騎手の給与・年収は?中央競馬に所属する騎手でトップレベルだと年収が億を超える
競馬に騎乗して優勝を狙う騎手は、レースの出場数や結果が大きく給与や年収に反映します。今回は騎手の平均年収・給与アップの可能性・レース以外で得られる収入・中央競馬と地方競馬の違いなどについてご紹介します。
騎手の初任給
騎手の初任給に関するデータはない
騎手は主にレースで騎乗し、結果を出して賞金を獲得することで収入を得ます。レースの成績によって収入の個人差があるため、正しい初任給のデータは発表されていません。騎手として活躍するためには「厩舎に所属する騎手」と「フリーで活躍する騎手」の2通りがあります。
厩舎に所属して収入を得る
厩舎に所属しながら収入を得るのは、新人や若手騎手に多く見られます。レースで結果を出して賞金の一部を得るほかにも、厩舎の仕事をすることで厩舎からも給料を得る仕組みです。
フリーで収入を得る
フリーで活躍する騎手の収入源の大部分は賞金によるものです。フリー騎手になるということは厩舎に所属しないで活動することを意味します。しかし、これは中央競馬だけで認められているものであり、地方競馬ではフリーの騎手は存在しません。
また、フリーの騎手は一般的なフリーランスにあるイメージとは異なり、厩舎に所属はしなくてもトレーニングセンターや中央競馬会には必ず所属していることになります。
報奨金には色々な種類がある
騎手が得る収入には色々な種類があります。収入の内訳を細かく見ていくと以下のようになります。
進上金
進上金とは、中央競馬または地方競馬のレースに出て入賞をすることで得る収入を指します。
基本的には8着以内で与えられますが、その内訳は平地競走で報奨金の5%・障害競走で報奨金の7%と設定されています。騎手の他にも入賞した競走馬に関わった調教師や厩務員にも支払いが行われます。調教師には報奨金の10%、厩務員には5%です。支払いの出所は中央競馬または地方競馬です。
騎乗手当と騎乗奨励手当
騎乗手当とは、馬に騎乗した時点で払われる手当を指し、レースの結果が反映されるものではありません。また、新人やベテランに関係になく一律に設定されている金額が支払われます。騎乗手当は平地競走・障害競争、G1・その他の重賞競走・その他の競走によって金額が定められており、平地競走よりも障害競走の方が高く設定されています。
一例として中央競馬の平地競走のG1レースでの騎乗手当は63,000円。障害競走のJ・G1レースでは144,200円です。また、騎乗奨励手当は一律で16,500円です。騎手はレースに出場することで、騎乗手当と騎乗奨励手当を合算したものが収入の一部になります。
1日に多くのレースに参加する騎手になると、当然手当金額は大きくなります。また、中央競馬よりも手当が低く設定されている地方競馬では、レースに出場する回数が中央競馬の騎手と同じであっても獲得報酬に大きな差が見られます。
騎乗契約料
騎乗契約料とは、騎手が所属している厩舎の馬でレースに出場した時に支払われる報酬です。金額の設定は厩舎や騎手によって異なります。厩舎に所属している騎手のみが得られる報酬なので、フリーの騎手には支払われることはありません。
調教料
調教料はフリーの騎手が調教をした場合に支払われる報酬を指します。地方競馬にフリーの騎手はいないので、中央競馬で活躍する騎手に限られます。騎乗による調教は1日5頭までと設定されていて、美浦のトレーニングセンターでは1回1,500円、栗東のトレーニングセンターでは1回1,000円です。
騎手の平均給与の統計
中央競馬の騎手の平均給与は約83万円
騎手は競馬レースでの賞金獲得や騎乗手当を主な収入源としています。そのため一般的なサラリーマンのように、毎月決まった金額を収入として得ている訳ではありません。
また、実力のみが給料に反映してくるので、経験が長ければ長いほど給与が上がることもありません。中央競馬の騎手の平均年収は約4,000万と言われています。
単純に月換算すると平均給与は約333万円。賞金金額が低い地方競馬の騎手の場合は、トップ騎手でも一般的なサラリーマンよりも多い程度と言われています。
騎手の年収統計
中央競馬の騎手の平均年収は約3948万円
平成28年度の中央競馬会に所属している騎手の平均年収は約3948万円。136人の騎手を対象にしている調査ですが、主な収入源となる獲得賞金や出走数のみをもとに算出しているものなので、調教料などは加算されていません。
よって実際はこの平均年収よりもさらに多い収入を得ていることが考えられます。また、この数字はあくまでも平均であり収入の個人差が大きい騎手の年収は、騎手本人の実力によって大きく異なります。
