行司の給与・年収は?初任給や支給される手当まとめ

行司の給与・年収は?初任給や支給される手当まとめ

華やかな相撲の世界に身を置く力士たちは、十両以上になると年収1,000万円を超えることが知られています。では、相撲の世界を陰で支えている行司の給与・年収はどのくらいなのでしょうか。また、どのような仕組みで昇格し、年収が増えていくのかをお伝えします。

行司の初任給

行司の初任給は約14万円。給与は低いが生活費は相撲部屋負担!

行司には力士と同じように番付と呼ばれる階級が存在し、その番付の順位によって本給の金額が変わります。最も低い番付である「序ノ口格行司」の場合本給が1.4万円となっており、これに「装束補助費」と「その他手当て」が加わることで初任給は約14万円となります。

当然ですが行司の番付が上がることで本給や装束補助費、手当てなどの金額が上がっていきます。

行司として採用されるのは19歳未満の男性のみであるため、年齢的に高卒者と同年代と考えて良いでしょう。厚生労働省の平成29年度賃金構造基本統計調査によると、高卒者の平均初任給は17.9万円となっています。高卒者の初任給と比較すると行司の初任給は3.9万円も低い金額です。

ただし行司として駆け出し期間は修行中の身となります。相撲部屋へ住み込んで若手力士と共に修行をする生活となるため、食費と住居費は相撲部屋の負担となり、生活費に関しては心配する必要がありません。

行司の初任給は一見すると一般的な高卒者の初任給と比べて低い金額に思われます。しかし生活費を支払う必要がないことを考えると、十分な給与額といえるでしょう。

また見習い期間中は公私関係なく相撲漬けの日々を送ることになります。相撲に集中する生活が予想されるため遊びや趣味でお金を浪費することが少なく、手元にお金が残りやすいことが考えらえられます。

行司の給与の仕組み

行司の給与は、本給+装束補助費+その他手当の合計額を受け取る仕組みになっています。本給と装束補助費は番付ごとの金額が公表されています。

行司の本給

番付 金額
序ノ口行司以下 1.4万円~2万円
序二段行司 2万円~2.9万円
三段目行司 2.9万円~4.2万円
幕下行司 4.2万円~10万円
十枚目行司 10万円~20万円
幕内行司 20万円~36万円
三役行司 36万円~40万円
立行司 40万円~50万円

装束補助費

番付 金額
幕下以下の行司 2万円
十枚目行司 2.5万円
幕内行司 3万円
三役行司 4万円
立行司 5万円

本給と装束補助費の金額は上記の通りですが、手当ては相撲協会の理事長により別途定められる仕組みとなっているため明確な金額は公表されていません。

行司の平均給与の統計

行司の平均給与は約16.7万円~29.9万円

行司の給与は番付によって大きく変わりますが、平均すると月収は約16.7万円~29.9万円となります。年代別でみると、20代行司の給与相場が16万円、30代が35万円、40代が40万円といわれています。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査により算出した年代別の平均年収と比較すると、以下の通りとなります。

年代 行司の給与 日本の平均給与
20代 16万円(三段目行司とした場合) 20~24万円
30代 35万円(十枚目行司とした場合) 28~32万円
40代 50万円(三役行司とした場合) 35~40万円
50代 立行司になった場合は、80~100万円 43~41万円
60代 立行司になった場合は、80~100万円 29~26万円

行司の番付にもよりますが、上記の例では20代行司の給与は日本の平均給与よりも低くなっています。しかし30代以降は平均給与よりも高い金額となっていることが分かります。

つまり、若い時期の行司は給与額が低いですが行司としての経験を重ねることで後々は一般的な平均給与よりも高い金額を受け取ることができるのです。

行司の世界は年功序列

行司の昇格は年に1回です。昇格できるかどうかは9月の本場所後に開催される「番付編成会議」で審査部により昇格者が審査され、最終的に理事会で決定されます。行司の昇格は年功序列といわれており、取り組み判定の正確さ、勤務態度などが評価されます。

