行政書士の資格試験とは?試験の概要と合格のための秘訣

行政書士の資格試験とは?試験の概要と合格のための秘訣

国家資格を有したいと願う多くの人が挑む、行政書士の試験。法律関連の専門職ということもあり、法学部出身者や法律関係の職種経験者にはかなり有利な試験です。今回はこの記事で、行政書士試験の具体的な概要や事前に確認しておくべき点についてご紹介します。

行政書士の資格試験とは?

行政書士として働くためには、行政書士の国家資格を取得しなければなりません。そのための一番の近道は、行政書士試験に合格する方法。

他にも、弁護士や弁理士、税務士などの法律専門職の資格を有することや公務員として行政事務に20年以上従事していることなどの資格でも取得できますが、年数もかかり、かなりの遠回りなので一般的な方法ではありません。

なるべく早く行政書士として仕事がしたいのであれば、行政書士の資格取得試験を受けるのが一般的でしょう。

行政書士試験の受験資格

行政書士の資格試験は、年齢や学歴、国籍等に縛りがありません。つまり、誰でも受験できるというわけです。

今までの職歴なども問われないので、実に色んな背景の人が受験する珍しい職種でもあります。中には最年少14歳の合格者もいるほど。

受験への道が狭められていない国家資格なので、挑戦したいという意欲を掻き立てられることでしょう。ただし一つだけ注意点があり、行政書士試験に合格したとしても以下の人物は行政書士の資格登録ができないことになっています。

  • 未成年者
  • 成年被後見人や被補佐人
  • 懲戒処分を受けた公務員
  • 禁固刑以上の刑を受けた者
  • その他、行政書士法第2条の2(欠格事由)に該当する対象者

事前にきちんと確認しておきましょう。

平成30年度の行政書士試験の日程

行政書士試験は年に1回しか行われていません。これを逃すと来年ということになるので、日程は正確に把握しておくべきです。

平成30年度の行政書士試験日程は、下記の通りです。

平成30年度の行政書士試験日程
平成30年11月11日(日)午後1時~午後4時(3時間の予定)

行政書士試験は毎年1回、11月の第2日曜日に行われるのが通例です。

試験時間は午後1時から午後4時の3時間ですが、試験開始前に試験説明などが行われるので、正午までには受験票に記載された受験番号の座席に着席しておくべきです。

午前11時50分から試験会場に入室できます。早めに到着して、落ち着いて試験に臨めるようにしましょう。

行政書士試験の受験者の傾向

行政書士はどうしても法律系の専門職という職種ですから、受験者は法学部出身か、法律系の職種に長く従事していた人が多い傾向にあります。試験も法律科目が中心となり、専門用語も多く使うので、法学部出身だったり法令や判例に関する知識があると大変有利なようです。

もちろんそのような背景ではなくても、合格者はいますし、特に問題はありません。行政書士試験の受験者は、どちらかというと男性の方が割合が多いのですが、最近では女性の受験者も増えつつあります。

例えば、平成29年度の行政書士試験受験者数の公表人数は40,449名でしたが、このうち男性が29,608名で、女性が10,841名。その中で合格したのは6,360名でしたが、性別を分けて見てみると男性4,958名で、女性1,402名でした。

割合としては男性の方が上回りますが、女性行政書士も沢山誕生しています。時代の流れで女性の社会的立場も確立されてきましたから、女性行政書士の活躍の場はこれから増え続けていくことでしょう。

行政書士試験の難しさ

行政書士試験はかなり難関と言われていますが、思ったより受験者が多い傾向があります。それはなぜなのか?

その理由は、他の法律系の職種の試験に比べれば難易度が低い、という理由です。法律系の資格といえば有名どころとして弁護士、弁理士、司法書士、税務士、社会労務士などがありますが、どの国家資格もレベルが高く、試験勉強も楽ではありません。かなりの時間と労力が必要なようです。

一方、行政書士試験においては、それらの他の法律資格に比べると出題範囲は限られているため取り組みやすいという利点があります。ですが、だからといって侮ることなかれ。行政書士試験では、素人がひっくり返っても理解できないような難解な法律、専門用語、事例を扱うので、簡単に合格できるほど甘くはありません。

専門のスクールや通信講座を利用して1年以上勉強した人でさえ、簡単に不合格になることもあるのです。また最近の行政書士試験では、より法的な理解力や思考力を問うような内容も多く出題されるようになり、単なる法律の丸暗記や過去の解答集を覚えただけでは到底合格は皆無です。

行政書士試験の具体的な概要

ここ通年の行政書士試験の合格率は、平均約10%前後です。計算上は10人に1人の合格率で、かなり狭き門です。

同じ士業と言われている弁護士や司法書士、税理士などと比べると難易度は低いようですが、それでも十分難しい試験内容です。

では、行政書士試験の概要をご紹介します。

行政書士試験の出題範囲

行政書士試験の出題範囲は、大きく分けると2つです。一般的に「法令」と「一般知識」と呼ばれていますが、どちらの分野も行政書士の仕事に必要な知識で、最低でも理解しておくべき要素です。

行政書士の業務に関し必要な法令等

行政書士の業務に関し必要な法令等としては、以下の5科目から出題されます。この法令科目は配点が多いので、重点的に勉強しておくことをおすすめします。

  • 基礎法学
  • 憲法
  • 行政法(行政不服審査法、行政手続、事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法などを含む)
  • 民法
  • 商法

行政書士の業務に関連する一般知識等

もう一つの行政書士の業務に関連する一般知識等としては、以下の4つの分野から出題されることになります。法令より配点が少ないとはいえ、必要点数まで満たなければ不合格になりますので、こちらも念入りに勉強しておきましょう。

