宅地建物取引士に必要な資格や試験は?資格試験の概要と合格の秘訣
宅地建物取引士には国家資格が必要であり、合格率は15%程度です。受験資格はなく未成年でも試験を受けることができます。合格するには過去問を使った学習や法律や不動産の専門用語の把握が必要です。宅地建物取引士の資格は独学でも合格できる可能性があり、綿密な学習計画が功を奏します。この記事では、宅地建物取引士に関する資格試験についてご紹介します。
宅地建物取引士の資格とは?
国家資格であり、宅建・宅建士とも呼ばれる
宅地建物取引士は国家資格であり、宅建や宅建士とも呼ばれます。毎年20万人程度が受験する試験で、国内で最大級の資格試験の一つです。
国家資格に合格すると不動産物件の斡旋に伴う独占業務を行えるようになり、不動産業界だけでなく金融や建築業界での活躍も可能です。宅地建物取引士の登録を完了すると、更新の必要はなく生涯の資格として利用できます。
受験資格はなく、誰にでもチャンスがある
宅地建物取引士は国家資格ですが、受験資格に制限はありません。医師や看護師になるため、国家資格を受験するためには、特別な学校に通う必要がありますが、宅地建物取引士に学歴は関係ありません。不動産業界に関心があり、国家資格保持者として活躍したい人、すべてにチャンスがあります。
実は1995年までは、宅地建物取引士にも受験資格があり、高等学校卒業者以上で宅地建物の取引に関して2年以上の実務経験が必要とされていました。しかし、今は学歴も性別も関係なく、未成年であっても受験が可能です。
宅地建物取引士の試験概要
宅地建物取引士の国家試験では以下の科目が出題されます。
- 宅建業法
- 法令上の制限
- 権利関係
- 税金その他
回答は四肢択一のマークシート形式で行われ、1問1点で50問出題されます。宅建業法の割合は高く、50問中20問出題されるため、この科目をどの程度クリアできるかが重要なポイントです。
宅地建物取引士試験の難易度・合格率
平均合格率は15~17%程度
宅地建物取引士の平均合格率は15~17%程度となっており、国家資格の中では中難易度の資格試験と言っていいでしょう。そのため、合格するにはしっかりとした対策が必要になり、中途半端な気持ちで挑戦すると失敗する可能性があります。
令和元年は220,797人が受験して、37,481人が合格、合格率は17%でした。(一般財団法人 不動産適性取引推進機構公式サイト参照)
受験者の平均年齢は35歳となっており、ある程度の実務経験を有している人が挑戦していると思われます。
ほかの国家資格との比較
宅地建物取引士の平均合格率をほかの国家資格と比較すると以下のようになります。
国家資格 | 平均的な合格率 |
---|---|
税理士 | 8~14%程度 |
不動産鑑定士 | 7~12%程度 |
一級建築士 | 5~10%程度 |
社会保険労務士 | 10%程度 |
行政書士 | 5%程度 |
行政書士のような最難関の資格と比較すると宅地建物取引士は高い合格率になっていますが、油断せず綿密な学習計画が欠かせません。
宅地建物取引士試験の合格基準
宅地建物取引士試験の合格基準点は31~35点程度となっており、令和元年の合格基準点は35点、平成30年は37点が合格基準でした。
宅地建物取引士と他の国家資格との大きな違いの一つは、宅地建物取引士試験には明確な合格点が設定されていないということです。つまり、何点以上取ったら自動的に合格になるわけではありません。
しかし、毎年、15~17%の合格率になっていることを考えると、一定の合格率を基準にして合格点を設定しているものと思われます。試験の難易度が低く、受験者の獲得点数が高い場合は合格基準点が高くなり、逆の場合は低くなるでしょう。
宅地建物取引士試験に独学で合格する方法
宅地建物取引士試験は国家資格ですが、独学でも合格できる可能性があります。合格するために必要なポイントを解説します。
自分に合ったテキスト選び
宅地建物取引士に独学で合格するには、自分に合ったテキスト選びが重要です。通販や書店でたくさん販売されていますが、好みに合わないものを選ぶと途中で挫折する可能性が高くなります。
インターネットでは、テキストの口コミを見つけられますし、可能であれば、手に取ってテキストの中身をチェックしておきましょう。分かりやすく説明されていて、継続的に学習できるような仕組みになっているかの確認を忘れずに。
最新の法改正に対応しているかは注意を
テキストを使って学習する際には注意点があります。それは、法改正に対応できない場合があり、古い情報を一生懸命に学習してしまうということです。
不動産業界の法改正は不定期に行われますから、購入した参考書が古かったり、購入後に法改正が行われた場合、新しい情報に対応できない可能性があります。
