AIエンジニアの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

AIエンジニアの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

AIエンジニアを目指す上で絶対に必要は資格はありませんが、資格を取ることは機械学習やディープラーニングに関する知識のアピールにつながります。G検定やE資格はAI開発の分野では注目度の高い資格なので、AIエンジニアを目指すのであれば是非挑戦したい資格試験です。本記事では、AIエンジニアに役立つ試験の内容や難易度、合格率などについてご紹介します。

AIエンジニアに関係する資格・試験とは?

AIエンジニアを目指す上で必須となる資格は特にありません。無資格でも経験と知識があればAIエンジニアとして活躍することは可能です。

しかし、現実問題として全くの未経験者が採用される可能性は低い職種です。AIエンジニアに関する資格は、自分のスキルや知識をアピールする材料のひとつとなるでしょう。

AIエンジニアが取得しておきたい資格試験

AIエンジニアに必要な資格には、機械学習やディープラーニングに関係するものがあります。代表的な資格は以下の通りです。

  • G検定(ジェネラリスト検定)
  • E資格(エンジニア資格)
  • Pythonエンジニア認定試験

特に、日本ディープラーニング協会が主催するG検定とE検定の注目度は高く、これからAIエンジニアになりたいと思っているのであれば、是非挑戦したい資格です。

次章からは、それぞれの資格について詳しく解説します。

AIエンジニアに役立つ資格「G検定(ジェネラリスト検定)」

G検定(ジェネラリスト検定)は日本ディープラーニング協会が主催する検定試験

G検定(ジェネラリスト検定)とは、ディープラーニングに関する知識と応用力が問われる資格です。日本ディープラーニング協会が主催している資格でもあり、AIエンジニアの中でも注目されています。

G検定に合格すると日本ディープラーニング協会(JDLA)のロゴマークが付与され、名刺などに記載できるので就職の時に有利になります。

ディープラーニングの事業応用力が問われる

G検定は2017年12月に一回目の試験が実施され、ディープラーニングの事業活用能力が問われる内容となっています。実際、Gneralist(ジェネラリスト)とは、特定の分野において広範囲の技術や知識、経験を持っている人のことを指します。

G検定はAI領域のジェネラリストとして、ディープラーニングの基礎的な知識を持っており、適切な活用方針を決定して、事業応用できる人材を育成する狙いがあります。

深層学習とも呼ばれるディープラーニングは、機械に人間と同じような行動をとらせるための学習方法の一つでAI開発には欠かせない知識です。

G検定の場合、複雑な数式などは数多く出題されず、E検定よりも難解ではありませんが、ディープラーニングに関する問題が幅広く出題されるため、十分な対策と準備が必要です。

G検定(ジェネラリスト検定)の試験概要

受検資格 制限なし
試験の制限時間 120分
試験会場 自宅受験(オンライン受験)
試験日 年に2~3回程度
受検料
  • 一般 12,960円
  • 学生 5,400円
合格ライン 非公開

試験の出題傾向

G検定では主に3つの分野の問題が出題されます。

  1. AI(人工知能)にかかわる分野
  2. 機械学習に関わる分野
  3. ディープラーニングに関わる分野

AI、機械学習、ディープラーニング、これら3つの情報は日々新しくなっており、試験に合格するためには最新の情報に精通しておく必要があります。そのため、毎回の試験内容は異なっており、過去の問題を丸暗記するというよりは最新の情報に合わせて学習することが重要です。

日本ディープラーニング協会のサイトには例題や学習のシラバスが掲載されているので、AI開発の動向を把握するためにもしっかりとチェックしておきましょう。

学習方法

G検定の学習方法としては、公式のテキストを使用しつつ、問題集を解くことが必要になります。

また、付随した知識を取り入れるために一般書を活用することもできます。推薦図書や問題集の一例を紹介します。

■公式テキスト
  • 深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト
■問題集
  • 徹底攻略 ディープラーニングG検定 ジェネラリスト問題集
■推薦図書
  • AI白書2019
  • 深層学習 機械学習プロフェッショナルシリーズ
  • ビジネスパーソンのための人工知能入門
  • ロボット・AIと法
  • ディープラーニング活用の教科書 (監修)JDLA

