騎手の資格・試験とは?騎手免許試験の概要と合格の秘訣

騎手の資格・試験とは?騎手免許試験の概要と合格の秘訣

騎手は高い身体能力と乗馬技術、そして小柄な体格を生かしてレースに出場します。中央競馬、地方競馬と合わせても騎手の数は少なく、免許制のため国家資格に合格しなくては仕事ができません。騎手免許の取り方や難易度、試験内容について、ここでご紹介します。

騎手免許は取得困難な国家資格

中央競馬と地方競馬の2種類あり、ほとんどが養成課程を経て受験するこ

騎手になるには、国家資格である騎手免許を取得する必要があります。免許を取得するためには養成機関である競馬学校へ通うことがほとんどですが、入学試験は難関とされます。ごくまれに養成課程を経ず受験し、合格する人もいます。

騎手として働くには中央競馬か地方競馬のレースに出場することになりますが、それぞれの騎手免許が必要です。なお、中央競馬の騎手免許を取得した場合は、地方競馬で出走することは基本的に許されず、その逆も同様です。実際に騎手として活躍する人々は、中央競馬か地方競馬のいずれかの騎手免許を取得して働いています。イベントなどでお互いのレースに参加する際は、一時的に臨時免許の交付を受けています。

まれに外国人が騎手免許を取得してレースで活躍することもあります。母国で騎手免許を保有していることが多く、乗馬やレースに関する経験は豊富です。しかし、現役の外国人騎手でも日本の免許試験で不合格になることは珍しくないうえ、母国と日本の騎手免許を重複保有できないケースもあります。

フランスのクリストフ・ルメールは2015年に日本の騎手免許を取得した際、同時に母国フランスの騎手免許を返上しました。

養成学校に通わなくても受験は可能

養成学校に通わず、自力で対策して騎手免許試験を受験することを「一発試験」と呼びます。中央競馬会(JRA)や地方競馬全国協会(NAR)が設置している競馬学校を卒業していなくても、条件を満たせば受験は可能です。

過去に数人だけ一発試験に合格した騎手もいますが、試験に必要となる専門知識や馬術を自力で身につける必要があることから、非常にまれな存在です。

受験には厳しい体重制限があり、誰もが目指せるわけではない

騎手免許試験には身体検査があり、その中に体重制限があるため、どんなに知識や技術があっても不合格となる可能性があります。競馬学校の入学試験である程度ふるいにかけられていますが、中央競馬の騎手免許試験では体重49kg以下と、運動量の割にかなり厳しく設定されています。

年頃の男性にとってはかなり小柄でないと非常に困難な条件となるため、決して誰もが努力によってクリアできるというものではありません。

免許取得後も、毎年更新試験がある

なお、騎手免許を取得した後も1年ごとに更新試験があります。法令知識、乗馬技術の知識、一般常識を問う筆記試験のほか、身体検査、人物考査といろいろな面からテストされ、これらに合格すると免許の更新が可能です。騎手免許は入手するまでの道のりが大変なだけでなく、保有し続けるにも努力が必要というわけです。

騎手免許試験の概要・合格率

合格率はほぼ100%だが、競馬学校の入学試験や教育が非常に厳しい

騎手免許試験は、中央競馬のものと地方競馬のものがあり、それぞれ年1回、中央競馬の試験を例に挙げると毎年1月下旬から2月上旬の2日間で行われます。16歳以上という年齢制限がありますが、養成学校の入学条件が中学卒業以上のため、ほとんどの受験者は18歳前後です。

合格率はほぼ100%と一見簡単そうに思いがちですが、そういうわけではありません。たしかに、免許試験の受験者はほぼ全員合格となりますが、実力がない者は養成学校を卒業できず、免許試験を受験することができないのです。なお、成長期のため急速に身長が伸びてしまい体重管理が困難となるなど、途中で挫折を余儀なくされるケースもあります。

試験内容は学力、騎乗技術、身体検査、人物考査の4種類

騎手免許試験の内容は大きく分けて学力試験、騎乗技術、身体検査、人物考査の4種類あります。学力試験は2種類に分かれていて、競馬関係の法令知識を問う筆記試験に、法令知識と一般常識を問う口頭試験があります。

また、騎乗技術試験は3種類あり、「発走」、単走と併走それぞれの「走路騎乗」、そして障害競走の免許を取る場合は「走路障害飛び越し」があります。いずれの項目も配点は100点ずつであり、合格ラインは6割以上とされています。

身体検査では視力と体重に関する規定が細かく、視力は裸眼で片眼0.5以上、両眼0.8以上が必要です。体重は49kg以下で、競馬学校の入学試験ではもっと規定が厳しく、それを通過した人ならば比較的見込みがあると言えます。

なお、これほど厳しい体重制限があるのは、騎手の体重がそのまま馬への荷重となるからです。レース中に全力で走る競争馬の心拍数は普段の30回/分から230回/分にまで跳ね上がり、馬の心臓に大きな負荷がかかります。スピードを出してレースに勝つため、そして馬に負担をかけないため、騎手はなるだけ体重を軽くする必要があるのです。

