インテリアコーディネーターの資格・試験とは？取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
インテリアコーディネーターを名乗るために必ず取得しなければならない資格や合格しなければならない試験はありません。しかし、関連する民間資格やキャリアアップのために取得を目指すとよい国家資格などはあります。本記事では、インテリアコーディネーターに役立つ可能性の高い資格試験についてご紹介します。
インテリアコーディネーターの資格とは？
インテリアコーディネーターを名乗るために特別な資格・学歴はいらない
インテリアコーディネーターを名乗るために、必ず取得しなければならない資格はありません。ただし、「インテリア産業協会」が行っている同名の民間資格があります。また、インテリアやデザインに関する勉強を専門学校・大学でしていなくても、インテリアコーディネーターにはなれます。
しかし、インテリアコーディネーターが活躍することが多い、家具メーカーやデザイン事務所、建築関係の会社に就職する際に学歴やポートフォリオ（作品集）の提出を求められることがあります。特に大手企業への就職を希望する場合は4年制大学卒業以上の学歴を求められることが多く、就職の際、選択肢も増えます。
インテリアコーディネーターの仕事は主に、個人の住宅やオフィスなど、すでに完成した空間に家具や照明、什器等を組み合わせて理想の形に近づける仕事です。
設計から内装の細部まで関わる建築士との関係も深いです。中にはインテリアコーディネーターとして経験と実績を積んだ後、仕事の幅を増やすため建築士の資格を取得する人もいます。逆に、建築士が内装のトータルコーディネートを担当する際、インテリアコーディネーターと同様の仕事をこなすこともあります。
建築士は国家資格です。資格試験に合格し一定の条件を満たさなければ建築士を名乗ることはできません。しかし、インテリアコーディネーターには公的な資格が存在しません。そのため、仕事内容の線引きがあいまいで、インテリアや住居に関するデザイン全般を手掛ける人が、資格やこれまでの実績からインテリアコーディネーターの肩書を名乗ることもあります。
インテリアコーディネーターに役立つ資格
公益社団法人インテリア産業協会 インテリアコーディネーター資格試験
インテリア産業協会が認定している民間資格に「インテリアコーディネーター資格」があります。
試験実施
年に1回開催されており1次試験と2次試験があります。
出題範囲
■1次試験
1次試験はマークシートによる択一式問題で以下の範囲が出題されます。
- インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
- インテリアコーディネーターの仕事に関すること
- インテリアの歴史に関すること
- インテリアコーディネーションの計画に関すること
- インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
- インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
- 環境と設備に関すること
- インテリアコーディネーションの表現に関すること
- インテリア関連の法規、規格、制度に関すること
出題範囲は広く、インテリアについて初めて勉強する人にとっては、1次試験の対策に追われることになるでしょう。インテリア産業協会が公式で発行しているハンドブックを基本に出題されます。また、協会主催している受験対策の通信講座も開催されています。
■2次試験
2次試験はプレゼンテーションと論文が試験科目となります。プレゼンテーションではインテリアの基礎知識を基に、インテリアの計画を行う必要があります。座学だけではなく図面作成や着彩表現など、現場で使う技術を駆使する必要があります。
論文は住まい・インテリアに関する課題について、的確な回答を文章で明瞭に表現できているか、課題について理解し、的確な判断ができているか、などが判断基準になります。
合格率
2018年度の合格率は1次試験32.4％、2次試験59.0％です。１次・2次共にポイントを押さえて対策を立てれば決して難しい試験ではないと言えるでしょう。しかし、2次試験には実践もあることから、インテリアや建築関係の勉強を一からする人は相応の勉強時間が必要です。
インテリアコーディネーターは女性の割合が多いと言われる職業です。インテリア産業協会主催のインテリアコーディネーター資格試験合格者も、毎年約7割の人が女性です。
公益法人 建築技術教育普及センター インテリアプランナー
インテリアプランナーとインテリアコーディネーターの違いは、インテリアプランナーの方が企画・設計・施工の段階から建設に関わることが多い、という点が大きいです。安全性、利便性なども踏まえながら、図面に内容を落とし込むこともあります。