G検定(ジェネラリスト検定)の難易度と合格率

日本ディープラーニング協会の発表によるとG検定の合格率は55~72%程度になっています。2017年12月に一回目の試験が開催されましたが、その時の合格率は56.8%。その後、合格率は年々増加しているようです。

開催回 申込者数 受験者数 合格者数 合格率
2017 1,500人 1,448人 823人 56.80%
2018#1 2,047人 1,988人 1,136人 57.10%
2018#2 2,745人 2,680人 1,740人 64.90%
2019#1 3,541人 3,436人 2,500人 72.70%
2019#2 5,387人 5,143人 3,672人 71.40%

G検定を受ける人は、AIエンジニアとして活躍している人や将来AIエンジニアになりたい人、自分の知識力を試すために受験する人が多いようです。

合格率は50%以上ですから、しっかりとした対策を講じれば十分に合格できる可能性があります。

年齢別にみる合格者数

開催回 10代 20代 30代 40代 50代 60代
2017 合格者 1人 219人 314人 202人 76人 10人
2018#1 合格者 5人 319人 447人 249人 100人 15人
2018#2 合格者 5人 463人 623人 453人 174人 22人
2019#1 合格者 13人 736人 859人 618人 250人 22人

20代~40代の受験者数が多く、エンジニアとして活躍している人が多数受験していることが伺えます。

G検定合格者の職種

G検定を受けている人の職種を調べると、情報システムや研究・開発に取り組んでいる人が大半です。AIエンジニアだけでなく、幅広いエンジニアがこの資格に挑戦していることが分かります。

開催回 情報システム・システム企画 研究・開発 企画・調査・マーケティング 営業・販売
2017 合格者 102人 223人 37人 17人
2018#1 合格者 282人 391人 91人 57人
2018#2 合格者 453人 515人 153人 134人
2019#1 合格者 600人 644人 227人 257人
2019#2 合格者 880人 1082人 270人 375人

AIエンジニアに役立つ資格「E資格(エンジニア資格)」

E資格(エンジニア資格)は日本ディープラーニング協会が主催する資格試験

E資格(エンジニア資格)とは、日本ディープラーニング協会が主催するもう一つの試験で、ディープラーニングの理論を理解し、適切な適切な手法を選択して実装する能力を持つ人材を育成することを目指しています。

G検定と比較して、主に実装力を問われる点が大きな違いと言えます。E資格に合格するためには以下に関する知識が必要になります。

  • 応用数学
  • 機械学習
  • 深層学習

上記に加えて、高度な実装能力が必要になり、すでにAIエンジニアとして活躍している人でも十分な対策が必要です。

E資格の試験を受けるには認定プログラムの受講が必須

E資格には受験資格があり、日本ディープラーニング協会が定める認定プログラムを受けることが必須です。

受講内容や料金はプログラムによって異なるため、事前に確認が必要です。E資格を受けるための認定プログラムを以下に挙げます。

  • 現場で使えるディープラーニング基礎講座
  • 機械学習オンライン/ディープラーニングオンライン
  • 現場で潰しが効くディープラーニング講座
  • AI_STANDARD AIエンジニア育成講座/AI_STANDARD E資格試験対策講座
  • AIジョブカレ ディープラーニング講座
  • ディープラーニングハンズオンセミナー
  • 業界初合格保証付 Premium Plan E資格対策コース
  • 全人類がわかるディープラーニング体系講座
  • 基礎から学ぶディープラーニング

上記の中から数点、詳しい内容を紹介します。

現場で使えるディープラーニング基礎講座

AI開発に関する幅広い内容を網羅しているのが、現場で使えるディープラーニング基礎講座です。このプログラムを受講することで機械学習やディープラーニングの数学、AIの実装までのスキルをアップさせることが可能です。

