JICA職員の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
JICA職員に特別な資格は求められませんが、採用試験に合格する必要があります。そのためには、業務で使えるビジネスレベルの語学力が入構後に求められるでしょう。このページでは、JICA職員に役立つ資格として「TOEIC」「TOEFLテスト」など英語力を示すことができるものをご紹介します。
JICA職員の資格とは?
新卒採用に応募するための特別な資格は必要ないが、入構後に語学力を鍛える
JICA職員は国際協力をマネジメントするのが仕事です。2~4年ごとの異動があり、海外赴任で複数のプロジェクトに関わることもあれば、JICAの運営として人事や広報などの仕事をすることもあります。JICA職員はさまざまな職種を経験することで、1人1人が事業全体を把握し、活躍できる人材を育成しています。
勤続年数や個人の興味などから、より専門性を高める研修内容が用意されています。例えばマクロ経済や財務分析、事業マネジメントに関する研修会が若手の頃から行われます。また、英語だけでなく、フランス語やスペイン語など第三言語の語学研修のサポートも用意されています。
その一方で、入構に関して特別必要な資格は、募集要件に記載されていません。学歴においては大学卒・大学院卒だけでなく、短期大学卒や高等専門学校・専修学校の専門士過程を卒業した人なら新卒採用に応募することができます。理系・文系、男女関係なく、国内外の転勤を伴う総合職として募集が行われています。
しかし、さまざまな国で仕事をするにあたって英語を中心とした語学力は求められます。競争率が高い採用試験に合格し、入構することになったとしても、入構時には英語力を証明する資格や証明書は求められません。ただし、入構から1年以内にTOEIC800点と同程度、3年以内に860点以上と同程度の英語力があり、仕事で英語が使えなければなりません。
新卒募集に応募する際に英語力を証明するはっきりとした資格などはなくても、英語を使って仕事をすることに関して抵抗がなく、一定のレベルまで高めるつもりで採用試験に臨むべきです。
経験が生かせるかも?社会人採用では職務経験や語学力が求められる
新卒採用だけでなく、企業・法人で職務経験のある社会人の採用も行われています。国際協力に関連するボランティアやNGO活動の経験がある人も応募資格があります。職務やボランティア活動の中で、以下の経験いずれかを持っている人を求められます。以下は一例です。
- 開発課題(ガバナンス、貧困削減、教育など)
- 経済分析(原則として経済学修士号を持っており、開発途上国のマクロ経済分析などに関する実務や研究経験がある)
- 金融(民間・国際金融機関などで融資・債務管理などの経験がある)
- 事業投資(民間・国際金融機関などで事業投資の実務経験がある)
- 財務・会計(企業・組織などで財務諸表の作成・会計などに関する実務経験がある)
- 情報システム(企業・組織などで情報システムなどの分野の実務経験がある)
- 語学(フランス語・スペイン語などの職務経験があり、語学能力の証明ができる)
- そのほか、事業評価安全管理、広報などの実務経験がある
特に開発課題に関してはさまざまな分野があり、農業開発や資源・エネルギー、栄養改善など多種多様な分野において実務経験があれば応募資格があります。大学卒業後、何らかの仕事や国際協力のボランティア活動を行っている人であれば、どれか一つに当てはまる可能性も高いです。
入構後は分野にかかわらず、さまざまな部署へ配属されるため、専門分野以外の仕事もこなすことになるかもしれません。JICAでは専門性とともに、業務遂行能力や組織運営能力などの総合力が求められます。
加えて、新卒採用とは異なり英語力に関しては一定以上のレベルが必要とされ、原則TOEIC860点相当以上の英語力を求められます。もしくは「TOEFLiBT」では100点・「PBT」では600点以上のレベルが必要です。
JICA職員に役立つ資格「TOEIC」
TOEICテストとは、英語の語学力レベルの目安となる資格試験
英語の語学力レベルの目安となったり、実力を示すための検定はいくつかあります。英語検定なども存在しますが、教育現場やビジネスの場でTOEICも広く浸透していると言えるでしょう。
大学入試や単位認定にも使用され、履歴書にも記載できるため、就職活動において語学スキルをアピールできます。外資系の会社や、国際協力の仕事に就きたい人にとっては対策を練ってハイスコアを狙ってテストに臨むとよいでしょう。
TOEICとは、合否で判定される資格・検定試験ではなく、スコアで語学力をテストされます。他の国の言葉を学習する際に、その国の文化や習慣の違いにより、問題の内容が理解しづらいことがあります。
そうすると、純粋に語学の実力を測ることができません。TOEICは特定の文化を知らなくても理解できる「グローバルスタンダード」な問題が出題されるため、英語の実力を測定するために世界160か国で実施されています。
また、知識としての英語ではなく、ビジネスの場や日常生活でのコミュニケーション能力を測定するのもTOEICの特徴です。中学校、高校、大学など、教育の現場にも広く取り入れられており、企業によっては一定以上のスコアを取得することで手当てが出ることもあるようです。