2018年の中央競馬に所属する騎手の最高年収は2億6659万円。最低年収は4万円です。他の公営ギャンブルで活躍する選手の平均年収は、競艇選手で約1600万円、競輪選手で約1022万円。これらと比較してみても、いかに騎手が多い収入を得ているのかということがわかります。
2018年度の中央競馬トップ騎手5名の年収
トップ騎手の平均年収はどれくらいなのでしょうか。2018年度のトップ5の成績をみてみましょう。
騎手名 | 戦績 | 年収 |
---|---|---|
C.ルメール | 215勝 | 2億6659万円 |
M.デムーロ | 153勝 | 1億9959万円 |
戸崎圭太 | 115勝 | 1億6322万円 |
川田将雄 | 93勝 | 1億5712万円 |
福永祐一 | 103勝 | 1億4565万円 |
これらの年収は、獲得賞金・騎手奨励手当・騎乗手当・出走数を参考にしたもので、おおよその数字です。
年収別の割合
中央競馬の騎手で3000万円以上の年収を得ている人の割合は約40%です。また1000万円以上の収入がある人の割合は約72%です。全体的な割合では、1億円以上16人・5000万円以上38人・3000万円以上55人・1000万円以上98人です。
トップクラスの騎手になると1億以上の収入を手にすることができますが、全体の真ん中くらいの順位に位置しても約2,000万円の収入を得ることができます。中央競馬で開催されるレースの賞金額が大きいことや、落馬などで命の危険を伴う仕事であることが高収入を得ることができる理由とされています。
地方競馬の騎手の平均年収は中央競馬よりも低い
地方競馬の騎手の平均年収は発表されていません。地方競馬の特徴としてあげられるのは、開催地によってレースの賞金額が大きく異なること。とはいっても、中央競馬のレース賞金額よりもだいぶ低く、馬券を購入する人数も少ないのが現実です。
そのため、同じ騎手でも中央競馬よりも地方競馬の騎手の方が平均年収は圧倒的に低い傾向にあります。おおよその数字では地方競馬の騎手の平均年収は約600~800万円。トップ選手でも収入の多いサラリーマン程度とされています。
また、下位の騎手になると約200万円以下になることも多く見られます。中央競馬と地方競馬騎手の年収差は、昨今問題として多く取り上げられています。
地方競馬から中央競馬への移籍
平均年収が低いとされている地方競馬の騎手ですが、試験に合格すれば中央競馬の騎手になることが可能です。反対に、中央競馬で活躍していた騎手が地方競馬の騎手になることも可能です。
近年では中央競馬のトップ騎手である戸崎圭太騎手も地方競馬出身者であることが知られています。2002年には笠松競馬の安藤勝己騎手や兵庫県競馬の小牧太騎手が中央競馬騎手免許試験を免除して移籍した特例もあります。
ただし試験が免除される騎手はほんの一握りの人数とされていて、同じ騎手でも地方競馬から中央競馬騎手免許試験を受けても、その合格率はかなり低いと言われています。
騎手の引退年齢はそれぞれ
多くの生涯賃金を稼ぐためには騎手生活を長く続ける必要があります。ただし、騎乗し続けるためには厩舎などからレース出場の依頼がないといけません。トップ騎手になれば多くの依頼が殺到し、質の高い馬に乗る可能性が多いので一定して高収入を得ることが可能です。
しかしトップ選手の数は少なく、それ以外の人は長い間騎手として活躍するのが難しいのが現状です。騎手の引退年齢は人によりますが、早くて20代です。またトップとして長く活躍する場合は50代まで続けることが可能です。
騎手の給与・年収まとめ
騎手の年収はレース数と入賞回数が大きく影響
騎手は、出場するレースの数や入賞回数が大きく収入に影響します。中央競馬または地方競馬のどちらに所属するかによっても、その差は大きくなります。ただし、地方競馬であっても大きな報奨金のレースが開催されている地域の騎手で活躍すると、一般サラリーマンよりも多い年収を得ることが可能です。
また、地方競馬の騎手は中央競馬の騎手免許に合格すれば、さらに大きな収入を得られる道が開けてきます。
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騎手の参考情報
平均年収 | 1000万円~3000万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 免許 |
職業職種 | スポーツ |
統計情報 出典元:
- 職種・性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
- 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
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