宅地建物取引士になるには?求められることや向いている人の特徴などを具体的に解説
宅地建物取引士になるには、国家資格に合格し、宅地建物取引士の登録と交付申請が必要です。宅地建物取引士の登録と交付申請には必要な書類が決められており、事前に確認する必要があります。宅地建物取引士として多くの不動産物件に対応するためには、継続的な勉強や冷静な判断力、不動産業界に対する関心などの適性が必要です。この記事では、宅地建物取引士になるために求められること、向いている人の特徴などについてご紹介します。
宅地建物取引士になるには何が必要?
宅地建物取引士になるには、3つのステップが必要です。
- 国家資格の合格
- 宅地建物取引士の登録
- 宅地建物取引士証の申請
それぞれを詳しく解説します。
国家資格の合格
宅地建物取引士になるには、国家試験に合格する必要があります。宅地建物取引士の仕事は独占業務になるため、無資格で活動することはできません。
宅地建物取引士の資格試験は年に一度開催されていますが、受験資格はなく、特別な学校に通う必要もありません。国家資格という位置づけですが、すべての人が挑戦できる資格です。
宅地建物取引士の登録
国家資格に合格したあと、宅地建物取引士の登録が必要です。つまり、宅地建物取引士資格試験に合格しても、すぐに宅地建物取引士として活動できるわけではありません。
この登録は国家資格を受験した試験地の都道府県知事に対して行われます。もし、国家資格に合格しても登録を済ませていない場合 、宅地建物取引士資格者という扱いになり、そのまま宅地建物取引士として働くことはできません。
登録の条件
宅地建物取引士として登録できる条件は以下の通りです。
- 2年以上の実務経験
- 登録実務講習を修了
宅地建物取引士として登録するには、不動産屋などの宅建企業で2年以上の経験が必要です。
実務経験として認められるのは過去10年以内の勤務経験で、10年以上前に不動産業などで勤務していても、宅地建物取引士の登録条件としては認められません。 申請時から10年遡って計算することができます。
2年以上の実務経験がない人は登録実務講習を受けなければいけません。この講習は通信講座・演習・修了試験の順に行われますが、高い確率で合格率できるでしょう。
登録に必要なもの
登録時には以下の書類を準備します。
- 登録申請書
- 誓約書
- 身分証明書
- 顔写真
- 登記されていないことの証明書
- 登録資格を証する書面
- 住民票
- 資格の合格証書
すでに不動産会社で働いている場合、従業員証明書が必要になることもあります。どのような書類が必要なのか事前に確認しましょう。
宅地建物取引士証の交付申請
最後に宅地建物取引士証の交付申請を行ないます。
交付申請に必要なもの
交付申請には以下の書類が必要です。
- 宅地建物取引士証交付申請書
- 同一の顔写真を3枚
- 登録通知書
宅地建物取引士証の交付申請は宅建協会で行われますが、条件によっては他の書類が必要になることもあります。
交付申請が認められるのは試験合格から1年間
宅地建物取引士証の交付申請が認められるのは宅地建物取引士試験に合格してから1年以内と、期限があります。国家資格に合格して1年以上経過している場合、法定講習を受講する必要があります。
宅地建物取引士の試験に合格したら、宅地建物取引士の登録、宅地建物取引士証の交付申請までをなるべく早く完了させることをおすすめします。
宅地建物取引士に向いている人、適性がある人
不動産に興味がある
宅地建物取引士は多くの不動産物件を見て回りますが、ただ見るだけでなく、特徴や魅力、メリットとデメリットを把握していきます。取り扱う商品をしっかりとチェックして、情報を収集するには、不動産物件に対する興味が欠かせません。
宅地建物取引士はマンションや戸建て住宅、高級不動産など様々な物件を見て回ります。マンションや戸建住宅、高級不動産など、様々な物件がある中でも自分の得意分野、好きな不動産の領域を確立させることができれば、宅地建物取引士の仕事を楽しみながらこなすことができます。
接客や交渉術が得意な人
不動産物件は高額な商品が多いため、接客や交渉術が重要です。相手を圧倒する強気な営業力だけでは宅地建物取引士としての仕事を全うするのは難しいでしょう。
