宮大工の資格・試験とは?建築大工技能士など取得していると業務に役立つ資格を紹介

宮大工の資格・試験とは?建築大工技能士など取得していると業務に役立つ資格を紹介

宮大工として歴史的建造物の建築・修繕に携わるには、資格が必要なのでしょうか。宮大工も建築士の資格を取らなければいけないのか気になりますよね。今回の記事では、宮大工として働くための必須資格があるかどうかと、取っておいた方が良い資格についてご紹介します。

宮大工の資格試験とは?

宮大工に必須の資格はない

宮大工として働くために必ず取得しなければいけない資格があるわけではありません。資格が無くても、宮大工としての技術を身につければ誰でも宮大工になることができます。

しかし、せっかく大工として働くのであれば、建築関係の資格を取得しておいて損はありません。

資格を取得するなら建築大工技能士がおすすめ

宮大工は資格が必須ではないとはいえ、建築や大工に関する知識は必要になります。

その建築や大工に関する知識や技術を持っていることを証明するためにも、「建築大工技能士」はぴったりの資格です。この資格を持っていれば、建築や大工に関する知識や技術を習得していることの証明になり、さらに一般的な大工として働くときにも有利になるでしょう。

建築大工技能士は木造建築に関する国家資格

建築大工技能士資格は、木造建築に必要な技術や知識を認定する資格です。この資格を持っていると、木造建築に関する知識や技術を習得していることを証明できます。

宮大工が建築や修繕を行う歴史的建造物は木造建築なので、この資格を取得することで宮大工として働く技術があることを証明できたり、就職のときに有利になることもあるでしょう。

建築大工技能士の試験は学科試験と実技試験がある

建築大工技能士の試験は学科試験と実技試験の2種類があり、両方に合格しなければいけません。

3級建築大工技能士の学科試験は「建築構造、規矩術、施行法、材料、製図、安全衛生」の6科目があり、1、2級建築大工技能士の学科試験は「関係法規」も加えた7科目あります。真偽法と多肢択一法の全50問の問題を解きます。合格ラインは60~65点以上と言われているので、まずは合格ラインを越えることを目標にしてみましょう。

実技試験は、指定された課題の平面図、展開図を作成し、それをもとに実際に木材と工具を使って課題作品を作成します。試験時間はだいたい5時間半程度で、試験時間内に終わらなかった場合は減点対象となります。試験時間内に平面図と展開図の作成、木材を使った課題作品を作成しなければいけないので、作業スピードが求められます。

また、作成した平面図や展開図に1㎜以上のズレがあった場合も減点対象となる可能性が高いので、スピードだけでなく正確さも求められます。

受験するために実務経験が必要な場合もある

3級建築大工技能士は学歴にかかわらず実務経験が無くても受験することができます。しかし、1、2級建築大工技能士は学歴によっては実務経験が無いと受験できない場合があります。最低1年~最高7年の実務経験が必要で、実務経験年数が足りない場合は受験することができません。

宮大工の資格の難易度・合格率

宮大工に必須の知識はありませんが、取っておいた方がいい資格として、今回は建築大工技能士の難易度や合格率を紹介します。

建築大工技能士の難易度は普通

建築大工技能士の難易度は、普通~やや難しいレベルとなっています。何級を受験するかによっても難易度は変わりますが、基本的には3級の方が難易度は易しめで、1級が最も難しくなっています。

建築大工技能士の試験合格率は約15~30%程度

建築大工技能士の試験合格率は約15~30%となっています。級が上がるほど難易度も高くなるので、合格率も低くなる傾向にあります。

しかし、しっかりと試験対策を行えば合格できる試験なので、参考書を買ったり実際に木材を使って組み立てを行ってみるなど、日々の積み重ねを大切にしていれば合格できるでしょう。

