外交官の仕事内容とは?国内・海外で活躍する外交官のやりがいや魅力について解説
グローバル化が進む現代、世界各国との懸け橋となる外交官の仕事はますます需要が高まっている職業です。外交官と聞くと、海外諸国との政治・経済に関連した業務に携わるイメージが強いですが、実際にはどんな仕事内容なのでしょうか。
外交官とはどんな仕事?
外国との良好な関係を目指す
世界各国との交流が盛んになっている現代。世界のおよそ200カ所に日本の大使館や総領事館、政府代表部などの在外公館があり、外交官はこれらの在外公館や外務省本部で勤務しています。
日本と大使館のある相手国との外交交渉に関わる仕事を中心に活躍していますが、交渉だけの業務ではなく、相手国に関する情報収集や交渉するための舞台を整える準備など、裏方のような仕事にも携わります。これらの業務の他にも自国に関心を持ってもらえるような広報活動も仕事内容の一つです。
外交官には総合職・専門職員・一般職とある
外交官には国家総合職・外務省専門職・国家一般職の三つに分けられます。それぞれの違いについて説明します。
国家総合職
将来的に大使や外務省幹部となるキャリア外交官である「国家総合職」。各国に配属されている語学研修や実務経験を積むことで、業務に携わりながら情報分析力などを磨いていきます。
外交官としての総合的な能力の向上に務めることで、最終的には重要な国々の大使や外務省の事務次官などの重要なポストを任されることもあります。
外務省専門職
国内外の地域の経済や文化、社会などの現地の専門家として活躍する「外務省専門職」。その仕事内容は、外務省や各国の在外公館で直接的な外交業務などを担当します。
現地の方と直接交渉を行うため、配属先の語学やコミュニケーション能力は国家総合職の外交官以上の実力が必要とされています。
外務省一般職
ノンキャリア外交官と呼ばれる「外務省一般職」。総合職のキャリア外交官と比較すると出世のスピードは遅く、大使や外務省の事務次官まで出世することは難しいとされています。
外務省一般職である外交官は、主に外務本省や出先の機関などで定期的に会計や庶務などの事務作業を担当する職員として入省します。事務作業が主な仕事内容ですが外交官であることに変わりはないため、在外公館で領事業務に携わることもあります。
国の政治や経済、文化などに関する知識を深め、外交の専門家といわれ幅広い分野で活躍している外交官の仕事。それぞれ外交官としての仕事内容は異なりますが、具体的にどのような仕事内容かを紹介します。
外交官の仕事の具体的な内容
幅広い分野で各国と交渉する
外交官は国連や先進国首脳会議(サミット)財務省・中央銀行総裁会議(G20)などの国際会議が行われる際、具体的な政策を考え各国と交渉する業務に携わります。
交渉だけではなく、政府開発援助(ODA)と呼ばれる資金や技術などで外国を援助する活動や国際規模の環境問題について検討する業務、二国間だけではなく多国間で結ばれる条文の作成も外交官の仕事です。
他国の法律や経済、環境や文化、観光などの専門分野の知識を持つことによって外国との関係の強化とともに、国民が合法的かつ安全に海外活動ができるように取り組める関係を築くという重要な仕事内容にも携わることがあります。
開発途上国への支援
途上国の支援を行うための交渉も重要な仕事です。具体的な支援の内容は途上国へ水の供給を行うために井戸を掘る業務、子どもたちの識字率の向上を図るために学校を建設する援助などが挙げられます。
治安や災害発生などの情報を収集
海外旅行や留学をする際「海外安全ホームページ」を見たことがある方もいらっしゃるかと思います。こちらのホームページは海外旅行などで日本人が海外で活動をする際に、各国の治安状況や災害の発生状況などの情報が掲載されています。
世界とのより良い関係を結ぶ仕事だけではなく、各地の治安状況や災害が発生した時の状況に関する現地情報の収集も、外交官の大切な仕事の一つです。
治安状況や災害状況の情報提供だけではなく、海外旅行者や海外移住者が他国で事故や事件、自然災害に巻き込まれた際の安否の確認を行い、日本の家族に情報を伝えることも外交官の役割です。