クライアントが値引き交渉をしてきた時や不動産商品の欠点を指摘した時にどのように切り返すことができるかが腕の見せ所です。自分の意見を押し通すだけでなく、相手の感情や意見を加味しながら交渉を進めていける人の方が宅地建物取引士としての適性を持っています。
冷静なクレーム処理
紹介したマンションや住宅に問題が起きた場合、クレームに発展することがあります。宅地建物取引士には商品を売る能力だけでなく、トラブルが発生した時に冷静に状況を判断して解決策を提示する能力も必要です。
たとえ、購入者が感情的になっており、辛辣な言葉を浴びせてきたとしても、自分の感情を抑えて、どうすれば状況を改善できるかを考えなければいけません。緊迫した状況の中でも、頭の中を整理して状況に対処できる人の方が宅地建物取引士に適しています。
相手の立場になって説明できる能力
宅地建物取引士は重要事項の説明を行う必要があり、専門用語を素人にも分かりやすく説明する能力が欠かせません。
写真や具体例を挙げて説明することで、一般の人でも法律用語を理解することができます。宅地建物取引士には、専門性の高い情報を噛み砕いて説明する能力、相手の視点に立って物事を考える思考回路が必要です。
キャリアアップを目指している人
宅地建物取引士は多方面で活躍できる仕事なので、独立心が強くキャリアアップを目指したい人におすすめです。
宅地建物取引士として成功するためには、不動産関係の法律や建築業界の最新情報に精通している必要があり、スキルを磨いて多くの年収を稼ぎたい!など、明確な目標を持っている人の方が向上心を持ち続ける傾向があります。
結果として、宅地建物取引士として成功し、会社や顧客からも信頼される存在となります。
宅地建物取引士になるための学校
大学や短大
建築学や意匠、住居学などがおすすめ
宅地建物取引士になるために大学や短大に行くのであれば、建築学や意匠、住居学を専攻して建物や土地に関する知識を深めるといいでしょう。また、法学部に入って宅建業法や民法に関する理解を深めておくことも効果的です。
一流企業では大学卒業生を優先的に採用する傾向があるため、大手企業への就職を希望する場合、大学や短大への進学をおすすめします。
資格スクール
通学制や通信制。自分に合ったものを選択
宅地建物取引士は人気のある資格の一つで、毎年多くの人が受験しています。そのため、宅地建物取引士の資格スクールもたくさんあり、通学型や通信型など自分の生活スタイルに合ったものを選ぶことができます。
有名な通信講座には、ユーキャンやTAC、資格の大原などがあり、効率よく宅地建物取引士の資格を取ることが可能です。大学や専門学校では、数年間の学習が必要ですが、資格スクールでは数か月で国家資格の合格を目指します。とにかく早く、宅地建物取引士になりたいという人におすすめです。
専門学校
宅地建物取引士になるために専門学校に通うのであれば、宅地建物取引士のライセンス取得をサポートしている学校がおすすめです。宅地建物取引士は法律系の資格の中でも人気があり、多くの学校が対応しています。
宅地建物取引士だけでなく、簿記などの金融系の資格にも強くなっておけば、ダブルライセンスとして活躍の幅を拡大できます。将来、どのようなジャンルで活躍したいのかに合わせて、学科やカリキュラムを選ぶことをおすすめします。
宅地建物取引士になるには?まとめ
国家資格取得後、宅地建物取引士の登録と申請も忘れずに
宅地建物取引士になるには、国家資格に合格することが大前提です。試験に合格したあと、宅地建物取引士の登録と交付申請を行うことで宅地建物取引士としての活動を開始できます。
宅地建物取引士として、多くの不動産物件の仕事をさばくには、交渉術や継続的な学習、不動産業界に対する関心などの適性が欠かせません。
国家資格の合格をサポートしてくれる資格スクールもあるので、最短で宅地建物取引士になりたいという人におすすめです。
宅地建物取引士の参考情報
平均年収 | 450万円~600万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 建築・不動産 |
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