塗装工の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

塗装工の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

塗装工は、一般家屋を始め様々な建築物に色を付けたり、剥がれたペンキを修繕したりする専門職です。塗装の目的は、見た目的なデザインに留まらず、様々にあります。この記事では、塗装工の仕事の具体的な内容や特徴、将来性についてご紹介します。

塗装工とはどんな仕事?

人工建築物をペンキなどで塗装、あるいは修繕する仕事

塗装工は、その名の通り、ビルや一般家屋などの建築物の他、トンネルやガードレール、遊具やベンチなど、人間社会に存在する様々な設備に対して、ペンキをはじめとする塗料を塗ったり吹き付けたりして、染色を行う仕事です。

塗装とは、材料の表面を塗料の皮膜で覆う表面処理を指します。塗装の仕事は、単に鮮やかな塗料を塗りつけることによるデザイン的・外面的な装飾を目的としている作業と思われがちですが、そもそも塗装は、一般的に物体の保護・維持、例えば防水・防火・防錆などの機能性を付加することを主な目的として、発展してきた歴史があります。

金属の多くは、大気中の酸素に触れることで酸化し、錆を発生させてしまいます。例えば鉄の場合だと、表面の錆が内部に向けて浸蝕してしまう性質を持っているので、表面が錆びてしまうと、内部も含めて全体が脆くなってしまいます。こうした理由から塗装は物体の保護に必須となっていて、その存在意義は大きいです。

塗装の役割は目的によって様々にある

塗装工の仕事に必須の「塗料」の定義とは、「流動性(液体状態)を持ち、物体の表面に塗り広げられて皮膜を作り、乾燥するとその面に固着し、塗装を行った物体の保護、美装およびその他の性能を持った連続膜(固体状態)と成るもの」となっています。

「物体の保護の機能」は、様々な塗料における、防錆、防食、防湿、防水、防湿、耐薬品性、耐油などの性質を活かすことで生まれます。また、「美装」とは色彩、模様、光沢などを変化させる塗料の性質が、物体を美化することを指します。

「その他の機能」は、例えば、「耐熱、耐火、防カビなどの様々な物理的性質を持つ塗料や、艶や模様、肌触りなどを変化させるための塗料を塗りこむこと」や、「温度指示、危険標示、標識などの標示的な機能を塗装によって持たせること」を指します。

塗装の性質は様々で、目的に応じて塗料を使い分けます。防錆用など保護を目的とした塗料の場合は厚い皮膜を張り耐候性に優れているもので、装飾を目的とした塗料は発色が良く耐光性に優れ光沢ある綺麗な表面に仕上がる性質があり、断熱性・防水性に特化している塗料もあります。

塗装における保護機能は、錆止めや防水、防露、防カビ、耐薬品、防火などの「遮断機能」と、変退色防止、耐久性、付着性、摩耗性、耐洗浄性、メンテナンス性を付加する「存続機能」に大きく分けられます。

こうした様々な機能を持つ塗料を目的によって塗り分けて行くことは、建設工事における主要な工程の一つとして重要視されています。塗装を行うことで建造物の維持や保護にかかるコストを減らしたり、塗装自体が建造工程の仕上げとなったり、建設の効率化を助けたりする(経済的機能)ことも含めて、塗装の役割は大きなものになっています。

塗装工の具体的な仕事内容

塗装工事の大まかな工期は10日〜2週間が目安

塗装工は様々な場所で塗装工事を請け負い、外壁などの塗装を行います。塗装工事の大まかな工程としては、「足場設置」、「高圧洗浄」、「下地調整・補修」、「下塗り」、「中塗り」、「上塗り」、「足場解体・引き渡し」の7つに分かれます。

一般的な家屋の場合、塗装は屋根から開始し、屋根の塗装が終わったら外壁の塗装へと移ります。そして合間に、雨樋や軒天、シャッターといった付帯部分の塗装をやっていく、というのが基本的な流れとなります。

塗装工事と一口に言っても、単純に何も考えずに塗って行くだけというわけには行きません。天候条件や塗料の性質、塗装そのものの目的など様々なことを意識しながら、効率よく全ての工程をこなすことができるように、最適な段取りを組んで行く必要があります。

工期は10日〜2週間が目安で、そこまで長期間には及ばない工事が殆どです。

塗装工事の工程の詳細と、それぞれの作業の目的

塗装工事の前にまず行わなければならないのは「足場の設置」で、屋根など高所における安定した作業ができるようにしっかりとした足場を組み、塗料の飛散防止のためのメッシュシートを掛け、周囲の安全にも配慮しつつ、作業場を構築して行きます。

こちらの作業は、塗装工自身ではなく、足場の設置工事に特化した鳶職が行うことが多いです。足場工事のことを鳶工事とも呼ぶように、建設現場における足場組みは基本的には鳶が担当することになります。

次の「高圧洗浄」は、業務用高圧洗浄機を使用して、最高150気圧に及ぶ高い圧力を水にかけることで極めて強い水流を作り、その打撃力で屋根や外壁の表面の汚れや古い塗膜を丸ごと落とし、流していきます。塗装においては欠かせない工程で、化学物質との反応などの悪影響を避けるために洗剤は使わず、高い圧力をかけた水のみで洗浄していきます。