インテリアプランナー試験は「公益財団法人 建築技術教育普及センター」が認定している民間資格です。1次試験は学科、2次試験は設計・製図の実技試験です。設計・製図問題では平面図・家具配置図、透視図、家具のスケッチなど実践的なスキルを求められます。
平成30年度の学科試験の合格率は65.4％、2次試験の設計製図試験の合格率は27.6％、全体の合格率は28.1％です。
日本デザインプランナー協会 インテリアデザイナー
インテリアデザイナーはインテリアのトータルコーディネートの設計・企画を行います。人によっては家具や什器、照明なども一からデザインすることがあるのも特徴的です。中には、トータルコーディネートは行わず家具や照明のデザイン・制作のみに特化して行っている人もいます。
インテリアデザイナーには公的な資格は存在しません。仕事内容も、他のインテリア関係の仕事と線引きが難しいです。しかし、民間資格はあり「日本デザインプランナー協会」が実施している同名の資格検定があります。
受験資格は特になく、インテリアデザイナーを目指している人はもちろん、すでにインテリア・建築関連の仕事に就いている人にもおすすめです。家具や照明などのインテリアに関する商品知識だけでなく、販売や技術に関して基礎知識を学ぶことができます。
試験は基本的に2か月に1度、在宅受験が可能です。在宅受験なので甘く見てしまう人もいますが、公開されている合格率は約30％です。通信講座なども用意されているため、しっかり学習して試験に臨む必要があるでしょう。
インテリアコーディネーターからキャリアステップするための資格試験
受験資格を得るのが難しい？戸建て住宅の設計ができる「二級建築士」
建築士は一般的にも知名度がある国家資格です。一級建築士を取得すると、大型商業施設などの設計にも携われますが、取得難易度は二級以上に高いです。二級建築士の場合は戸建て住宅など、小規模な建築物の設計を行うことができます。
二級建築士の資格を取得するには大学や専門学校で指定科目を履修している必要があります。また、建築に関する学歴がない人でも、実務経験を7年以上つめば受験資格を得られます。学科は学科と製図の2科目に分かれています。平成30年の合格率は学科37.7％、製図54.9％、全体の合格率は25.5％です。
インテリアコーディネーターとして建築に長年携わると、受験資格をクリアできるため、ステップアップとして建築士二級の資格に挑戦するインテリアコーディネーターもいます。
また、インテリアコーディネーターも建築士も独立開業可能な職業です。両方の資格、実務経験があれば仕事の幅が広がるでしょう。
インテリアコーディネーターに役立つ資格が取得できる学校
「東京デザイナー学院 建築デザイン学科」でインテリアコーディネーターをめざす
「東京デザイナー学院 建築デザイン学科」では建築の基本スキルを修得することができます。
2年間のカリキュラムで建築士の資格取得を目指すこともでき、インテリアコーディネーターはもちろん、インテリアプランナーや住宅デザイナーなど、住環境に関する仕事に就くための基礎スキルや知識を学べます。
建築デザイン学科には「建築デザイン専攻」「住宅デザイン専攻」の2つの専攻があります。建築デザイン専攻は将来的に一級建築士を目指したい方や、建築設計で将来どのようなものを専門にしていくか決まっていない人におすすめです。住宅だけでなく、大掛かりな公共施設や商業施設、街づくりなどを2年間のカリキュラムで学びます。
「住宅デザイン専攻」は将来的に戸建て住宅や集合住宅などの住宅デザインを中心に仕事をしていきたいと考えている方におすすめです。卒業後、2級建築士を目指せます。
どちらを専攻しても、建築業界に必要な「CAD」の使い方を授業で2年間じっくり学びます。座学や基本スキルを学ぶだけでなく、基礎知識を応用してどのような設計にしていくか思考力が身につきます。
インテリアコーディネーターの資格・試験まとめ
インテリアコーディネーターを名乗るために必ず取得しなければならない資格や学歴はありません。しかし、インテリアやデザインについて学校で学んだ学歴があれば、就職に有利になることがあります。
インテリアコーディネーターの公的資格はありませんが、同名の民間資格は存在します。キャリアアップのために建築士の資格や、他のインテリアに関する資格を取得する人も多いです。
インテリアコーディネーターの参考情報
| 平均年収 | 350万円～550万円 |
|---|---|
| 必要資格 | 必要資格なし |
| 資格区分 | - |
| 職業職種 | 建築・不動産 |
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