この講座にしっかりとついていくためには、以下の知識を事前に習得しておく必要があります。

  • PandasやNumPy、scikit-learn、Matplotlibの習得
  • 微分、線形代数、確率・統計の理解
  • 機械学習の基礎知識

上記に関する事前知識が必要になり、受講料金は298,000円~となっています。

ディープラーニングハンズオンセミナー

ディープラーニングハンズオンセミナーは株式会社キカガクが主催するセミナーで、AIプログラミングからディープラーニングに関する数学、GPU搭載マシンの学習計算までの知識を習得できます。具体的な講座内容は以下の通りです。

  • Microsoft Azureを使ったGPUマシンの計算
  • 問題設定を前提にした実践的な実習
  • 時系列、画像、資源言語のデータの入力と特徴量の選定

他にもPythonやMicrosoft Azure、Chainerなどのライブラリや言語を習得することも可能です。受講料金は300,000円~となっています。

現場で潰しが効くディープラーニング講座

現場で潰しが効くディープラーニング講座は株式会社ナトフ主催するプログラムで、実務に必要な実践手法や周辺処理をメインに学習することができ、AIの実装に必要にスキルと知識を習得できます。

ベーシックタームが4講義、デベロップタームが8講義用意されており、機械学習や応用数学、ディープラーニングに関する知見を深めることができます。

AIエンジニアだけでなくデータサイエンティストになるために必要な知識を得ることも可能です。受講料金は350,000円~となっています。

E資格(エンジニア資格)の試験概要

E資格試験では機械学習の設問が多いとされており、深層学習以外の領域の問題も多く出題されるようです。また、最新の機械学習の論文を把握していないと回答できない問題もあり、テキストのみならず、最新の情報に通じておく必要があります。

試験では計算用紙が与えられ、パソコンを使って問題を解きます。時間との戦いになるので数学の計算問題などをどの段階で取り組むかも重要なポイントになります。

受験資格 JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していること
試験概要 120分の会場試験にて、108問(前回実績)を出題
試験会場 全国の指定試験会場から、お申し込み時に選択
受験料
  • 一般 30,000円+税
  • 学生 20,000円+税

E資格(エンジニア資格)の難易度と合格率

E資格は2018年9月に一回目が開催されましたが、その時の合格率は69.43%。その後の試験結果を見ても63~67%程度の合格率になっています。

開催回 申込者数 受験者数 合格者数 合格率
2018 342人 337人 234人 69.43%
2019#1 396人 387人 245人 63.31%
2019#2 692人 670人 453人 67.61%

年齢別に見る合格者数

E資格に合格している人の年齢をチェックすると一番多いのが20~30代となっています。一般的には、G検定に合格した後にE資格に挑戦する人が多いようで、すでにエンジニアとして活躍している人が多いようです。

開催回 10代 20代 30代 40代 50代 60代
2019#1 合格者 2人 85人 81人 51人 21人 5人
2019#2 合格者 0人 155人 170人 97人 27人 3人

E資格合格者の職種

E資格の場合もG検定と同じく、情報システム・システム開発や研究・開発の職についている人が多く合格しています。年々、受験者の数も増加しているので、今後AIエンジニアの業界でもE資格の効果性が高まることが期待できます。

開催回 情報システム・システム企画 研究・開発 企画・調査・マーケティング 営業・販売
2019#1合格者 84人 85人 12人 6人
2019#2合格者 135人 186人 24人 4人

AIエンジニアに役立つ資格「Python3エンジニア認定基礎試験」

Python3エンジニア認定基礎試験は一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が主催する資格試験

Python(パイソン)はAIや機械学習の分野で注目されているプログラミング言語であり、Python3エンジニア認定基礎試験は、Pythonに関する基礎的な知識を有しているかが問われます。

AIエンジニアとして活躍したいと思っているのであればPythonに関する知識は必須となりますから、この資格試験に挑戦することには大きな意味があります。

Python3エンジニア認定試験の概要

Pythonエンジニア認定試験には2つのバージョンがありますが、現在はバージョン3が一般的となっています。Python3エンジニア認定試験では、4択の選択問題が40問出題されます。70%以上の正解率で合格となります。

具体的には、Pythonの基礎知識やPythonのコード表示に関して、データの出力を選択する問題などがあります。制限時間は60分なので、上手な時間配分も合格するためのカギになります。

