行司の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

行司の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

土俵上で伝統的な衣装を身にまとい、独特の発声方法で力士の取り組みを仕切る行司をテレビ中継で観たことがある方は多いでしょう。最近では「イケメン行司」が話題になるなど、若い世代の方も相撲や行司に関心を持つ方が増えています。では、相撲界にマストな存在である行司とは、どのような仕事内容なのかをお伝えします。

行司とはどんな仕事?

相撲の勝敗を判定するだけではない

行司の主な仕事は、相撲の勝敗を判定するだけではなく、本場所運営のサポートも担っています。

本場所は、2ヶ月ごとに年合計6回開催され、「春場所」や「夏場所」など季節の名称を付けて呼ばれることも多いです。力士たちは、この本場所で競い合い、勝負に勝って昇格することを目指します。その傍らで、行司は本場所が円滑に行われるよう運営をサポートするのが役割です。

また、本場所以外にも地方巡業といって、相撲による地域振興や相撲道の普及活動が行われます。この地方巡業の運営にも行司が深く関わっているのです。相撲界にとって、本場所と地方巡業は、年間行事の中でも最も重要な行事となります。その運営を陰で支えている行司は、相撲界にとって、なくてはならない重要な存在と言えるでしょう。

行司は「段取り力」が必要。本場所を全面的にサポートする仕事

行司の役割は数多くあります。また、本場所や地方巡業の運営にあたり、親方や日本相撲協会、巡業先などと数多くのやりとりを行います。一度に複数の仕事を担うことも多いため、段取り良く仕事をする能力を身に付ける必要があります。

本場所中も、取り組み前後に場内アナウンスをしたり、勝敗の記録を取ったりと、ゆっくりしている時間はありません。もちろん、他の行司と協力しながら本場所を進めることも重要です。力士や親方たちは勝負に集中し、観客は相撲観戦を心待ちにしています。その本場所が活気に満ちた場となるよう、陰ながら支えているのが行司の仕事となります。

相撲字で番付を書けるのは行司だけ

相撲特有の書体で書かれた番付を見たことがある方は多いと思います。あの番付は、行司の手書きによるものです。紙一杯にぎっしりと書かれた相撲文は、「相撲を観に来るお客さんで満員になるように」という願いが込められています。行司は、見習いの頃から相撲字の修行を重ねており、全ての行司が正しい相撲字を書くことができるのです。

特に、本場所の番付は多くの観客が目にするため、行司の中でも特に相撲字が上手な人が番付を書きます。10日ほどかけて番付を書き上げるため、大変な労力になりますが、番付を書くことは行司にとって誇らしいことである言われています。

場内を盛り上げるアナウンス力も必要

本場所では、取り組みの前後にアナウンスがあります。相撲独特の発声方法や言い回しにより、取り組みの決まり手や力士の紹介、懸賞の紹介などをアナウンスします。このアナウンスも見習い時代から訓練し、伝え方を習得することになります。

相撲らしいアナウンスで場内を盛り上げ、これから勝負に向かう力士のモチベーションも高める効果もあります。このアナウンスは、行司が交代で担当しています。そのため、行司によってアナウンスが大きく異ならないよう、ある程度均一なアナウンス方法を習得する必要があります。

相撲部屋の秘書的役割もこなす。「気配り力」「調整力」が必要

地方巡業において、行司は所属する相撲部屋の親方と行動を共にする機会が多くなります。

親方は、力士たちよりも一足早く巡業先へ向かうため、行司も親方と一緒に先発で地方巡業先に入ることになります。親方の交通手段や旅館の手配を担当し、巡業先に着いた後は、力士たちの旅館の部屋割りなどを相撲字で書いて配分するなど、秘書的業務を一手に引き受ける役割を担っています。

相撲部屋にもよりますが、相撲部屋に所属する行司の数は、1名前後と少人数です。本場所や地方巡業の年間スケジュールは、事前にある程度決まっているものです。本場所や地方巡業などは、団体で長期間出張することが多く、親方や力士たちがストレスなく過ごせるように気を配る必要があります。

また、出張中は、天候や渋滞の影響、力士の怪我など、予定通りに進まないことも多いです。イレギュラーな状況があった場合でも、可能な限りスムーズに物事が進むよう適切な調整力も行司には必要になります。

行司の仕事は、本場所を取り仕切るオールラウンダー

本場所の会場前から行司の仕事は始まる

本場所が始まる前日には、安全に本場所が行われるよう、土俵の安泰を祈る祭事が行われます。このとき、祭司を務めるのが行司になります。3名の祭司が必要で、1名は祭主、残りの2名は祭主の手助けをすることになります。また、行司が祭司を行うのは、本場所のときに限りません。各相撲部屋が土俵開きをするときも行司が祭司を務めるのです。