行司の場合は力士のように勝敗がある訳ではないため、後輩が先輩を追い越して昇格することはありません。日々の業務を行う上で大きな失敗がない限り入門した年度順で昇格するのが慣行となっています。

昇格方式が年功序列となるのは行司の定員が決まっていることと関係します。行司の定員は45名までとなっており、その内、十両格以上の力士を判定できるのが22名までと決まっています。先輩のポストが空かないと昇格できない仕組みになっているのです。

行司の中には10年ほど同じ番付という方もいます。なかなか昇格できなかったとしても順番がまわってくれば、いつか必ず昇格できるという気持ちでモチベーションを維持することが重要です。

行司に採用されると、65歳の定年まで安泰

行司は年功序列で昇格していき、最終的には65歳で定年退職することになります。一般企業の場合の給与は50代前半でピークを迎え、それ以降は上がらない、もしくは、下がる傾向にあります。

しかし行司の場合は上位ポストが空くことで昇格し続けることができます。さらに余程の不祥事が無い限り「降格」は珍しいため、定年までに給与額が下がることは少ないでしょう。このように行司として採用された場合、本人申出による離職や不祥事を起こすなどしない限り、65歳の定年退職まで安心して働くことができるのです。

行司の年収統計

行司の平均年収は約200万円~360万円

先ほど、行司の平均給与は16.7万円~29.9万円であることをお伝えしました。この平均給与を基にして平均年収を算出すると約200万円~360万円となることが分かります。ただし行司の場合は番付によって年収が大きく変わるため、この平均年収は中間値としての年収と考えた方が良いでしょう。

最上位番付の行司は年収1,300~1,500万円

番付で最下位の「序の口格行司」は初任給14万円であるため年収168万円となります。では、最高位番付である「立行司」はどれほどの年収かというと1,300万円から1,500万円と大幅に年収アップとなります。

ただし最高位番付の「立行司」は2名しか襲名することができません。行司の昇格方法は年功序列が色濃いため、上位番付のポストが空けば年収増を期待することができるのです。

行司の番付ごとの定員

行司の番付 定員数
立行司 2名(木村庄之助1名、式守伊之助1名)
三役格行司 3名
幕内格行司 9名
両格行司 7名
幕下格行司 7名
三代目格行司 7名
序二段格行司 6名
序ノ口格行司 4名

上位番付のポストが空いても、必ずしも昇格するとは限らない

2015年3月場所で行司の最高位である「木村庄之助」を担っていた37代目が引退したあと、そのポストは空位のままとなっています。通常であれば「式守伊之助」を担当している行司が「木村庄之助」を襲名することになりますが、審査部や理事会の判断により最高位ポストに昇格する行司がいない状況です。

過去にさかのぼると、上位番付の行司が「差し違え」の多さなどにより出場停止処分となったこともあります。なお、「差し違え」とは行司が判定を間違い、負けた力士に軍配を上げてしまうことを意味します。このことから年功序列だからといって、昇格後に努力しなくて良い訳ではなく、経験年数に見合った行司の仕事をしなければさらなる昇格は難しいのです。

行司の給与・年収まとめ

行司の給与・年収は30代以降に大幅アップ!確実に昇格できるように実力をつけよう!

行司の給与・年収は初めのうちは日本の平均給与よりも低いですが、30代以降は年収アップが期待できます。ただし行司には番付があり、上位番付ほど定員に限りがあるためポストが空いた場合のみ、昇格できる仕組みになっています。

また昇格方法は年功序列が色濃いですが、実力を伴わない場合は昇格できない可能性もあります。高位番付になった場合も経験年数に応じた実力を身に付けられるよう、日々の努力が必要です。

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行司の参考情報

平均年収200万円~360万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種スポーツ

統計情報 出典元:

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