下地調整を含めた塗装工程の開始前に、塗装しない部分に養生を施し、塗料が掛からないように準備しておきます。「下地調整・補修」では、まず洗浄が終わった表面にひび割れなどがあった場合、パテを使って補修を施します。その後、古い塗膜や錆を落とす薬品(ケレン等)を使って綺麗にして、下地の土台をしっかりと作ります。

その後の塗装の本工程においては、「下塗り」「中塗り」「上塗り」という、大まかに3工程の重ね塗りによって、しっかりとした塗装を施します。下塗りでは、一般にシーラーと呼ばれる下塗塗料が用いられ、合成樹脂エマルション形シーラーなど3種類に大別されるシーラーを、それぞれの目的に沿って使い分けて塗っていきます。その後に塗る塗料をより確実に接着させる役割もあります。

本塗装は2回に分けて行い、まず中塗りでは、仕上げの効果を高めるために、上塗りと同じ材料を最初に塗り込んで行くことで、平滑な下地を完成させます。その後上塗りと呼ばれる2回目の塗装を行い、重ね塗りをすることで美観性、耐久性をより強固かつ確実なものへと仕上げていきます。

塗装工の仕事のやりがい

人工物の耐久性を高め、表面を綺麗に彩ることで美観を保つ仕事

塗装工の仕事は人間社会に存在する様々な人工物、建造物に対して、その保護と維持に関して重要な役割を担います。人間の社会的生活の基礎である「衣・食・住」の内の1つ、「住」にも大きく関わります。

塗装工事は、塗装するものが何であれ、その機能を保護、維持するだけでなく、装飾も行うことによって、そのものをより美しく綺麗にし、かつ長く保つ役割があります。色を施すことによる表面的な、サイン的な役割に関しても人間生活には欠かせませんし、錆やカビを防ぎ、防水、防湿のコーティングを施すことでそのものを非常に長持ちさせる効果もあります。

人は周りにある世界の情報の8割を視覚から得ています。視覚的に美しいものは目に入りますし、計算された美しさは単調な人工物に彩りを与え、それを見て、使うことで人は心理的にも幸福を感じることができるのだそうです。

塗装工の仕事はまさにその美しさを生み出す仕事です。建築塗装工だけでなく、自動車工場での板金塗装や、家具等のデザイン塗装に携わる塗装工もいますので、塗装の仕事は日々の生活にも密接に関係しています。人々の生活に欠かせない人工物の制作における総仕上げを担うことは、大きなやりがいにつながるでしょう。

伝統を維持しながら、環境に優しい塗装など新技術も取り入れる

塗装工は、現代において建設あるいは作成された人工物に対する塗装のみならず、寺社仏閣における建造物や、仏像修繕塗装など、古来より大切に受け継がれてきた伝統的な人工物の修繕もあります。

古来より現代にまで伝わってきた信仰を象徴する建物や仏像といった、伝統の象徴のようなものも、長い年月を経て風化したり、劣化したりして、塗装も剥がれ落ちてしまいます。そうしたものの修繕を行うのも、塗装工の仕事です。

現代の発達した科学技術を応用し、当時の塗装を限りなく正確に再現するという、歴史的にも大きな役割を、塗装工が担っています。今も観光資源、文化遺産、世界遺産として受け継がれる貴重な建造物、人工物を修繕し、状態を維持し、次世代に受け継いでいく。こうした大切な使命も大きなやりがいを生むことでしょう。

なお、平成以降に関しては、建設業界全体においてこれまでの時代の量産システムに対する反省によって、建築においても省エネルギー、省資源、リサイクルの重要性が叫ばれるようになりました。

塗装においても環境省主導のもとで、SPM(浮遊粒子状物質)やVOC(揮発性有機化合物)への対策が重要視されるようになりました。具体的にいうと、アスベストや光化学オキシダントによる人の健康への影響を防ぐための、大気環境、生物環境に優しい技術の開発がなされるようになりました。

これを機にして「環境配慮塗料」の開発が要求されるようになりました。塗装業界においても、人間や生物および自然環境の改善を図りながら、健康な生活、綺麗な環境の維持のための、地球や人間に優しい塗料の開発を推進しています。

こうした新たな技術を駆使し、より先端的な価値観のもとで、生物と人工物の関係にも配慮を行いながら、より良い未来に向けて、長期的に安全、安心を維持する仕事としての位置付けが強まりました。

常に新しい技術が生まれ、より安全な塗料で作業を工夫することも、塗装工の大きな社会的役割です。

塗装工の仕事内容まとめ

生活に密着した塗装の仕事は社会的な役割も大きい

塗装の歴史は紀元前、太古の昔から始まっています。様々な歴史を経るなかで、塗装の技術、使用する物質に関しても日々新しい価値観が生まれ、より地球に配慮した塗装工事が推進されています。

塗装は人工物の寿命を長期的に維持し、保護するための大切な作業として、社会的な役割は今後もますます大きくなっていくでしょう。歴史を維持し、歴史を作っていく基礎を担う塗装工のやりがいは、非常に大きなものです。

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