学歴によって必要な実務経験が変更有り) |
受験費用 |
(都道府県によって変わる場合有り) |
出題範囲 |
■学科試験の範囲
選択科目として
■実技試験の範囲 |
1級塗装技能士の難易度・合格率
要点を抑えれば難易度は低め。十分な試験対策を
1級塗装技能士の試験は主に筆記試験と実技試験中心です。都道府県ごとの試験実施になるため合格率はばらつきがありますが、全国平均は約50%といわれています。
難易度的にはそこまで難しくはありません。ですが出題範囲は沢山あるので、どの問題にも答えられるように幅広く勉強する事、そして実技試験対策もしておく事が大事です。
独学で目指すのは難しいという人は、1級塗装技能士の勉強ができる専門学校などに通うようにするものひとつです。効率よく、より確実な合格を目指すことができるでしょう。
1級塗装技能士の合格基準
実技試験の合格基準はどの級も100点満点中、大体60点以上で合格となります。しかし、作業試験が複数の課題からなっていて、個々の課題に合格基準が定められている職種の場合は個々の合格基準の得点数を超えてないといけません。
学科試験では学科表にある問題数の65%以上が合っていれば学科試験が合格となります。
塗装工に役立つ資格「足場作業主任者」
足場作業主任者は塗装の仕事に必要になってくる資格
「足場作業主任者」は、1級塗装技能士と同じく塗装に関する技能を認定する国家資格のひとつです。国家資格でもあるため、名称独占資格でもあります。この資格は吊り場や高さが5メートル以上ある構造の足場の組み立て、解体の変更作業を行う為に取得しておかないといけない資格です。
足場の組み立て等作業主任者技能講習を修了した者だけが作業主任者として選任、そしてその者の指揮もとに作業を行わなければならないと決められているからだと考えられます。
足場作業主任者の概要
合格率 | 全国平均 約90% |
---|---|
受験資格 | 下記に詳しく記載。 |
受験費用 | コースや実地先によって異なりますが、例として挙げるなら
となっています。 |
出題範囲 | 作業の方法に関する知識、工事用設備、機械、器具、作業環境による知識、作業者に対する教育等に関する知識、関係法令と最後に学科試験があります。 |
足場作業主任者の難易度・合格率
難易度は低め。試験対策は十分にしておく事
足場作業者主任者資格は学科講習と学科試験に合格する事で取得する事が出来ます。講習を受ける事と学科試験も、ちゃんと試験対策をしておく事や実務経験があればそこまで難しい資格ではないでしょう。合格率は、全国平均は約90%といわれています。
資格や経験年数によって受けられるコースが変わってくるので注意が必要になります。
試験を受けるには一定の経験が必要
講習を受ける際の受講資格として一定の経験が必要になってきます。
下記のどれか一つに該当するならAコース
- 満21歳以上で、足場の作業に3年以上従事した経験を持つ者
- 満20歳以上で、大学、高専、高校、中学において土木、建築または造船に関する学科を専攻して卒業した者で、卒業後、当該の作業に2年以上従事した経験を有する者
下記のどれか一つに該当するならBコース
- 満20歳以上で、足場の作業に2年以上従事した経験を持つ者で、別添による訓練を修了している事
- Aコースのいずれかに該当かつ職業能力開発促進施工別表例第1に掲げる、とび1級、2級の技能検定合格している者
そしてCコースは、Aコースのいずれかに該当している事と、
- 職業能力開発促進施工規則別表第11条に免許職種の欄に掲げる、とび科の職種に関わる職業訓練指導員免除を受けた者
となっています。
その他の塗装工に関連する資格
塗装工に関する資格はさまざま
1級塗装技能士や足場作業主任者資格以外にも、塗装工の仕事に関する資格はいくつかあります。
- 有機溶剤作業主任者
- 石綿作業主任者
- 外壁診断士
- 外壁劣化診断
- リウォ-ル診断士
- 外壁塗装マイスター
- 塗装科・職業訓練指導員
- 窯業サイディング塗替診断士
- カラーコーディネーター
- 色彩検定
最初に挙げた有機溶剤作業主任者や石綿作業主任者は同じく国家資格なので取得しておくと後々のスキルアップに使えます。また塗装工の仕事とは少し離れていますが、カラーコーディネーターや色彩検定は塗装工の仕事で活用できるのでないでしょうか。
取っておかないといけない資格ではありませんが、取得しておくと就職や転職、独立などの際に有利になるでしょう。
親方クラスなら取っておいた方が役に立つ資格
上記に挙げていない資格の内、業務の幅を大きく広げられる資格として塗装工事業許可という資格があります。これは要件を満たすことで、書類上で証明されるものとなっています。
この資格を取得するには、以下のような事項を満たす必要があります。
- 塗装業に関する経験が5年以上ある事や営業所ごとに専任技術者が必要
- 不正行為をする恐れがない事
- 自己資本が500万以上ある
- 過去の一定期間法律に違反したことがない事
- 経営業務の管理責任者がいる事
- 塗装に関する国家資格を有する者
また塗装工事についてだけですが、10年以上の実務経験を有する者であれば、塗装工事の専任技術者になれると言われています。どちらかというと親方クラスになってから取得するべき資格の一つとなっています。
塗装工の資格や塗装について勉強できる学校
上記に挙げた資格に受講資格はないですが、塗装にとって必要な勉強が出来る専門学校及び短大などには行っておくべきでしょう。資格取得支援だけでなく、基礎から応用までしっかり学べる事や、同じ道を目指す人と切磋琢磨できることも魅力のひとつです。
東京都塗装高等技術専門学校
将来の塗装の技能者としての知識と技術を身に着けさせて塗装業界の発展のために育成を目指している専門学校です。ただし、建築塗装業で現在働いている人が対象となっているので注意が必要です。
塗装法から塗装デザイン技術など塗装や建築に詳しい講師が教えてくれます。建築関係も学べますが、メインは塗装に関する事が詳しく学べる学校です。
他にも大学や短大から塗装業を目指す人も
専門学校以外にも、塗装工になるために建築額や意匠、環境学、環境工学などが学べる大学や短大に言ってから1級塗装技能士を取る人も多いです。特に1級となると経験年数が専門学校か大学か短期大学かでも変わってきます。
塗装工の資格・試験まとめ
資格が必須の仕事ではないものの、関連資格も合わせてさまざまな資格が自身の仕事をより良いものにする
塗装工は資格に合格しなくても業務に就く事は可能です。ですが将来的に独立も考えているならば、資格を持っているほうがベターです。1級塗装技能士の他にも多数ある資格を取得しておく事で、塗装工として専門的な知識やスキルを証明するのに役に立つでしょう。
働きながら1級塗装技能士や有機溶剤作業主任者などの国家資格の資格取得を目指しつつ、さらに自分の理想とする塗装工のイメージに役立ちそうな資格取得も目指してみてはいかがでしょうか。
塗装工の参考情報
平均年収 | 300万円〜400万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 建築・不動産 |
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