通関士の資格・試験とは?通関士 資格試験の概要と合格の秘訣
貿易をするうえで必要な書類を作成する通関士になるためには、どのような資格を取得すれば良いのでしょうか。通関士として仕事をするためには、通関士の資格が必要です。通関士の試験難易度やどのような学習が必要になるのか、このページで詳しくご紹介します。
通関士の資格とは?
通関士の仕事をするためには、通関士の国家資格を取得することが必須条件になります。それでは、通関士の資格とはどのようなものか、通関士の資格について詳しく解説していきましょう。
貿易を支えるうえで欠かすことができない資格
通関士の資格を取得していると、貿易の仕事をするうえで重要な役割を担うことができます。商品を海外に輸入・輸出する際に関税を通さなくてはなりません。関税を通すうえで、専門的な知識がなければ日本国内に輸入することができないケースもあります。
また、輸入、輸出する際には関税が発生します。特に、輸入する商品には関税が大きく影響するため、商品によっても申請する項目を変えることで低い税率で輸入させることも可能です。
通関士の資格がなければ、このような貿易の取引を行うことができず、商品を輸入・輸出することができなくなってしまうため、海外ビジネスを展開している企業にとっては、通関士の資格を所有している人は貴重な存在であるということがわかります。
通関士の試験はどのような人が受けるのか
通関士の資格を受ける人は、年間8000~9000人いるといわれています。資格を取得する人は年々増加し、主に学生、専門学生が通関士の試験に挑戦している傾向にあります。
これは、就職をするうえで通関士の資格が必須になっていることもあり、通関士の資格を就職した後で取得するよりも、汎用性のきく資格を学生時代に取得しようという流れがあるためです。
昔に比べ、海外ビジネスを展開する企業が年々増えているため、通関士の需要も年々高まってきています。また、資格を取得することで、海外ビジネスを視野に入れている企業に就職することができる可能性も高いので、資格を取得しておいて損にはなりません。
試験内容について
通関士の試験内容は、どのようなものなのでしょうか。通関士の資格内容について紹介していきます。試験で問われるものは大きく分けて次の3つです。
- 通関業法に関する問題
- 関税に関する法律、外国貿易に関する法律の問題
- 通関書類の作成要領
主に、貿易に関する法律の問題が出題されるため、問題を挑む際は貿易に関係する範囲の知識を蓄えておくようにしましょう。さらに、通関士になると書類作成業務が必要不可欠になります。そのうえで必要な通関書類作成の試験も問われるので覚えておきましょう。
最近では、法律の問題よりも、書類作成をするうえで求められる知識を問われる傾向にあるので、対策をする際は実践的な学習をすることをおすすめします。
通関士の資格の難易度・合格率
通関士の資格難易度は、どの程度なのでしょうか。資格の取得難易度について紹介していきます。
難易度はやや高めの資格
通関士の資格は、合格率が平均して10~20%と、難易度がやや高めの資格となっています。この数値だけを見ると、資格を取得することはとてもハードルが高いと思いがちですが、実際のところどうなのでしょうか。
合格者数は、特に定員はないので、定められた条件をクリアしていれば誰でも取得することが可能です。通関士の資格では、出題された問題のうち60%以上正解すれば通関士の資格を取得することができます。そのため、しっかり試験対策を行えば誰にでも資格取得のチャンスがある資格であることを覚えておきましょう。
合格率を上げるために、どのようなことをすべきか
それでは、合格率を上げるためにはどのようなことをすれば合格につなげることができるのでしょうか。最も良い方法は、とにかく勉強をすることです。とても単純なことではありますが、貿易に関係する法律に的を絞った勉強になるため、他の士業に比べれば比較的取得しやすい資格であるといえます。
勉強時間に必要な時間はおよそ350時間です。200時間程度で貿易に関する知識を覚え、残りの時間で試験問題を解いていくことをおすすめします。しかし、ここで気をつけなければならないことがあります。詰め込みで学習をしないことです。
通関士の資格は、資格取得後も実践的に常に利用する資格です。そのため、詰め込み学習で乗り切ったとしても、通関士になってから改めて学習をしなければいけない可能性があります。そのため、学習をするのであれば、貿易に関して本当に理解しているかを確認しながら学習を進めていくと良いでしょう。
その他の通関士に関連する資格
通関士が持っているとよい、その他の資格はあるのでしょうか。通関士以外の資格を無理に取得する必要はありませんが、それ以外で取得していると仕事を有利に展開することができるものも多くあります。
英語に関する資格
通関士の仕事では、英語に関係する資格は高校生までに学習したレベルで十分であるといわれています。しかし、英語力があれば海外のクライアントとも直接交渉をすることができ、万が一のトラブルでも迅速に対応することが可能です。そのため、英語力を高めるためにもTOEICで高得点を取り、英語力を鍛えても良いといえます。
扱う商品に関する専門知識
一言で通関士といっても、扱う商品はさまざまです。扱う商品に関する豊富な知識を持っていれば、取引をするうえでのトラブルを迅速に解決していくことができます。特に、食に関する知識は通関士には求められるため、食に関する知識を学習しておくこともおすすめです。転職、就職を希望する企業を見越してどのような学習をすれば良いか検討しても良いでしょう。
通関士の資格以外でプラスαの資格があれば、就職・転職活動を有利にするだけでなく、社内でも待遇も良いものへと変化するので、ぜひ通関士の資格を取得した後は興味のある分野の資格取得に挑戦してみましょう。
通関士の資格が取れる学校
通関士の資格は、難易度が高いので確実に合格を目指したいのであれば独自で学習するのではなく、資格が取れる専門学校に通い、資格を取得することをおすすめします。資格を取得するためのおすすめの方法として、専門学校に通う方法と、通信講座で学ぶ方法があります。双方のメリットを紹介していきます。
専門学校
通関士の試験対策を中心に行う専門学校も多く存在します。通関士は士業にあたるので、さまざまな士業の資格講座を開講している学校を選ぶようにしましょう。
この時に気をつけるポイントが、合格率です。合格率が高い専門学校に通えば、試験にどのような問題が出題されやすいか傾向を知るだけでなく、実践的な試験対策もばっちり行うことができます。
また、専門学校のスケジュールに沿って学習をすれば効率的な試験対策ができるため、長期間で通関士の資格を取りたいのであれば、専門学校に通うようにしましょう。夜間に開講している専門学校もあるので、学生だけでなく、社会人にもおすすめです。
通信講座
専門学校は学校に必ず通わなくてはいけないというデメリットがありますが、通信講座は自分のペースで学習をすることができるので、時間がない方にはおすすめです。通信講座のスケジュールに合わせて勉強をすれば資格取得が可能ですが、通信講座のデメリットは先生に直接アドバイスをもらうことができない点です。
通信講座は、自力で学習することが得意、自分のペースでしっかり学習することができる方におすすめの方法であるといえます。
通関士の資格・試験まとめ
専門的な知識が必要な資格
通関士として働くうえでは、専門的な知識が求められます。通関士の資格がなければ海外の商品の取引をすることができないため、今後も必要不可欠な仕事になります。
また、豊富な知識があれば、待遇があまり良くないと言われている通関士でも良い待遇で仕事を行うことができるので、ぜひ通関士の資格だけでなく、幅広い可能性を視野に入れて貿易に関する分野の学習をしてください。
通関士の参考情報
平均年収 | 400万円~650万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 国際 |
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