  • 政治経済社会
  • 情報通信
  • 個人情報保護
  • 文章理解

行政書士試験の出題形式

行政書士試験の出題形式は、3種類あります。多肢択一式、5肢択一式、記述式です。法令等の科目では、3種類すべての形式が使われますが、一般知識等の科目では5肢択一式のみの形式です。

多肢択一式形式

多肢択一式とは、複数の選択肢の中から正しい選択肢を選ぶタイプの出題形式のことで、いわゆるマークシート式の出題のことです。多肢択一式形式の配点は、1つの解答欄につき2点と決められています。

5肢択一式形式

5肢択一式とは、5つの選択肢の中から正しい解答を選ぶマークシート式の出題形式のことです。5肢択一式形式の配点は、1問につき4点と決められています。

記述式形式

記述式とは、与えられた質問に対し、文章を書いて回答する形式のことです。回答になる文章の文字数は、例年40字程度という制限が設けられています。記述式形式の配点は、1問につき20点と決められています。

行政書士試験の合格ライン

合格率が低く難しいと言われている行政書士試験ですが、気になるのは試験の合格基準。もちろん何点以上取らなければならないという最低ラインがあり、それを理解しておくことが大切です。

行政書士試験で定められている合格基準点

  • 法令等科目の得点が、122点以上であること
  • 一般知識等科目の得点が、24点以上であること
  • 試験全体の得点が、180点以上であること

このどれかに当てはまれば合格ライン突破というわけです。

180点以上ということは全体の6割の点数が取れれば合格ということになりますから、これを念頭に置きながら重点を絞って試験勉強をすれば効果的でしょう。

行政書士試験の出願期間と方法

行政書士試験を受験するためには、前もって願書を提出する必要があります。この願書の提出期限というのが、試験日程の約2ヶ月前までです。

試験日程のギリギリには出願できませんので、前もって提出期限も確認しておきましょう。これが通らないと行政書士試験が受けられず、来年待ちになるので、気をつけてください。

また、出願方法としては、郵送とインターネットでの受付があります。特に郵送の場合は、提出期限までに行政書士試験センターに必着するように気をつけなければなりません。

不測の事態がある場合もありますから、なるべく早め早めの準備を心がけましょう。

行政書士試験の受験料

行政書士試験には受験料が必要です。価格は7,000円。受験料の支払い方法は申し込み方法によって異なります。

郵便での申し込みの場合

試験案内に同封されている所定の払い込み用紙に沿って、郵便局の窓口にて受験料を払います。

インターネットでの申し込みの場合

インターネットでの場合にのみ、クレジットカードでの支払いができます。最近は現金の払い込みより、クレジットカードの支払方法を選択する方のほうが多いようです。

ただ、クレジットカードの使用は本人名義のカードに限られるので、家族のカードを使ったり、試験の手続きを他人にしてもらった場合には注意が必要です。また、支払期限もあるので、事前にしっかり確認しましょう。

行政書士試験に合格するための秘訣

行政書士試験に一発合格するために気合を入れて勉強している方は多いと思いますが、ただ闇雲に勉強しても受かるものではありません。

法律の勉強は非常に範囲が広く、的を絞らなければゴールはありません。上を目指せばどこまでも勉強し続けなければならなくなるので、本気で一発合格を狙っているのであれば、合格のための秘訣を理解しておくことが必要です。

では、そのいくつかをご紹介します。

優先順位を決める

試験に出てくる可能性のある科目を一通り勉強することは大切ですが、時間が限られているなら効率よく学ぶべきです。ですから、勉強にのめり込む前に学ぶべき優先順位を定めておきましょう。

多くの合格者が口を揃えて言うポイントは、配点の少ない一般知識等科目よりも、配点の多い法令等科目の方を重点的に勉強すること。まずこれが基本です。

また、その法令等科目の中でも特に配点の高い、行政法(計112点)と民法(計76点)を集中的に勉強しておくことをおすすめします。この解答を満点近くで取れれば、他の科目の点数が多少低くても合格ラインに持っていけるからです。この2科目の満点合格は必須だという秘訣を覚えておきましょう。

過去の問題を復習する

他の試験勉強でもそうですが、過去の問題集を何回も解き、正答率を高めることは合格への近道です。

行政書士試験は、平成18年度の試験以降から形式が定まってきたので、その期間の出題を使って勉強すると役立つでしょう。平成18年度以降の問題を時間を計りながら繰り返し解き、正答率を高めていくならかなりリアルな試験勉強になるはずです。

同じ問題は出ないにしても、類似している出題パターンがありますから、それに慣れていれば本番でも緊張することなく試験に臨めるでしょう。勉強の方向性を間違えてしまうと、相当な量の勉強をしているのになぜか合格できないという罠にはまってしまうので、効率の良い勉強法を取りいれましょう。

行政書士資格試験まとめ

難易度が高く、出題範囲も広い行政書士試験。合格率は平均10%前後で、一発合格できる人は稀だと言われています。

とはいえ法律関係の専門職ということもあり、法学部出身者や法律関係の仕事に長く携わっていた人にはかなり有利な試験内容でもあります。受験資格もあまり規定がないので、どんな人でも挑戦でき、比較的手が届きやすい国家資格と言えるでしょう。

試験は難しいと言われていますが、きちんと準備し、コツさえ押さえて勉強していれば合格ライン到達も夢ではないかもしれません。試験の日程や出願期限、受験料などの確認要素も忘れず備えを怠らなければ、行政書士として働ける日もそう遠くはないはずです。

行政書士の参考情報

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