ケアマネジャーの資格試験とは?介護支援専門員 資格試験の概要と合格の秘訣

ケアマネジャーの資格試験とは?介護支援専門員 資格試験の概要と合格の秘訣

介護業界は、少子高齢化が急激に進んだことなどを背景に、慢性的な人手不足の状況にあります。そのため、今回お伝えするケアケアマネジャーをはじめとした介護関連資格を保有していることで、就職の場面で有利に働く可能性が高いといえます。今回は、これから重要性がますます注目されると思われるケアマネジャーの試験の情報についてご紹介していきます。

ケアマネジャーの資格とは?

「介護保険の要」ともいわれる公的資格

介護支援専門員(=ケアマネジャー。以下、「ケアマネジャー」といいます。)は、介護保険制度がスタートした2000年4月に設けられた公的資格です。

介護保険制度について規定されている介護保険法では、ケアマネジャーとは、「要介護者や要支援者の人が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識・技術を有するものとして介護支援専門員証の交付を受けた者」とされています。

試験に合格し、必要な研修を終え、無事に登録できてからは、「居宅介護支援事業所」や、「介護予防支援事業所(=地域包括支援センター)」、「介護付有料老人ホーム」、「特別養護老人ホーム」といった介護関連施設において、介護や支援を必要とする人またはその家族などからの相談に基づき、ケアプラン(介護サービス提供に関する計画書)の作成・管理を行ったり、その後のマネジメントを行ったりすることができます。

難易度・合格率

試験の難易度は決して高いものではなく、基本事項のマスターで合格圏内に

試験の難易度としては、特別難しいというものではありません。例年出題されるような重要分野についてまずマスターすることを目標にしておけば、十分合格を狙えるものとなっています。

ケアマネジャー試験の合格率についてはこれからお伝えしますが、たとえば、介護福祉士試験では合格率が60%前後、社会福祉士試験では合格率が20%前後となっていますので、違う業界の試験で比較すると、難易度が高いように感じる方もいると思います。ですが、基本的な事項を確実にマスターしていくことで合格の可能性は上がりますので、特別構えるような必要もないでしょう。

合格率は絶対評価のため毎年変動あり。過度に意識しないほうが建設的

合格ラインについては、上でお伝えした2分野である「介護支援分野」と、「保険医療福祉サービス分野」のそれぞれにおいて70%に達していることが必要となります(なお、年度によっては、難易度に応じて補正がされます)。

合格率については、相対評価ではなく絶対評価なので、受験者数や試験問題の難易度によって変動しますが、過去の結果をみると、おおむね15~20%の間で推移しています。

年度 受験者数 合格者数 合格率
第15回(平成24年度) 146,586人 27,905人 19.0%
第16回(平成25年度) 144,397人 22,331人 15.5%
第17回(平成26年度) 174,974人 33,539人 19.2%
第18回(平成27年度) 134,539人 20,924人 15.6%
第19回(平成28年度) 124,585人 16,280人 13.1%
第20回(平成29年度) 131,560人 28,233人 21.5%

ケアマネジャーの資格試験

ケアマネジャー試験の基本情報

試験日程

毎年10月上旬~中旬

申し込み期間

毎年5月下旬~6月末(年度によって変動します)

受験費用

6,600円(滋賀県の場合)~9,200円(東京都の場合)
※各都道府県により変動します

合格発表日

毎年12月上旬

出題範囲・出題形式など

次の2分野から出題され、計60問となります。

1.介護支援分野(計25問)

介護保険制度の基礎知識、要介護認定等の基礎知識、居宅・施設サービス計画の基礎知識等

2.保健医療福祉サービス分野(計35問)

保険医療サービスの知識等(20問)、福祉サービスの知識等(15問)

出題形式は、五肢複択方式です。5つの選択肢に対し、2つ~3つの選択肢を選びます。試験時間は120分です。なお、点字での受験者の場合は180分、弱視等の受験者の場合は156分という措置がとられています。