それらを避けるため、法改正に関する情報にはアンテナを張って、どこがどのように変わったのかをしっかりを把握しておきましょう。
綿密な学習計画が不可欠
独学で合格を目指す場合、100~400時間程度の学習が必要といわれています。試験が近づいた時点で学習時間が不足していることに気づいても手遅れですから、学習予定をしっかりと行いましょう。
個人によって、学習に使える時間の量は違います。社会人として働いている人の場合、月曜日から金曜日まで、就業後に2~4時間程度の学習時間を確保するのが理想的でしょう。
その場合、土曜日や日曜日などの休日にどの程度の時間を学習に当てる必要があるのか、事前に計画することをおすすめします。可能であれば、試験前には学習時間を増やして、最後に追い込みをかけれるような計画が理想です。
専門用語の把握
宅地建物取引士試験にはたくさんの専門用語が出てきます。普段、使わない言葉がたくさん出てくるので、最初は専門用語を覚える、理解するところから始めるといいでしょう。
特に宅建業法の科目は出題数が多いので、満点を取るつもりで学習する必要がありますが、そのためには宅建用語を読み解き、的確に理解する必要があります。
学習を始めた当初は、専門用語の理解につまずくことが多いので、先に進めずイライラするかもしれませんが、問題を解いていくうちに慣れてくるでしょう。合格基準点に達するには、用語の理解は欠かせませんから基礎を固めるつもりでしっかりと学習します。
論理的な理解
宅地建物取引士の国家資格に合格するためには、論理的な理解力が必要です。税率や数式などは丸暗記する必要がありますが、法律の決まり事や制限に関しては、なぜそのような制限があるのか、他の法律とどのように関係しているのかを立体的に把握して全体像を掴みましょう。
加えて、インターネットなどで不動産関係の法律や制限をチェックしておくと宅地建物取引士の仕事内容を総合的に把握できます。
過去問から出題のパターンをつかむ
宅地建物取引士の試験には、出題のパターンがあるので過去問学習を繰り返すことが重要です。過去問をどれくらい解くかによって合格できる確率が変わるといっても過言ではありません。
試験に必ず出題される問題は何か、どのようなひっかけ問題が出るのかを把握して、自分の弱点を知りましょう。問題をたくさん解くことも重要ですが、間違ったところは解説をよく読んで、誤回答になった理由を突き止めることも忘れずに。
なるべく早い段階から過去問の学習に時間を割いて、取り組むことをおすすめします。
宅地建物取引士の資格が取れる学校
資格の学校TAC
資格の学校TACは、宅地建物取引士の国家資格が取れる学校として認知度が高く、短期間で宅建試験に合格したい人におすすめです。
国家資格に効率よく合格することをモットーにしており、試験の出題傾向を徹底的に攻略し、合理的なカリキュラムを設定しています。
当学校で使用されるテキストは法改正に的確に対応できるように毎年、アップデートが行われているので、最新の宅地建物取引士の学習が可能です。
講師陣も経験豊富なスタッフになっており、分かりやすい授業を受けることができます。
日建学院
日建学院では、宅地建物取引士の国家資格を目指す生徒一人ひとりにライセンスアドバイザーが付き、個々の必要に合わせたサポートを行います。
独学では、自分の実力や理解力を客観的に把握することは難しいですが、専門家のサポートがあれば可能です。
さらに、この学校では小テストが頻繁に行われ、生徒の理解力に基づいたアドバイスを行っており、授業の後でも講師陣にメールやチャットなどで質問できる体制が整っています。
宅地建物取引士の資格・試験まとめ
計画的に学習すれば独学でも合格の可能性あり
宅地建物取引士になるには国家資格が必要ですが、合格率は15%程度。しっかりとした学習計画と試験対策が必要です。
宅地建物取引士には、学歴は関係ないので独学でも合格を目指せます。過去問を徹底的に復習することや法律や不動産の専門用語を覚えることが重要です。
短期間で効率よく宅地建物取引士を目指したいのであれば、資格スクールに通って国家資格の合格を目指す方法もあります。
宅地建物取引士の参考情報
平均年収 | 450万円~600万円 |
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必要資格 |
|
資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 建築・不動産 |
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