免許試験での人物考査では、騎手として問題なく業務を行えるかどうかという観点から人格や見識についてテストされます。といってもそれほど厳しい質問をされることはなく、競馬学校での寮生活を問題なく過ごせる程度であれば、まず大丈夫とみられます。

騎手に関連するその他の資格

調教師や厩務員も進路となる。調教師は、元騎手の転身先としてポピュラー

騎手関連の資格として、調教師があります。騎手はレースで出走するだけではなく、出走が決まった競走馬の調教も行うことから、調教師と仕事内容が似ている部分もあります。そのため、騎手が調教師に転身することが多いといいます。

調教師の資格試験を受けるには、28歳以上であることが条件です。騎手と同様に専門知識や馬術が必要となるため、受験者のほとんどが元騎手です。しかし、合格率は10%程度と非常に難しいため、素人が独学で合格するのは不可能に近いと言えます。

競馬学校には調教師を目指せる調教師課程もある

調教師を目指す場合には、JRAまたはNARの競馬学校が設けている調教師課程を経ることが一般的です。入学試験には次のような条件があるため、入学試験が最初の難関といえます。

  • 28歳未満(入学時)
  • 体重60kg未満
  • 健康状態がよく、業務に支障がない
  • 学歴、学力が中卒以上(入学時)
  • 牧場経験および乗馬経験が合計2年以上
  • 牧場での競走馬・育成場騎乗経験が1年以上

なお、騎手以外の職種から調教師になる道としては厩務員があり、これも競走馬に関する知識や経験が求められる仕事です。とはいえ、調教師はなんといっても競走馬を預かり最高のコンディションへと導く職種ですから、誰よりも馬を知り尽くした存在といえます。

地方競馬の騎手免許には「ばんえい競馬」もある

地方競馬の騎手免許には「平地競走」と「ばんえい競馬」の2種類があります。地方競馬の騎手免許試験を受けるには、栃木県にある地方競馬全国協会(NAR)の教養センターを卒業するか、NARに騎手候補として認められる必要があります。

ところが、ばんえい競馬については養成機関がないため、厩舎で1年以上の実務経験を積んだうえで、ばんえい競馬という団体が実施している騎手免許試験を受けなければなりません。なお、国内でばんえい競馬を開催しているのは北海道帯広市のみです。

騎手免許の取得には養成学校入学が大前提

騎手候補生のほとんどが養成学校の騎手課程に通う

騎手として働くには騎手免許試験に合格することが必須ですが、試験対策の大前提として養成学校への入学があります。もちろん、競馬学校を卒業しなくても免許試験を受験することは可能ですが、独学で合格するのはかなり難しく、現実的な方法ではありません。

養成学校には、中央競馬会(JRA)の競馬学校と地方競馬全国協会(NAR)の地方競馬教養センターがあり、JRAの競馬学校は3年制、NARの養成センターは2年制という違いがあります。それぞれ、卒業時に受験できる騎手免許がJRAとNARに分かれます。なお、意外に思われるかもしれませんが、養成学校入学時点では乗馬経験がなくても問題ありません。

養成学校の入学試験は非常に難しい

JRA競馬学校の入学試験は1次試験と2次試験があり、1次試験では身体検査、運動機能検査、学科試験、集団面接があります。これに合格した人だけが合宿形式の2次試験に参加できます。倍率が非常に高く、受験者約150名のうち1次試験通過は30名程度、最終合格者は10〜15名程度です。

入学条件も非常に厳しく、次のような規定があります。

  • 20歳未満(入学時)
  • 下表の体重以下
  • 裸眼視力0.8以上(左右とも)
  • 健康状態がよく、業務に支障がない
  • 学歴、学力が中卒以上(入学時)
体重制限
年齢区分(平成31年4月入学者の募集時) 体重
平成13年9月30日以前に出生した者 46.5kg
平成13年9月30日以前に出生した者 46.5kg
平成13年10月1日から平成14年3月31日の間に出生した者 46.0kg
平成14年4月1日から同年9月30日の間に出生した者 45.5kg
平成14年10月1日から平成15年3月31日の間に出生した者 45.0kg
平成15年4月1日から同年9月30日の間に出生した者 44.5kg
平成15年10月1日以降に出生した者 44.0kg

これに対し、NAR教養センターの入学試験は1次試験のみであり、体重制限は入学時で15歳44.0㎏以下、16歳44.5㎏以下、17〜20歳46.0㎏以下と3段階です。

試験内容はやはり非常に難しいのですが、JRAよりはやや入りやすいと言えます。これに加えて、試験日程がJRAより遅いため、JRA競馬学校に合格できなかった人がNAR教養センターの入学試験を受けるという場合も目立ちます。

騎手の資格・試験まとめ

騎手の免許試験は難しく、養成学校に入学することがまず重要

騎手として働くには、騎手免許という国家資格が必須となります。騎手免許には中央競馬と地方競馬の2種類があり、重複して取ることはできません。

資格試験の受験条件は16歳以上49kg以下などであり養成学校に通わなくてもかまいません。しかし、ほとんどの騎手は養成学校卒業生であり、学校の入学試験は倍率が10倍以上と難関であるのもまた事実です。

騎手の参考情報

平均年収1000万円~3000万円
必要資格
  • 騎手免許
資格区分 免許
職種スポーツ

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