受験資格

受験資格について、大きな変更あり

平成29年度までは、

  1. 国家資格(※)等に基づく業務について、通算5年以上かつ900日以上従事する者
  2. 施設等での相談援助業務について、通算5年以上かつ900日以上従事する者
  3. 下記の要件を満たす者で、通算5年以上かつ900日以上、介護等業務従事者
    (a)社会福祉主事任用資格者
    (b)介護職員初任者研修課程、実務者研修課程、またはこれに相当する研修(社会福祉施設長認定講習会等)の修了者
    (c)1.の資格取得者
    (d)2.の相談援助業務に1年以上勤務した者
  4. 上記以外で通算10年以上かつ1800日以上、介護等の業務(老人デイサービスセンターなど)に従事する者

が受験資格となっていました。

※国家資格とは、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、義肢装具士、言語聴覚士、歯科衛生士、視能訓練士、柔道整復師、精神保健福祉士、栄養士、管理栄養士を指します。

しかし、平成30年度からは、上記の3.と4.が廃止となり、

  1. 国家資格等に基づく業務について、通算5年以上かつ900日以上従事する者
  2. 施設等での相談援助業務について、通算5年以上かつ900日以上従事する者

となっています。なお、2.の詳細としては、生活相談員や支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員となります。

介護支援専門員 試験合格後の流れ

12月の合格発表後、研修の受講が必要

無事に合格した後は、介護支援専門員実務研修を受講することが必要となります。

この研修は、毎年3期に分けて実施されており、それぞれ「1月~3月」、「4月~10月」、「9月~12月」となっていますので、実際には合格発表後すぐに「1月~3月」実施の研修に申し込み・受講をすることが最短となります(もちろん空き状況で変動しますので、実際に受講される都道府県の各団体にお問い合わせください。)。

研修は、ケアマネジャー業務において必要な技能を習得する実務研修で、計87時間以上のコマ数を修了することが必須とされています。

実務研修修了後、登録申請を

実務研修を終え、必要なコマ数を修了したら、登録を行います。研修修了後3ヶ月以内に、「介護支援専門員資格登録簿」への登録申請をすることで、ケアマネジャーの資格証である「介護支援専門員証」を取得することができます。この登録申請は、基本的には、登録をしようとする者の住民票の登録地か、勤務先所在の都道府県へ行うこととなります。

資格証取得後も、更新が必要

登録申請を行い、「介護支援専門員証」を取得した場合、永年有効というものではなく、5年間の有効期間が定められていますので、その期間ごとに更新することが必要となります。更新の際は、有効期間満了前に、必要な研修を修了したうえで、再度(更新)申請を行います。

ケアマネジャーの資格が取れるスクール

資格の大原

様々な受験資格取得の対策をしている業界最大手の1つです。長年の経験と実績から、カリキュラムがしっかりと組まれており、ポイントを絞った講義や習熟度別のレベルアップ、直前期対策など、勉強中の各場面において手厚いサポートを受けることができます。

三幸福祉カレッジ

独自に研究された分析に基づいてまとめられたテキストや、予想問題の的中率の高さなど、合格率が高いことでも知られているスクールです。時期に応じて受けることができる模試での詳細な添削も魅力の1つとなっています。

ケアマネジャーの資格・試験のまとめ

ケアマネジャー試験合格は遠い夢ではない。十分合格を狙えます

今後ますます重要性が高まるケアマネジャーの資格。誰もがどこかのタイミングで直面することがある介護に関わる資格なので、イメージもしやすいかと思います。

仕事の意義ややりがいを感じられる資格ですし、合格することでキャリアプランの幅を広げることもできます。合格することが決して難しい試験ではなく、メリハリをつけた計画でコツコツ勉強していくことで、早期の合格を実現することが可能です。

介護業界に少しでも関心のある方、自身のキャリアプランの幅を広げたいという方、ぜひ受験・資格取得をしてみてはいかがでしょうか。

ケアマネジャー(介護支援専門員)の参考情報

平均年収300万円~400万円
必要資格
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)
資格区分 公的資格
職業職種心理・福祉・リハビリ

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