その他の宮大工関連資格

建築大工技能士以外に取得しておくと良い資格である建築士資格について紹介します。より仕事の幅を広げたい宮大工が取得することが多い資格です。

建築士資格

建築関係の資格として有名なのが建築士資格です。一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種類の資格があり、それぞれの資格によって携わることができる建築物の規模が異なります。

木造建築士は主に木造住宅を扱う建築士

木造建築士資格を取得すると、木造住宅など規模が比較的小さな建築物の建築に携わることができます。木造建築士資格取得者の多くは、2級建築士資格の取得も目指している人が多いです。

二級建築士は戸建て住宅規模の建築物を扱う建築士

二級建築士が携わることができる建築物は、500平方メートル以下の戸建て住宅程度の規模の建築物です。主に住宅の建築や設計に携わりたい人が取得しています。木造建築士資格より携われる建築物の規模が広がるので、より幅広い仕事を行うことができます。

さらに大工・建築士としてキャリアアップを目指すのであれば、次に紹介する一級建築士資格の取得もおすすめします。

一級建築士はあらゆる建築物の建築や設計に携われる

一級建築士資格を取得すると、木造建築士や二級建築士と違って携われる建築物の制限がなくなります。住宅だけでなく、公共建築物や大規模な建築物の建築、設計などを行うことができるので、一気に仕事の幅を広げることができます。

宮大工として働きたいのであれば二級建築士まででも良いと思いますが、大工として多くの建築物に携わっていきたいのであれば、一級建築士資格を目指してみてもいいでしょう。

宮大工の資格が取れる学校

日本建築専門学校

日本建築専門学校では、今回紹介した建築士資格と建築大工技能士資格の両方の取得を目指すことができます。

二級、三級建築大工技能士は在学中に受験可能で、一級建築大工技能士は、卒業後に数年間の実務経験を経たあと、受験が可能になります。木造建築士と二級建築士資格については、卒業後すぐに受験が可能になり、一級建築士は卒業後2年の実務経験を経た後に受験可能になります。

授業内で学科試験対策も実技試験対策も両方行うことができ、宮大工として働くための勉強をしながら資格取得できるところが魅力です。

中央工学校

中央工学校の木造建築科では、宮大工に必要な木造建築に関する知識と技術を学びながら、建築大工技能士と建築士資格の取得を目指すことができます。

二級、三級建築大工技能士は在学中に受験可能で、一級建築大工技能士は卒業後に実務経験をすることで受験可能になります。木造建築士と二級建築士資格についても卒業と同時に受験可能です。一級建築士資格の取得を目指すのであれば、卒業後に実務経験をする必要があります。

木造建築を専門に扱う学科のため、宮大工になりたい人にとって、木造建築の知識や技術も習得できるうえに資格取得もできるというメリットがあります。

建設ユニオン 東京建築高等職業訓練校

建設ユニオン 東京建築高等職業訓練校は大工を目指す人たちが通う職業訓練校です。約2か月かけて、建築の学科訓練と実技訓練を行います。

訓練修了と同時に二級建築大工技能士の受験が可能になり、さらに修了後の技能照査に合格すれば二級建築大工技能士の学科試験を免除できます。建築士資格も、高卒以上の学歴があれば実務経験3年で木造建築士と二級建築士の受験資格を得ることができます。

専門学校に通うとなると卒業までに約3年かかってしまうので、なるべく時間をかけずに資格取得を目指したい人は職業訓練校も検討してみてください。

宮大工の資格・試験まとめ

宮大工に必須の資格は無いが、建築関係の資格があると良い

宮大工になるために必要な資格は無いですが、宮大工として働くために自分の建築技術や知識を証明するためや、大工としてさらに仕事の幅を広げるために資格取得を目指す人が多くいます。

建築関係の資格は建築学科や職業訓練校を卒業するだけで受験可能な試験も多いです。これから宮大工を目指す人であれば、建築学科や職業訓練校に通って建築の知識や技術を学びながら資格取得を目指すと良いでしょう。

宮大工の参考情報

平均年収350万円〜600万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種建築・不動産

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