本場所中の行司の役割

本場所中の行司は、あらゆる仕事を担っています。では、具体的にどのような仕事内容なのかをお伝えします。

本場所中の行司の仕事一覧

■土俵入りの誘導役

十両、幕内、横綱が土俵入りするときに誘導する役割です。

■顔触れ言上

横綱が土俵入りした後、中入り後の取り組みが始まる前に、行司が翌日の取り組みを土俵上で読み上げながら、観客に取り組み内容を掲げます。このとき、行司が手にもって観客に見せるのが「顔触れ」と呼ばれるもので、行司が相撲字で書くものです。

■番付を書く

行司が相撲字で書き上げます。

■番付編成や取組編成の補助的役割を担う

審査部の指示に従って番付原稿を作り、取り組み編成の下準備をします。

■場内アナウンスを行う

取組の決まり手や、力士の紹介、懸賞の紹介をアナウンスします。

■勝負結果を記録する

取組の決まり手と勝負結果を記録します。

以上が本場所での行司の役割になります。また、上記以外の役割として、以下の仕事も担当しています。

■地方巡業で秘書的役割を担う

行司は、親方と一緒に一足早く巡業先へ向かいます。そのときの旅館や交通の手配を行うのが行司です。

■相撲部屋の事務処理を行う

所属する相撲部屋で、番付を発送し、冠婚葬祭の宛名書き、後援会への連絡事項などを行います。

親方の奥さんである「おかみさん」と一緒に事務的な作業をすることが多く、行司は相撲を支える陰の立役者と言えるでしょう。

行司の仕事のやりがい

力士の取り組みを間近で見ることができる

行司になりたいという人は、相撲が好きな方や力士の新弟子検査に取らなかった方など、相撲と強い繋がりを持つ人が多い傾向にあります。そのため、土俵の上で、最も力士に近い場所で取り組みを見ることができるのは、何物にも代えがたい喜びとなるでしょう。

さらに、経験を積んで階級が上の行司となれば、憧れの大関や横綱の取り組みも担当できる可能性が高まります。

力士が活躍する場をサポートすることができる

行司の中には、力士を目指していたが、新弟子検査の基準を満たせずに諦めたという方もいます。そのような方でも、相撲部屋に入門できれば、行司として相撲に携わることができるのです。

上記でもお伝えしましたが、行司の仕事は本場所や地方巡業を運営するマルチプレイヤーです。親方や力士が相撲に集中できるようサポートすることで、所属する相撲部屋が活性化し、昇格していく力士を数多く輩出することができれば、行司としてのやりがいにも繋がります。

日本全国を巡業し、相撲で地域を元気にすることができる

日本の国技である相撲は、巡業先でその地域の人々に活気を与えることができます。特に、地方の場合は、体格の良い力士や相撲の取り組みを生で観ることができる貴重な機会です。ひとたび地方巡業を行うと、お年寄りから幼い子どもまで、年代を問わず見物客で会場が満たされます。

地方巡業の運営を支えることも行司の仕事です。巡業先で老若男女が喜んでいる姿を見ることは、行司として社会貢献を肌で感じることのできる貴重な時間となるでしょう。

日本の国技を支え、伝統を継承できる

伝統を重んじる相撲の世界に身を置くことは、その伝統を次の世代に引き継ぐ役割も担っていることになります。行司は、相撲界になくてはならない存在です。

一度、行司として採用されると、65歳の定年まで行司の仕事を全うすることになります。経験を積んで、上位階級の行司になると、相撲字や行司の発声方法などを後輩に指導する役割も担います。1500年以上続いてきた相撲の文化を守り、後世に伝承していくことは、行司として大きな使命となります。

行司の仕事内容まとめ

行司は相撲界になくてはならない存在!相撲界を支え、伝統を伝える仕事!

行司は、本場所や地方巡業の運営を全面的に支える仕事です。

土俵で取り組みを判定するだけではなく、番付を作り、場内アナウンスをする傍ら勝敗を記録するなど、多くの役割を担っています。しかも、その仕事内容は相撲の伝統を引き継ぐものでなければなりません。相撲字や行司特有の発声方法など、長年の修行で身に付けたものです。

まさに、相撲界のオールラウンダーとして、日本の文化を伝承していく重要な仕事です。

行司の参考情報

平均年収200万円~360万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職種スポーツ

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