時には他国との法律に関わるトラブルに発展することあるため、語学と法律、各国の文化などの幅広い知識が求められることもあります。
外務省本省での仕事内容
外務省本省は日本の東京霞が関にあります。省内には総合外交政策局や地域局、機能局などのそれぞれ特徴を持った局があり、担当する分野や配属される地域によって外交官の仕事内容が変わります。
また外交官となった後も、あらゆる知識を深め、外交官として新たな業務を担当することもあります。具体的にどんな業務内容なのか紹介します。
通訳担当官
語学において非常に高い知識を持ち、培った知識を認められることで登用されることが多い通訳担当官。通訳担当官として経験を積むことで、霞が関で行われる海外の要人との会議に呼ばれることがあります。
在外公館で数年間勤務し、その間の仕事ぶりや語学についてどれほどの知識を得ているのかなどのチェックを行い、語学能力が優れていることが認められることで外務省本省でのトップ会談や重要な会議、記者会見などの場で通訳の仕事に携わることができるようになります。
通訳の仕事を任されるため、より他国の情勢や文化、それぞれの言い回しなどのさまざまな分野に対応するために、幅広く深い知識が必要になる業務といえるでしょう。外交官として自身の語学力を活用して業務に携わりたい方のなかには、通訳担当官を目指す人もいます。
外交官になった後も、語学の勉強は仕事の一つ
外交官になるためには語学の知識が豊富であることが必要ですが、大使館などに配属された際は国際会議の準備や政府開発援助(ODA)の企画、あらゆる情報収集を的確にかつ迅速に行い、日本へ報告する必要があります。
そのため外務省での業務とは別に、配属される国の言語をできるだけ早く完璧に使いこなすことが必要になることもあります。
培った語学やコミュニケーション能力を最大限に活かし、ときに重い責任を伴う業務にも携わることもある外交官の仕事のやりがいについて紹介します。
外務官の仕事のやりがい
人々の幸せのために働くことにやりがいを見つける
外交官としての仕事は、就職先によってそれぞれ担当する業務は異なりますが、どの外交官でも共通しているのは、一人で問題の解決へと向かうのではなく、各国の人々と意見を交わし、お互いに歩み寄って、両国の平和的解決へ向けて交渉する業務であることです。
お互いの問題が解決に近づくことで緊張状態から緩和状態へと導き、結果的に自国の人々と相手国の人々の幸せのために貢献することができます。
また途上国に配属された場合は国の発展の支えとなる、感謝される業務を任されることもあり、業務が達成された時はやりがいを感じる人もいます。
異文化交流からやりがいを見つける
世界各国の人々と交流する機会が多い外交官の仕事。言語や食事、ファッションや伝統も国によってまったく異なります。文化が異なることで自国の常識が通じないことも多いので、時にはトラブルが起こることもありますが、外交官としての業務をこなすためにはそれらも乗り越える必要があるといえるでしょう。
トラブルを乗り越えた先には、さまざまな国の人々とのつながりが増え、自身の人生のなかで一生の財産を得ることも多く、やりがいを感じることもあります。
外務官の仕事内容まとめ
国境を越えて人々の役に立つ仕事
外交官は世界各地にある在外公館や大使館などに配属され、その都度配属先の社会や文化、経済状況や言語を、迅速かつ正確に理解することを要求される大変な職業です。
外交政策の提案や国際協力事業の管理、在外公館での領事業務など、外交官としての就職先次第で携わる業務は異なってきますが、いずれにせよ海外の国との良い関係を目指す外交官の仕事は責任重大です。国内外の人々の安全で幸せな生活のためには、なくてはならない重要な職業といえるでしょう。
外交官の参考情報
平均年収 | 300万円~1200万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 試験合格 |
職業職種 | 国際 |
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