問題数 40問
出題形式 選択式
試験方式 コンピューター上で回答(Computer Based Testing)
試験時間 60分
合格基準 7割正解
受験料
  • 一般価格 11,000円+税
  • 学割価格 5,400円+税

Python3エンジニア認定試験の難易度と合格率

公式ページをチェックすると2017年の時点で約1,200名ほどが受験し約1,000人が合格しているようです。この数値を計算すると合格率は75~78%程度となります。

決して簡単な試験ではありませんが、しっかりとした対策を講じれば不可能な試験ではありません。合格するためには効率よく、的を得た学習プランが必要です。

合格するための勉強法

Python3エンジニア認定試験に合格するためには、参考書を購入するかネット上の学習サイトを活用することになるでしょう。

プログラミング言語が初心者の場合、指定教材から学習を始めると難しく感じてしまうかもしれません。その場合はプログラミング言語に関する入門書を数冊勉強してから指定教材に入ることをお勧めします。

また、プログラミングの学習サイトとして認知度の高いProgateなどを活用すれば、スライドとイラスト形式でプログラミング学習を進めることもできます。

さらに別のサイトでは、Pythonエンジニア認定基礎試験の模擬問題β版が無料で閲覧でき、模試試験にトライできます。80問が用意されているのでどの程度の問題が出題されるのかを把握できます。これらをしっかりとこなすことで合格できる可能性が高くなります。

合格までに必要な学習時間

個人差があるため、一概には言えませんが、プログラミング学習の経験者であれば10~25時間程度、未経験者であれば40時間程度の学習時間で合格できる可能性があると言われています。

AIエンジニアに役立つ資格が取れる学校

OCA大阪デザイン&IT専門学校

OCA大阪デザイン&IT専門学校には、AIクリエーター専攻学科が用意されており、将来AIエンジニアになりたい人を後押ししてくれます。

この学校では演習を中心としたカリキュラムを用意しており、実践的なスキルを磨くことに焦点を当てています。また、演習などに使用する機材やカリキュラムはAI業界の有名企業からのサポートを受けており、最先端の授業を受けることができるようになっています。

他にも、この学校ではシステムエンジニアやプログラマーを目指す人が在籍しており、お互いに鼓舞し合いながら学習することができます。

日本工学院専門学校

日本工学専門学校のAIシステム科では、AIの実装技術と共にITに関する幅広い知識を習得することが可能です。特に、AIエンジニアとして活躍するために必要なテクノロジー技術やクリエイティブ性、さらに問題を解決するためのスキルと能力を磨くことが可能です。

日本工学院専門学校には、7カレッジ39学科120の専門分野が設置されており、高い知識を習得したいと願う生徒が集まっています。ちなみに、AI学科システム科は2020年4月から始まる予定です。

日本電子専門学校

日本電子専門学校は情報処理系の専門学校として長い歴史を持っており、人工知能に関する技術教育に関しては32年の実績があります。

この学校のAIシステム科では、PythonやJavaを使用したAIプログラミングに特化しており、就職してからも即戦力として活躍できる知識とスキルを身に着けることができます。

また、独自の教材を使用することでプログラミング未経験者やAIに関する知見がない人でも学習しやすい環境を整えています。

AIエンジニアの資格・試験まとめ

AIエンジニアに役立つ資格を取得して機械学習やディープラーニングの知識をアピール

日本の将来を大きく変える可能性があると期待されているAI開発。しかし、まだまだ過渡期であり、AIエンジニアに直結するような資格は少数です。

そのため、この資格を持っていれば絶対にAIエンジニアになれるというものはなく、実際、資格がなくてもAIエンジニアになることができます。しかし、就職や転職の際には、機械学習やディープラーニングに関するスキルを持ってる方が優遇されます。

今回紹介した、G検定やE資格はAI開発の分野では認知度の高い資格ですし、今後も注目度が高まると予想されます。

将来、AIエンジニアの道を歩みたいと思っている人はこれらの資格取得に挑戦することをおすすめします。

AIエンジニアの参考情報

平均年収600万円~800万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種コンピューター

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