スタンダードなTOEICテスト「TOEIC listening&Reading Test」
TOEICテストは数種類ありますが最もスタンダードなのが「聴く」「読む」を中心とした「TOEIC listening&Reading Test」でしょう。英語によるコミュニケーション能力をはかることができ、日常生活からビジネス、初級から上級者まで広い対象者に向けたマークシート方式のテストです。
「TOEIC listening&Reading Test」ではlisteningパート495点、readingパート495点で構成されています。TOEICで800点以上のスコアをとるためには、満点990点のうち目安として9割近くの問題に正解しなければ800点には届きません。
2019年4月実施の公式データでは、795点以上のスコアをとった人は受験者のうち14%いました。
難関大学に合格するレベルの日本人学生であればTOEIC800点以上のレベルの英語力を持っている学生も珍しくないと言われており、勉強次第では決して不可能なスコアレベルではないと言えるでしょう。しかし、TOEICテストで高いスコアをとったからと言って、実践で即座に英語で会話ができるかどうかは別問題となるのも事実です。
リスニング・リーディングだけではなく、書く&話すに特化したテストもある
「TOEIC listening&Reading Test」以外にも、話す・書くと言った発信する能力に特化した「Speaking & Writing Tests」もあります。話す力のみに特化したテストには「Speaking Test」があります。
「Speaking & Writing Tests」「Speaking Test」どちらも、パソコンとヘッドセットを使用してテストが行われ、聴く力・読む力と同時に実力をテストしたい場合は組み合わせて受験することを推奨しています。
JICA職員に役立つその他の英語に関する資格
外国人のための英語テストとして用いられることが多い「TOEFL」
TOEFL(Test of English as a Foreign Language)はアメリカ・カナダの大学入学に用いられるテストです。
フランスドイツの大学でも最も推奨されている、母国語が英語ではない外国人のための英語テストです。また、TOEFLのスコアは受験日から2年間有効とされています。
TOEFLには2つの種類があります。一番メジャーでTOEFLを受験する人のうち98%が受けるテストが「iBT」です。iBTはインターネットを通して英語で実施され、Reading、Listening、Speaking、Writingの4つのセクションに分かれています。テスト全体の所要時間は約4時間30分と長時間のテストとなります。
もう1つのTOEFL PBTテストはインターネットを介さずに受ける、ペーパー版のTOEFLテストです。インターネットの環境がない場所などでは、PBTが採用されることもあります。筆記試験でlistening、Reading、Writingの能力を測定します。テスト全体の時間は約2時間程度です。
JICA職員に役立つ資格・スキルが学べる学校など
「中央大学 総合政策学部」で英語と第三言語を学んで国際人を目指す!
総合政策学部には「政策科学科」「国際政策文化学科」の2つの学科が設置されています。「政策科学科」では主に、政治、法律、経済に関する科目を多く設置し、社会学の視点からさまざまな課題にアプローチできる人材を育成します。
「国際政策学科」では宗教学。地域研究、国際交流論などを中心に学びます。文化理解を深めることができる科目なので、文化の多様性を学び、さまざまな価値観が共存する社会モデルの構築を目指せる人材を育成します。
英語はもちろん、9種類という豊富な言語を学ぶことができます。ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語、朝鮮語、アラビア語、マレー・インドネシア語、ロシア語、ペルシア語、ヒンディー・ウルドゥー語です。英語以外の言語の習得を通して、多文化に対してより深い理解を得られるでしょう。
総合政策学部で学ぶことで、国家公務員や外資系スタッフ、NGOスタッフなど、国際的に活躍できる職業を目指すことができます。
JICA職員の資格・試験まとめ
仕事でつかえるレベルの英語力が求められる!
総合職のJICA職員の採用試験に応募するために必ず取得しなければならない資格はありません。しかし、採用試験に合格し、入構後、仕事で英語が使えるレベルの語学力を求められるでしょう。
社会人募集の場合は職務経験や海外協力ボランティアで働いた経験が必要です。また、一定以上の英語力がなければ求人募集に応募することができません。
JICA職員の参考情報
平均年収 | 800万円~1000万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 試験合格 |
職業職種 | 国際 |
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